「メジャー・インフラトン」序章3/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 FIRE!FIRE!FIRE!No2. )

あおっち

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第13章 月からの使者。

第2話 タッツゥ、戦地に向かう。

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 ジョナサンが車から降りるとテントの中ではニッコリ笑顔の田中対馬長官が、恐らく自衛隊レーションだろうか、缶づめを食べている所だった。車から歩いて来るジョナサンを見て、口をティッシュで拭きながら笑顔でテントから出た。2人は敬礼をしてから、握手をした。

 
「ようこそオースティン大尉。初めまして田中です。朝食中でした。すみません。」
 
「いやいやいや。長官、私こそお食事中にすみません。改めまして、アメリカ宙軍のオースティンです。こちらの勝手な申し入れでご足労かけます。」

 
 流暢な日本語で普通に喋るジョナサンだった。

 早速、戦術情報テーブルを見ながら説明を受けるジョナサン。
 
 今回のジョナサン達の装備は新型装備だった為、空爆跡の効果確認で来島したのだった。

 VRの岸田から空爆跡の所在地データをリンクし情報を貰い、再び車に乗るジョナサン。
 
 まず島の北東を目指そうと思った。本部テントから道を引き返すと、左手に相変わらず人だかりがあった。

 よつん這いになるHARMORが奥に見える。
 
 人だかりの後ろには救急車が4台止まっていた。放射能を除染した後だろうか、道から周囲の広範囲が濡れていた。HARMORの周辺には放射線のマークの入った黄色いテープが周囲に張り巡らせていた。
 
「大尉、このパジェロお使いください。先程、ウチの中隊長の陸佐から招集が掛かりました。大尉に車預けるの、陸佐からOK頂いてます。使い終わったらオスプレイの臨時着陸場に止めておいて下さい。自由に使っていただいて結構です。戦時下で給油も無制限ですから。」
 
「ん?おー有難うって、な~んの招集だべか?タッツゥは対馬警備隊だべさ。自衛隊の特殊部隊の招集っていったら、なんかエライ事起きたんだべか。」
 
「まぁ、はい。朝鮮海峡側の海岸線で敵、地上部隊の残存部隊発見せり、との事らいしんです。フタマル(20式戦車)が出動しましたので、その援護です。僕は被り物屋(機動歩兵WALKER)ですから。」
 
「あーんだか。タッツゥは被り物屋だったか。そかそかぁ。サンナナ(新型37式)のウッドペッカー(日本名アオゲラ)かい?」
 
「いえー、そんな新しくないです。フタマル(20式戦車)より新しいですけどサンマル(30式APS)のヘイズゴーストです。」
 
「そうか、ヘイズかぁ。そうか。まぁタッツゥ死ぬな。いつか北海道さ遊びに来いよ。うめーもん、いっぱい喰うべや。」
 
「有難うございます。大尉。では。」
 
 直立して、敬礼をする辰巳三郎、陸上自衛隊津島・壱岐の島方面特殊部隊、通称:対馬警備隊、3等陸尉だった。
 
「したっけ。タッツゥ!」
 
 珍しく真顔でしっかり返礼するUSAFアメリカ合衆国宙軍・第1機動宙空艦隊打撃群、 第13宙空防衛部隊・宙空対地急襲攻撃第1中隊「ムーンリバー・ワン」中隊長、ジョナサン・メイザー・オースティン大尉だった。
 
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