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第16章 私のヒーロー発見。
第1話 第2世代リニア新幹線、出発。
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異常にノーズが長い第2世代リニア新幹線。
そのリニア新幹線の中に、旅行鞄を引きながら急いで乗り込む男女がいた。
「あ~、有難うカナちゃん……ふぅなんとか札幌行きに間に合った。ふぅ~っ。」
お弁当やお菓子が入ったビニール袋を吊り下げたり、鞄をセットしたり、準備しながらリニア新幹線に座る2人。
「でもカナちゃん、俺、今日から休みだったけど会社戻って正解。丘珠宙空ステーションで23年前の不発弾で閉鎖なんて。やな事思い出すわ。」
「やな事ってなんですか?」
「あっ!まぁ、まぁ、総務の佐藤次長言ってたけどぉカナちゃん無理しなくても。」
「課長、そうもいきませんよ。不発弾の処理がすぐ終わるかも知れないし、近くのジャパホテルとったままなので、明日までホテルで待機します。」
夕陽を浴びるリニア新大阪駅。その400メートル地下で出発を待つ第2世代リニア新幹線「言霊(ことだま)」に車内アナウンスが流れる。
( 第2世代リニア新幹線「ことだま」にご搭乗賜り、誠に有難う御座います。「ことだま」はまもなく17:05にリニア新大阪駅を発車致します。東京北品川リニア駅に17:47到着。出発は17:55です。北関東、東北地方の方は御乗り換え下さい。新リニア函館駅には18:31到着です。出発は18:39、終点の新リニア札幌駅到着は19:14の予定です。丘珠宙空ステーションは現在も不発弾処理の為現在も封鎖中です。地下鉄東豊線、石狩留萌線も只今運休しております。なお…… )
と、アナウンスが続く中でガサゴソとセカンドバックの中から色々を出す椎葉。
「でもなんでカナちゃん、夜遅くに、丘珠にいくのさ?」
お茶のペットボトルを窓際に置き、お菓子を開けるカナちゃん。
「食べます?」
「先に駅弁食べるわ。これカナちゃんの分。選ぶ時間無くて、え~と「俵お握り幕の内弁当」だけどぉ。」
「あ、有難う御座います~。じゃ、私もお弁当食べます~。」
丁寧にお弁当の蓋を開ける奏。札幌行きリニアが振動も無く、緩やかに動き始めた。微かな横Gがしばらく続く。
「え~美味しそう!椎葉課長~!頂きます。」
ふむふむモグモグ。とニコニコ笑顔で食べ、お茶を一口飲む。
「ヒャー!なんか落ち付きましたぁ。」
「あの~カナちゃん?」
「はい、あの~課長?課長?パラオになんか売りましたか?パラオ政府に。」
とことん、札幌に行く理由をごまかす伊東奏だった。
「ん~、あれかなっ?特定遺伝子検査装置かな。」
上を向き、モグモグ食べながら答える椎葉。
「それですよ、それ、それ!先週の販社会議で急遽、ウチの会社、私と姫(エルジビエタ)しか操作免許ないからインストラクターとして、南国のパラオへ行け!と黄(ホァン)社長直々に。」
「ふ~ん。あれっ?そうだ、そうだ。2人で操作しないと駄目だべ。んだったわ。アハハハッ。」
「そうなんです。それで現地か、移動中どこかで会うと思いますが、仕入れ先のコバさんの。」
「あ~あの機械、コバの高崎薬品のだった。」
「はい、そこから応援で1人プロパーが来るって。あそこには何人も免許持ってる人がいるから。」
「まぁ開発と製造元だかんなぁ。バカ姫も、免許持って……あれ?あらまポーランド転勤だった。あらら、半年は本社に居ないんだった。」
「でっしょ?って昨日提出の稟議書、報告書見てないでしょう。課長?」
「あ~ごめん、ごめん。徹夜のデータ入力で必死こいて全力で、忘れてる。このお弁当で許してカナちゃん。皆の勤怠書類しか見んかった。そーいや、なんかさ稟議書?何か?書類あったな。すまん、すまん。中身読まずにカナちゃんの稟議書、印鑑ついた。」
「あっ。ふ~ん……。ハイハイ、お弁当、まぁ地味に美味しいから許します。」
「ハハハ~ッ。ごめん、ごめん。」
( あーなんだかなぁ……。最近謝ってばっか。 )
と、思う椎葉だった。
