聖女の妹のせいで婚約者に婚約破棄されました。え?妹が聖女じゃなかった?もう一度やり直したい?知りませんよ、私はもう愛しの旦那様が居るのでw

チレム

文字の大きさ
上 下
22 / 29

大司教……そして王太子……

しおりを挟む
大司教視点

「詳しく先程の事を教えなさい。」

「はい。実は……」

 私は女神様を信仰している宗教で大司教の地位についている。

 そのおかげで、教会は国に属さない為王族にも対等に話すことが出来るぐらいの地位だった。

「実は、私が神父として管理している教会にある2人の夫婦が結婚の誓いをしに訪れたのです。」

「ほぅ。まぁ、そこら辺はよくある話ではないか。」

「はい。私もシスターから聞いて微笑ましく思いながらも急いで準備をし、会いました。2人は男の方は黒髪に黄金の瞳をし、女の方を心底溺愛しているのが分かるほど、愛していました。」

「若いの……」 

「えぇ。女の方も、元気で男の方を溺愛しており、初々しい方でした……」

「そこ迄はわかった。さっき話してくれた事に関してはどういう事なんだ?」

「はい……その夫婦の女の方は海のように深く濃い紺色の髪に、愛らしいピンクの瞳をしていました。……ミラと名乗っていましたが、声も同じでした。ただ、性格や、見た目が別人のようでしたね……変装をしているつもりなのか、猫耳をつけていました。」

「……その方が追放されたルーナリア嬢かもしれないと……」

「えぇ。2人が愛し合っているのは一目瞭然で、女神からの祝福もされました。」

「……それではルーナリア嬢が聖女の確率が高い……どうにか会えないものか……」

 もし、ルーナリア嬢が聖女ならこの国の王族は終わりだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
王太子視点

影にある夫婦の調査を命じてから数日経った。

「えぇぇい!影は何しているのだ?!まとまった報告が来ないのはどうしてだ!?」

俺が天井に向かって怒鳴ると、残った影が答えた。

「報告に寄りますと、その夫婦の妻の方が魔法を使い、住居としている場所、仕事等が分からないそうです。」

「という事は、女の方は貴族か元貴族ということか……今分かっている事で良い。話せ。」

「はっ。夫婦は偶に王都の城下街にデートをして居るのを発見しています。女の方は獣人なのか猫獣人の特有の耳を生やしているそうです。ですが、人の耳も確認されており、種族は分かりません。紺色のストレートヘアの髪を見る度に違う髪型をしており、瞳はピンク色です。ルーナリア嬢かと思えば、性格や、顔が違く雰囲気も悪女のようなものでは無いのです。男の方は黒髪黄金の瞳で黒花族の末裔ですね。女の方は番と思われ、夫婦はお互いを溺愛仕切っております。調査している独身の者が泣きそうになっておりました。」

「……どういう事なんだ……?」

「ルーナリア嬢なのかよく分からないという状況ですね。もしかしたら大司教はその事で調べなければと言っていらっしゃったのかと。」

「……ほぉ……ならばその夫婦を呼び出せ。これは王族の命令だと伝えろ。伝えたその場で連行していい。俺の所へ連れてこい。」

「はっ。」

 もし、ルーナリアだった場合、どういう事なのか聞かねばならない。

もし、リリアが聖女では無いなら……

 良いや、ルーナリアだと決まったわけじゃないんだ。

ルーナリアとは別人という事を願うしかない……


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました

toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。 残酷シーンが多く含まれます。 誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。 両親に 「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」 と宣言した彼女は有言実行をするのだった。 一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。 4/5 21時完結予定。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

【完結】「私は善意に殺された」

まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。 誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。 私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。 だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。 どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します。 ※他サイトにも投稿中。 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!

処理中です...