7 / 29
ルイアン視点
しおりを挟む
「名前は?」
番の名前……一体どんな名前なんだ?
聞くと、番は悩みに悩んで一言。
「……私に名前をつけて下さいませんか?」
は?
どういう事だ?
でも番は真面目に俺の目を見てくる。
「名前か……」
俺は逆に番を見返す。
…………
何かないのか?
……
あぁ……丁度いい名前があるじゃないか。
「ミラ……」
「ミラ……ですか?」
「昔の神話で不思議なるものと言うらしい。お前は攫われてきた貴族の娘なのに目の前で人を殺したのを感じているはずなのにそんな事を言う奴にピッタリだなって。」
「あ。」
番は今更そのへんに転がっている死体に気が付いたようだ。
「あんな人達を殺せるなんて強いんですね~」
「は?」
「え?」
「他になにか思うことないのか?」
「えぇ?!何故分かったんです?!確かにそう言う見かけによらずとても強いんだな~素敵だな~って思いましたけども?!」
は?
…………
は?
やばい……頭がついていかない…………まぁ、何故か愛されている事は分かった…………
と言うか、何故こんなにも好いてくれてるんだ?
相手にも番相手と言う気持ちが分かるのか?
「素敵……か。いや、普通なら死体を見てビビるもんだろ。」
もう、取り繕うのめんどくせぇ。
どうせ後からバレる事になるしいいよな。
ちなみに逃がす気は無い。
「惚れた者の弱みって奴です。」
そう言って番は俺の瞳を見る。
ズクン
あぁ……ダメだ……またこの感覚……
番であるミラの瞳が本気で居ることを語っている。
あぁ……本当に逃がしてやれねぇな。
「ふっ…………まじで惚れてるのか?」
「はい!」
「良いな……ミラ、この後はどうするつもりなんだ?」
家に帰るって言うなら、俺も一緒にいる為に策をねらねば。
「はい!この後は、質屋に行ってこの趣味の悪いゴテゴテ達を売ってそのお金でしばらくは生活しようと企んでいたんですが、攫われてしまったのでどうしようか悩んでいた所です!」
「は?!ミラ、お前……貴族の令嬢だろ?」
「はい!今日やっとめでたく追放されました!」
「何やったんだ……」
めでたくってどういう事だ?
「妹が居たんですけど、嵌められそうだったので、それを利用して自由になろうかと逆に利用してきました!」
「はぁ?」
「妹はまんまと嵌ってくれたと思っているようでお互いウィン・ウィンの関係ってやつですね!」
妹……ミラに妹がいたのか……しかも嵌めようとした?
……殺るか?
いや、だがミラは嬉しそうにしてるんだよなぁ……わかんねぇ……
「………………うん。まぁ、良かったな。」
「はい!」
いや、逆に感謝してもいいかもしれねぇな。
追放されたと言うことは行く宛てが無いみたいだしな。
「もし、良かったらだが……俺に着いてこねぇ?」
「はい!」
返事が早くねぇか?
「そう言えば、お名前を伺ってもよろしいですか?」
「あ~…………ルイアン……」
言ってなかったか…………偽名を何時も言っていたが、何故かミラからはちゃんと俺の名前を言って欲しい。
「ルイアン様!!どうぞ末永くよろしくお願いしますね!」
「お、おう……話は帰ったらまた話すか……」
黒花族の話をしないとな……
俺はミラを薄汚い袋から出し、抱きかかえる。
「うぇ?!」
「じゃあ行くぞ。」
「へ?」
軽いな……これでドレスやアクセサリーを付けてるんだから元はどれくらいなんだ?
