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第12章 スイート・チャイルド・オー・マイン。
第3話 スイート・チャイルド・オー・マイン♪
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バーニアの制御に一点集中する吉田。
エイモスがコクピットできよしにたずねた。
( 椎葉少尉?ひとつ、お伺いしたいことが。よろしい? )
「何?エイモス。なんだべ。人工知能が質問なんて。」
( はい。吉田、元日本国陸軍准尉の低下していた血圧が正常に戻りました。全てのバイタルが正常になりました。 )
「あっ、そう!良かった、良かった。で、何だべ?質問って。」
( 椎葉少尉、何故、瀕死の重傷の方が蘇るのでしょうか。出血による体重の微細な減少も止まりました。出血が止まったようです。どういう事ですか?布村パイロット。理解が出来ません椎葉少尉。 )
布村が後ろを振り向いてから、正面のきよしと、目を大きくして見つめた。
口をへの字にしてうなずくきよし。
4人の少女たちがお互いを見てニコニコし始めた。
誰が口ずさみ始めたのか、鼻歌混じりの歌がコクピットでじんわりと聞こえる。
( んんんんん♪んんんんんん♪フフフフフフフン♪ )
鈴木絵里が鼻を上に上げて聞き覚えのあるメロディーで鼻歌を始めた。
コクピットに響き渡る歌声。
鈴木絵里が首を左右に振りながら歌を歌い始めたのだった。
少し前、全世界で、リバイバルで流行った歌だった。
ガンズのスイート・チャイルド・オー・マインだった。
英語が堪能な絵里は楽しそうに英語で歌う。
そのきよしに抱っこされた布村も歌い始めた。
きよしもニコニコしてリズムに乗りながら縦になったシートの角に座り直した。
吉田HARMORの4つの左右上下のモニターにも、頭を振ってリズミカルに歌う4人が映っている。
吉田も出血多量は何処へやら。
一緒に鼻で歌い始めた。
◇ ◇
20機のオスプレー2に援護されながら対馬に向かう大型医療オービターの「ビックドク」。
その機内でも、椎葉京子と妹の麗子が集中コンソールルームでその模様を様々なモニターでトレースしていた。
10名ほどの白人のコマンダー・ドクターとトレースしていたのだった。
男女の看護兵たちが、コマンダー・ドクターに指示を受けて忙しく出入りしていた。
その繁忙の中、京子と麗子の足元で2人のちびっ子が足をパタパタさせて床の上で、クレヨンで絵を楽しそうに描いていた。
ちびっ子は4歳のオディアとマーシャ(真理亜・オースティン)だった。
子供は狭い所が大好きなのか2人はお互いの親の足元の床で書いていた。
そこで、モニターから鈴木絵里の歌が流れて来た。
歌に気が付いたオディアとマーシャが立ち上がり京子と麗子のお互いの親の膝に乗った。
「オディ子。お姉ちゃんたち、歌、歌ってるわ。ねぇマーシャ楽しそうね。はははっ。」
肩を揺らしながら抱いたままの子供たちのお腹で、手で優しくリズムをとる、ふた親だった。
そこへオリエッタ博士がやってきた。
麗子の横の女性コマンダードクターと席を交代するオリエッタ。
オリエッタが麗子からマーシャを抱っこした。
オリエッタに慣れているマーシャ。
オリエッタが、マーシャと背中を揺らして続きの歌を歌う。
麗子は自分と、京子の足元に散らかっている絵本や画用紙、クレヨンを片付けてお子ちゃまリュックに入れていた。
ビッグドクの機長、ローマンも監視モニタールームに来た。
ノーラやオリエッタが運んできた検査機器を見回って来たのだ。
ローマンがしゃがんでマーシャのほっぺをつついた。
「マーシャのパパは大活躍だったな。」
ローマンの肩を持つオリエッタ。
「パパ、結局ジョナサンの分隊がチャイニーズの爆撃機を撃墜したんでしょ?それと、さっき機内にも音がして、このビックドク、ちょっと跳ねたわ。パパの機内アナウンスで解ったけど核爆発だなんて。オー怖っ!もう、大丈夫なの?」
旦那に、両手を広げてジェスチャーをするオリエッタ。
「まぁな。俺もその後、ジョナサンと通信したけどさ。若い部下が敵HARMORの小型の原子炉をミサイルで見事にヒット!ヤバイ原子炉にブチ当てたらしい。そのおかげでさ、敵潜水母艦1隻撃沈と敵のHARMOR7機を蒸発させたらしい。はははっ。逃げた潜水母艦中枢本部は今さっき、浮上して降参したらしいわ。あはははっ。本部って、中枢本部が降参するかぁ?いさぎよく、自爆せい自爆!ってな。はははっ。俺もこのビックドクのコクピットから空中での核爆発だったから視認出来たぞ。もう、ビックリだ!(ポーランド語)」
「パパの感と京子の感が正解。やっぱり核爆発あったよね。私がずいぶん前に麗子とノラで作った核分裂安定広域ライト。あ~、それとぉリーリンの後輩のキャロルも一緒に作ったか。それ持って来て正解。もうノラが調整終わったんじゃないの?」
「あーあれっ。閣下(御舩少将)が指示したんじゃないんだ。オリーか。さすが!わが妻。ちょっと整備ライト持って、ってノーラに少し手伝わされたけど。わっははっ。そうか、そうか。」
「でっしょう?さすがでしょ?」
オリエッタがローマンの首に腕を回し、ニッコリして顔、真正面でキスをする夫婦。
そんな大人のキスをのぞくオディアと、横を見て笑う学者姉妹。
「ねえオディ子、シルシルとエラ(エルジビエタ)のパパとママ、仲良しさんだね~。」
口に人差し指をあててから、京子のアゴを突っつくオディア。
「ママねぇママ~、きよし兄ちゃんと仲良しさんだから、オディアもチュッチュする。」
「あはははっ。きよし兄ちゃんそういうの嫌いだからなぁ。あははっ。めっちゃめちゃ奥手、奥手に手足つけて、歩いてるみたいなヤツだし。あの息子は!あはははっ!」
西側同盟軍に響く歌声。
いつの間にか笑顔の大合唱になる千歳シーラスワンのオペレーションルームと戦術ルームのメリッサと子供たち。
歌声の中、その月夜の雲海を進む巨大な医療白鳳シャトルの「ビックドク」。
味方のオスプレイ20機を従えて、悠々と飛行して行った。
エイモスがコクピットできよしにたずねた。
( 椎葉少尉?ひとつ、お伺いしたいことが。よろしい? )
「何?エイモス。なんだべ。人工知能が質問なんて。」
( はい。吉田、元日本国陸軍准尉の低下していた血圧が正常に戻りました。全てのバイタルが正常になりました。 )
「あっ、そう!良かった、良かった。で、何だべ?質問って。」
( 椎葉少尉、何故、瀕死の重傷の方が蘇るのでしょうか。出血による体重の微細な減少も止まりました。出血が止まったようです。どういう事ですか?布村パイロット。理解が出来ません椎葉少尉。 )
布村が後ろを振り向いてから、正面のきよしと、目を大きくして見つめた。
口をへの字にしてうなずくきよし。
4人の少女たちがお互いを見てニコニコし始めた。
誰が口ずさみ始めたのか、鼻歌混じりの歌がコクピットでじんわりと聞こえる。
( んんんんん♪んんんんんん♪フフフフフフフン♪ )
鈴木絵里が鼻を上に上げて聞き覚えのあるメロディーで鼻歌を始めた。
コクピットに響き渡る歌声。
鈴木絵里が首を左右に振りながら歌を歌い始めたのだった。
少し前、全世界で、リバイバルで流行った歌だった。
ガンズのスイート・チャイルド・オー・マインだった。
英語が堪能な絵里は楽しそうに英語で歌う。
そのきよしに抱っこされた布村も歌い始めた。
きよしもニコニコしてリズムに乗りながら縦になったシートの角に座り直した。
吉田HARMORの4つの左右上下のモニターにも、頭を振ってリズミカルに歌う4人が映っている。
吉田も出血多量は何処へやら。
一緒に鼻で歌い始めた。
◇ ◇
20機のオスプレー2に援護されながら対馬に向かう大型医療オービターの「ビックドク」。
その機内でも、椎葉京子と妹の麗子が集中コンソールルームでその模様を様々なモニターでトレースしていた。
10名ほどの白人のコマンダー・ドクターとトレースしていたのだった。
男女の看護兵たちが、コマンダー・ドクターに指示を受けて忙しく出入りしていた。
その繁忙の中、京子と麗子の足元で2人のちびっ子が足をパタパタさせて床の上で、クレヨンで絵を楽しそうに描いていた。
ちびっ子は4歳のオディアとマーシャ(真理亜・オースティン)だった。
子供は狭い所が大好きなのか2人はお互いの親の足元の床で書いていた。
そこで、モニターから鈴木絵里の歌が流れて来た。
歌に気が付いたオディアとマーシャが立ち上がり京子と麗子のお互いの親の膝に乗った。
「オディ子。お姉ちゃんたち、歌、歌ってるわ。ねぇマーシャ楽しそうね。はははっ。」
肩を揺らしながら抱いたままの子供たちのお腹で、手で優しくリズムをとる、ふた親だった。
そこへオリエッタ博士がやってきた。
麗子の横の女性コマンダードクターと席を交代するオリエッタ。
オリエッタが麗子からマーシャを抱っこした。
オリエッタに慣れているマーシャ。
オリエッタが、マーシャと背中を揺らして続きの歌を歌う。
麗子は自分と、京子の足元に散らかっている絵本や画用紙、クレヨンを片付けてお子ちゃまリュックに入れていた。
ビッグドクの機長、ローマンも監視モニタールームに来た。
ノーラやオリエッタが運んできた検査機器を見回って来たのだ。
ローマンがしゃがんでマーシャのほっぺをつついた。
「マーシャのパパは大活躍だったな。」
ローマンの肩を持つオリエッタ。
「パパ、結局ジョナサンの分隊がチャイニーズの爆撃機を撃墜したんでしょ?それと、さっき機内にも音がして、このビックドク、ちょっと跳ねたわ。パパの機内アナウンスで解ったけど核爆発だなんて。オー怖っ!もう、大丈夫なの?」
旦那に、両手を広げてジェスチャーをするオリエッタ。
「まぁな。俺もその後、ジョナサンと通信したけどさ。若い部下が敵HARMORの小型の原子炉をミサイルで見事にヒット!ヤバイ原子炉にブチ当てたらしい。そのおかげでさ、敵潜水母艦1隻撃沈と敵のHARMOR7機を蒸発させたらしい。はははっ。逃げた潜水母艦中枢本部は今さっき、浮上して降参したらしいわ。あはははっ。本部って、中枢本部が降参するかぁ?いさぎよく、自爆せい自爆!ってな。はははっ。俺もこのビックドクのコクピットから空中での核爆発だったから視認出来たぞ。もう、ビックリだ!(ポーランド語)」
「パパの感と京子の感が正解。やっぱり核爆発あったよね。私がずいぶん前に麗子とノラで作った核分裂安定広域ライト。あ~、それとぉリーリンの後輩のキャロルも一緒に作ったか。それ持って来て正解。もうノラが調整終わったんじゃないの?」
「あーあれっ。閣下(御舩少将)が指示したんじゃないんだ。オリーか。さすが!わが妻。ちょっと整備ライト持って、ってノーラに少し手伝わされたけど。わっははっ。そうか、そうか。」
「でっしょう?さすがでしょ?」
オリエッタがローマンの首に腕を回し、ニッコリして顔、真正面でキスをする夫婦。
そんな大人のキスをのぞくオディアと、横を見て笑う学者姉妹。
「ねえオディ子、シルシルとエラ(エルジビエタ)のパパとママ、仲良しさんだね~。」
口に人差し指をあててから、京子のアゴを突っつくオディア。
「ママねぇママ~、きよし兄ちゃんと仲良しさんだから、オディアもチュッチュする。」
「あはははっ。きよし兄ちゃんそういうの嫌いだからなぁ。あははっ。めっちゃめちゃ奥手、奥手に手足つけて、歩いてるみたいなヤツだし。あの息子は!あはははっ!」
西側同盟軍に響く歌声。
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歌声の中、その月夜の雲海を進む巨大な医療白鳳シャトルの「ビックドク」。
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