65 / 96
第11章 オペレーション「ハリケーン」。
第1話 ネオファントム。
しおりを挟む
千歳シーラスワンの戦闘指揮ルームでは御舩が後ろで手を組み、下に広がるオペレーションルーム・ウーラノスCDCを眺めていた。
落下中のきよし達も気になってはいるが、今は中国大陸上空を飛ぶAXISの熱核弾頭搭載の爆撃機と、名目中立国のロシア、ドイツなどの核弾頭ミサイル発射サイロの方が気になっていた。
「E I」大気圏再突入)から離脱後、ムーンリバーワンは2つの中隊に枝分かれをしたムーンラビットワンとツーだった。
その枝分かれしたオースティン大尉の部下、シモンズ准尉の指揮をするムーンラビットツーが、AXIS自慢のステルス爆撃機の迎撃に向かっていた。
御舩の正面に表示される巨大なモニター。
ムーンラビットツーの薄いブルーのアイコンが敵爆撃機を示す黒いアイコンに接近している。
凝視する御舩やオペレーション室の面々。
空気の薄い超高高度3万メートルを飛行するF-39Bネオファントム。
ほぼマッハ5で接近するため、E I離脱のインドネシア上空からは、アッという間に中国上空に着いたのだ。
そのアイコンを見つめるウーラノス・オペレーションルームの事務武官たち。
シモンズ隊を示す薄いブルーのアイコンが赤に変わり、素早く点滅した。
いよいよ戦闘モードになったのだ。
一斉に母国へ報告する事務武官たち。
深夜の高度2万メートルの高高度を飛ぶ、20機の「轟21型ステルス爆撃機」。
滑らかな三角形のステルス形状の機体は、敵AXISの最新鋭重爆撃機だった。
その飛行する機体の奥に映る水平線。
夜の地球でも空気の層が白く光り、美しいラインが広がっていた。
ステルス爆撃機の下から上空を見ると、小さな12個の光の点が、爆撃機の真上に集まってきた。
シモンズ准尉のF-39Bネオファントムが急襲・急降下迎撃ラインに入ったのだった。
AXIS爆撃機の遥か上空高度3万メートルで飛行するF-39Bネオファントム。
成層圏で飛行する美しい流線型の機体。
それが大気圏内の戦闘モードに入ったのだった。
この機体のステレス性能は、現在の地球上のレーダー網の技術では感知出来ないのだ。
AXISの爆撃機編隊の技術力程度では探知する事は到底出来なかった。もし、認識できるとすればロックオンされた時のみなのだ。しかし、その時はすでに遅い……。
そう、開発当初から言われていたが、それを証明する時が来たのだった。
ムーンラビットツー12機の装備兵装は全てが千歳シーラスワンとリンクされていた。
今回は残念ながら空対空ミサイルが搭載されていないが、対HARMORミサイルと対地ミサイルのプログラム変更をして、爆撃機20機の目標をセットしたのだ。
とにかく、ミサイルが標的に直接ヒットするか、至近距離で爆発すればよいのだ。
プログラム変更から爆撃機目標セットまで千歳シーラスワンのオペレーションルームに座るUSASFの2人の女性事務武官が行っていた。
プログラム・セットが終了し、ひと息つく2人のUSASFの女性事務武官。
お互いの手の甲を合わせてタッチした。
オペレーション画面に表示される「###オールコンプリート###」の文字。
シモンズ准尉のコンソールにも同じく表示されるオールコンプリート(全ての準備完了)の表示。
いよいよ急襲・急降下攻撃が始まるのだ。
( ウィーン、シュカチャ。 )
12機全機が、収まっていた大気圏飛行用の逆ガルウイングの翼を引き出し、翼をセットした。
左右に機体を揺らすシモンズ准尉。
そして180度機体を背面にひっくり返し、そのまま急降下を始めた。
(( ヒュィーンゴゴゴゴゴーッ! ))
暗闇の地球に突っ込んでいくシモンズ中隊の12機。
(( シュッ!……シュシュシュシュッ! ))
ネオファントムの急降下、急襲攻撃が始まったのだ。
千歳シーラスワンの大型モニターに点滅するムーンラビットツーの赤いアイコン。
敵爆撃機の黒いアイコンと重なった。
息をのんで巨大な正面モニターを見る、ウーラノスCDCの事務武官たちだった。
落下中のきよし達も気になってはいるが、今は中国大陸上空を飛ぶAXISの熱核弾頭搭載の爆撃機と、名目中立国のロシア、ドイツなどの核弾頭ミサイル発射サイロの方が気になっていた。
「E I」大気圏再突入)から離脱後、ムーンリバーワンは2つの中隊に枝分かれをしたムーンラビットワンとツーだった。
その枝分かれしたオースティン大尉の部下、シモンズ准尉の指揮をするムーンラビットツーが、AXIS自慢のステルス爆撃機の迎撃に向かっていた。
御舩の正面に表示される巨大なモニター。
ムーンラビットツーの薄いブルーのアイコンが敵爆撃機を示す黒いアイコンに接近している。
凝視する御舩やオペレーション室の面々。
空気の薄い超高高度3万メートルを飛行するF-39Bネオファントム。
ほぼマッハ5で接近するため、E I離脱のインドネシア上空からは、アッという間に中国上空に着いたのだ。
そのアイコンを見つめるウーラノス・オペレーションルームの事務武官たち。
