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ルイアン視点
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「名前は?」
番の名前……一体どんな名前なんだ?
聞くと、番は悩みに悩んで一言。
「……私に名前をつけて下さいませんか?」
は?
どういう事だ?
でも番は真面目に俺の目を見てくる。
「名前か……」
俺は逆に番を見返す。
…………
何かないのか?
……
あぁ……丁度いい名前があるじゃないか。
「ミラ……」
「ミラ……ですか?」
「昔の神話で不思議なるものと言うらしい。お前は攫われてきた貴族の娘なのに目の前で人を殺したのを感じているはずなのにそんな事を言う奴にピッタリだなって。」
「あ。」
番は今更そのへんに転がっている死体に気が付いたようだ。
「あんな人達を殺せるなんて強いんですね~」
「は?」
「え?」
「他になにか思うことないのか?」
「えぇ?!何故分かったんです?!確かにそう言う見かけによらずとても強いんだな~素敵だな~って思いましたけども?!」
は?
…………
は?
やばい……頭がついていかない…………まぁ、何故か愛されている事は分かった…………
と言うか、何故こんなにも好いてくれてるんだ?
相手にも番相手と言う気持ちが分かるのか?
「素敵……か。いや、普通なら死体を見てビビるもんだろ。」
もう、取り繕うのめんどくせぇ。
どうせ後からバレる事になるしいいよな。
ちなみに逃がす気は無い。
「惚れた者の弱みって奴です。」
そう言って番は俺の瞳を見る。
ズクン
あぁ……ダメだ……またこの感覚……
番であるミラの瞳が本気で居ることを語っている。
あぁ……本当に逃がしてやれねぇな。
「ふっ…………まじで惚れてるのか?」
「はい!」
「良いな……ミラ、この後はどうするつもりなんだ?」
家に帰るって言うなら、俺も一緒にいる為に策をねらねば。
「はい!この後は、質屋に行ってこの趣味の悪いゴテゴテ達を売ってそのお金でしばらくは生活しようと企んでいたんですが、攫われてしまったのでどうしようか悩んでいた所です!」
「は?!ミラ、お前……貴族の令嬢だろ?」
「はい!今日やっとめでたく追放されました!」
「何やったんだ……」
めでたくってどういう事だ?
「妹が居たんですけど、嵌められそうだったので、それを利用して自由になろうかと逆に利用してきました!」
「はぁ?」
「妹はまんまと嵌ってくれたと思っているようでお互いウィン・ウィンの関係ってやつですね!」
妹……ミラに妹がいたのか……しかも嵌めようとした?
……殺るか?
いや、だがミラは嬉しそうにしてるんだよなぁ……わかんねぇ……
「………………うん。まぁ、良かったな。」
「はい!」
いや、逆に感謝してもいいかもしれねぇな。
追放されたと言うことは行く宛てが無いみたいだしな。
「もし、良かったらだが……俺に着いてこねぇ?」
「はい!」
返事が早くねぇか?
「そう言えば、お名前を伺ってもよろしいですか?」
「あ~…………ルイアン……」
言ってなかったか…………偽名を何時も言っていたが、何故かミラからはちゃんと俺の名前を言って欲しい。
「ルイアン様!!どうぞ末永くよろしくお願いしますね!」
「お、おう……話は帰ったらまた話すか……」
黒花族の話をしないとな……
俺はミラを薄汚い袋から出し、抱きかかえる。
「うぇ?!」
「じゃあ行くぞ。」
「へ?」
軽いな……これでドレスやアクセサリーを付けてるんだから元はどれくらいなんだ?
「ほら、首に腕回せ。」
「いや、無理無理無理無理!!私の心臓が持たないぃぃ……」
「? どういう事だ?」
「ドキドキのし過ぎで死んじゃいます!!」
ふっ……
どうやら俺の番はこういう事にも意識してくれるらしい。
俺は外行きの声で話す。
「え~?俺はもうちょっと生きて欲しいんだけどな~?」
「あ、はい。復活致しました。と言うか、無理やりにでも生き返ってみせます!」
「クック……」
面白すぎだろ……w
「と、と言うか、重くないですか?!こんなゴテゴテのドレスやアクセサリーが着いているので……私の体重はもう少し軽いんですから!!そこは理解欲しいです!」
「そうか?これでも軽いと思ったぐらいなんだけどな……」
そう言うと、微妙な顔をして最終的に諦めた顔をしたミラ。
「また変な事考えているのか?」
「いえ、豚になった時の末路を……」
「クッ……何でこの状況でそんな事を今思えるのかが不思議だな。」
貴族の令嬢ってのは、こういう高い所とか無理だと思ったんだけどな。
って、今更気付いたみたいだけどな。
「凄い……ルイアン様はこんなに力持ちで軽やかに走れて……しかもお姫様抱っこされてるなんて……新手の殺し方か何かですか?いいですよ、喜んで死にに行きますよ!」
「落ち着け。」
コツンと俺はミラとの額と額をぶつかる。
手が塞がっているからな……
「あわわわわわわ……」
「やべぇ。逆効果だったか……」
そこからは、ずっとあわあわしてるミラ。
家に着いてもあわあわしてるから少し可愛いと思ったのは、言わなくてもいいだろう。
「へ?」
ベットの上に座らしたらやっと正気に戻ったみたいだ。
「落ち着いたか?」
「ルイアン様!」
「とりあえず、風呂入ってきたらどうだ?そのドレスじゃ動きづらいだろう。」
「は、はひっ!」
クック…………
俺は服の代わりとして着れそうな服を選んでおく。
仕事道具をミラが居ない間に手入れをしておき、服を持っていくとミラがちょうど上がった所だったみたいだ。
綺麗だな……
真っ白の肌に、メイクでキツめの印象だったけど少し朗らかになっていて、縦ロールになっていた髪も濡れているからか真っ直ぐになっていた。
胸も、ドレスを着ていた時より大きく、綺麗なピン色をしていて美味しそうだ。
「…………」
「……別人だな。何もしない方がいいと思うぞ?」
「…………」
「……服ここに置いておくから着てくれ。」
「…………」
そう言って出る俺。
俺よ……何冷静にずっと見てたんだよ……
「でも、綺麗だったんだよな……」
俺はハッとする。
だから何考えてんだよ……俺。
番の名前……一体どんな名前なんだ?
聞くと、番は悩みに悩んで一言。
「……私に名前をつけて下さいませんか?」
は?
どういう事だ?
でも番は真面目に俺の目を見てくる。
「名前か……」
俺は逆に番を見返す。
…………
何かないのか?
……
あぁ……丁度いい名前があるじゃないか。
「ミラ……」
「ミラ……ですか?」
「昔の神話で不思議なるものと言うらしい。お前は攫われてきた貴族の娘なのに目の前で人を殺したのを感じているはずなのにそんな事を言う奴にピッタリだなって。」
「あ。」
番は今更そのへんに転がっている死体に気が付いたようだ。
「あんな人達を殺せるなんて強いんですね~」
「は?」
「え?」
「他になにか思うことないのか?」
「えぇ?!何故分かったんです?!確かにそう言う見かけによらずとても強いんだな~素敵だな~って思いましたけども?!」
は?
…………
は?
やばい……頭がついていかない…………まぁ、何故か愛されている事は分かった…………
と言うか、何故こんなにも好いてくれてるんだ?
相手にも番相手と言う気持ちが分かるのか?
「素敵……か。いや、普通なら死体を見てビビるもんだろ。」
もう、取り繕うのめんどくせぇ。
どうせ後からバレる事になるしいいよな。
ちなみに逃がす気は無い。
「惚れた者の弱みって奴です。」
そう言って番は俺の瞳を見る。
ズクン
あぁ……ダメだ……またこの感覚……
番であるミラの瞳が本気で居ることを語っている。
あぁ……本当に逃がしてやれねぇな。
「ふっ…………まじで惚れてるのか?」
「はい!」
「良いな……ミラ、この後はどうするつもりなんだ?」
家に帰るって言うなら、俺も一緒にいる為に策をねらねば。
「はい!この後は、質屋に行ってこの趣味の悪いゴテゴテ達を売ってそのお金でしばらくは生活しようと企んでいたんですが、攫われてしまったのでどうしようか悩んでいた所です!」
「は?!ミラ、お前……貴族の令嬢だろ?」
「はい!今日やっとめでたく追放されました!」
「何やったんだ……」
めでたくってどういう事だ?
「妹が居たんですけど、嵌められそうだったので、それを利用して自由になろうかと逆に利用してきました!」
「はぁ?」
「妹はまんまと嵌ってくれたと思っているようでお互いウィン・ウィンの関係ってやつですね!」
妹……ミラに妹がいたのか……しかも嵌めようとした?
……殺るか?
いや、だがミラは嬉しそうにしてるんだよなぁ……わかんねぇ……
「………………うん。まぁ、良かったな。」
「はい!」
いや、逆に感謝してもいいかもしれねぇな。
追放されたと言うことは行く宛てが無いみたいだしな。
「もし、良かったらだが……俺に着いてこねぇ?」
「はい!」
返事が早くねぇか?
「そう言えば、お名前を伺ってもよろしいですか?」
「あ~…………ルイアン……」
言ってなかったか…………偽名を何時も言っていたが、何故かミラからはちゃんと俺の名前を言って欲しい。
「ルイアン様!!どうぞ末永くよろしくお願いしますね!」
「お、おう……話は帰ったらまた話すか……」
黒花族の話をしないとな……
俺はミラを薄汚い袋から出し、抱きかかえる。
「うぇ?!」
「じゃあ行くぞ。」
「へ?」
軽いな……これでドレスやアクセサリーを付けてるんだから元はどれくらいなんだ?
「ほら、首に腕回せ。」
「いや、無理無理無理無理!!私の心臓が持たないぃぃ……」
「? どういう事だ?」
「ドキドキのし過ぎで死んじゃいます!!」
ふっ……
どうやら俺の番はこういう事にも意識してくれるらしい。
俺は外行きの声で話す。
「え~?俺はもうちょっと生きて欲しいんだけどな~?」
「あ、はい。復活致しました。と言うか、無理やりにでも生き返ってみせます!」
「クック……」
面白すぎだろ……w
「と、と言うか、重くないですか?!こんなゴテゴテのドレスやアクセサリーが着いているので……私の体重はもう少し軽いんですから!!そこは理解欲しいです!」
「そうか?これでも軽いと思ったぐらいなんだけどな……」
そう言うと、微妙な顔をして最終的に諦めた顔をしたミラ。
「また変な事考えているのか?」
「いえ、豚になった時の末路を……」
「クッ……何でこの状況でそんな事を今思えるのかが不思議だな。」
貴族の令嬢ってのは、こういう高い所とか無理だと思ったんだけどな。
って、今更気付いたみたいだけどな。
「凄い……ルイアン様はこんなに力持ちで軽やかに走れて……しかもお姫様抱っこされてるなんて……新手の殺し方か何かですか?いいですよ、喜んで死にに行きますよ!」
「落ち着け。」
コツンと俺はミラとの額と額をぶつかる。
手が塞がっているからな……
「あわわわわわわ……」
「やべぇ。逆効果だったか……」
そこからは、ずっとあわあわしてるミラ。
家に着いてもあわあわしてるから少し可愛いと思ったのは、言わなくてもいいだろう。
「へ?」
ベットの上に座らしたらやっと正気に戻ったみたいだ。
「落ち着いたか?」
「ルイアン様!」
「とりあえず、風呂入ってきたらどうだ?そのドレスじゃ動きづらいだろう。」
「は、はひっ!」
クック…………
俺は服の代わりとして着れそうな服を選んでおく。
仕事道具をミラが居ない間に手入れをしておき、服を持っていくとミラがちょうど上がった所だったみたいだ。
綺麗だな……
真っ白の肌に、メイクでキツめの印象だったけど少し朗らかになっていて、縦ロールになっていた髪も濡れているからか真っ直ぐになっていた。
胸も、ドレスを着ていた時より大きく、綺麗なピン色をしていて美味しそうだ。
「…………」
「……別人だな。何もしない方がいいと思うぞ?」
「…………」
「……服ここに置いておくから着てくれ。」
「…………」
そう言って出る俺。
俺よ……何冷静にずっと見てたんだよ……
「でも、綺麗だったんだよな……」
俺はハッとする。
だから何考えてんだよ……俺。
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