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大司教……そして王太子……
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大司教視点
「詳しく先程の事を教えなさい。」
「はい。実は……」
私は女神様を信仰している宗教で大司教の地位についている。
そのおかげで、教会は国に属さない為王族にも対等に話すことが出来るぐらいの地位だった。
「実は、私が神父として管理している教会にある2人の夫婦が結婚の誓いをしに訪れたのです。」
「ほぅ。まぁ、そこら辺はよくある話ではないか。」
「はい。私もシスターから聞いて微笑ましく思いながらも急いで準備をし、会いました。2人は男の方は黒髪に黄金の瞳をし、女の方を心底溺愛しているのが分かるほど、愛していました。」
「若いの……」
「えぇ。女の方も、元気で男の方を溺愛しており、初々しい方でした……」
「そこ迄はわかった。さっき話してくれた事に関してはどういう事なんだ?」
「はい……その夫婦の女の方は海のように深く濃い紺色の髪に、愛らしいピンクの瞳をしていました。……ミラと名乗っていましたが、声も同じでした。ただ、性格や、見た目が別人のようでしたね……変装をしているつもりなのか、猫耳をつけていました。」
「……その方が追放されたルーナリア嬢かもしれないと……」
「えぇ。2人が愛し合っているのは一目瞭然で、女神からの祝福もされました。」
「……それではルーナリア嬢が聖女の確率が高い……どうにか会えないものか……」
もし、ルーナリア嬢が聖女ならこの国の王族は終わりだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
王太子視点
影にある夫婦の調査を命じてから数日経った。
「えぇぇい!影は何しているのだ?!まとまった報告が来ないのはどうしてだ!?」
俺が天井に向かって怒鳴ると、残った影が答えた。
「報告に寄りますと、その夫婦の妻の方が魔法を使い、住居としている場所、仕事等が分からないそうです。」
「という事は、女の方は貴族か元貴族ということか……今分かっている事で良い。話せ。」
「はっ。夫婦は偶に王都の城下街にデートをして居るのを発見しています。女の方は獣人なのか猫獣人の特有の耳を生やしているそうです。ですが、人の耳も確認されており、種族は分かりません。紺色のストレートヘアの髪を見る度に違う髪型をしており、瞳はピンク色です。ルーナリア嬢かと思えば、性格や、顔が違く雰囲気も悪女のようなものでは無いのです。男の方は黒髪黄金の瞳で黒花族の末裔ですね。女の方は番と思われ、夫婦はお互いを溺愛仕切っております。調査している独身の者が泣きそうになっておりました。」
「……どういう事なんだ……?」
「ルーナリア嬢なのかよく分からないという状況ですね。もしかしたら大司教はその事で調べなければと言っていらっしゃったのかと。」
「……ほぉ……ならばその夫婦を呼び出せ。これは王族の命令だと伝えろ。伝えたその場で連行していい。俺の所へ連れてこい。」
「はっ。」
もし、ルーナリアだった場合、どういう事なのか聞かねばならない。
もし、リリアが聖女では無いなら……
良いや、ルーナリアだと決まったわけじゃないんだ。
ルーナリアとは別人という事を願うしかない……
「詳しく先程の事を教えなさい。」
「はい。実は……」
私は女神様を信仰している宗教で大司教の地位についている。
そのおかげで、教会は国に属さない為王族にも対等に話すことが出来るぐらいの地位だった。
「実は、私が神父として管理している教会にある2人の夫婦が結婚の誓いをしに訪れたのです。」
「ほぅ。まぁ、そこら辺はよくある話ではないか。」
「はい。私もシスターから聞いて微笑ましく思いながらも急いで準備をし、会いました。2人は男の方は黒髪に黄金の瞳をし、女の方を心底溺愛しているのが分かるほど、愛していました。」
「若いの……」
「えぇ。女の方も、元気で男の方を溺愛しており、初々しい方でした……」
「そこ迄はわかった。さっき話してくれた事に関してはどういう事なんだ?」
「はい……その夫婦の女の方は海のように深く濃い紺色の髪に、愛らしいピンクの瞳をしていました。……ミラと名乗っていましたが、声も同じでした。ただ、性格や、見た目が別人のようでしたね……変装をしているつもりなのか、猫耳をつけていました。」
「……その方が追放されたルーナリア嬢かもしれないと……」
「えぇ。2人が愛し合っているのは一目瞭然で、女神からの祝福もされました。」
「……それではルーナリア嬢が聖女の確率が高い……どうにか会えないものか……」
もし、ルーナリア嬢が聖女ならこの国の王族は終わりだ。
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王太子視点
影にある夫婦の調査を命じてから数日経った。
「えぇぇい!影は何しているのだ?!まとまった報告が来ないのはどうしてだ!?」
俺が天井に向かって怒鳴ると、残った影が答えた。
「報告に寄りますと、その夫婦の妻の方が魔法を使い、住居としている場所、仕事等が分からないそうです。」
「という事は、女の方は貴族か元貴族ということか……今分かっている事で良い。話せ。」
「はっ。夫婦は偶に王都の城下街にデートをして居るのを発見しています。女の方は獣人なのか猫獣人の特有の耳を生やしているそうです。ですが、人の耳も確認されており、種族は分かりません。紺色のストレートヘアの髪を見る度に違う髪型をしており、瞳はピンク色です。ルーナリア嬢かと思えば、性格や、顔が違く雰囲気も悪女のようなものでは無いのです。男の方は黒髪黄金の瞳で黒花族の末裔ですね。女の方は番と思われ、夫婦はお互いを溺愛仕切っております。調査している独身の者が泣きそうになっておりました。」
「……どういう事なんだ……?」
「ルーナリア嬢なのかよく分からないという状況ですね。もしかしたら大司教はその事で調べなければと言っていらっしゃったのかと。」
「……ほぉ……ならばその夫婦を呼び出せ。これは王族の命令だと伝えろ。伝えたその場で連行していい。俺の所へ連れてこい。」
「はっ。」
もし、ルーナリアだった場合、どういう事なのか聞かねばならない。
もし、リリアが聖女では無いなら……
良いや、ルーナリアだと決まったわけじゃないんだ。
ルーナリアとは別人という事を願うしかない……
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