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ルイアン視点

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 気絶してしまったミラを抱いて、さて、どうやって出ようものかと考える。

 この空間は、上以外は全部真っ暗で出れないとなれば絶望ものだろう……

 寒くもなく、暑くもないこの空間はミラが居る限り、都合のいい空間になる。


「うむぅ……」

 気絶しているミラが何か言っているが、可愛いしか頭にない。

ミラ……

最初は、番というただの興味本意で助けただけだった。

 だが、話してる……存在してる……それだけで愛おしてくて仕方がない。

 出来ることなら、人の目につかない所でいて欲しいが、それはしないでのびのびとした笑顔も見てみたいと思う感情もある。

 話していると、こんな都合のいい便利な魔法があるなんて知らなかった。

 悪役の演技としてやっていた姿も、俺を第一に思っていて、引いたりイラついたりするよりムクムクとこの感情が育って言っている気しかしない。

「番がミラで良かった……」

 そして……ミラの……いや、ルーナリア・フォルテーナの妹と元婚約者の皇太子にちょっとした仕返しぐらい

「いいよな?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「んむぅ…………?……………………?!」

 すやすやと寝ていたミラの寝顔を楽しんでいると、起きたみたいだ。

「おはよう。」

「?お、おはようございます……」

何が何だかわかっていないようだ。

 キョロキョロと辺りを見渡して、思い出したのか顔を赤くしたり青くしたりと忙しそうだ。

 チラッと恐る恐る見てくる顔がまた面白くて笑ってしまう。

「クックッ……思い出したか?」

「は、はぃぃ!い、今すぐ出ますか?!帰りますか?い、いや、まずどれぐらい眠ってました?!」

「落ち着け。まず、30分も寝ていないからそう焦んなくていい。あと、俺だけ出してくれるか?このまま出て買い物行くぞ。」

仕事だけしていたから、お金は有り余っている。

 さて……どんな物を着せようか……今から考えただけで幸せな気持ちになる。

「わ、わかりましたっ!」

 そう言って、ミラは俺の足に何かを絡め上に押し上げられた。

こうやって出るのか……

 俺が上に上がると、忘れていたギルマスが書類を整理していた。

「おわっ!?お前、まだそこにいたのかよ?!」

「あぁ。じゃあ、もう行く。情報はまた後日聞かせてやるから情報量用意しておけ。」

「…………仕事を他のにしておけばよかったな。」

俺はギルマスの事を無視してギルドを出ていく。

 周りがコソコソうるさいが、そこまできにする必要は無い。

 いつも通り、普通は入口である井戸を逆に登っていく。

 外行きの格好をしなきゃな……いや、ミラをまず変装させなきゃな…………取り敢えずやはり家に帰るか。
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