30 / 96
第5章 町会議員、小林未来(みらい)。
第7話 恐怖の都市伝説。
しおりを挟む
正座で、三つ指をついてお辞儀する第1雅ホテルの宴会スタッフの女性達。
サッと立ち上がり、各々がテキパキと来賓に乾杯用の飲み物を注いで回る。
上機嫌な叔父様たちや、叔母様たち。
ジェシカ達も初めての体験にノリノリだった。
バルトシュ夫妻も1人づつ双子ちゃんを膝の上に置いて、乾杯のビールや日本酒を注いでもらう。
ピッシィとした和服姿で乾杯の日本酒を注ぐ布村恵子ママ。
エレナの憧れだった日本、そして宴会。喜びでどうして良いか解らない位、真っ赤になって歓喜している。
「オーマガッ!オー、有難うございま~す。」
そんなエレナを優しく見る夫のバルトッシュ。
家族で日本に来て良かったと思った瞬間だった。満足して、何気に、何度かうなずいた。
幸せのまま目をつむり、いつものようにグラスに口をつけようとしたその時。
「NO!NO NO NO NO!バルトNO!」
ビールグラスを手で止められて、妻のエレナに怒られるバルトッシュだった。
「乾杯!カ・ン・パ・イよパパ!皆でするのよ!今、飲んだらダメ!(ポーランド語)」
頭を掻いて笑ってごまかすバルトッシュだった。
ルオとリリアナの席。
「オーマッガッ!もぅ、死んでもいい。もう嬉しすぎ~!」
リリアナも憧れの日本の宴会で、ハイテンションになっていた。
「絶対ルオと結婚して、日本に住む。絶対住む!」
横で照れ笑いのルオ。
そのルオをジーっとみる黄夫妻。そして、ニッコリする妻のリーリン。
「ねぇパパ。家族は沢山いた方がいいわよね。お家も広いんだし。」
ニッコリする黄技術部長。
「……ルオ、まだぁ19歳かぁ。日本で言うヤンキーだと思えばいいか。はははっ。若年結婚。」
「ヤンキーに失礼よパパ。私は10代の時は、こう見えて台北のヤンキーでリーダーだったのよ!」
「はぁい?初めて聞いたリーリン。ホント?」
「えっ?言わなかったっけ?」
「えぇぇ~!うそ!」
「日本で言う、スクーターヤンキーだけどねっ!あはははっ。」
「出た。スクーターかい。」
横を向いて笑うオリエッタと京子。
そんな皆を笑顔でみるきよしとジェシカだった。乾杯のジュースを注いでもらいながら、きよしがジェシカに顔を近づける。
「ジェシー?」
「な~に?私のきよし~。うふふっ。……。」
うっとりした、なまめかしい目できよしの顔の上下を見るジェシカ。きよしに顔を近づける。
また繰り返すジェシカ。
「どうしたの~。わたしの、き、よ、し。ふふっ。」
( ピクッ! )
そのジェシカの(私のきよし……)の下りの言葉に反応する向かいの布村愛子。
(ピクッ!)(ピクッ!)(ピクッ!)(ピクッ!)(ピクッ!)
続いて、反応する佐藤結衣、中村・スーザン・幸子、鈴木絵里、寺田麗子の5人。
( ピクッ! )
席の奥では吉田美紀が、薄目を開けて反応した。
あら?なんか、どうしたの?
と、珍しく場の空気を読むきよし。
周りを流して見ると、違う事に気が付いた。
後ろを振り向くとオリエッタの横の空いた席が3席と、正面の佐藤結衣のパパとママの横の3席が空いている。
今度は、座椅子の空席が何となく気になってきた、お子ちゃまきよし。
「あの~。まだ、誰がくるのかなぁ。ジェシー。」
ジェシカも気が付いた。
「ん?何か、嫌な予感がする、の?」
( ゲッ! )
「何っ?ゲッ!て。何よ、ゲッって。」
「うわぁぁ……後ろの3席は恐らく、ジョナサン叔父さんと、麗子叔母さん。そしてマーシャ(真理亜)。わわ~。ぼ、ぼ、僕の母ちゃん、オリエッタ叔母さん、リーリン叔母さん、れ、れ、麗子叔母さん。うわわわ。4人揃うと悪魔の4人だ。うわぁぁ。この間の誕生日。最後に麗子叔母さんが乱入してきて、徹底的にボクがいじられてオワタ。う……。ジェシーの送ってくれたケーキネタから思いっきりボコボコに撃破された。うっ。」
涙目の大男だった。
「クククッ!うふふっ。」
きよしの襟足を引っ張って意地悪そうに、目をオタマジャクシにして話すジェシカ。
「きよちゃん、なんか、千歳シーラスワンの売店、山下のおばちゃんから聞いた事ある。4人揃うと、と~んでもない事が起きると。誰かが犠牲、と言うより邪悪な神の捧げものになる。とういう都市伝説!」
わざと意地悪に言うジェシカ。オタマジャクシの目が不気味に笑っている。
( ゴクッ。 )
真に受けたきよし。左右を見る。乾杯のグラスと置いた。
「あっ!思い出した。おお、俺帰っていいかなぁ……畑の用事、思い出した。あっそうだそうだ。いかん、いかん。あれがあったかぁ。」
グラスを置いてよつん這いで、そ~っと逃げようとするきよし。
その帯を持って座らせるジェシカ。
「いいから、座って!もぅ。うふふっ。何にも起きないわよ。お子ちゃまなんだから。」
と、目線を感じるジェシカときよし。後ろを振り向くと母の京子とオリエッタの目が光る。
「ヒッ!」
「ヒッ!」
更に横を見るとリーリンの目が光っている。
座椅子の上でお尻ごと飛び上がる2人。
「ヒッ!」
「ヒッ!」
目を合わせる、世界最強のアタッカー・HARMORパイロットカップル。
( うわわわわっ。 )
と、その時。
「はい、皆様、お揃いです。どうぞ!」
襖を開けて、三つ指を付き、上品に腕を伸ばして誰かを案内する女将。
ドタバタと大男が入ってきた。制帽を押さえながら、背中を丸めて入って来た。
サッと立ち上がり、各々がテキパキと来賓に乾杯用の飲み物を注いで回る。
上機嫌な叔父様たちや、叔母様たち。
ジェシカ達も初めての体験にノリノリだった。
バルトシュ夫妻も1人づつ双子ちゃんを膝の上に置いて、乾杯のビールや日本酒を注いでもらう。
ピッシィとした和服姿で乾杯の日本酒を注ぐ布村恵子ママ。
エレナの憧れだった日本、そして宴会。喜びでどうして良いか解らない位、真っ赤になって歓喜している。
「オーマガッ!オー、有難うございま~す。」
そんなエレナを優しく見る夫のバルトッシュ。
家族で日本に来て良かったと思った瞬間だった。満足して、何気に、何度かうなずいた。
幸せのまま目をつむり、いつものようにグラスに口をつけようとしたその時。
「NO!NO NO NO NO!バルトNO!」
ビールグラスを手で止められて、妻のエレナに怒られるバルトッシュだった。
「乾杯!カ・ン・パ・イよパパ!皆でするのよ!今、飲んだらダメ!(ポーランド語)」
頭を掻いて笑ってごまかすバルトッシュだった。
ルオとリリアナの席。
「オーマッガッ!もぅ、死んでもいい。もう嬉しすぎ~!」
リリアナも憧れの日本の宴会で、ハイテンションになっていた。
「絶対ルオと結婚して、日本に住む。絶対住む!」
横で照れ笑いのルオ。
そのルオをジーっとみる黄夫妻。そして、ニッコリする妻のリーリン。
「ねぇパパ。家族は沢山いた方がいいわよね。お家も広いんだし。」
ニッコリする黄技術部長。
「……ルオ、まだぁ19歳かぁ。日本で言うヤンキーだと思えばいいか。はははっ。若年結婚。」
「ヤンキーに失礼よパパ。私は10代の時は、こう見えて台北のヤンキーでリーダーだったのよ!」
「はぁい?初めて聞いたリーリン。ホント?」
「えっ?言わなかったっけ?」
「えぇぇ~!うそ!」
「日本で言う、スクーターヤンキーだけどねっ!あはははっ。」
「出た。スクーターかい。」
横を向いて笑うオリエッタと京子。
そんな皆を笑顔でみるきよしとジェシカだった。乾杯のジュースを注いでもらいながら、きよしがジェシカに顔を近づける。
「ジェシー?」
「な~に?私のきよし~。うふふっ。……。」
うっとりした、なまめかしい目できよしの顔の上下を見るジェシカ。きよしに顔を近づける。
また繰り返すジェシカ。
「どうしたの~。わたしの、き、よ、し。ふふっ。」
( ピクッ! )
そのジェシカの(私のきよし……)の下りの言葉に反応する向かいの布村愛子。
(ピクッ!)(ピクッ!)(ピクッ!)(ピクッ!)(ピクッ!)
続いて、反応する佐藤結衣、中村・スーザン・幸子、鈴木絵里、寺田麗子の5人。
( ピクッ! )
席の奥では吉田美紀が、薄目を開けて反応した。
あら?なんか、どうしたの?
と、珍しく場の空気を読むきよし。
周りを流して見ると、違う事に気が付いた。
後ろを振り向くとオリエッタの横の空いた席が3席と、正面の佐藤結衣のパパとママの横の3席が空いている。
今度は、座椅子の空席が何となく気になってきた、お子ちゃまきよし。
「あの~。まだ、誰がくるのかなぁ。ジェシー。」
ジェシカも気が付いた。
「ん?何か、嫌な予感がする、の?」
( ゲッ! )
「何っ?ゲッ!て。何よ、ゲッって。」
「うわぁぁ……後ろの3席は恐らく、ジョナサン叔父さんと、麗子叔母さん。そしてマーシャ(真理亜)。わわ~。ぼ、ぼ、僕の母ちゃん、オリエッタ叔母さん、リーリン叔母さん、れ、れ、麗子叔母さん。うわわわ。4人揃うと悪魔の4人だ。うわぁぁ。この間の誕生日。最後に麗子叔母さんが乱入してきて、徹底的にボクがいじられてオワタ。う……。ジェシーの送ってくれたケーキネタから思いっきりボコボコに撃破された。うっ。」
涙目の大男だった。
「クククッ!うふふっ。」
きよしの襟足を引っ張って意地悪そうに、目をオタマジャクシにして話すジェシカ。
「きよちゃん、なんか、千歳シーラスワンの売店、山下のおばちゃんから聞いた事ある。4人揃うと、と~んでもない事が起きると。誰かが犠牲、と言うより邪悪な神の捧げものになる。とういう都市伝説!」
わざと意地悪に言うジェシカ。オタマジャクシの目が不気味に笑っている。
( ゴクッ。 )
真に受けたきよし。左右を見る。乾杯のグラスと置いた。
「あっ!思い出した。おお、俺帰っていいかなぁ……畑の用事、思い出した。あっそうだそうだ。いかん、いかん。あれがあったかぁ。」
グラスを置いてよつん這いで、そ~っと逃げようとするきよし。
その帯を持って座らせるジェシカ。
「いいから、座って!もぅ。うふふっ。何にも起きないわよ。お子ちゃまなんだから。」
と、目線を感じるジェシカときよし。後ろを振り向くと母の京子とオリエッタの目が光る。
「ヒッ!」
「ヒッ!」
更に横を見るとリーリンの目が光っている。
座椅子の上でお尻ごと飛び上がる2人。
「ヒッ!」
「ヒッ!」
目を合わせる、世界最強のアタッカー・HARMORパイロットカップル。
( うわわわわっ。 )
と、その時。
「はい、皆様、お揃いです。どうぞ!」
襖を開けて、三つ指を付き、上品に腕を伸ばして誰かを案内する女将。
ドタバタと大男が入ってきた。制帽を押さえながら、背中を丸めて入って来た。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
「メジャー・インフラトン」序章2/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節FIRE!FIRE!FIRE! No1. )
あおっち
SF
敵の帝国、AXISがいよいよ日本へ攻めて来たのだ。その島嶼攻撃、すなわち敵の第1次目標は対馬だった。
この序章2/7は主人公、椎葉きよしの少年時代の物語です。女子高校の修学旅行中にAXIS兵士に襲われる女子高生達。かろうじて逃げ出した少女が1人。そこで出会った少年、椎葉きよしと布村愛子、そして少女達との出会い。
パンダ隊長と少女達に名付けられたきよしの活躍はいかに!少女達の運命は!
ジャンプ血清保持者(ゼロ・スターター)椎葉きよしを助ける人々。そして、初めての恋人ジェシカ。札幌、定山渓温泉に集まった対馬島嶼防衛戦で関係を持った家族との絆のストーリー。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
静寂の星
naomikoryo
SF
【★★★全7話+エピローグですので軽くお読みいただけます(^^)★★★】
深宇宙探査船《プロメテウス》は、未知の惑星へと不時着した。
そこは、異常なほど静寂に包まれた世界── 風もなく、虫の羽音すら聞こえない、完璧な沈黙の星 だった。
漂流した5人の宇宙飛行士たちは、救助を待ちながら惑星を探索する。
だが、次第に彼らは 「見えない何か」に監視されている という不気味な感覚に襲われる。
そしてある日、クルーのひとりが 跡形もなく消えた。
足跡も争った形跡もない。
ただ静かに、まるで 存在そのものが消されたかのように──。
「この星は“沈黙を守る”ために、我々を排除しているのか?」
音を発する者が次々と消えていく中、残されたクルーたちは 沈黙の星の正体 に迫る。
この惑星の静寂は、ただの自然現象ではなかった。
それは、惑星そのものの意志 だったのだ。
音を立てれば、存在を奪われる。
完全な沈黙の中で、彼らは生き延びることができるのか?