丘珠宙空ステーションでは、AXISの不発弾が見つかり乗客の避難や封鎖で大騒ぎとなっていた。
しかし、これは月衛星基地から来た自衛隊、武装シャトル到着の為の擬装であり、シーラスマザーの提案でもあった。
AXISとネイジェア反政府軍のウシハクルとなんらかの取引をしたマーシャル・ジョンソンはオディアと伊東少尉の殺害を計画した。
属国の南北朝鮮軍のスパイを送り込み、極秘オリジナル・ペンタゴンのポーランド遺伝子研究所とパラオ基地に潜入する計画だった。
オディアがネイジェアから帰星し、伊東大尉が格闘技能の技能実技教官としてパラオに行く事を知っているのは、シーラスメンバーで数が少なかった。
10名のスパイを特定し、その内の8人が時を同じくして御舩や小林達によって確保されたのだ。あと2人のスパイはジョンソン、後1人が判らなかったのだ。
小林はその1人が誰なのか特定を急いでいた。
話は新リニア新幹線の2人に戻る。
「早~っ!もう名古屋なんですね~。お弁当食べ終わったばかりなのに~。凄い、凄い第2世代!今は時速961キロ!って。ありえひん~!毎週、課長とエルが札幌から新大阪まで通ってるんですね~。」
「あれっ、このリニア、初めて乗るの?ウチの実家に検査で来てるのに。どうやって栗山さ、来るの?帰りは?俺やエルは土日にしか帰らないから、平日に、検査へ来るカナちゃんと去年初めて会ったからさ。この間は一緒に千歳から飛行機で大阪に帰ったけどぉ。毎回、どうやって北海道来てるのさ?」
「はい。軍の配慮で関空か伊丹空港のどっちからか、軍のプライベートジェットで千歳まで行きますよ。」
伊東奏が短大卒業後、日本国軍に入隊。訓練中の機動モービルHARMORのシュミレーターで大ケガをしたのだ。
その為、京子たち医療グループで遺伝子再生手術を受けた。手術後の検査で半年に1回、栗山町のきよしの実家に通っていたのだった。
「へ~!日本国軍のプライベートジェットっ!ビップだべさ。っへ~。母さん、なんも言わんし。へ~。そうかぁ、そうか。」
「え?そうなんですか。知らなかったんですぅ?千歳に着いたら課長のお母様か、オリエッタ先生か麗子先生が大概、千歳まで車で迎えに来てくれます。千歳シーラスワンの軍病院の後、一緒に課長のご実家へ泊まりにいってますよ。高校のアイドルグループの時から慣れてますから。」
「あ、それ知ってる。この間は麗子叔母さんが迎えに行くとかなんとか。」
「そう、そう。そうです。千歳着くのがお昼なので、いつもラーメンとか食べさせてくれて、あははっ。実は密かな半年に1回の楽しみでもあるんですよ~。だから新リニアは初めてだったんですっ。帰りは課長と1回、千歳から飛行機で帰りましたよね?あの課長の御親友で、めっちゃ金髪外国人でぇポーランドの大学、ご一緒だったとか~。」
話しながら、駅弁を袋に入れて片付ける2人。
「あ~ジグムントな。」
「そ~です!ジグムントさん!めちゃくちゃカッコ良いですよね~。日本語はペラッペラというか、発音も普通に日本人だし。」
「あはは。日本語はアイツの方が旨いべさ。というより、古典なんか暗記してるし。嫉妬すんべ。あははっ。めちゃめちゃ頭良いべし。んでさ、ついでにシルビアと俺の同級生だし。兎に角っ、頭っ良い野郎だ。あははっ。……酒にちょっと弱いけど。」
「で、どうだったんですか課長?」
「何がぁ?」
「その大学の4年間って。ポーランドのワルシャワ大学ですよね。エリートですやんか。」
「んだか?んな事ないべや。でも、一般入試で入った学生はたしかに、エリートだよな。俺以外はみんな。」
「そうですよ。課長。」
「俺以外、大学生全員が超エリートだな。ウチの奥様も。」
「ふ~ん。」
「大学の4年間とウチの会社に3年か?ポーランドに留学してそのままシルビアの実家に住んでたんだわ。親父の親友のツテでな。俺の師範の一人だし。」
「そうですよね。課長の御実家、元は格闘技能の道場ですもんね。」
「んだな。ヴルーシカの皆。ウチの道場で泊ったなぁ。」
「そうですよ!楽しかったんですからな。めっちゃ楽しかった。毎晩、京子先生のご飯とかめっちゃ美味しいかったし。お陰で、トモ(佐藤とも子)ちゃんとか北海道の友達も一杯出来たし。」
