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第11章 オペレーション「ハリケーン」。
第3話 騎兵隊の反撃!ムーンラビットワン。
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岸田に通信が入ったようだった。
「あっ。」
両手でVRを持つ岸田。
「どうした岸田君。」
「はい、長官。今、空爆……イエス。ディシズ・ツシマデフェンスメインコントロール、ディシズ・ツシマデフェンスメインコントロール。」
ちょっと待って下さいと、田中に手の平を見せて突然入って来た通信をする岸田2等陸尉。
こちらに向かっているアメリカ宙軍空爆部隊の通信と解った田中だった。
「Yes,yes.OK.The two above are armored mobiles of the friendly. Rescue operation is in
progress.Send data on enemy strength.copy?」
(はい、はい。了解しました。こちらの上空2機は友軍です。救助活動中です。敵戦力のデータ送ります。カピー?)
「岸田君、来たか!」
VRをしたまま田中に親指を立てる岸田中尉。
また両手の指でエアー端末操作を複雑に動かしている。
指の一連の動きをみている田中。
岸田の動きが止まった。
「長官、空爆隊の隊長から通信が入っています。長官のスマハンドでおねがいします。切り替えました。」
その時、空から爆音が聞こえて来た。
USASF(アメリカ合衆国宙軍)最新鋭の宙空急襲攻撃機F-39Bだった。
月の任務をこなし月軌道を離れ、地球の南西諸島上空の「EI」を離脱。
そして急遽、対馬に上陸した敵HARMORや、地上部隊を殲滅しにやって来たのだ。
ジョナサン・M・オースティン大尉率いるムーンラビットワン中隊の新型兵装、空対地、対HARMOR装備の重武装戦闘機の12機が、いよいよ対馬に飛来したのだった。
その隊長、オースティン大尉から田中へ直接通信が入ったのだ。
左手のスマハンドが鳴る。
手の平を耳につけた田中対馬司令長官。
テントの外に出て、来るであろう南南西の夜空を仰いだ。点滅する白と赤の小さな光を目視出来た。
「田中対馬長官!お~お待たせ致しました。騎兵隊の到着だべ~。これより敵HARMORおよび敵地上部隊兵力の完全殲滅をするべさっ!よろしくだべっ、田中対馬長官。オーバーだべさ。」
一瞬、苦い顔をして自分の手の平を見る田中。
「田中長官だか?あれ~聞こえてないのか、オーバー?田中長官、デュユテルミ!カピー。」
「ア、アアイカピーザッ。聞こえてますっ!田中です。よろしくお願いします。オーバー。」
「おー、ラジャーだべさ!」
普通に日本語で、それも最後に北海道弁で挨拶されて、少しビックリした田中だった。
また手の平を見てから鼻で笑って夜空の奥の光の点を見た。
テントの外、田中の周りではでジョナサン達の侵入方向を見る自衛隊員、日本国軍兵士達が集まって来た。
時速579キロ以下の一般軍用戦闘機が飛行できる、市街地上限速度で進入するムーンラビットワン。
日本海側の上空か北上し、6機2列の単縦編隊で侵入するムーンラビットワンの空爆隊。
先頭のジョナサンから見ると、報告を受けていたHARMORが結構眩しいオレンジの大きな炎を噴射しながら降下しているのが目視出来た。
地上の港湾を照らしていた。
ジョナサンたちのコクピットにはシーラスや米軍の戦略戦術情報衛星通信のデータが刻々と入力されていた。
各機が敵HARMOR部隊、敵地上部隊の分配されたロックオン画面が順番に表示されて、パイロットは順番に確認作業をしていた。
千歳シーラスワンのオペレーションルームでは、先ほどの2人の戦術事務武官の女性が敵の仮設基地と陣地のロックオンを登録していた。
(( ゴゴゴゴゴーッ! ))
厳原湾の南西方面、湾外の夜空を見ていると白と点滅する赤の小さな無数の光の点が見えて来た。
そして、規則正しく左右に光が分かれた。見えたと思ったらすぐ大音響の爆音と共に上空に接近して来ていた。
その2列の6機編隊のF-39Bが、厳原湾上空を通りすがりに、いきなり皆の目前で多数の対地ミサイルや対HARMORミサイルを発射しながら通過した。
( シュキーン、シュキーン! )
( バシュバシュバシュー! )
( バシュバシュバシュー! )
( バシュバシュバシュー! )
(( キィーン、ゴォー! ))
飛び上がって両手を上げる者、腕を大きく振る者。待望の空爆部隊が来たのだった。
( オオオー!スゲー! )
F-39Bの爆音が収まる前に直ぐに多数の爆発音が聞こえてくる。
(( ボンボンボンッ!ドドッ ))
(( ボンッ!ドドッドドッ! ))
そしてしばらくして規模が小さいが核爆発が、今度は対馬西側上空で1発起きたのだった。
回収予定の潜水母艦の上空、バーニアで飛行中の敵HARMORに核融合電池ならぬ小型原子炉へ味方ミサイルが当たったのだ。
(( バシン!ドドドドドドーッ! ))
再び腹に響く大音響が厳原湾に響いた。
ただ今回は比較的遠方の海上でもあり、今度も対核攻撃準備を万全にしていたため、港湾避難所各所には被害が全く出なかった。
「あっ。」
両手でVRを持つ岸田。
「どうした岸田君。」
「はい、長官。今、空爆……イエス。ディシズ・ツシマデフェンスメインコントロール、ディシズ・ツシマデフェンスメインコントロール。」
ちょっと待って下さいと、田中に手の平を見せて突然入って来た通信をする岸田2等陸尉。
こちらに向かっているアメリカ宙軍空爆部隊の通信と解った田中だった。
「Yes,yes.OK.The two above are armored mobiles of the friendly. Rescue operation is in
progress.Send data on enemy strength.copy?」
(はい、はい。了解しました。こちらの上空2機は友軍です。救助活動中です。敵戦力のデータ送ります。カピー?)