シモンズ隊を示す薄いブルーのアイコンが赤に変わり、素早く点滅した。
いよいよ戦闘モードになったのだ。
一斉に母国へ報告する事務武官たち。
深夜の高度2万メートルの高高度を飛ぶ、20機の「轟21型ステルス爆撃機」。
滑らかな三角形のステルス形状の機体は、敵AXISの最新鋭重爆撃機だった。
その飛行する機体の奥に映る水平線。
夜の地球でも空気の層が白く光り、美しいラインが広がっていた。
ステルス爆撃機の下から上空を見ると、小さな12個の光の点が、爆撃機の真上に集まってきた。
シモンズ准尉のF-39Bネオファントムが急襲・急降下迎撃ラインに入ったのだった。
AXIS爆撃機の遥か上空高度3万メートルで飛行するF-39Bネオファントム。
成層圏で飛行する美しい流線型の機体。
それが大気圏内の戦闘モードに入ったのだった。
この機体のステレス性能は、現在の地球上のレーダー網の技術では感知出来ないのだ。
AXISの爆撃機編隊の技術力程度では探知する事は到底出来なかった。もし、認識できるとすればロックオンされた時のみなのだ。しかし、その時はすでに遅い……。
そう、開発当初から言われていたが、それを証明する時が来たのだった。
ムーンラビットツー12機の装備兵装は全てが千歳シーラスワンとリンクされていた。
今回は残念ながら空対空ミサイルが搭載されていないが、対HARMORミサイルと対地ミサイルのプログラム変更をして、爆撃機20機の目標をセットしたのだ。
とにかく、ミサイルが標的に直接ヒットするか、至近距離で爆発すればよいのだ。
プログラム変更から爆撃機目標セットまで千歳シーラスワンのオペレーションルームに座るUSASFの2人の女性事務武官が行っていた。
プログラム・セットが終了し、ひと息つく2人のUSASFの女性事務武官。
お互いの手の甲を合わせてタッチした。
オペレーション画面に表示される「###オールコンプリート###」の文字。
シモンズ准尉のコンソールにも同じく表示されるオールコンプリート(全ての準備完了)の表示。
いよいよ急襲・急降下攻撃が始まるのだ。
( ウィーン、シュカチャ。 )
12機全機が、収まっていた大気圏飛行用の逆ガルウイングの翼を引き出し、翼をセットした。
左右に機体を揺らすシモンズ准尉。
そして180度機体を背面にひっくり返し、そのまま急降下を始めた。
(( ヒュィーンゴゴゴゴゴーッ! ))
暗闇の地球に突っ込んでいくシモンズ中隊の12機。
(( シュッ!……シュシュシュシュッ! ))
ネオファントムの急降下、急襲攻撃が始まったのだ。
千歳シーラスワンの大型モニターに点滅するムーンラビットツーの赤いアイコン。
敵爆撃機の黒いアイコンと重なった。
息をのんで巨大な正面モニターを見る、ウーラノスCDCの事務武官たちだった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
「メジャー・インフラトン」序章2/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節FIRE!FIRE!FIRE! No1. )
あおっち
SF
敵の帝国、AXISがいよいよ日本へ攻めて来たのだ。その島嶼攻撃、すなわち敵の第1次目標は対馬だった。
この序章2/7は主人公、椎葉きよしの少年時代の物語です。女子高校の修学旅行中にAXIS兵士に襲われる女子高生達。かろうじて逃げ出した少女が1人。そこで出会った少年、椎葉きよしと布村愛子、そして少女達との出会い。
パンダ隊長と少女達に名付けられたきよしの活躍はいかに!少女達の運命は!
ジャンプ血清保持者(ゼロ・スターター)椎葉きよしを助ける人々。そして、初めての恋人ジェシカ。札幌、定山渓温泉に集まった対馬島嶼防衛戦で関係を持った家族との絆のストーリー。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
静寂の星
naomikoryo
SF
【★★★全7話+エピローグですので軽くお読みいただけます(^^)★★★】
深宇宙探査船《プロメテウス》は、未知の惑星へと不時着した。
そこは、異常なほど静寂に包まれた世界── 風もなく、虫の羽音すら聞こえない、完璧な沈黙の星 だった。
漂流した5人の宇宙飛行士たちは、救助を待ちながら惑星を探索する。
だが、次第に彼らは 「見えない何か」に監視されている という不気味な感覚に襲われる。
そしてある日、クルーのひとりが 跡形もなく消えた。
足跡も争った形跡もない。
ただ静かに、まるで 存在そのものが消されたかのように──。
「この星は“沈黙を守る”ために、我々を排除しているのか?」
音を発する者が次々と消えていく中、残されたクルーたちは 沈黙の星の正体 に迫る。
この惑星の静寂は、ただの自然現象ではなかった。
それは、惑星そのものの意志 だったのだ。
音を立てれば、存在を奪われる。
完全な沈黙の中で、彼らは生き延びることができるのか?