弁当を片付けて、前の座席の裏にゴミを吊り下げる椎葉。同じくゴミの処理をしながら話す伊東奏。
「課長?大学卒業して、ポーランド支店に就職して。既にポーランド語ペラペラで。英語もペラペラですよね~。あと、フランス語とか、スペイン語とか、あっドイツ語も。課長は。私達、ヴルーシカのマネージャーして頂いたとき、ヨーロッパツアーで移動した時とか、めっちゃカッコ良かったんですよ。課長、その当時は。当時ですよ。」
「んだかぁ。その当時って、強調するなぁ。……まぁ英語は、ウチの両親が仕事で普段居なくてさ、ジジババも畑仕事で忙しくて、親戚のアメリカのジョナサン叔父さんの家に。」
「ジョナサン・M・オースティン!昔、敵の爆撃機や対馬侵攻でAXISを殲滅したパイロット。」
「よー、覚えてるなカナちゃん。」
「はい!カッコイイですよ。マーシャパパ。ユーサス(USASF)のトップガンですよねー。そのマーシャパパに預けられたって話ですね。はははっ。マーシャから何回も聞きましたよね~。あはは。」
「はははっ。親父も、母さんも何ヶ国語喋れるんだか。オラ、良く解んないべさ。」
「なるほど~。でも毎回検査で課長の実家行きますけど、ほ~んと大農家のお家ですよね~。でも、いつも京子先生に聞きそびれるけど、亡くなった課長のお父様と京子先生は何時知り合ったんですか?」
「父親と母親か?2人とも日本国軍の静止衛星基地で知り合ったんだべさ。のハズ。」
「へ~っ!リアル軍隊での恋バナ!やっぱあるんだ~。」
「父親は道場の師範だけど、本職は自衛隊の宙空機動歩兵、よくある、ロボスーツ来た兵隊だべさ。WALKER(ウォーカー)とか、たまにニュースで言ってんべ。あれば被ってんだわ。まぁ子供の頃は、爺さんと親父の2人が、オラの格闘技能の俺の師匠だぁ。その知り合った時は、母親は母艦の核融合エンジンの調整技師だったみたいよ~。本当の専門、本職は医療関係で遺伝なんとか工学だけど。ムズ過ぎてよく解らん。オラは赤ん坊の頃は、ほとんど栗山のジジババとか、さっき言った、母親の妹のジョナサン叔父さん夫婦の所で育ったし。良く解んねぇ。」
「ふーん。京子先生って女技師!女エンジニア!かっこいい課長のお母様。へ~、女エリートと兵隊の恋バナかぁ。栗高の交換の時、エル兄、マネージャーのお母様って、綺麗だなぁって思ってました。作るご飯やお弁当も本当、美味しかった。そして、私の大ケガで……。お世話になりっぱなし。そうなんですか……。うふふ。」
「そうかぁ。シュミレーターの事故なぁ。若い女の子が……大変だったな。カナちゃんのめちゃめちゃ若い時の経験な。」
「いやいやいや、今でも若いんですけどぉ。めちゃめちゃが余計。まだ5年前の話ですけどぉ。」
少し、イラっとして横目で椎葉を見る伊東奏。
「それより、京子先生の若いころは綺麗だったんでしょうね~。」
「親だから良く解らん。べさ。」
「でも、どうしてポーランドの大学に入ったんですか。」
「あ~。親父のポーランド軍の戦友のツテさ。シルビアの父親だべな。俺も大怪我したので、そのツテで4年間ワルシャワ大学に入学。まぁ留学したんだぁ。叔父さんの所がホストファミリーだったんだわ。」
「小林さんもですか?」
「いやいや、奴はイギリスよ。ロイヤルスペーシィ・フォース大好き男。オラ達2人は、こう見えて栗校で超有名なアニメと宇宙軍オタクだったからな!」
「オタクと関係あります~?」
「大有り、大有り、大アリクイ!だべさ!」
「もっ!オヤジギャグ最低、止めて下さい、キモい!ましてや、人前で。」
本気で怒る伊東。キョロキョロする椎葉。
「ハハ!もう、ハッキリ言うなカナちゃん。でも、そういう所好き。……ホストファミリー。そこでウチの母ちゃんが登場するんだべや。」
「シルビア先生。そう、私、女子高の時、良く課長の新大阪のお宅で、歌の練習なんかでご夫婦共、お世話になってたじゃないですか。特に、コンサート前の追い込みで!」
「あぁ懐かしいなぁ。10年位前か。でもそれからほぼ、皆とずっと一緒だな。」
「そうですよねぇ……。そう言えば、新大阪のご自宅、オデ女の部屋まだあるんですか?」
「妹だも。あるべ。そんまま。」
「えっ?キャシーの舩女は?」
「あるべ。そんまま。」
「はぁいっ?なんで?ツゲ兄と結婚したのにエル姫……姫は~そのままだから、あっメイファンは?まさか。」
「そんまま。」
「えっマジで!」
「そんまま。メイファン、週に1~2回は家に居るべさ。仕事から家に帰って2階で電気ついてたら、たいがいメイファンがいるべ。」
「へ~、ふ~んメイファンかぁ。でも、陽子は、淀川の自宅からだったから……。あ?マーシャ、真理亜・オースティンは?」
「空き部屋。」
「ふ~っ。」
なんか安心する伊東。
「空き部屋と言うか、シルビアのドレスルーム。たしか、マーシャちゃんは今もう、戦術イージス・アショアの戦術武官で忙しいらしい。あの娘は西女の時からハッキングの超天才だったからな~。カナちゃん覚えてるっしょ?」
「ほんと、マーシャは凄かった!ほんと。コンピューターの天才。いつの間にか準備されてたがな。ホンマに凄いメカ娘。」
「確かシルビアがこの間言ってたべさ。マーシャはたしかぁ各国のイージス・アショアを渡り歩いて札幌と別海の共同基地とか、え~なんたっけ?あの~ロシアとポーの間の国、何だっけ?御舩さんの奧さんのアナさんの故郷でぇ……。」
人差し指を額に、言葉が出ない椎葉。
「ウクライナ!」
指を指して答える伊東。
「そ、そう。マーシャは、今、ウクライナのチェルニヘウ?チェルニヒウ?だったけか?行ったり来たりで忙しいとかなんとか。んだば、ジョナサン叔父さんの父方の実家があるとかなんとか。」
「へ~、マーシャの事は初耳。でも椎葉家の最後の砦、アレク坊ちゃん部屋は?」
「あ~最近メイリンが勝手に寝起きしてるべ。」
「ブェッ!」
ズッコケる伊東。椎葉の肩を持って。
「ひぇぇ~なんでメイリン!マジっすかぁ?ダブル・メイの椎葉家居候って。」
「カカカッ。んだべ~。メイの親父の黄社長も、たまに晩飯ば食べにくるわ。」
「へっ?えぇぇ。」
微妙な、嫌な顔で。
「まぁオラの両親と昔からの知り合いだべし。しゃーない。オラも社長とも古い付き合いだし。」
「メイリン、社長令嬢で岸和田に豪邸あるのに。なんで新大阪?わっざわざ昔のアイドル時代の狭いタコ部屋に……。」
「あっ!タコ部屋言ったな。タコ部屋って。まぁ各部屋6畳ですからねぇ。当たらずといえども遠からずぅ……。私の甲斐性はそんなもんですわ。伊東先輩。」
クククッと、腹を抱える伊東。
「メイリンパパが来て、みんなで何話すんですか?」
椎葉には全く躊躇しないでズケズケ聞く伊東。
「ずっとオラが話聞いてるだけ。娘のメイリンも、エルジビエアも絶対部屋から出て来ないし。ご飯が一緒の時は、みんな遠慮してシーンって静かに食べるし。」
「うわぁ……。」
手を左右に振りながら絶対無理!無理!と思う伊東。
「だけど、エル姫もそうだけど、黄社長の事、佐藤次長も。なんとなく嫌がるけど、女の子から人気ないよね。なんで?めちゃめちゃ同僚思いで、良い人なのにさ。」
苦笑いする伊東奏。
「オラが、若いころはいつも技術部長に、世話になって、夜中までそれこそ……あっ!ゲッ。」
一瞬、若いころの機動モービルHARMORの世界ナンバーワンパイロット時代を一瞬言いそうになったきよし。
「課長、ゲッってなんですか。ゲッて。マネージャーの時から不味い話とか、途中でゲッっていいますよね。今のゲッってなんですかぁ。黄社長となんかあるんですか?技術部長って黄社長の事ですか?HARMORの?WALKERの?まさかぁ。」
「いやいや、なんでもない。チャウチャウ。違う事ば思い出した。」
焦ってごまかすきよし。
「そうですかぁ……。そう、そう課長。メイリン、自称「台湾高砂族の正統派!台湾料理の鉄人」とか飲み会で言ってましたけど、味は実際どうですか?美味しかったですぅ?」
「はぁい?メイリンの手料理、食べた事ないよ。」
「はぁい?」
「朝飯も、晩飯もオラが作ってるべね。」
「えー!マジっすか!」
「んだ。オラが出張の時は各自、近くのコンビニ弁当や外食してるみたいだけどぉ。新大阪駅の駅地下に何でもあるし。んだ、メールのやり取り……見てみっ。」
スマハンドで、新大阪の自宅で寝起きしているエルジビエタやオディア、メイリン、メイファンたちのやり取りを見せる椎葉きよし。
そのリニア新幹線の中に、旅行鞄を引きながら急いで乗り込む男女がいた。
「あ~、有難うカナちゃん……ふぅなんとか札幌行きに間に合った。ふぅ~っ。」
お弁当やお菓子が入ったビニール袋を吊り下げたり、鞄をセットしたり、準備しながらリニア新幹線に座る2人。
「でもカナちゃん、俺、今日から休みだったけど会社戻って正解。丘珠宙空ステーションで23年前の不発弾で閉鎖なんて。やな事思い出すわ。」
「やな事ってなんですか?」
「あっ!まぁ、まぁ、総務の佐藤次長言ってたけどぉカナちゃん無理しなくても。」
「課長、そうもいきませんよ。不発弾の処理がすぐ終わるかも知れないし、近くのジャパホテルとったままなので、明日までホテルで待機します。」
夕陽を浴びるリニア新大阪駅。その400メートル地下で出発を待つ第2世代リニア新幹線「言霊(ことだま)」に車内アナウンスが流れる。
( 第2世代リニア新幹線「ことだま」にご搭乗賜り、誠に有難う御座います。「ことだま」はまもなく17:05にリニア新大阪駅を発車致します。東京北品川リニア駅に17:47到着。出発は17:55です。北関東、東北地方の方は御乗り換え下さい。新リニア函館駅には18:31到着です。出発は18:39、終点の新リニア札幌駅到着は19:14の予定です。丘珠宙空ステーションは現在も不発弾処理の為現在も封鎖中です。地下鉄東豊線、石狩留萌線も只今運休しております。なお…… )
と、アナウンスが続く中でガサゴソとセカンドバックの中から色々を出す椎葉。
「でもなんでカナちゃん、夜遅くに、丘珠にいくのさ?」
お茶のペットボトルを窓際に置き、お菓子を開けるカナちゃん。
「食べます?」
「先に駅弁食べるわ。これカナちゃんの分。選ぶ時間無くて、え~と「俵お握り幕の内弁当」だけどぉ。」
「あ、有難う御座います~。じゃ、私もお弁当食べます~。」
丁寧にお弁当の蓋を開ける奏。札幌行きリニアが振動も無く、緩やかに動き始めた。微かな横Gがしばらく続く。
「え~美味しそう!椎葉課長~!頂きます。」
ふむふむモグモグ。とニコニコ笑顔で食べ、お茶を一口飲む。
「ヒャー!なんか落ち付きましたぁ。」
「あの~カナちゃん?」
「はい、あの~課長?課長?パラオになんか売りましたか?パラオ政府に。」
とことん、札幌に行く理由をごまかす伊東奏だった。
「ん~、あれかなっ?特定遺伝子検査装置かな。」
上を向き、モグモグ食べながら答える椎葉。
「それですよ、それ、それ!先週の販社会議で急遽、ウチの会社、私と姫(エルジビエタ)しか操作免許ないからインストラクターとして、南国のパラオへ行け!と黄(ホァン)社長直々に。」
「ふ~ん。あれっ?そうだ、そうだ。2人で操作しないと駄目だべ。んだったわ。アハハハッ。」
「そうなんです。それで現地か、移動中どこかで会うと思いますが、仕入れ先のコバさんの。」
「あ~あの機械、コバの高崎薬品のだった。」
「はい、そこから応援で1人プロパーが来るって。あそこには何人も免許持ってる人がいるから。」
「まぁ開発と製造元だかんなぁ。バカ姫も、免許持って……あれ?あらまポーランド転勤だった。あらら、半年は本社に居ないんだった。」
「でっしょ?って昨日提出の稟議書、報告書見てないでしょう。課長?」
「あ~ごめん、ごめん。徹夜のデータ入力で必死こいて全力で、忘れてる。このお弁当で許してカナちゃん。皆の勤怠書類しか見んかった。そーいや、なんかさ稟議書?何か?書類あったな。すまん、すまん。中身読まずにカナちゃんの稟議書、印鑑ついた。」
「あっ。ふ~ん……。ハイハイ、お弁当、まぁ地味に美味しいから許します。」
「ハハハ~ッ。ごめん、ごめん。」
( あーなんだかなぁ……。最近謝ってばっか。 )
と、思う椎葉だった。
丘珠宙空ステーションでは、AXISの不発弾が見つかり乗客の避難や封鎖で大騒ぎとなっていた。
しかし、これは月衛星基地から来た自衛隊、武装シャトル到着の為の擬装であり、シーラスマザーの提案でもあった。
AXISとネイジェア反政府軍のウシハクルとなんらかの取引をしたマーシャル・ジョンソンはオディアと伊東少尉の殺害を計画した。
属国の南北朝鮮軍のスパイを送り込み、極秘オリジナル・ペンタゴンのポーランド遺伝子研究所とパラオ基地に潜入する計画だった。
オディアがネイジェアから帰星し、伊東大尉が格闘技能の技能実技教官としてパラオに行く事を知っているのは、シーラスメンバーで数が少なかった。
10名のスパイを特定し、その内の8人が時を同じくして御舩や小林達によって確保されたのだ。あと2人のスパイはジョンソン、後1人が判らなかったのだ。
小林はその1人が誰なのか特定を急いでいた。
話は新リニア新幹線の2人に戻る。
「早~っ!もう名古屋なんですね~。お弁当食べ終わったばかりなのに~。凄い、凄い第2世代!今は時速961キロ!って。ありえひん~!毎週、課長とエルが札幌から新大阪まで通ってるんですね~。」
「あれっ、このリニア、初めて乗るの?ウチの実家に検査で来てるのに。どうやって栗山さ、来るの?帰りは?俺やエルは土日にしか帰らないから、平日に、検査へ来るカナちゃんと去年初めて会ったからさ。この間は一緒に千歳から飛行機で大阪に帰ったけどぉ。毎回、どうやって北海道来てるのさ?」
「はい。軍の配慮で関空か伊丹空港のどっちからか、軍のプライベートジェットで千歳まで行きますよ。」
伊東奏が短大卒業後、日本国軍に入隊。訓練中の機動モービルHARMORのシュミレーターで大ケガをしたのだ。
その為、京子たち医療グループで遺伝子再生手術を受けた。手術後の検査で半年に1回、栗山町のきよしの実家に通っていたのだった。
「へ~!日本国軍のプライベートジェットっ!ビップだべさ。っへ~。母さん、なんも言わんし。へ~。そうかぁ、そうか。」
「え?そうなんですか。知らなかったんですぅ?千歳に着いたら課長のお母様か、オリエッタ先生か麗子先生が大概、千歳まで車で迎えに来てくれます。千歳シーラスワンの軍病院の後、一緒に課長のご実家へ泊まりにいってますよ。高校のアイドルグループの時から慣れてますから。」
「あ、それ知ってる。この間は麗子叔母さんが迎えに行くとかなんとか。」
「そう、そう。そうです。千歳着くのがお昼なので、いつもラーメンとか食べさせてくれて、あははっ。実は密かな半年に1回の楽しみでもあるんですよ~。だから新リニアは初めてだったんですっ。帰りは課長と1回、千歳から飛行機で帰りましたよね?あの課長の御親友で、めっちゃ金髪外国人でぇポーランドの大学、ご一緒だったとか~。」
話しながら、駅弁を袋に入れて片付ける2人。
「あ~ジグムントな。」
「そ~です!ジグムントさん!めちゃくちゃカッコ良いですよね~。日本語はペラッペラというか、発音も普通に日本人だし。」
「あはは。日本語はアイツの方が旨いべさ。というより、古典なんか暗記してるし。嫉妬すんべ。あははっ。めちゃめちゃ頭良いべし。んでさ、ついでにシルビアと俺の同級生だし。兎に角っ、頭っ良い野郎だ。あははっ。……酒にちょっと弱いけど。」
「で、どうだったんですか課長?」
「何がぁ?」
「その大学の4年間って。ポーランドのワルシャワ大学ですよね。エリートですやんか。」
「んだか?んな事ないべや。でも、一般入試で入った学生はたしかに、エリートだよな。俺以外はみんな。」
「そうですよ。課長。」
「俺以外、大学生全員が超エリートだな。ウチの奥様も。」
「ふ~ん。」
「大学の4年間とウチの会社に3年か?ポーランドに留学してそのままシルビアの実家に住んでたんだわ。親父の親友のツテでな。俺の師範の一人だし。」
「そうですよね。課長の御実家、元は格闘技能の道場ですもんね。」
「んだな。ヴルーシカの皆。ウチの道場で泊ったなぁ。」
「そうですよ!楽しかったんですからな。めっちゃ楽しかった。毎晩、京子先生のご飯とかめっちゃ美味しいかったし。お陰で、トモ(佐藤とも子)ちゃんとか北海道の友達も一杯出来たし。」
弁当を片付けて、前の座席の裏にゴミを吊り下げる椎葉。同じくゴミの処理をしながら話す伊東奏。
「課長?大学卒業して、ポーランド支店に就職して。既にポーランド語ペラペラで。英語もペラペラですよね~。あと、フランス語とか、スペイン語とか、あっドイツ語も。課長は。私達、ヴルーシカのマネージャーして頂いたとき、ヨーロッパツアーで移動した時とか、めっちゃカッコ良かったんですよ。課長、その当時は。当時ですよ。」
「んだかぁ。その当時って、強調するなぁ。……まぁ英語は、ウチの両親が仕事で普段居なくてさ、ジジババも畑仕事で忙しくて、親戚のアメリカのジョナサン叔父さんの家に。」
「ジョナサン・M・オースティン!昔、敵の爆撃機や対馬侵攻でAXISを殲滅したパイロット。」
「よー、覚えてるなカナちゃん。」
「はい!カッコイイですよ。マーシャパパ。ユーサス(USASF)のトップガンですよねー。そのマーシャパパに預けられたって話ですね。はははっ。マーシャから何回も聞きましたよね~。あはは。」
「はははっ。親父も、母さんも何ヶ国語喋れるんだか。オラ、良く解んないべさ。」
「なるほど~。でも毎回検査で課長の実家行きますけど、ほ~んと大農家のお家ですよね~。でも、いつも京子先生に聞きそびれるけど、亡くなった課長のお父様と京子先生は何時知り合ったんですか?」
「父親と母親か?2人とも日本国軍の静止衛星基地で知り合ったんだべさ。のハズ。」
「へ~っ!リアル軍隊での恋バナ!やっぱあるんだ~。」
「父親は道場の師範だけど、本職は自衛隊の宙空機動歩兵、よくある、ロボスーツ来た兵隊だべさ。WALKER(ウォーカー)とか、たまにニュースで言ってんべ。あれば被ってんだわ。まぁ子供の頃は、爺さんと親父の2人が、オラの格闘技能の俺の師匠だぁ。その知り合った時は、母親は母艦の核融合エンジンの調整技師だったみたいよ~。本当の専門、本職は医療関係で遺伝なんとか工学だけど。ムズ過ぎてよく解らん。オラは赤ん坊の頃は、ほとんど栗山のジジババとか、さっき言った、母親の妹のジョナサン叔父さん夫婦の所で育ったし。良く解んねぇ。」
「ふーん。京子先生って女技師!女エンジニア!かっこいい課長のお母様。へ~、女エリートと兵隊の恋バナかぁ。栗高の交換の時、エル兄、マネージャーのお母様って、綺麗だなぁって思ってました。作るご飯やお弁当も本当、美味しかった。そして、私の大ケガで……。お世話になりっぱなし。そうなんですか……。うふふ。」
「そうかぁ。シュミレーターの事故なぁ。若い女の子が……大変だったな。カナちゃんのめちゃめちゃ若い時の経験な。」
「いやいやいや、今でも若いんですけどぉ。めちゃめちゃが余計。まだ5年前の話ですけどぉ。」
少し、イラっとして横目で椎葉を見る伊東奏。
「それより、京子先生の若いころは綺麗だったんでしょうね~。」
「親だから良く解らん。べさ。」
「でも、どうしてポーランドの大学に入ったんですか。」
「あ~。親父のポーランド軍の戦友のツテさ。シルビアの父親だべな。俺も大怪我したので、そのツテで4年間ワルシャワ大学に入学。まぁ留学したんだぁ。叔父さんの所がホストファミリーだったんだわ。」
「小林さんもですか?」
「いやいや、奴はイギリスよ。ロイヤルスペーシィ・フォース大好き男。オラ達2人は、こう見えて栗校で超有名なアニメと宇宙軍オタクだったからな!」
「オタクと関係あります~?」
「大有り、大有り、大アリクイ!だべさ!」
「もっ!オヤジギャグ最低、止めて下さい、キモい!ましてや、人前で。」
本気で怒る伊東。キョロキョロする椎葉。
「ハハ!もう、ハッキリ言うなカナちゃん。でも、そういう所好き。……ホストファミリー。そこでウチの母ちゃんが登場するんだべや。」
「シルビア先生。そう、私、女子高の時、良く課長の新大阪のお宅で、歌の練習なんかでご夫婦共、お世話になってたじゃないですか。特に、コンサート前の追い込みで!」
「あぁ懐かしいなぁ。10年位前か。でもそれからほぼ、皆とずっと一緒だな。」
「そうですよねぇ……。そう言えば、新大阪のご自宅、オデ女の部屋まだあるんですか?」
「妹だも。あるべ。そんまま。」
「えっ?キャシーの舩女は?」
「あるべ。そんまま。」
「はぁいっ?なんで?ツゲ兄と結婚したのにエル姫……姫は~そのままだから、あっメイファンは?まさか。」
「そんまま。」
「えっマジで!」
「そんまま。メイファン、週に1~2回は家に居るべさ。仕事から家に帰って2階で電気ついてたら、たいがいメイファンがいるべ。」
「へ~、ふ~んメイファンかぁ。でも、陽子は、淀川の自宅からだったから……。あ?マーシャ、真理亜・オースティンは?」
「空き部屋。」
「ふ~っ。」
なんか安心する伊東。
「空き部屋と言うか、シルビアのドレスルーム。たしか、マーシャちゃんは今もう、戦術イージス・アショアの戦術武官で忙しいらしい。あの娘は西女の時からハッキングの超天才だったからな~。カナちゃん覚えてるっしょ?」
「ほんと、マーシャは凄かった!ほんと。コンピューターの天才。いつの間にか準備されてたがな。ホンマに凄いメカ娘。」
「確かシルビアがこの間言ってたべさ。マーシャはたしかぁ各国のイージス・アショアを渡り歩いて札幌と別海の共同基地とか、え~なんたっけ?あの~ロシアとポーの間の国、何だっけ?御舩さんの奧さんのアナさんの故郷でぇ……。」
人差し指を額に、言葉が出ない椎葉。
「ウクライナ!」
指を指して答える伊東。
「そ、そう。マーシャは、今、ウクライナのチェルニヘウ?チェルニヒウ?だったけか?行ったり来たりで忙しいとかなんとか。んだば、ジョナサン叔父さんの父方の実家があるとかなんとか。」
「へ~、マーシャの事は初耳。でも椎葉家の最後の砦、アレク坊ちゃん部屋は?」
「あ~最近メイリンが勝手に寝起きしてるべ。」
「ブェッ!」
ズッコケる伊東。椎葉の肩を持って。
「ひぇぇ~なんでメイリン!マジっすかぁ?ダブル・メイの椎葉家居候って。」
「カカカッ。んだべ~。メイの親父の黄社長も、たまに晩飯ば食べにくるわ。」
「へっ?えぇぇ。」
微妙な、嫌な顔で。
「まぁオラの両親と昔からの知り合いだべし。しゃーない。オラも社長とも古い付き合いだし。」
「メイリン、社長令嬢で岸和田に豪邸あるのに。なんで新大阪?わっざわざ昔のアイドル時代の狭いタコ部屋に……。」
「あっ!タコ部屋言ったな。タコ部屋って。まぁ各部屋6畳ですからねぇ。当たらずといえども遠からずぅ……。私の甲斐性はそんなもんですわ。伊東先輩。」
クククッと、腹を抱える伊東。
「メイリンパパが来て、みんなで何話すんですか?」
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「ずっとオラが話聞いてるだけ。娘のメイリンも、エルジビエアも絶対部屋から出て来ないし。ご飯が一緒の時は、みんな遠慮してシーンって静かに食べるし。」
「うわぁ……。」
手を左右に振りながら絶対無理!無理!と思う伊東。
「だけど、エル姫もそうだけど、黄社長の事、佐藤次長も。なんとなく嫌がるけど、女の子から人気ないよね。なんで?めちゃめちゃ同僚思いで、良い人なのにさ。」
苦笑いする伊東奏。
「オラが、若いころはいつも技術部長に、世話になって、夜中までそれこそ……あっ!ゲッ。」
一瞬、若いころの機動モービルHARMORの世界ナンバーワンパイロット時代を一瞬言いそうになったきよし。
「課長、ゲッってなんですか。ゲッて。マネージャーの時から不味い話とか、途中でゲッっていいますよね。今のゲッってなんですかぁ。黄社長となんかあるんですか?技術部長って黄社長の事ですか?HARMORの?WALKERの?まさかぁ。」
「いやいや、なんでもない。チャウチャウ。違う事ば思い出した。」
焦ってごまかすきよし。
「そうですかぁ……。そう、そう課長。メイリン、自称「台湾高砂族の正統派!台湾料理の鉄人」とか飲み会で言ってましたけど、味は実際どうですか?美味しかったですぅ?」
「はぁい?メイリンの手料理、食べた事ないよ。」
「はぁい?」
「朝飯も、晩飯もオラが作ってるべね。」
「えー!マジっすか!」
「んだ。オラが出張の時は各自、近くのコンビニ弁当や外食してるみたいだけどぉ。新大阪駅の駅地下に何でもあるし。んだ、メールのやり取り……見てみっ。」
スマハンドで、新大阪の自宅で寝起きしているエルジビエタやオディア、メイリン、メイファンたちのやり取りを見せる椎葉きよし。
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