「岸田君、来たか!」
VRをしたまま田中に親指を立てる岸田中尉。
また両手の指でエアー端末操作を複雑に動かしている。
指の一連の動きをみている田中。
岸田の動きが止まった。
「長官、空爆隊の隊長から通信が入っています。長官のスマハンドでおねがいします。切り替えました。」
その時、空から爆音が聞こえて来た。
USASF(アメリカ合衆国宙軍)最新鋭の宙空急襲攻撃機F-39Bだった。
月の任務をこなし月軌道を離れ、地球の南西諸島上空の「EI」を離脱。
そして急遽、対馬に上陸した敵HARMORや、地上部隊を殲滅しにやって来たのだ。
ジョナサン・M・オースティン大尉率いるムーンラビットワン中隊の新型兵装、空対地、対HARMOR装備の重武装戦闘機の12機が、いよいよ対馬に飛来したのだった。
その隊長、オースティン大尉から田中へ直接通信が入ったのだ。
左手のスマハンドが鳴る。
手の平を耳につけた田中対馬司令長官。
テントの外に出て、来るであろう南南西の夜空を仰いだ。点滅する白と赤の小さな光を目視出来た。
「田中対馬長官!お~お待たせ致しました。騎兵隊の到着だべ~。これより敵HARMORおよび敵地上部隊兵力の完全殲滅をするべさっ!よろしくだべっ、田中対馬長官。オーバーだべさ。」
一瞬、苦い顔をして自分の手の平を見る田中。
「田中長官だか?あれ~聞こえてないのか、オーバー?田中長官、デュユテルミ!カピー。」
「ア、アアイカピーザッ。聞こえてますっ!田中です。よろしくお願いします。オーバー。」
「おー、ラジャーだべさ!」
普通に日本語で、それも最後に北海道弁で挨拶されて、少しビックリした田中だった。
また手の平を見てから鼻で笑って夜空の奥の光の点を見た。
テントの外、田中の周りではでジョナサン達の侵入方向を見る自衛隊員、日本国軍兵士達が集まって来た。
時速579キロ以下の一般軍用戦闘機が飛行できる、市街地上限速度で進入するムーンラビットワン。
日本海側の上空か北上し、6機2列の単縦編隊で侵入するムーンラビットワンの空爆隊。
先頭のジョナサンから見ると、報告を受けていたHARMORが結構眩しいオレンジの大きな炎を噴射しながら降下しているのが目視出来た。
地上の港湾を照らしていた。
ジョナサンたちのコクピットにはシーラスや米軍の戦略戦術情報衛星通信のデータが刻々と入力されていた。
各機が敵HARMOR部隊、敵地上部隊の分配されたロックオン画面が順番に表示されて、パイロットは順番に確認作業をしていた。
千歳シーラスワンのオペレーションルームでは、先ほどの2人の戦術事務武官の女性が敵の仮設基地と陣地のロックオンを登録していた。
(( ゴゴゴゴゴーッ! ))
厳原湾の南西方面、湾外の夜空を見ていると白と点滅する赤の小さな無数の光の点が見えて来た。
そして、規則正しく左右に光が分かれた。見えたと思ったらすぐ大音響の爆音と共に上空に接近して来ていた。
その2列の6機編隊のF-39Bが、厳原湾上空を通りすがりに、いきなり皆の目前で多数の対地ミサイルや対HARMORミサイルを発射しながら通過した。
( シュキーン、シュキーン! )
( バシュバシュバシュー! )
( バシュバシュバシュー! )
( バシュバシュバシュー! )
(( キィーン、ゴォー! ))
飛び上がって両手を上げる者、腕を大きく振る者。待望の空爆部隊が来たのだった。
( オオオー!スゲー! )
F-39Bの爆音が収まる前に直ぐに多数の爆発音が聞こえてくる。
(( ボンボンボンッ!ドドッ ))
(( ボンッ!ドドッドドッ! ))
そしてしばらくして規模が小さいが核爆発が、今度は対馬西側上空で1発起きたのだった。
回収予定の潜水母艦の上空、バーニアで飛行中の敵HARMORに核融合電池ならぬ小型原子炉へ味方ミサイルが当たったのだ。
(( バシン!ドドドドドドーッ! ))
再び腹に響く大音響が厳原湾に響いた。
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