「ほら、首に腕回せ。」
「いや、無理無理無理無理!!私の心臓が持たないぃぃ……」
「? どういう事だ?」
「ドキドキのし過ぎで死んじゃいます!!」
ふっ……
どうやら俺の番はこういう事にも意識してくれるらしい。
俺は外行きの声で話す。
「え~?俺はもうちょっと生きて欲しいんだけどな~?」
「あ、はい。復活致しました。と言うか、無理やりにでも生き返ってみせます!」
「クック……」
面白すぎだろ……w
「と、と言うか、重くないですか?!こんなゴテゴテのドレスやアクセサリーが着いているので……私の体重はもう少し軽いんですから!!そこは理解欲しいです!」
「そうか?これでも軽いと思ったぐらいなんだけどな……」
そう言うと、微妙な顔をして最終的に諦めた顔をしたミラ。
「また変な事考えているのか?」
「いえ、豚になった時の末路を……」
「クッ……何でこの状況でそんな事を今思えるのかが不思議だな。」
貴族の令嬢ってのは、こういう高い所とか無理だと思ったんだけどな。
って、今更気付いたみたいだけどな。
「凄い……ルイアン様はこんなに力持ちで軽やかに走れて……しかもお姫様抱っこされてるなんて……新手の殺し方か何かですか?いいですよ、喜んで死にに行きますよ!」
「落ち着け。」
コツンと俺はミラとの額と額をぶつかる。
手が塞がっているからな……
「あわわわわわわ……」
「やべぇ。逆効果だったか……」
そこからは、ずっとあわあわしてるミラ。
家に着いてもあわあわしてるから少し可愛いと思ったのは、言わなくてもいいだろう。
「へ?」
ベットの上に座らしたらやっと正気に戻ったみたいだ。
「落ち着いたか?」
「ルイアン様!」
「とりあえず、風呂入ってきたらどうだ?そのドレスじゃ動きづらいだろう。」
「は、はひっ!」
クック…………
俺は服の代わりとして着れそうな服を選んでおく。
仕事道具をミラが居ない間に手入れをしておき、服を持っていくとミラがちょうど上がった所だったみたいだ。
綺麗だな……
真っ白の肌に、メイクでキツめの印象だったけど少し朗らかになっていて、縦ロールになっていた髪も濡れているからか真っ直ぐになっていた。
胸も、ドレスを着ていた時より大きく、綺麗なピン色をしていて美味しそうだ。
「…………」
「……別人だな。何もしない方がいいと思うぞ?」
「…………」
「……服ここに置いておくから着てくれ。」
「…………」
そう言って出る俺。
俺よ……何冷静にずっと見てたんだよ……
「でも、綺麗だったんだよな……」
俺はハッとする。
だから何考えてんだよ……俺。
番の名前……一体どんな名前なんだ?
聞くと、番は悩みに悩んで一言。
「……私に名前をつけて下さいませんか?」
は?
どういう事だ?
でも番は真面目に俺の目を見てくる。
「名前か……」
俺は逆に番を見返す。
…………
何かないのか?
……
あぁ……丁度いい名前があるじゃないか。
「ミラ……」
「ミラ……ですか?」
「昔の神話で不思議なるものと言うらしい。お前は攫われてきた貴族の娘なのに目の前で人を殺したのを感じているはずなのにそんな事を言う奴にピッタリだなって。」
「あ。」
番は今更そのへんに転がっている死体に気が付いたようだ。
「あんな人達を殺せるなんて強いんですね~」
「は?」
「え?」
「他になにか思うことないのか?」
「えぇ?!何故分かったんです?!確かにそう言う見かけによらずとても強いんだな~素敵だな~って思いましたけども?!」
は?
…………
は?
やばい……頭がついていかない…………まぁ、何故か愛されている事は分かった…………
と言うか、何故こんなにも好いてくれてるんだ?
相手にも番相手と言う気持ちが分かるのか?
「素敵……か。いや、普通なら死体を見てビビるもんだろ。」
もう、取り繕うのめんどくせぇ。
どうせ後からバレる事になるしいいよな。
ちなみに逃がす気は無い。
「惚れた者の弱みって奴です。」
そう言って番は俺の瞳を見る。
ズクン
あぁ……ダメだ……またこの感覚……
番であるミラの瞳が本気で居ることを語っている。
あぁ……本当に逃がしてやれねぇな。
「ふっ…………まじで惚れてるのか?」
「はい!」
「良いな……ミラ、この後はどうするつもりなんだ?」
家に帰るって言うなら、俺も一緒にいる為に策をねらねば。
「はい!この後は、質屋に行ってこの趣味の悪いゴテゴテ達を売ってそのお金でしばらくは生活しようと企んでいたんですが、攫われてしまったのでどうしようか悩んでいた所です!」
「は?!ミラ、お前……貴族の令嬢だろ?」
「はい!今日やっとめでたく追放されました!」
「何やったんだ……」
めでたくってどういう事だ?
「妹が居たんですけど、嵌められそうだったので、それを利用して自由になろうかと逆に利用してきました!」
「はぁ?」
「妹はまんまと嵌ってくれたと思っているようでお互いウィン・ウィンの関係ってやつですね!」
妹……ミラに妹がいたのか……しかも嵌めようとした?
……殺るか?
いや、だがミラは嬉しそうにしてるんだよなぁ……わかんねぇ……
「………………うん。まぁ、良かったな。」
「はい!」
いや、逆に感謝してもいいかもしれねぇな。
追放されたと言うことは行く宛てが無いみたいだしな。
「もし、良かったらだが……俺に着いてこねぇ?」
「はい!」
返事が早くねぇか?
「そう言えば、お名前を伺ってもよろしいですか?」
「あ~…………ルイアン……」
言ってなかったか…………偽名を何時も言っていたが、何故かミラからはちゃんと俺の名前を言って欲しい。
「ルイアン様!!どうぞ末永くよろしくお願いしますね!」
「お、おう……話は帰ったらまた話すか……」
黒花族の話をしないとな……
俺はミラを薄汚い袋から出し、抱きかかえる。
「うぇ?!」
「じゃあ行くぞ。」
「へ?」
軽いな……これでドレスやアクセサリーを付けてるんだから元はどれくらいなんだ?
「ほら、首に腕回せ。」
「いや、無理無理無理無理!!私の心臓が持たないぃぃ……」
「? どういう事だ?」
「ドキドキのし過ぎで死んじゃいます!!」
ふっ……
どうやら俺の番はこういう事にも意識してくれるらしい。
俺は外行きの声で話す。
「え~?俺はもうちょっと生きて欲しいんだけどな~?」
「あ、はい。復活致しました。と言うか、無理やりにでも生き返ってみせます!」
「クック……」
面白すぎだろ……w
「と、と言うか、重くないですか?!こんなゴテゴテのドレスやアクセサリーが着いているので……私の体重はもう少し軽いんですから!!そこは理解欲しいです!」
「そうか?これでも軽いと思ったぐらいなんだけどな……」
そう言うと、微妙な顔をして最終的に諦めた顔をしたミラ。
「また変な事考えているのか?」
「いえ、豚になった時の末路を……」
「クッ……何でこの状況でそんな事を今思えるのかが不思議だな。」
貴族の令嬢ってのは、こういう高い所とか無理だと思ったんだけどな。
って、今更気付いたみたいだけどな。
「凄い……ルイアン様はこんなに力持ちで軽やかに走れて……しかもお姫様抱っこされてるなんて……新手の殺し方か何かですか?いいですよ、喜んで死にに行きますよ!」
「落ち着け。」
コツンと俺はミラとの額と額をぶつかる。
手が塞がっているからな……
「あわわわわわわ……」
「やべぇ。逆効果だったか……」
そこからは、ずっとあわあわしてるミラ。
家に着いてもあわあわしてるから少し可愛いと思ったのは、言わなくてもいいだろう。
「へ?」
ベットの上に座らしたらやっと正気に戻ったみたいだ。
「落ち着いたか?」
「ルイアン様!」
「とりあえず、風呂入ってきたらどうだ?そのドレスじゃ動きづらいだろう。」
「は、はひっ!」
クック…………
俺は服の代わりとして着れそうな服を選んでおく。
仕事道具をミラが居ない間に手入れをしておき、服を持っていくとミラがちょうど上がった所だったみたいだ。
綺麗だな……
真っ白の肌に、メイクでキツめの印象だったけど少し朗らかになっていて、縦ロールになっていた髪も濡れているからか真っ直ぐになっていた。
胸も、ドレスを着ていた時より大きく、綺麗なピン色をしていて美味しそうだ。
「…………」
「……別人だな。何もしない方がいいと思うぞ?」
「…………」
「……服ここに置いておくから着てくれ。」
「…………」
そう言って出る俺。
俺よ……何冷静にずっと見てたんだよ……
「でも、綺麗だったんだよな……」
俺はハッとする。
だから何考えてんだよ……俺。
0
お気に入りに追加
334
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
貧乏子爵令嬢ですが、愛人にならないなら家を潰すと脅されました。それは困る!
よーこ
恋愛
図書室での読書が大好きな子爵令嬢。
ところが最近、図書室で騒ぐ令嬢が現れた。
その令嬢の目的は一人の見目の良い伯爵令息で……。
短編です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
死に戻るなら一時間前に
みねバイヤーン
恋愛
「ああ、これが走馬灯なのね」
階段から落ちていく一瞬で、ルルは十七年の人生を思い出した。侯爵家に生まれ、なに不自由なく育ち、幸せな日々だった。素敵な婚約者と出会い、これからが楽しみだった矢先に。
「神様、もし死に戻るなら、一時間前がいいです」
ダメ元で祈ってみる。もし、ルルが主人公特性を持っているなら、死に戻れるかもしれない。
ピカッと光って、一瞬目をつぶって、また目を開くと、目の前には笑顔の婚約者クラウス第三王子。
「クラウス様、聞いてください。私、一時間後に殺されます」
一時間前に死に戻ったルルは、クラウスと共に犯人を追い詰める──。
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄された令嬢の父親は最強?
岡暁舟
恋愛
婚約破棄された公爵令嬢マリアの父親であるフレンツェルは世界最強と謳われた兵士だった。そんな彼が、不義理である婚約破棄に激怒して元婚約者である第一王子スミスに復讐する物語。
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】待ち望んでいた婚約破棄のおかげで、ついに報復することができます。
みかみかん
恋愛
メリッサの婚約者だったルーザ王子はどうしようもないクズであり、彼が婚約破棄を宣言したことにより、メリッサの復讐計画が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる