34 / 47
第14章 アバター南華子登場。
第1話 治験、㈱高崎薬品
しおりを挟む
大阪天神橋商店街を望む 15階建のビル。
小林が務める㈱高崎薬品。
主に日本国軍、自衛隊や日本の主要同盟国軍へ、装備医薬品を降ろす最新鋭・最先端の医薬品メーカー。その1階にある広大なロビー。
そこで幼馴染の親友、いや戦友が会うのだ。
「いや~悪ぃ悪ぃ、コバまだいけるべか?」
ロビーに響く声。
笑いながら、小走りでヨレヨレの背広姿の椎葉が来た。
「シー!お前~もう10時やんか!9:30の組は、もぅ治験始まっとるから次は13時からやんか。まぁこっちが頼んだ治験だから、あれだけど。」
小林大佐の背広姿。
小林大佐と椎葉は中学以来、栗山町の幼なじみだった。
小林は軍族の身を隠す為、民間の高崎薬品で医薬品会社の営業課長で仕事をしていたのだ。
18年前、シラス加盟国軍の要請で軍に復帰した。
一方で椎葉は軍の復帰をかたくなに断っていた。
特に、元上官の御舩たちなどのシーラス、日本国軍や自衛隊の幹部たちが椎葉きよしの復帰を望んでいた。
しかし、椎葉は強烈に断っていたのだ。
毎日の食卓でも、母親の京子やシルビア、エルジビエタ、彼女らの実母のオリエッタからの勧めを全て断っている。長年、そんな雰囲気だった。
しかし、小林だけは軍隊嫌いになった椎葉きよしには内緒で復帰したのだった。
「シー、飯ば喰ったべか?時間あるから、そこのラーメンさ行くべか。」
ガラス張りの玄関の先をのけぞって覗くきよし。大阪で有名なラーメンチェーン店の暖簾が見えた。
「ラーメン?お前、あそこのラーメン。道産子でよく食えんな!噂では油がネッコリで、はんかくさいべぁ。」
「何でもいいべや。オッさん!はははっ。」
「いやいやコバ。俺、あそこのラーメン。新大阪にもあるけんども食べた事ないべさ。っあれ?血液検査するんだべ?食べていいの?こってり、油ねっこりで大丈夫だべか?」
「健康診断じゃないから、何ともないべや。」
「んだか。眠たいべし腹減るべし~。飯食ったら爆睡すんべよ。」
「いいから、行くべや~。シー、お前、飯食っても寝るなよ!すぐ寝んべ。治験の説明が、始まったらちょっくら話もあんべし。」
ぐわーっと大あくびしながらの椎葉きよし。
「了解。100億%自信ないべ~。くわぁ~寝み~っ。」
「あっシー、オメッ!オメッ。臭せっ!」
怪訝な顔をして、鼻をつまむ小林。
「あ~前日の姫路出張から3日間着たまま。解るかぃ。会社のお嬢様達にも臭っ!めっちゃ臭っ!って言われてたべさ。解るか!男、苦労の熟成加齢臭!ハハハッー。」
鼻をつまんで、手の平であおぐ小林未央。
「くぅっさ!アホ、加齢臭テロで俺の会社潰す気か!ロビー臭くなんべや。早く行くべ。オッサン!」
そんな楽しく話しているデカい男2人の前に、ニコニコしながら近寄って来る、色白美白の超絶美女が来た。
「課長、お疲れ様で~す。」
「お疲れさん。あー何ですぅ?」
美しい笑顔で椎葉に上品に会釈する色白の背の高い女性部下だった。
白いシャツの胸の谷間に目が留まる椎葉。
「あの課長、当社、被治験者の素泊まりセットをお使い下されば?ハイ、これなんかで宜しければ。」
「あ、なるほど。なるほど。おい!シー!着替えんべ。」
「面倒くせ~。」
「スンゲェ臭せ~から、早く着替えろ。」
「こちらで介護用全自動シャワーもあります。私が案内しますわ。うふふ。」
「コバ、お前ん所、凄い会社だ。色んな意味で。」
目の覚めるような美白の美人に目が釘付けの椎葉だった。
「ったりめーだ、馬鹿タレ。南さんっ宜しく。」
「南さんて、言うの?」
「ハイ。南です。椎葉様。宜しくお願いします。ウフフッ。」
頭を掻いて照れ笑いの椎葉きよしだった。
話を続ける南華子。
「うふふっ。後ですねー、たった10分で!うふふ。介護用ですが最先端の全自動シャワーと着替えも終わりますわょ。機械が全てやってくれますわ。うふふ。寝ていてくだされば、機械が全て致しますわ。」
「10~分っ。早っ!はい!お願いしまっす。」
「ウフフッ。」
「こぉのー、10分って時間を聞いてゲンキンなやつ。コイツ、マジ~臭い。オヤジ臭っ。」
南に案内されながらトコトコ着いていく椎葉。歩くたびにポヨンポヨンと胸が揺れる南。
「小林とお親しいんですね。」
「北海道の田舎で、中学からの幼なじみですから。」
「えっ、そうなんですか?楽しそう。ウフフッ。」
「南さん、えー南……。」
「南華子っです。ウフフ。小林がいつも何かあると、シーがシーがと言うから。どんなお方と思って。今日も朝からスマハンドに向かって、シーシーって楽しそうでしたわ。ウフフッ。」
「ゲッ!朝、横にいたの?南さん。」
マジに照れる椎葉。
「ハイ。もーっ皆さん楽しそう。御社には愉快な方が多いんですねぇ。」
「南さん、ウチの会社に来たことあるの?」
「うふふっ。取引先ですので。皆さんに直接お会いした事はありませんが、書類の打ち合わせで伊東さんといつもお話していますわよ。いつもマズルさんと、伊東さん、岩崎さん、最近は御社、社長のお嬢様の黄(ホァン)主任と営業試機や営業試料の打ち合わせを良くしています。電子カタログの打ち合わせで。うふふっ。」
ウフフと笑うたびにボヨンボヨンと揺れる南の胸。
また目が胸元にいく椎葉。
2人の後ろからイライラするコバが、声を掛ける。
「コラコラコラ!うちの大切な社員に余計な事言わない、ちょっかい出さない!南ちゃんも南ちゃんでオッサンの話、聞かない!」
オホホッと、上品に笑う南華子。
「コんバ~!悪い~っ。ちょっくら待っててけれ!10分10分~っ!」
会社ロビーに響く椎葉きよしの大声。
「声でかい!ここにおるから。」
( アハハハッ。 )
ロビーの受付嬢たちから笑声が聞こえた。
小林が照れる。
「アイツの方がうるさいしょ。」
( アハハハッ。 )
胸開き半袖カッターから見える南華子の白い素肌。
指先と肘がピンク色の柔らかそうな腕を伸ばした。
「さっ、椎葉さん。こちらですわ。ウフフッ。」
「いや~何から何まで~。いやいやいや。」
ロビー奥の廊下に消える2人。
「ふっ。アイツ、シルビアいるのにぃ大丈夫かぁ~?鼻の下伸ばして。エル姫見てたらえらい事になるでぇ。」
ニガ笑いの小林。
小林が務める㈱高崎薬品。
主に日本国軍、自衛隊や日本の主要同盟国軍へ、装備医薬品を降ろす最新鋭・最先端の医薬品メーカー。その1階にある広大なロビー。
そこで幼馴染の親友、いや戦友が会うのだ。
「いや~悪ぃ悪ぃ、コバまだいけるべか?」
ロビーに響く声。
笑いながら、小走りでヨレヨレの背広姿の椎葉が来た。
「シー!お前~もう10時やんか!9:30の組は、もぅ治験始まっとるから次は13時からやんか。まぁこっちが頼んだ治験だから、あれだけど。」
小林大佐の背広姿。
小林大佐と椎葉は中学以来、栗山町の幼なじみだった。
小林は軍族の身を隠す為、民間の高崎薬品で医薬品会社の営業課長で仕事をしていたのだ。
18年前、シラス加盟国軍の要請で軍に復帰した。
一方で椎葉は軍の復帰をかたくなに断っていた。
特に、元上官の御舩たちなどのシーラス、日本国軍や自衛隊の幹部たちが椎葉きよしの復帰を望んでいた。
しかし、椎葉は強烈に断っていたのだ。
毎日の食卓でも、母親の京子やシルビア、エルジビエタ、彼女らの実母のオリエッタからの勧めを全て断っている。長年、そんな雰囲気だった。
しかし、小林だけは軍隊嫌いになった椎葉きよしには内緒で復帰したのだった。
「シー、飯ば喰ったべか?時間あるから、そこのラーメンさ行くべか。」
ガラス張りの玄関の先をのけぞって覗くきよし。大阪で有名なラーメンチェーン店の暖簾が見えた。
「ラーメン?お前、あそこのラーメン。道産子でよく食えんな!噂では油がネッコリで、はんかくさいべぁ。」
「何でもいいべや。オッさん!はははっ。」
「いやいやコバ。俺、あそこのラーメン。新大阪にもあるけんども食べた事ないべさ。っあれ?血液検査するんだべ?食べていいの?こってり、油ねっこりで大丈夫だべか?」
「健康診断じゃないから、何ともないべや。」
「んだか。眠たいべし腹減るべし~。飯食ったら爆睡すんべよ。」
「いいから、行くべや~。シー、お前、飯食っても寝るなよ!すぐ寝んべ。治験の説明が、始まったらちょっくら話もあんべし。」
ぐわーっと大あくびしながらの椎葉きよし。
「了解。100億%自信ないべ~。くわぁ~寝み~っ。」
「あっシー、オメッ!オメッ。臭せっ!」
怪訝な顔をして、鼻をつまむ小林。
「あ~前日の姫路出張から3日間着たまま。解るかぃ。会社のお嬢様達にも臭っ!めっちゃ臭っ!って言われてたべさ。解るか!男、苦労の熟成加齢臭!ハハハッー。」
鼻をつまんで、手の平であおぐ小林未央。
「くぅっさ!アホ、加齢臭テロで俺の会社潰す気か!ロビー臭くなんべや。早く行くべ。オッサン!」
そんな楽しく話しているデカい男2人の前に、ニコニコしながら近寄って来る、色白美白の超絶美女が来た。
「課長、お疲れ様で~す。」
「お疲れさん。あー何ですぅ?」
美しい笑顔で椎葉に上品に会釈する色白の背の高い女性部下だった。
白いシャツの胸の谷間に目が留まる椎葉。
「あの課長、当社、被治験者の素泊まりセットをお使い下されば?ハイ、これなんかで宜しければ。」
「あ、なるほど。なるほど。おい!シー!着替えんべ。」
「面倒くせ~。」
「スンゲェ臭せ~から、早く着替えろ。」
「こちらで介護用全自動シャワーもあります。私が案内しますわ。うふふ。」
「コバ、お前ん所、凄い会社だ。色んな意味で。」
目の覚めるような美白の美人に目が釘付けの椎葉だった。
「ったりめーだ、馬鹿タレ。南さんっ宜しく。」
「南さんて、言うの?」
「ハイ。南です。椎葉様。宜しくお願いします。ウフフッ。」
頭を掻いて照れ笑いの椎葉きよしだった。
話を続ける南華子。
「うふふっ。後ですねー、たった10分で!うふふ。介護用ですが最先端の全自動シャワーと着替えも終わりますわょ。機械が全てやってくれますわ。うふふ。寝ていてくだされば、機械が全て致しますわ。」
「10~分っ。早っ!はい!お願いしまっす。」
「ウフフッ。」
「こぉのー、10分って時間を聞いてゲンキンなやつ。コイツ、マジ~臭い。オヤジ臭っ。」
南に案内されながらトコトコ着いていく椎葉。歩くたびにポヨンポヨンと胸が揺れる南。
「小林とお親しいんですね。」
「北海道の田舎で、中学からの幼なじみですから。」
「えっ、そうなんですか?楽しそう。ウフフッ。」
「南さん、えー南……。」
「南華子っです。ウフフ。小林がいつも何かあると、シーがシーがと言うから。どんなお方と思って。今日も朝からスマハンドに向かって、シーシーって楽しそうでしたわ。ウフフッ。」
「ゲッ!朝、横にいたの?南さん。」
マジに照れる椎葉。
「ハイ。もーっ皆さん楽しそう。御社には愉快な方が多いんですねぇ。」
「南さん、ウチの会社に来たことあるの?」
「うふふっ。取引先ですので。皆さんに直接お会いした事はありませんが、書類の打ち合わせで伊東さんといつもお話していますわよ。いつもマズルさんと、伊東さん、岩崎さん、最近は御社、社長のお嬢様の黄(ホァン)主任と営業試機や営業試料の打ち合わせを良くしています。電子カタログの打ち合わせで。うふふっ。」
ウフフと笑うたびにボヨンボヨンと揺れる南の胸。
また目が胸元にいく椎葉。
2人の後ろからイライラするコバが、声を掛ける。
「コラコラコラ!うちの大切な社員に余計な事言わない、ちょっかい出さない!南ちゃんも南ちゃんでオッサンの話、聞かない!」
オホホッと、上品に笑う南華子。
「コんバ~!悪い~っ。ちょっくら待っててけれ!10分10分~っ!」
会社ロビーに響く椎葉きよしの大声。
「声でかい!ここにおるから。」
( アハハハッ。 )
ロビーの受付嬢たちから笑声が聞こえた。
小林が照れる。
「アイツの方がうるさいしょ。」
( アハハハッ。 )
胸開き半袖カッターから見える南華子の白い素肌。
指先と肘がピンク色の柔らかそうな腕を伸ばした。
「さっ、椎葉さん。こちらですわ。ウフフッ。」
「いや~何から何まで~。いやいやいや。」
ロビー奥の廊下に消える2人。
「ふっ。アイツ、シルビアいるのにぃ大丈夫かぁ~?鼻の下伸ばして。エル姫見てたらえらい事になるでぇ。」
ニガ笑いの小林。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)
あおっち
SF
港に立ち上がる敵AXISの巨大ロボHARMOR。
遂に、AXIS本隊が北海道に攻めて来たのだ。
その第1次上陸先が苫小牧市だった。
これは、現実なのだ!
その発見者の苫小牧市民たちは、戦渦から脱出できるのか。
それを助ける千歳シーラスワンの御舩たち。
同時進行で圧力をかけるAXISの陽動作戦。
台湾金門県の侵略に対し、真向から立ち向かうシーラス・台湾、そしてきよしの師範のゾフィアとヴィクトリアの機動艦隊。
新たに戦いに加わった衛星シーラス2ボーチャン。
目の離せない戦略・戦術ストーリーなのだ。
昨年、椎葉きよしと共に戦かった女子高生グループ「エイモス5」からも目が離せない。
そして、遂に最強の敵「エキドナ」が目を覚ましたのだ……。
SF大河小説の前章譚、第4部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! No2.
あおっち
SF
海を埋め尽くすAXISの艦隊。
飽和攻撃が始まる台湾、金門県。
海岸の空を埋め尽くすAXISの巨大なロボ、HARMARの大群。
同時に始まる苫小牧市へ着上陸作戦。
苫小牧市を守るシーラス防衛軍。
そこで、先に上陸した砲撃部隊の砲弾が千歳市を襲った!
SF大河小説の前章譚、第5部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる