「メジャー・インフラトン」序章3/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 FIRE!FIRE!FIRE!No2. )

あおっち

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第15章 ゾフィアとヴィクトリア。

第3話 気の合う軍人たち。

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( もう、イヤだぁ~。きゃーアハハハ。 )
 
 手を叩いて笑う佐藤結衣たち少女軍団。
 
 そこで布村が目を輝かせて、ゾフィアとヴィクトリアを見て言った。
 
「え~パンダ隊長。その師範と戦ったのは対馬の半年かぁ?最近の話ですよね。え~凄い、凄い!こんなにモデルさんみたいに美人さんなのにぃ。パンダ隊長が勝てない人って。凄い、凄い!え~!」
 
 興奮してグラスの氷を回して、残りのジュースを飲む布村。

 世界ナンバーワンのスーパーアタッカーのきよしより強いゾフィアとヴィクトリア。

 ジェシカ小隊の3名は目を見張り、何気に襟を正して正座をし直した。

 椎葉きよしの強さは、訓練を通し知っているジェシカ小隊。

 そのきよしより更に強い2人を目の当たりにし、緊張したのだった。
 
「ま~、ヴィクトリアと私にとって、きよし・ルオ・小林は日本の弟みたいなもんだな。なぁルオ?未央?」


(( ハイ!ビチック師範。 ))


「バルトもサムライ新格闘やればいいのに。なぁ。タイミング逃しよって。まだその年齢なら師範位、取れるでな。」
 
 そんな2人に目を合わせないように、ビールを飲むバルトッシュ。

 そのバルトを意地悪そうに、下から覗くヴィクトリアとゾフィア。
 
「……ふん。あははっ。まぁいいわい。なぁ、ヴィック。特に私は、日本の宴会や飲み会じゃないと本心出せないのさ。ありがとうみんなぁ。ははっ。ジェシカたち、明日から椎葉家に引っ越すんだろ?明日からヴィックと私は1週間程、邪魔するわ。毎晩、2階のアイラの居間で酒盛りするべさ。白チンコのきよしば、ほったらかして。ガハハハッ!」
 

 お互いを見合うジェシカ小隊。

 
「ウチとヴィックの母艦にさ、数機づつ、あの新型ネオファントム(F-39B)を導入するのさ。閣下たち(御舩と岩井宙空将)とローマンとネオファントムの導入前訓練のミーティングがあるで。まぁ部下は何人か来るけどシーラスワンのウーラノスホテル(急襲打撃宙空戦闘母艦のウーラノスの兵員室)で泊まるらしいけどな。私ら2人は椎葉家に私たちの部屋があるで。」
 
 何かに気が付くジュリアナ。

 ジェシカの肩を持って、
 
「あ、隊長。京子ママの2階、余ってる部屋の戸にたしかぁ、ZとVの大文字書いた部屋ありましたよね。京子ママが絶対入らないでって。」
 
「あはははっ。そう!その部屋!ウチら2人の部屋なのさ。な、きよしよ。」
 
「はい、もう10年以上も前からです。」
 
 ジェシカがジュリアやリリアナを見て、
 
「そうなんですかぁ。あははっ。」
 
 何となく不安になって笑ってごまかす3人のジェシカ小隊だった。

 しかし、それよりもこのポーランド戦士と酒を酌み交わせる喜びの方が勝った。

 昨年の対馬攻防戦の直後、ロシア太平洋艦隊が黒海で突然、海戦(会戦)を仕掛けて来た。

 その北海最強と言われたロシア艦隊をたった数時間でヴィチック艦隊とカミンスカ艦隊がロシア艦隊を一隻残らず殲滅したのだ。

 その戦果は世界に衝撃を与えた。
 
 世界にその功績が響き渡たる。

 軍属なら誰でも知っているその大戦果。

 その大戦果を挙げた活躍を知っているジェシカ小隊の女性兵士たち。

 今日は、その現場司令官2人と、宴が出来るのだ。
 
「まぁ宜しくな。」


(( ハイ!宜しくお願い致します。 ))


「よし、よし。まずは、乾杯だ。」
 
 グラスを合わせる2人のポーランド海軍の軍人と、アメリカ宙軍3人の軍人たち。


(( 乾杯! ))


 席の奥側で、今度はチャキチャキの軍人同士の2次会が始まったのだ。

 おとなしくビールを飲むバルトシュ。

 その横で、気を使いバルトシュ用に新たに硬い氷下魚を剥いているきよし。

 バルトッシュはこう見えても千歳シーラスワン、訓練第1大隊長のバルトッシュ・カミンスキー中佐であるのだ。

 本来、きよし達にとっては雲の、更に雲の上の存在で、世界の軍組織の常識では同席は滅多にあるはなしではない。

 ジェシカも中佐である以上、きよしたちの下っ端とは本来飲めないのだ。

 しかし、借りた猫のように静かなバルトシュだった。

 今日は、姉(ヴィクトリア)と親友のゾフィアがいるため、公の場ではいつも萎縮していたのだった。

 小林はビクトリアとゾフィアの斜め後ろで正座をして黙って2人にビールを晩酌している。

 ルオはリリアナに手を握られたまま正座して苦笑いしながら話を聞いていた。
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