そして、最後に待ち受けるのは── 沈黙を破るか、沈黙に飲まれるかの選択 だった。
極限の静寂と恐怖が支配するSFサスペンス、開幕。
「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
あおっち
SF
脈々と続く宇宙の無数の文明。その中でより高度に発展した高高度文明があった。その文明の流通、移動を支え光速を超えて遥か彼方の銀河や銀河内を瞬時に移動できるジャンプ技術。それを可能にしたジャンプ血清。
その血清は生体(人間)へのダメージをコントロールする血清、ワクチンなのだ。そのジャンプ血清をめぐり遥か大昔、大銀河戦争が起こり多くの高高度文明が滅びた。
その生き残りの文明が新たに見つけた地、ネイジェア星域。私達、天の川銀河の反対の宙域だった。そこで再び高高度文明が栄えたが、再びジャンプ血清供給に陰りが。天の川銀河レベルで再び紛争が勃発しかけていた。
そして紛争の火種は地球へ。
その地球では強大な軍事組織、中華帝国連邦、通称「AXIS」とそれに対抗する為、日本を中心とした加盟国軍組織「シーラス」が対峙していたのだ。
近未来の地球と太古から続くネイジェア星域皇国との交流、天然ジャンプ血清保持者の椎葉清らが居る日本と、高高度文明異星人(シーラス皇国)の末裔、マズル家のポーランド家族を描いたSF大河小説「メジャー・インフラトン」の前章譚、7部作。
第1部「太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」。
ジャンプ血清は保持者の傷ついた体を異例のスピードで回復させた。また血清のオリジナル保持者(ゼロ・スターター)は、独自の能力を飛躍的に引き上げる事が出来たのだ。
第2次大戦時、無敵兵士と言われた舩坂弘氏をモデルに御舩大(ミフネヒロシ)の無敵ふりと、近代世界のジャンプ血清保持者、椎葉きよし(通称:お子ちゃまきよし)の現在と過去。
ジャンプ血清の力、そして人類の未来をかけた壮大な戦いが、いま、始まる――。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
本格的な戦闘シーンもあり、面白い場面も増えます。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)
あおっち
SF
港に立ち上がる敵AXISの巨大ロボHARMOR。
遂に、AXIS本隊が北海道に攻めて来たのだ。
その第1次上陸先が苫小牧市だった。
これは、現実なのだ!
その発見者の苫小牧市民たちは、戦渦から脱出できるのか。
それを助ける千歳シーラスワンの御舩たち。
同時進行で圧力をかけるAXISの陽動作戦。
台湾金門県の侵略に対し、真向から立ち向かうシーラス・台湾、そしてきよしの師範のゾフィアとヴィクトリアの機動艦隊。
新たに戦いに加わった衛星シーラス2ボーチャン。
目の離せない戦略・戦術ストーリーなのだ。
昨年、椎葉きよしと共に戦かった女子高生グループ「エイモス5」からも目が離せない。
そして、遂に最強の敵「エキドナ」が目を覚ましたのだ……。
SF大河小説の前章譚、第4部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! No2.
あおっち
SF
海を埋め尽くすAXISの艦隊。
飽和攻撃が始まる台湾、金門県。
海岸の空を埋め尽くすAXISの巨大なロボ、HARMARの大群。
同時に始まる苫小牧市へ着上陸作戦。
苫小牧市を守るシーラス防衛軍。
そこで、先に上陸した砲撃部隊の砲弾が千歳市を襲った!
SF大河小説の前章譚、第5部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
【完結】バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~
山須ぶじん
SF
異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。
彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。
そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。
ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。
だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。
それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。
※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。
※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。

アーク・エモーション:デジタルヒーロー
夕闇ポルカ
SF
未来都市オメガ・ゼロで孤独な生活を送る16歳の少女、レイナ。彼女の退屈な日常が一変するのは、ある日ネットカフェで見つけた謎のアプリ「アーク・エモーション」を起動した時から。画面から現れたのは、実は都市の安全を守るために設計されたAIヒーロー、アークだった。
レイナとアークは、最初はただのデジタルと人間の奇妙なコンビに過ぎなかったが、次第に深い絆を育んでいく。しかし、都市には影で操る謎の敵ヴァニタスが潜んでおり、アークの力を狙っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる