「メジャー・インフラトン」序章3/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 FIRE!FIRE!FIRE!No2. )

あおっち

文字の大きさ
上 下
90 / 96
第15章 ゾフィアとヴィクトリア。

第2話 白いソーセージ。

しおりを挟む
 上品で美しい外見から、全くかけ離れた態度に驚く人たち(バルトシュとヴィクトリア。きよし、小林、ルオ以外)。

 布村がその下品でダンディーな態度に口を押えて驚く。

 宴会場での女性らしい態度と余りに違う態度に驚くルーシー。

 正座をしたままジッと動かないきよし。
 完全に師範と門下生の対応になっている。
 
「あはははっ!身長は200メートル位か?(ガハハハ!オヤジギャグ!)早いもんだな~。私が防衛大時代な、あんときゃあ、やっとチンコに毛が生え始めた頃だな。皮も被ってたしな。なっ未央?ガハハ~ッ!」


( はあい? )

 
( えっ? )


 ドキッとする少女隊。

 
「中1か?未央の助、いつだ?」
 
「はい、師範。」

 
 (チンコに毛が生えた~)の下りに目を丸くして驚く布村と4人、ルーシー、ジェシカ、リリアナ、ジュリア。

 直ぐ、ゾフィアの斜め後ろで、背中を丸めて正座で座ってから、ゾフィア師範へ両手でビールのお酌をしながら丁寧に話す小林未央の元、門下生。
 
「はい、たしか中学校1年生の頃です。僕が入門した頃ですから師範。」
 
「そ~かぁ中1か。中坊かぁ。今は3人とも、幾つになった?」
 
「19になりましたヴィチック師範。」
 
「そうだそうだ、5年前か。でもきよしに会ったのもっと前だけどな。」
 
 バルトシュとの会話を止めて、きよしの顔を下から覗いて意地悪に話すヴィクトリア。
 
「ゾフィと私が稽古の後、一緒にきよしとお風呂に入った時かぁ?たぶん小5?小6の時か?きよしのチンコ立つようになってから、混浴を止めたんだよな。たしか!あはははっ。真っ白いソーセージのような美味しそうな白チンコ。あはははっ。」

 
 思いっきり引く少女とジェシカ小隊。
 同時に顔が真っ赤になる少女たち。
 

「どうだ!きよし!今晩一緒に、ベットで稽古するか?あ~ん!あはははっ。デカくなったんじゃないかぁ~!女と付き合って一皮剥けたんじゃないなかぁ。なぁオイ!きよし!ガハハハッ。」
 
 ジェシカを見て、ガサツに話すゾフィア。

 中年のオッサンのような態度だった。

 真っ赤になるジェシカ。

 いきなり、プチ・セクハラの場になる2次会なのだった。

 周りの目を一切気にしないゾフィアとヴィクトリア。
 
          ◇        ◇


 AXISとの地中海防衛戦や、ロシアとのウクライナ第2次防衛戦、ベラルーシ国境線など東ヨーロッパ防衛戦での実戦を含め、歴戦錬磨の彼女たちなのだ。

 そのおかげで「西側ヨーロッパの鋼鉄の壁。」とポーランドは呼ばれているのだ。
 
 最近では、昨年の対馬島嶼防衛戦が終わった寄港時、攻撃をしかけてきたロシア黒海艦隊を完全殲滅した2人なのだ。

 一国の軍隊の司令官や艦長を務めるだけあって、若い女性なのに腹が異常に座っていた。

 そんな2人に興味を持ち始めたジェシカ小隊だった。

 同盟国の軍人である以上、教本でNATOヨーロッパ、それもポーランド・中央ヨーロッパ軍の善戦記録は知っていた。

 世界の同盟国、教育教本に東ヨーロッパ戦線の数名の英雄の名前が出ているが、その現代英雄の2人が目の前にいる。
 
 軍人なら黙っていられないわけだ。

          ◇        ◇

 そんな中、布村や4人の少女たちには、ある感覚が蘇って来た。
 
 昨年対馬で感じたきよしへの感覚。
 
 砲弾や血吹雪をくぐり抜け、戦場で命のやり取りを経験した軍人から醸し出す独特のオーラを2人のポーランド人からも感じたのだ。
 
 2人は軍人。
 
 それも歴戦錬磨の上級指揮官。

 彼女たちの号令ひとつで、大勢の兵士達を死地に向かわせることが出来るのだ。
 
 ジェシカやリリアナ。

 ジュリアが、急にかしこまり始めた。

 そう思った瞬間、逆におかしな緊張も解ける布村たちだった。

 そして、布村が切り出した。
 
「ゾフィアさんたち、パンダ隊長と何年位一緒にいらしたんですか?」
 
 布村の質問に答えるゾフィアとヴィクトリアに注目するジェシカ小隊たち。
 
「あははっ。防衛大の4年間、夏と冬の休みの時は下宿して~たな、道場修行さ。まぁ、きよし。その前に私もヴィクトリア、2人の父親がポーランド軍の軍人でな。その父親たちの影響で初期のラドムの椎葉道場、清春師範の時から通っていたからな。父親の師範研修の時、何回かはちびっ子きよしに会った事はある。そう考えると、結構長い付き合いだな。なっオイ、きよし!」

 
 きよしの肩をバシバシ叩きながら普通に日本語で話すゾフィア。
 

「はい。去年も冬に、たしかぁ広島の呉で、旗艦「エミリア・プラテル」のオーバーホールの2か月間、家に居ました。結局ヴィクトリア師範も合流して、ゾフィア師範にもヴィクトリア師範に、1回も組み手で勝てませんでした。ははっ。腕、ねじって捻挫してしまったし。対馬の半年前ですかね。」

 
 口を手にあてて驚くジェシカ小隊。

 

(( えぇぇー! ))
 


 手首を揉みながら、しみじみと続けて話すきよし。
 

「僕とルオは全くダメ。格闘センスのある、小林だけはカミンスカ(ヴィクトリア)師匠とは1度だけドローでした。それ以外、あははっ!3人共ボロ負け。ゾフィア師匠にもボロ負け。へへへっ。徹底的にやられました。2人には手も、足も出ません。ホント、グゥの音も出ません。ボロボロでした。あはははっ。」

 
 世界ナンバーワン・アタッカーモービル乗りで、それもデカいきよしが1回も勝てないと聞いて、飛び上がって驚くジェシカ小隊や少女軍団。
 

 それもそのハズ。

 無差別級のヨーロッパ・アメリカチャンピオンの2人なのだ。

 勝てるとしたら、椎葉繁か杉山機長位だった。

 氷下魚を剥きながら、きよしがニタニタして話した。
 
「へへっ。チンコに毛が生えた話は、師匠たちのいつもの挨拶ネタです。」


( え~、なんだぁ~。 )


「挨拶ネタって、もう、びっくりしました。あはははっ!」
 
 驚く寺田麗子。
 
「めっちゃドキドキー!あはははっ!」
 
 胸をなでおろす中村・スーザン・幸子だった。


( もう、イヤだぁ~。きゃーアハハハ。 )

 
 手を叩いて笑う佐藤結衣たち少女軍団。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「メジャー・インフラトン」序章2/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節FIRE!FIRE!FIRE! No1. ) 

あおっち
SF
敵の帝国、AXISがいよいよ日本へ攻めて来たのだ。その島嶼攻撃、すなわち敵の第1次目標は対馬だった。  この序章2/7は主人公、椎葉きよしの少年時代の物語です。女子高校の修学旅行中にAXIS兵士に襲われる女子高生達。かろうじて逃げ出した少女が1人。そこで出会った少年、椎葉きよしと布村愛子、そして少女達との出会い。  パンダ隊長と少女達に名付けられたきよしの活躍はいかに!少女達の運命は!  ジャンプ血清保持者(ゼロ・スターター)椎葉きよしを助ける人々。そして、初めての恋人ジェシカ。札幌、定山渓温泉に集まった対馬島嶼防衛戦で関係を持った家族との絆のストーリー。  彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。  是非、ご覧あれ。 ※加筆や修正が予告なしにあります。

静寂の星

naomikoryo
SF
【★★★全7話+エピローグですので軽くお読みいただけます(^^)★★★】 深宇宙探査船《プロメテウス》は、未知の惑星へと不時着した。 そこは、異常なほど静寂に包まれた世界── 風もなく、虫の羽音すら聞こえない、完璧な沈黙の星 だった。 漂流した5人の宇宙飛行士たちは、救助を待ちながら惑星を探索する。 だが、次第に彼らは 「見えない何か」に監視されている という不気味な感覚に襲われる。 そしてある日、クルーのひとりが 跡形もなく消えた。 足跡も争った形跡もない。 ただ静かに、まるで 存在そのものが消されたかのように──。 「この星は“沈黙を守る”ために、我々を排除しているのか?」 音を発する者が次々と消えていく中、残されたクルーたちは 沈黙の星の正体 に迫る。 この惑星の静寂は、ただの自然現象ではなかった。 それは、惑星そのものの意志 だったのだ。 音を立てれば、存在を奪われる。 完全な沈黙の中で、彼らは生き延びることができるのか? そして、最後に待ち受けるのは── 沈黙を破るか、沈黙に飲まれるかの選択 だった。 極限の静寂と恐怖が支配するSFサスペンス、開幕。

「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! No2.