そして、最後に待ち受けるのは── 沈黙を破るか、沈黙に飲まれるかの選択 だった。
極限の静寂と恐怖が支配するSFサスペンス、開幕。
「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
あおっち
SF
脈々と続く宇宙の無数の文明。その中でより高度に発展した高高度文明があった。その文明の流通、移動を支え光速を超えて遥か彼方の銀河や銀河内を瞬時に移動できるジャンプ技術。それを可能にしたジャンプ血清。
その血清は生体(人間)へのダメージをコントロールする血清、ワクチンなのだ。そのジャンプ血清をめぐり遥か大昔、大銀河戦争が起こり多くの高高度文明が滅びた。
その生き残りの文明が新たに見つけた地、ネイジェア星域。私達、天の川銀河の反対の宙域だった。そこで再び高高度文明が栄えたが、再びジャンプ血清供給に陰りが。天の川銀河レベルで再び紛争が勃発しかけていた。
そして紛争の火種は地球へ。
その地球では強大な軍事組織、中華帝国連邦、通称「AXIS」とそれに対抗する為、日本を中心とした加盟国軍組織「シーラス」が対峙していたのだ。
近未来の地球と太古から続くネイジェア星域皇国との交流、天然ジャンプ血清保持者の椎葉清らが居る日本と、高高度文明異星人(シーラス皇国)の末裔、マズル家のポーランド家族を描いたSF大河小説「メジャー・インフラトン」の前章譚、7部作。
第1部「太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」。
ジャンプ血清は保持者の傷ついた体を異例のスピードで回復させた。また血清のオリジナル保持者(ゼロ・スターター)は、独自の能力を飛躍的に引き上げる事が出来たのだ。
第2次大戦時、無敵兵士と言われた舩坂弘氏をモデルに御舩大(ミフネヒロシ)の無敵ふりと、近代世界のジャンプ血清保持者、椎葉きよし(通称:お子ちゃまきよし)の現在と過去。
ジャンプ血清の力、そして人類の未来をかけた壮大な戦いが、いま、始まる――。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
本格的な戦闘シーンもあり、面白い場面も増えます。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)
あおっち
SF
港に立ち上がる敵AXISの巨大ロボHARMOR。
遂に、AXIS本隊が北海道に攻めて来たのだ。
その第1次上陸先が苫小牧市だった。
これは、現実なのだ!
その発見者の苫小牧市民たちは、戦渦から脱出できるのか。
それを助ける千歳シーラスワンの御舩たち。
同時進行で圧力をかけるAXISの陽動作戦。
台湾金門県の侵略に対し、真向から立ち向かうシーラス・台湾、そしてきよしの師範のゾフィアとヴィクトリアの機動艦隊。
新たに戦いに加わった衛星シーラス2ボーチャン。
目の離せない戦略・戦術ストーリーなのだ。
昨年、椎葉きよしと共に戦かった女子高生グループ「エイモス5」からも目が離せない。
そして、遂に最強の敵「エキドナ」が目を覚ましたのだ……。
SF大河小説の前章譚、第4部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! No2.
あおっち
SF
海を埋め尽くすAXISの艦隊。
飽和攻撃が始まる台湾、金門県。
海岸の空を埋め尽くすAXISの巨大なロボ、HARMARの大群。
同時に始まる苫小牧市へ着上陸作戦。
苫小牧市を守るシーラス防衛軍。
そこで、先に上陸した砲撃部隊の砲弾が千歳市を襲った!
SF大河小説の前章譚、第5部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
【完結】バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~
山須ぶじん
SF
異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。
彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。
そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。
ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。
だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。
それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。
※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。
※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。

アーク・エモーション:デジタルヒーロー
夕闇ポルカ
SF
未来都市オメガ・ゼロで孤独な生活を送る16歳の少女、レイナ。彼女の退屈な日常が一変するのは、ある日ネットカフェで見つけた謎のアプリ「アーク・エモーション」を起動した時から。画面から現れたのは、実は都市の安全を守るために設計されたAIヒーロー、アークだった。
レイナとアークは、最初はただのデジタルと人間の奇妙なコンビに過ぎなかったが、次第に深い絆を育んでいく。しかし、都市には影で操る謎の敵ヴァニタスが潜んでおり、アークの力を狙っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる