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第10章 御宙神意(そらかみ)の御意思。

第1話 一大銀河恒星間戦争の勃発。

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 広大な宇宙の生命の歴史は、地球にもジワジワと影響をおよびはじめていた。
 それは宇宙に生きる知的生命の運命かもしれなかった。
 
 私達の銀河系。
 天の川銀河には、多種多様な文明、生命が溢れている。そして、他の銀河を見渡すと更に……。
 
 宇宙には無限に文明、生命がいる。
 しかし、高度に発達する事が出来た文明は、極、僅かだった。
 その高高度文明のテクノロジーは、光のスピードを遥かに超えて移動する手段を身につけたのだ。その文明は多いに発展した。
 光のスピードを飛び越え、惑星間の瞬間移動、即ち星間および宙域ジャンプが出来る文明は宇宙広し、と言えども数は限られていた。
 高高度文明の中でも、更にわずかしかいなかった。
 
 地球暦を基準に現在から6600年前、ある性質のある「血清」を巡り、数々の銀河を巻き込む恒星間戦争が勃発した。
 戦禍は宇宙の端々まで広がった。この一大銀河恒星間戦争は約200年間続いた。
 私達の太陽と水星、金星、地球から新たに発見された第10惑星までを1恒星系とすると、101の恒星系と高高度文明を含む25もの文明が消滅したのだ。
 
 その性質の血清とは、星間ジャンプ時における人遺伝子の損傷を防ぎ、修復促進が出来る「ジャンプ血清」である。
「ジャンプ血清」も大きく分けると2種類あり、一度摂取すると生涯効果がある天然の血清と、短期間だけ有効な人工血清がある。星間交易が高度に進んだ文明間では必要不可欠の血清だった。
 
 事の発端は、各文明間で共同運営していた天然血清を培養する人間奴隷牧場星の太陽の中へ違法貨物船が軍のパトロールからの逃亡の際に、謝って(恒星)太陽の中心でジャンプアウト。
 太陽は超新星爆発を引き起こしてしまった。
 
 そしてその人間牧場を含む太陽系が壊滅した。

 その影響で天然血清の価格が暴騰。
 各文明は残った天然血清を巡り、争いに突入した。その結果、宇宙で星間ジャンプが出来る文明のほとんどが滅びてしまったのだ。
 
 滅びた25文明の内、高高度文明が6つある。
 それを表す「ヘキサゴン」六角形の紋章。
 高高度文明の領主聯合を示す2重線の六角形の紋章。
 その高高度文明の6大領主とは、
 
 ミ・コード皇国星域連邦
 エ・イングハラウンド星系連邦
 オー・セントリチア恒星星域共和国家群連邦
 フライセン軍域連邦同盟星域群
 ロ・ノーマ帝国連邦星域
 コ・チ二ア帝国星域連邦
 
 の事である。
 その6大領主が戦争に巻き込まれてしまったのだった。
 全ての宙域が戦争の災禍に巻き込まれ、滅亡に瀕した。いや、事実上文明が滅亡したのだ。
 そして何とか戦禍を逃れた、6大領主は復活の時を誓い各銀河、各星々に散らばったのだ。
 それが6600年前に起きた宇宙の出来事だった。
 
 代表領主のミ・コードの、「ピーター・ネイバロン・キノ・マゾフシェ・シーラス皇帝」の一族は宇宙の中でも未開拓の辺境銀河(私たちの天の川銀河)の恒星系に、生き残った一族を引き連れシーラスムーン(人工恒星を利用した宇宙コロニー・ダイソン球体)で逃げ落ちた。
 ここではまだジャンプ技術が確立されていない文明があり、その惑星の名をネイジェアと呼んでいた。
 
 当時、ネイジェア星には、2つの大陸と、2つの島国があった。2つの大陸では9つの王朝があり、領土領海覇権を巡り戦争を繰り返していた。
 
 2つの島国、極西の島国の名はオース皇国。
 別名、巨人族(オース)の島と呼ばれていた。
 
 もう1つは極東の島国。
 その国の名はジン・シュウ。
 現地の言葉で(ジン)は太陽の神の名前。(シュウ)は原点やその元の意味を表す。
 両島国の科学力は2大陸のそれを大きく凌いでいた。
 
 シーラス皇帝は2つの島国の内、独自に文化・経済が発展し、非常に民度が高い民族の居るジン・シュウ国を大いに気に入ったのだった。
 
 ジン・シュウは自然が豊かで、緑があふれていた。そして国民が大変フレンドリーだった。しかし、自然があふれる島とは裏腹に科学技術・人々の民度が、その惑星の中で群を抜いて優秀だったのだ。
 
 そのジン・シュウ国にシーラス皇帝一族は身を寄せたのだ。
 
 ジン・シュウ国は国主として天皇を頂き、政治は国民の代表者に首相を戴き、議会制民主主義により国が治められていた。
 当時のジン・シュウの天皇陛下は、万世一系の第132代サイオン・ネイジェア陛下だった。
 
 その他の大陸の国々は皇帝一人が一国を収め、奴隷制により占領した国々の民を奴隷や、軍の従僕として国を発展させていた。
 ジンシュウ国は完全な民主国家で優秀な国民が国を支えていたのだ。
 そのジン・シュウにシーラス・一族が落ち着いたのだ。
 ジン・シュウ国の国民は、シーラス皇帝陛下を快く受け入れて宇宙難民となった皇帝陛下の一族、約3000万人を受け入れた。
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