あおっち
SF
 海を埋め尽くすAXISの艦隊。 飽和攻撃が始まる台湾、金門県。  海岸の空を埋め尽くすAXISの巨大なロボ、HARMARの大群。 同時に始まる苫小牧市へ着上陸作戦。 苫小牧市を守るシーラス防衛軍。 そこで、先に上陸した砲撃部隊の砲弾が千歳市を襲った! SF大河小説の前章譚、第5部作。 是非ご覧ください。 ※加筆や修正が予告なしにあります。

「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)

あおっち
SF
  脈々と続く宇宙の無数の文明。その中でより高度に発展した高高度文明があった。その文明の流通、移動を支え光速を超えて遥か彼方の銀河や銀河内を瞬時に移動できるジャンプ技術。それを可能にしたジャンプ血清。  その血清は生体(人間)へのダメージをコントロールする血清、ワクチンなのだ。そのジャンプ血清をめぐり遥か大昔、大銀河戦争が起こり多くの高高度文明が滅びた。  その生き残りの文明が新たに見つけた地、ネイジェア星域。私達、天の川銀河の反対の宙域だった。そこで再び高高度文明が栄えたが、再びジャンプ血清供給に陰りが。天の川銀河レベルで再び紛争が勃発しかけていた。  そして紛争の火種は地球へ。  その地球では強大な軍事組織、中華帝国連邦、通称「AXIS」とそれに対抗する為、日本を中心とした加盟国軍組織「シーラス」が対峙していたのだ。  近未来の地球と太古から続くネイジェア星域皇国との交流、天然ジャンプ血清保持者の椎葉清らが居る日本と、高高度文明異星人(シーラス皇国)の末裔、マズル家のポーランド家族を描いたSF大河小説「メジャー・インフラトン」の前章譚、7部作。  第1部「太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」。  ジャンプ血清は保持者の傷ついた体を異例のスピードで回復させた。また血清のオリジナル保持者(ゼロ・スターター)は、独自の能力を飛躍的に引き上げる事が出来たのだ。  第2次大戦時、無敵兵士と言われた舩坂弘氏をモデルに御舩大(ミフネヒロシ)の無敵ふりと、近代世界のジャンプ血清保持者、椎葉きよし(通称:お子ちゃまきよし)の現在と過去。  ジャンプ血清の力、そして人類の未来をかけた壮大な戦いが、いま、始まる――。  彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。  本格的な戦闘シーンもあり、面白い場面も増えます。  是非、ご覧あれ。 ※加筆や修正が予告なしにあります。

「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち
SF
 港に立ち上がる敵AXISの巨大ロボHARMOR。  遂に、AXIS本隊が北海道に攻めて来たのだ。  その第1次上陸先が苫小牧市だった。  これは、現実なのだ!  その発見者の苫小牧市民たちは、戦渦から脱出できるのか。  それを助ける千歳シーラスワンの御舩たち。  同時進行で圧力をかけるAXISの陽動作戦。  台湾金門県の侵略に対し、真向から立ち向かうシーラス・台湾、そしてきよしの師範のゾフィアとヴィクトリアの機動艦隊。  新たに戦いに加わった衛星シーラス2ボーチャン。  目の離せない戦略・戦術ストーリーなのだ。  昨年、椎葉きよしと共に戦かった女子高生グループ「エイモス5」からも目が離せない。  そして、遂に最強の敵「エキドナ」が目を覚ましたのだ……。  SF大河小説の前章譚、第4部作。  是非ご覧ください。 ※加筆や修正が予告なしにあります。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

我ら新興文明保護艦隊

ビーデシオン
SF
もしも道行く野良猫が、百戦錬磨の獣戦士だったら? もしも冴えないサラリーマンが、戦争上がりのアンドロイドだったら? これは、実際にそんな空想めいた素性をもって、陰ながら地球を守っているエージェントたちのお話。 ※表紙絵はひのたけきょー(@HinotakeDaYo)様より頂きました!

【完結】バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~

山須ぶじん
SF
 異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。  彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。  そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。  ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。  だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。  それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。 ※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。 ※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。

処理中です...