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第15章 ゾフィアとヴィクトリア。

第7話 そろそろ、2次会がお開き。

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(( あ~ははっ~! ))

(( ガハハハハ~!))

(( マジ~!いやだ~あはははっ!))


 大爆笑の2次会メンバー。

 
「マジですか~!今度は、愛っ!そのアイラさんも呼びたいわね~。ね~パンダ隊長。マジボケの人好きですから、あはははっ。」
 
 調子に乗る佐藤結衣。
 
「ん~ボカぁ、宴会とか、に~がて。アイラ姉ちゃんも普段は優しいし。たまたまカミンスカ師範にお酒飲まされた時、お姉ちゃん、意味が解んなくてヴィチック(ゾフィア)師範に下ネタの質問しただけだよ。アイラ姉ちゃんそんな人じゃないよ。」
 
 腹を抱えながらきよしをいじるゾフィア。

「お前、なんでアイラを養護するの?あ~?ホントは筆おろししてもらったんじゃないのか?きよし!あはははっ!アワビじゃなく、ホッキ貝って破壊力あるだろぅきよしぃ。」


(( あはははっ! ))


「なっもう!師範。もう。」

 
 間に受けるきよし。
 
「もう、最低~。うふふっ。」
 
 下を向いて笑うジェシカ。

 体は大きくても、基本的に奥手なきよしだった。

 そんなきよしをいじり倒す女性軍団。

 きよしをいじる相手が実母の京子や麗子、オリエッタやルオの義母のリーリンから若い少女軍団やポーランド師匠に変わっただけの、まぁ~いつもの事なので、慣れている小林とルオ。

 ジェシカ小隊のジュリアやリリアナ、ルーシーも慣れし始め、きよしをイジリ倒して、楽しんでいるのだった。
 ジェシカが何かを思い出して布村に聞く。
 
「あははぁ、あっ!愛ちゃん?そうだ、愛ちゃん?」
 
「はい、ジェシカさん。」
 
「あの~去年の事だけどぉ、対馬攻防戦の後、アメリカのTVで、アメリカの地上波のニュースで、日本の女の子のインタビュー見たけどぉあれ~、もしかして愛ちゃん?」
 
「え~見て頂けたんですか?日本では流れてないけど。アメリカで、ですか?アメリカで流れてたんですか?ほんとですか?TVクルーはアメリカのなんとかTVとか言ってましたけど。」
 
「い~え~、千歳の自宅でよ。ネットで地元の、たまに実家のテキサスのTVニュース見ているの。その時よ。しっかり女の子の目のあたりに、こー、こんな感じでモザイク掛かってたけど。やっぱり愛ちゃんよね?オッパイの大きな娘。ベットの中でインタビュー受けてた女の子。横に通訳のオジサン。愛ちゃんの何倍も大きなデカいオジサンも横に居たけどぉ。アメリカ軍の兵士なのかなぁ。病院の入院服がスンゴイ筋肉でピチピチで、ついでにあっちの禁肉もモッコリで。ついついそっちも気になったけど。(隊長、エッチー!あはは。)あははっ。白人かな~。綺麗なネイティブで通訳してた兵士のオジサンと一緒にインタビュー受けてたよね。同じ病室の人だったの?」
 
 一瞬、きよしとチラッと見て、顔が赤くなる布村。

 いじられ後でボーとしているきよしを見た。
 
「全米に流れたニュース番組よ。対馬戦の翌日だったかなぁ物凄い反響だったみたいで。色んな意味で。1か月位、何度も色んなニュース番組で、同じインタビューが流れてたわよ。女の子にモザイクがこう、こう掛かってた。全部おんなじVTRよ。」
 
 手の平で目の周りを隠すジェシカ。
 
「そうです!私のベットに座って通訳してもらったのは、なんと!パンダ隊長です。アメリカ兵のオジサンじゃないですよ。ねっパンダ隊長!」
 
((  え~っ!きよちゃんだったのぉ~! ))

(( うっそー!愛っ!マジー!うっそー!全米のニュースって! ))

