「メジャー・インフラトン」序章3/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 FIRE!FIRE!FIRE!No2. )

あおっち

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第8章 核の恐怖。

第3話 核爆発。

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 男4人を見てうふふっ、と笑う椎葉京子博士、オリエッタ博士とジェシカの女3人だった。

 その笑顔の京子博士に、どこからか通信が入ったのか、スマハンドを押さえてから耳に指を当てた。
 
「はい、ノラ、わたし。えっ……了解。ノーラは?ハイ、ハイ。えっ……うん、うん。あー、月裏からスーリア・チームも来たのね。えっ、もう3人ともビックドクに乗ったの?早っ!了解。ハイ、ハイ。」
 
 オリエッタ博士を見つめながらうなずく京子。
 オリエッタもうなずきながらコップの残りの緑茶を飲んだ。

 実は、椎葉京子は息子のきよし保護の名目でネイジェア星域帝国の第12貴族院皇国、シーラス皇国から3名の若い異星人の女性医師が新たに地球に来た報告を受けていたのだった。
 
 それもまた、地球人を信用していない証なのだ。
 
「やはりね。……うん。うん。はい。」
 
 オペレーションするジェシカ以外、全員が京子に注目する。何となく会話を察する御舩。
 
「そんなに、きよしの顔のアザ、不味いのか。オリエッタ博士。」
 
 身をテーブルから乗り出してオリエッタ博士に聞く御舩。

 オリエッタもテーブルに身を乗り出して、御舩に話す。
 
「閣下も、覚えがあるかもしれませんが、閣下達なら内出血のアザなど30分もかからずに消えるはずなのに。」

 手の甲をさする御舩。

「まぁ、アザと言わず、骨折位なら30分で治りますけど。」

 両手を広げて強めに御舩に訴えるオリエッタ。
 
「そうですよね。でももう、きよし君のアザは3日目。もし致命傷を負ったら大変です。地球だけの問題じゃないです。きよし君の体で何が起きたのか。なぜきよし君が普通の人になったのか。何故ジャンプ血清が機能していないのか。もし、このままで、元に戻らなければ、もう「ゼロ・スターター」は御舩閣下しかいなのですよ。」

「……、まぁそうだが。」

「京子の所へ、シーラス皇国の本国の情報技術院から、この対馬攻防戦が始まってからです。ずっと、その経過の催促が頻繁に来てるんです。まぁきよし君、本人に会って直接検査しないと。私たちも技術院に報告も出来ないし。困ってますわ。」
 
 アルフレッド・ウィルソンRSF少将が、オリエッタの話を聞いて、渋い困った顔をした。
 頭を掻いてから、御舩やオリエッタ博士に向かって話をした。
 
「御舩閣下。私が……対馬に。きよしを推薦したばっかりに。大変な事になったみたいで。でも我が父の、オース皇王の直属、情報統括院からも私へ、きよしの経過観察の依頼が来ている。まぁきよしの保護観察も、地球でのワシの大事な仕事だからな。地球の核戦争より、もっと重大な話に発展するかもしれん。銀河レベルだな。まぁ……気のせいで、すぐきよしの体質が戻るなら良いが。……でもきよしが死んだらえらい事になる。」
 
 両手を広げて肩を上げるアルフレッド。
 その肩に手を乗せるローマン。
 
「アルフィー?情報がない中、心配しても始まらない。成り行きを見よう。(英語)」
 
「そうだな、そうだな。(英語)」
 
「そうかぁ、オリエッタ博士。きよしの顔のアザが3日間も消えてないかぁ。」
 
 自分の両手をさすり、手の平や甲を見る御舩少将。
 そんな中、京子の通信も終わりそうだった。
 
「ノーラ、じゃ今から行くからスタンバって、待って。パパは本業の機動歩兵部隊で行くってさ。ジン・シューのトット宮内庁庁官には、オースかシーラスの、どちらから正式報告が来ますと、報告しておいて。私もすぐ行くわ。」
 
 そして、テーブルに両腕をついて、椎葉京子が立ち上がり腕組をした。
 
「さぁ、さぁ、私達。同志は、応援にいくよっ!さぁ、お父さんっ。」

( パシンッ! )
 
 繁の背中を叩く京子。
 
 何事も無く、のっそり立ち上がろうとする椎葉繁に、自分のスマハンドに指令が入った。指先で、手首に浮かび上がる3Dの文章を上に撫でて読む繁だった。
 
「ハイハイ。了解。……さてっ、ふぅ。」
 
 ため息をついて、コップのお茶を飲んでから立ち上がる椎葉繁。
 横に立つ京子をチラッと見た。
 
「息子を、保護をしに行きます、閣下。」
 
「そうか。その方がいいな。岩井からか?」
 
「はい。宙空将から指令が降りました。私はWALKER(機動歩兵)部隊で急行します。戦後処理もあるので、自衛隊、日本国軍の現地両軍の護衛として2中隊引き連れます。宙空将からはオスプレー2で行け、とのご指示を受けました。田中対馬司令にも通達済みです。京子の医療チームのビックドク、救急医療シャトルの警護かねて。実はオース皇国から依頼でオディアも連れて行きますので。もうオディアはビックドクでオースティン博士(麗子)と遊び相手の真理亜ちゃんと待機しています。いずれも、岩井宙空将のご指示です。私はオスプレイ2、20機編隊で行きます。閣下。」
 
「了解。非常に複雑になってきたなぁ。ん~。……あっ、ネイジーのエキスパート。スーパージーナス軍団が来たな。」
 
 御舩の美人秘書のメリッサ・ガー・サイオンが大勢のスタッフを引き連れて会議室に入って来た。
 
 案内する秘書官の横から、ゾロゾロと子供たちが入ってきた。御舩に敬礼をしながら入室する子供たち。壁の側面に規則正しくならんだ。見た目は10歳から15歳位の白人の男女の子供達だった。
 
 全員が白地の布で、サイドにはブルーライン。
 
 肩から袖まで銀色の幾何学模様の制服を着ている。
 最高技術者を表す銀色の襟徽章、左胸には六角形に左端一辺の直線が描かれたマーク。
 
 ズラッと勢ぞろいした。
 
 立ち上がるローマン・マズル大佐、オリエッタ博士とジェシカ・スミス中佐。
 ゆっくり立ち上がる白髪のアルフレッド・ウィルソン少将。
 
 袖を正して立上がる御舩少将。
 ローマンがアゴをひいて周りを見てから御舩に挨拶をした。
 
「それでは御舩少将、ウィルソン少将。」
 
 椎葉繁たち、6名の男女が敬礼をして会議室を出た。
 その6人を返礼をしながら見送る2人の少将。
 
 御舩が横に立つ秘書官を見て、うなずいた。
 
 秘書官が、インカムに軽く指を添えて宣言した。
 流暢な日本語で話した。
 
「本館はオールコンバット・戦闘指揮モードに可変致します。マザー、警報。」

( ブワー、ブワー、ブワーン!ブワー、ブワー、ブワーン! )

 全館に流れるサイレンと回る赤色灯。
 
 会議室を出た6人は円筒のエレベーターがあるエレベーターホールに歩いて来た。派手にライト類が点滅や回転をする。エレベーターホールの丸い床以外、壁と床が大きく回転している。御舩の会議室が大きく動き始めたのだ。

( ガタン。キュウーン……ガ、ガ、ガガッ。 )
 
 ゆっくり床が沈み始める。固定された円筒の柱が現れた。
 コンソールやオペレーション機器だった。それが、そのまま残り床だけが下がったのだ。
 
 同時に会議室がゆっくり左回転する。
 
 床が下がりきると、アーマースーツの少年少女のスタッフたちは、直ちに自分の持ち場に座り各機器を立ち上げ始めた。
 会議テーブルは天井に持ちあがり大型スクリーンの一部へ変形を始める。
 
 そして、回転が止まると、正面には大勢のシラス加盟国の事務武官達が居た、大規模なオペレーションルームが眼下に広がったのだ。
 
 地球上では無敵の急襲攻撃型宙空母艦ウーラノス1番艦、 「ウーラノス」、その偽装艦橋のタクティカル・ウーラノスCDC、オペレーション・コントロール・ルームが出現した。
 
 御舩の会議室はオールコンバット・戦闘指揮モードになると、シーラスワン、最上級の情報・戦略戦術ルームに変わるのだ。そこに、今、条約を元に、異星人の天才オペレーターの子供たちが作業を始めたのだ。
 そして、先程から御舩に就いている美人秘書官は、ポーランド共和国人、地球人ではないのだ。
 
 サイオン(現)皇帝陛下の故郷であるネイジェア星域皇国のネイジェア本星、その東の島国でサイオン天皇陛下の発祥の地、ジン・シュウ大皇国(ネイジェア星域統括院)宮内庁1級事務武官だった。
 
 名前はメリッサ・ガー・サイオン。
 
 そのサイオンの名が示すように現、皇帝陛下の一族だ。
 彼女はジン・シュウ大皇国の正統派、それもサイオン家直系の皇族の娘だった。
 
 本国ではサイオン妃殿下となる。そして、彼女と一緒に入室した戦術オペレーターのほとんどの子供たちが、シーラス皇国人や、オース皇国のシュウ化人(小人族)いわゆる異星人の天才情報武官なのだ。
 
 その最上級の情報センターがシーラスワンのオペレーションルーム上段にセットされた。
 会議室だった、戦略戦術ルームの先端のベランダ壇上に立つ御舩とシーラス皇国人の秘書官。

 下のオペレーションエリアの武官達が立ち上がり、最先端のベランダ上に立つ御舩達を見た。
 

「シーラスワンは只今より、オールコンバットモードになった。今、戦況はひっ迫を呈している。今回はチャイニーズ・アクシスの独りよがりの軽挙妄動、島嶼侵略に発した戦いが、よりによって世界大戦前夜の様相になってしまった。地球人類として大変お恥ずかしい限りである。」

 
 横にいる秘書のメリッサ・ガー・サイオン妃殿下をチラッと見る御舩少将。
 
「しかし、現実をしっかり向き合わねばならない。本来、国家間の戦争や紛争は個人の能力によって左右されるものではない。が、しかし現在、対馬にて早期解決の策として敵戦力の早期排除を、たった6人の日本人の若者が対峙しているのだ。日本政府の遅延決定、戦争を知らない素人の集まりの日本政府は自ら制限を掛けてしまっている今、ここに居る全員が何とかサポートしてもらいたい。大変幼稚で、つまらないこの局面を打開、世界大戦の回避、対馬住民の迅速な救助が出来るよう、シラス加盟国軍、諸君の力を結集し早期解決を望む。どうか皆の力を貸して欲しい。以上だ。」

(( イエッサー! ))

 敬礼をする全将官と事務武官達。御舩少将と秘書のメリッサ妃殿下、後ろに立ち敬礼をするアルフレッド・ウィルソンRSF少将も正面を向いて敬礼をした。
 
 千歳シーラスワンの全館全域に放送をした御舩。
 この広大なオペレーションルームにだけに関わらず、オスプレイ2機内、待機シャトル・オービター機内、戦闘機内、倉庫内、待機室、警備室、調理場、販売所、全てのスタッフ、隊員、兵士が立ち上がり、または敬礼をして声を発した。
 
 鳴り響く戦闘モードサイレン。
 慌ただしく動き始めるスタッフたち。
 
 ところがだ。

 そんな中、突然。サイレンの音が変わった。
 最上級のサイレンの音だった。


(( シャーン!キュオーンキュオーンキュオーン!キュンキュンキュン! ))

(( シャーン!キュオーンキュオーンキュオーン!キュンキュンキュン! ))

 
 マザーから全館放送がまた入った。
 
( 核爆発発生!核爆発発生!対馬市北部です。繰り返します。核爆発発生!核爆発発生!対馬市北部です。 )
 
(( えーっ! ))
 
(( マジかっ! ))
 
(( うわーっ! ))

 サイレンの中、唖然とするウーラノスCDCのオペレーター・ルームの事務武官たち。
 立ち上がり、ボー然とする者。突然、悔し涙をする者。
 御舩の演説の直後の事だった為、一同は残念と言うより、かなりのショックだった。
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