 口に手を当てて驚く4人の少女達とジェシカだった。
 
「愛っ愛っ愛っ!初めて聞いたぁー!パンダ隊長のパンダのアザの由来も、今日!このホテルで初めて聞いたしぃ。なんでいつも隠してるの~。愛ったら。もう!」
 
「もう愛っ!夏休み終わって学園でもそんな話しなかったよね~。もう。愛っ!」
 
「え~、愛っ。マジっ?どこでインタビュー受けたの?あなた、いつ入院なんかした?」
 
「う、うん。病院じゃない。あの~なんていうか、帰りの大きな病院シャトルの病室で。」
 
 きよしの顔を見て少し困り顔の愛子。
 そのきよしは、すこし暇になったリリアナとジュリアに囲まれて、何かまたイジられてジッとしている。ジェシカは5人の女の子の話をうなずきながら聞いていた。
 
「そ~いえばぁ。なんか途中、青森の米軍の宇宙基地?に、1回寄って帰って来たとか何とか。結局、一泊したんでしょ?」
 
「病室はパンダ隊長と一緒だったの?」
 
「う、うん。そうだけどぉ。」


(( えー!マジー!危険、危険!うっそー! ))

(( それは反則~!反則だって~愛っ~! ))

(( なんで~いつも愛だけ~!ズルイ~! ))

(( うわ~愛っ。もう、つまんない~。なんで愛なのよ~。))
 

 リリアナが大きなエビの尾を拳銃代わりに、きよしのほっぺに突き付けていた。
 
「本当なのか、椎葉少尉!」
 
「はい。間違いありません。私です……。」
 
 唇をへの字にして、手を広げるリリアナ。きよしの鼻をつまんだり、弱点の耳たぶをイジリながらクスクス笑うジュリア。
 そんな外人を見流して愛子が答えた。
 
「だって、だから、そうやって皆に言われそうだから、言わなかったの!プイッ!」


(( あ!また、プイッ! ))

(( こら!また、愛っ、プイッして! )) 
 
 また、対馬の話をブリ返す5人の少女。

 言い出しっぺのジェシカが、焦って場を鎮め始める。
 
「違うの違うの、ちょっと聞いて。そういう事言いたいんじゃないの。」
 
「でも、言い出しっぺがお姉ちゃんでしょう。どうやって収めるの。ちょっとぉ。」
 
 姉に食ってかかる妹のルーシー・スミスだった。

 それでも5人の少女に身を乗り出して鎮めようとするジェシカ。

 そんな中、ゾフィアが和室の時計をチラッと見た。

 ニッコリして、ヴィクトリアとバルトシュの目を合せた。

 うなずくヴィクトリア。

 両手を軽く上げてコップをテーブルに置くバルトシュ。 

 その時、ゾフィアとバルトシュ、姉のヴィクトリアが立ち上がった。
 
「ジェシー、ジェシー?もう、私たちはひとっ風呂入ってから寝るわね。せっかく愛ちゃんイジりが始まって面白くなるときに、ごめーん、きよしもジェシーも。温泉に行って来るわね。ルオちゃんたち、後片付けしないでごめんね。このままでいい?」
 
 両手の平を上げて答えるルオ。
 
「ヴィチック師匠!カミンスキー中佐もそのままで結構です。みんなで片づけますから。ゆっくり休んでください。こんな時間までありがとうございました。」
 
「ありがとうルオちゃん。」
 
 急にお淑やかで優しくなるゾフィア。

 ため息をついて立ち上がろうとするヴィクトリア。

 両手を開いてから、正座からスッと身軽に立ち上がった。
 
「こめんね、皆。日が変わる位まで騒ぎたかったけどぉさ。ね。ゾフィ。暫くぶりに、2人でオスプレー操縦して来たからちょっと、ん~疲れたかな。皆、お休みなさい。楽しんでね。」
 
「ん?きよちゃん。もうそんな時間なの?」
 
 きよしのスマハンドを手で回して時間を見るジェシカ。

 ゾフィアたちにまだ早いのではと、言おうとしたがジェシカを見て肩を上げるゾフィア。少し疲れていそうな顔のゾフィアを見て、眉を上げて仕方ないポーズのジェシカだった。
 
 実は次の朝、朝食の時に聞いた話なのだが、2人は母国ポーランドの国会答弁で、昨年のロシア黒海艦隊との会戦の証人喚問を受けて2日位寝ていなかったのだ。 

 その体でゲストと共に、横田米軍基地から札幌の真駒内駐屯地までオスプレーで来ていたのだ。 

 そんな事も知らない愛子たち。

 立ち上がる愛子が時計を見て残念がった。
 
「えっ!早っ!ヴィクトリアさんたち、もうお休みになるんですかぁ。もう少しだけお話しましょう。」
 
 ヴィクトリアの腕にすがる愛子。

 申し訳ない顔をするヴィクトリアだった。
 
「もう、愛っ。子供じゃないんだから。」
 
 愛子の腕を押さえる中村・スーザン・幸子と寺田麗子。 

 ところが、全く違うところに反応する少女達もいた。

 ミリオタの佐藤結衣とルーシーだ。2人は驚いて、帰り際なのに質問した。
 
「えぇ!。お2人で、ここに来るためオスプレーを操縦して来たんですか。凄ーい。(どう言うこと、結衣。)いやいや、ルー。だから、ゾフィアさんもヴィクトリアさん、パイロットさんもしてるってことですよね。凄ーい!(えー、マジにですか。へー。)」
 
 話がまたエスカレートしそうな結衣とルーシー。
 
 そこで結衣とルーの腕を優しく持って、きよしが立ち上がった。

 子供の時から、他人の疲れとか、精神的なダメージとかには何故か敏感なきよしだった。
 
「なんか珍しく2人とも疲れてるみたいだから、結衣ちゃんもルーシーさん、許してあげて。(正しい日本語)そうだ、マスター(師匠)達もコマンド・ルテェナン・コーネル(宙空軍中佐)も明日ここで朝食ですけど、家族で来ますよね?朝食をこの畳の間で用意しますが。自室の方がいいですか?(英語)」
 
 突然、普通に英語をしゃべるきよしにビックリする愛子たち。

 また、ニコニコと小林が気を使って言う。

 いつの間にか、小林の手には小林愛用ちびっ子B5番ノートと鉛筆を持ってる。もちろん、ノートの隅には、今日のきよし・顔予報がチビッこく書いてあった。

 もちろん、よだれニッコリマークだった。
 
「朝食、マスターたちは和風でいいですよね?お味噌汁のお味噌は赤白の合わせ味噌ですよね。(英語)」
 
「ありがとう未央。もちろん。朝の卵かけごはんと、味付け海苔に、塩鮭。もちろんお味噌汁も楽しみよ。和風でお願いしますわ。うふふ。(英語)」
 
「マスター、2人とも?(英語)」
 
「もちろん!(英語)」
 
 小林の気使いに喜ぶゾフィアとヴィクトリア。
 
「コマンド・ルテェナン・コーネル(バルトシュ中佐)のご家族は?(英語)」
 
 アルコールが入って、真っ赤になっているバルトシュ。
 しかし、トークはしっかりしていた。
 
「妻のエレナは、和風でお願いします。日本のホテルで、彼女は和室で食べる日本の朝食を、もの凄く楽しみにしている。僕と子供達は、はじめて和食を食べるから不安だ。もしも食べられなかったら困るので、洋風も用意してもらえるかな?(英語)」
 
「もちろんです、コマンド・ルテェナン・コーネル。先程、女将からどちらでも良いですとお聞きしてます。和食と洋食それもポーランド風朝食を用意すると女将が申しておりました。(英語)」
 
「おー!凄いな、全く。日本のホテルは凄いな。有難う未央。(英語)」
 
 感心して、ポカーンときよしと小林を見る少女たち。
 
「それではきよし、未央ちゃん。ルオも。ゆっくり大浴場で入ってから休むわ。(普通に日本語)」
 
「僕も!エレナと子供達はもう、寝てるし。お先に。お休みなさい。未央も、ジュリアもまだいるだろう?(ポーランド語)」
 
「はい、未央とまだ起きてます。まだ、11時前で寝られないと思うし。(ポーランド語)」
 
「了解。あっ!危ない。はい、ジュリー。これ君と未央のKEYカード。忘れる所だった。これがないと、僕たちの部屋に入れない。2人とも楽しんでね。(ポーランド語)」
 
「ありがとうバルト。お休み。(ポーランド語)」
 
 ジュリアとお休みのキス、姉のヴィクトリア、ゾフィともお休みのキスをして、小林達と握手してサッサと部屋を出るバルトシュだった。

 小林小隊、ジェシカ小隊の6人に頬でお休みのキスをする2人の美女。

 最後にお休みのキスを愛子にして頭を撫でるゾフィア。
 
「朝食はここよね。愛ちゃん。」
 
「ハイ、朝7時半からです。お休みなさい。」
 
 いつの間にか淑やかな女性に戻ってるゾフィアだった。

 少女たちが小さく手を振る。
 
「了~!みんな、お休み。」
 
 優しく二指で敬礼をするヴィクトリア。
 ニコニコしながら部屋を出る美女2人だった。
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