「メジャー・インフラトン」序章3/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 FIRE!FIRE!FIRE!No2. )

あおっち

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第5章 町会議員、小林未来(みらい)。

第4話 宴会前の出逢い。

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( オオオー!パチパチパチッ 。)

「えっ?一杯いるし。」
 
 人が居たとしても10人位のイメージだったのか、面を食らいキョトンとするきよしだった。

 和式の大宴会場には50名近い人たちが集まっていたのだ。まさしく大宴会の会場だった。

 話で盛り上がって、全く気が付かない後ろの女性陣。

 宴会場の襖の入り口で、突然の拍手で頭を掻きながら突っ立ているきよしと、それに続きキョトンとするデカブツたち。

 宴会場の席の先頭には、金髪の美女と並んで座る浴衣姿の中年男性がきよしを手招きした。
 目を細めるきよし。なんと!御舩少将閣下だった。
 
「ゲッ!かか、閣下がなんでぇ。」
 
「えっ、えっ、うっそぉ~!」
 
「ふふふ、御舩閣下!」
 
「わわわ、アドミラル・御舩っ!(ポーランド語)」
 
 部屋にサッと入り、思わず入れ口で、敬礼する4人の男たち。

 その後ろ、突然入口で止まって敬礼する男の背中にぶつかるジェシカ小隊。


( ドンッ! )


「ちょっと、何で止まるかな。」

 後ろから怪訝な顔をしてきよし達と前を覗くジェシカ。

 敬礼をした大男の脇から覗くリリアナ、双子ちゃんを抱いたジュリア。そして、正面を見て驚き、固まるジェシカ小隊の3人の美女。

 場を察して、後ろに居た、固まったジュリアからサッと双子を抱き直すエレナ。
 
「うわぁ、御舩長官!」
 
「失礼しました。閣下っ!」
 
 思いっきり目をつむって、バルトシュの横にならんで敬礼するジュリア。

 結局、一列に並んで敬礼する男女7名。その襖から顔をひょっこり出して、宴会場を覗く4人の少女。本人達の両親も楽しそうに笑顔で拍手していた。
 
「うっそー!パパも、なんでママも!」
 
「なんでぇお母さん、お父さんまで!」
 
「私、聞いてない聞いてないー!なんで、アメリカから来たかぁー?」
 
「もう、朝、家出る時。お父さんも、お母さんも、なーにも言ってなかったのにぃ!」
 
 4人の少女も奥に両親が、機嫌よく拍手していたのを見つけて、ビックリして、そしてガッカリしていた。その級友達の腕をひっぱる愛子。
 
「いいから、いいから、皆も早く、早く~!もぅ挨拶っ挨拶っ!」
 
 きよしの横にならんでお辞儀する布村愛子。続いてお辞儀する4人の少女。
 鳴り響く拍手。
 オディアは1人、テクテクと父親の椎葉繁の元に歩いて行った。次第に、立ち上がって拍手する先客達。

( パチパチパチパチ! )

 そこに居た人たちのほとんどが、きよし達のいつもの軍関係者だった。
 それに加えて昨年の対馬攻防戦で一緒に戦ったり、守ったり、助言したり。
 きよし・布村タンデムモービルを陰で支えた人々が来ていたのだ。そして、きよしに助けられた少女達のご両親達も来ているのだ。
 
 今回の宴会の主催者で、自費の資金提供オーナーでもある御舩弘が手を上げてきよしを呼んだ。東京渋谷に住む妻と愛娘を連れて、今日は一緒に参加していたのだ。
 
「お~い!きよし~!待ちくたびれたぁ~。はははっ。敬礼いいから早く座れや。はははっ。」
 
「あ、あっハイ。」
 
 と、答えるきよしだが、御舩の娘と思われる茶髪の白人の子供の横に、父親の繁と京子とオディアの祖父のウィルソン・ジ~ジ。
 いつものオリエッタ、そして小林の親夫婦が立っている。オディアが既に繁に抱っこされていた。
 
「って、えっ!あらぁ。」
 
 見渡すと様々の国の人や見たこともない叔父さんや叔母さん達も立ち上がってニコニコきよし達を見ている。懐かしい道場の面々もいる。敬礼する腕を降ろしながら、中学生の子供の様なリアクションでしゃべるきよし。
 
「なん?父ちゃんも、母ちゃんも。父ちゃん、今日、農協に出すアスパラの段ボール詰めあるべさ。なんで来てるのさ?」
 
 大きなお子ちゃま声のきよし。一瞬、顔を赤くして京子を見る繁。
 
「うるせい、母さんと2人で、もう終わったべさ。(北海道弁)さっ!バルトっ!エレナさんも前の席にどうぞ、どうぞ!(ポーランド語)」
 
 きよしと父親のやり取りを手叩いて笑う母の京子と呆れ顔のオリエッタ。
 毎日、顔を見合わせる相手なのか、逆に照れてきよしを相手にせず、バルトッシュ達に気を使う椎葉繁だった。
 オディアのジ~ジのアルフレッド・ウィルソンは、御舩の奥さんと3人で話をしている。バルトッシュが椎葉繁に言われて席に着こうと歩き始めた時、横に超絶金髪美女の大柄な2人が立っていた。
 バルトッシュが横を見て、驚いた。
 
「あっ、オー!姉さん!ワァオ!ゾフィアも!ワァオ!(ポーランド語)」
 
 実姉のヴィクトリアとその友人のゾフィアがニコニコしながらバルトッシュに近づく。
 
「なんでぇ姉さんも、ゾフィアも!ビックリした。」
 
 胸を撫でてから、兄弟は両頬にキスの挨拶をした。暫くぶりの兄弟の再会だった。そして幼馴染のゾフィアとも、頬でキスの挨拶をした。その光景を見ている対馬陸上自衛隊の吉田と妻の美紀。
 バルトシュ兄弟やゾフィア達が挨拶するキスにつられて、顎を上げて左右に動かす吉田。
 
「欧米人っていいなぁ~。オイッ!」

( バシンッ! )

 物凄い平手打ちの音が聞こえる宴会場。一瞬、静かになる。振り向く浴衣姿の人たち。
 
「痛テテテ。」
 
「何か言った?」
 
「う~っ、美紀ちゃん、何も言ってない~。う~言ってないぃ。」
 
 その宴会場の奥に手を振る奥様と背中をねじっている真っ赤な顔の男性が居た。きよしが気が付いた。
 
「あ~!吉田叔父さんっ!あ~美紀さんも!叔父さんっ!美紀さん!」
 
 ニコニコしながら手を振ってこたえる美紀と背中を押さえながら苦笑いの吉田。(美紀さん)と言ったきよしの顔を、きつい目で見てから、きよしの肩を借りて背伸びして確認する布村。
 背中をさする男性の横に、吉田美紀を発見した。きよしの後ろに隠れた愛子。
 
「おのれ~こんな所まで、のこのことパンダ隊長に、会いにきたのかぁ。どうしてくれようか。うぬぬっ。」
 
 また、爪を噛みながらきよしの腕の脇から、首を上下にしながら美紀を覗いて見る布村。その挙動不審の布村見るジェシカ。
 
「どぅしたの?愛ちゃん。」
 
「えっ、えっ!あはははっ。」
 
 ごまかす布村愛子だった。
 そんな愛子に気を取られているきよしに悪寒が走った。
 両腕をさするきよし。
 
( ゾクゾク~。湯冷めしたかぁ。何だろう……。あっ! )
 
 デカいきよしの左右で、きよしを見上げるヴィクトリアとゾフィアだった。思わずいつものリアクション。
 
「ゲッ!」
 
 目を合わせないように、何気に天井の壁を見るきよし。
 
 しかし、すでに遅し。
 
 軽く耳をゾフィアに引っ張られて、2人の美女の同じ目線になるきよし。あまりの恐怖に、目を思いっきりつむった。
 耳元で小さく、ささやくヴィクトリアとゾフィア。
 
「きよし、ゲッて何だ、ゲッて。ん~?姉ちゃんたちをなめとんのかぁ、コラぁ、ア~ン?」
 
「ゲッて何よ、ゲッて。コラっ!きよし。ん~?何じゃ、ゲッて。コラぁ!」
 
「いやいやいや。しし、師匠たちもい、い居たんですねぇ~って。ははっ。あ~、うわわわ。」
 
 また、きよしの弱点。耳たぶを引きながら、ささやき倒すゾフィ。外ズラでは話す内容と違ってお上品に、優しく身内にささやいている様に見えた。しかし、内容は恐怖の威嚇だった。
 
「ポーの姉ちゃんたちが居たら、あかんのカァコラー、きよし。なめとんのかぁ、コラぁ。」
 
 今度は、右耳たぶを引っ張って脅すヴィクトリア。
 
( 痛デデデ~。 )
 
「オメー調子こいてんべ。またチンコの毛、寝てる時、剃ったるかコラぁ、ん~?薄らボケがぁ。」
 
 小さな声で脅し倒す2人の美女だった。それに気が付くジェシカ。
 
「ん?きよちゃん、どうしたの?えっ?えっ?」
 
 ジェシカに気が付き、目を合わせる地獄の女師匠。
 一瞬、面白くない顔をしたが、そこは新格闘ヨーロッパチャンピオンの2人。
 腹が座っている。

「じゃね、きよし。またネッ。うふふ。」
 
「ジャ!ねっきよし君、うふふっ!」
 
 白々しくきよしの元から上品に去る2人のポーランド美女だった。
 その2人を渋い顔をして、目で追いかけるジェシカ。
 ちょっと美人過ぎる2人なので警戒し始めるジェシカだった。
 
 まぁ結局、とりあえず。この宴会場では何事も起きなかったのだが。
 
 正面を見ると、京子やオリエッタがきよしを見ながら爆笑している。繁もオディアを抱きながらもらい笑いをしている。身を乗り出して美女2人を覗くジェシカ。バルトッシュとエレナと上品に2人で歓談している。唇をへの字にして、意味が解らず忘れようとするジェシカだった。
 興奮するリリアナの相手をしているルオ。ルオの目の前、奥の列で手を上げる夫婦がいた。
 自分の黄パパとリーリンマァマだった。リーリンは妊娠7か月の身重の義母だ。
 
「おい、おい。ルオっ!ルオ~!早くこっちゃ来い!」
 
「ルオー!ルオー!」
 
 浴衣を着た両親が立っていた。2人でルオを呼んでいるのだ。
 
「えっ!なんでパパ、マァマ。」
 
「ルオのパパとママがきているの?」
 
 ルオの肩に手をかけて、背伸びして奥を覗くリリアナ。ニッコリしたリリアナがルオの手を引いて、ルオの両親まで歩いていった。
 2メートル超えの大男が、金髪のベリーショートの可愛らしい美女に手を引かれて歩いて行く。
 2人の関係をみて、ビックリする黄技術部長。
 
「えっ!いつから付き合ってるんだ。リリアナ中尉が、えっ!……ルオと!」
 
 口を開けて、妻のリーリンを何度もみる黄。
 ルオの手を外し、いきなりリリアナが黄夫妻の所に歩いて来た。リリアナの後ろで、少し照れるルオ。きよしを見たり、小林を見たり落ち着かなかった。
 黄部長に笑顔で敬礼するリリアナ。
 驚く黄技術部長。いつも倉庫でHARMORの整備をしてもらっている整備仲間だから、なおさら驚いたのだ。続いて妻のリーリンに握手をするリリアナ。
 リリアナとリーリン博士(シーラス情報技術研究所、開発部部長兼所長)は、お互い同じ千歳基地で働いているのは知っているが、個人的に会うのは今日が初めてだった。
 
「黄所長!リリアナ・ヒューズです。黄部長にはいつも、私のファニー・ダディ、まぁ私のパートナーAIでHARMORのHARMORね。ダディの整備でお世話になっています。これからも、よろしくお願いします。うふふ、実は、ルオとは、今日から付き合い始めましたの。うふふっ。」
 
 どこまでも行動力のあるアメリカン・ガール。臆さずドンドン話をしていくリリアナ・ヒューズなのだ。
 リーリンは突然の事で、チラッチラッと黄の顔を何度も見た。知らない知らないと目を大きくして顔を小刻みに左右に振った。
 あてにならない旦那。
 仕方なく作り笑顔で挨拶するリーリンだった。リリアナの後ろに立つ、当のルオは頭を掻きながら、まだ照れているので全く母の役に立たなかった。
 まぁルオの性格を知っているリーリンなので、息子も当てにはしていなかった。
 
「黄麗玲(ホァン・リーリン)です。リーリンでいいわよ。今日は2人で楽しんでね。(英語)」
 
 リリアナの頬を、ニコニコと、自分の娘の様に軽くつまむリーリンだった。
 
「ハイッ!お母さまぁ~!嬉しい~!(日本語)」
 
 リーリンにハグするリリアナ。
 お母さまと突然言われて、また苦笑いの黄夫妻。
 
「もう、何か月なんですか?」
 
 リリアナがリーリンのお腹を優しくさすっている。
 リリアナと、黄夫妻の様子をジッーと見ている京子とオリエッタ博士。京子がオリエッタを肘で突く。
 
「オリー?ちょっと、オリー!」
 
「え?何、何?見てるわよ京子。」
 
「いつの間にか、ルオ君。ちゃっかりさ、リリアナを彼女にしたみたいだよね~。」
 
「ほーんと、若いっていいわねぇ。アハハハッ。リリアナ~、上手く年下ゲットしたのね。アハハッ……、あっシーッ、シーッ!へへ。」
 
「ふふっ!スナイパー同士かぁ、ん~、じゃー小林君も?ジュリアと?」
 
「うふふっ。コマンダー同士かぁ?どうだろうねー。どれー?未央ちゃんはー?あー、居た居た。フフ。」
 
 小林とジュリアを見る京子とオリエッタだった。
 小林とジュリアはバルトッシュ夫妻に交じり、同じ椎葉道場の先輩師範のゾフィアとビクトリアと話をしていた。ゾフィアとビクトリアが宴会場の奥を指差した。
 小林の両親が来ていたのを小林に教えたのだ。
 
「あっ、なんで親父たち。もぅ……。またシャシャリ出て来たんだろうな。まったく。」
 
「未央のパパとママ。折角来たんだから、文句言わない。さぁ行ってきな。」
 
 ゾフィア達に背中を押されて、両親に近づいて行く小林。
 手招きする父親の栗山町町議会議員の小林未来と母親の、これまた札幌市市議会議員の母の小林敏子だった。母の敏子は元北海道教育委員会の副委員長で、今は、札幌市議会の議長さんだった。
 
「未央、なんで遅いかなぁお前はぁ。オイ、未央。」
 
 母の敏子が、旦那の浴衣の裾を引っ張って注意した。
 
「もう、お父さん!未央、本当はあのきよし君たちの仲良しグループだけでゆっくりしたかったんじゃないの?勝手に、またシャシャリ出たんじゃないのぉ。もぅ。」
 
 両親の目の前に立って怒っている小林未央。
 
「でもなんで、父さん達がいるんだべさ?俺たちの休暇なのにぃ。きよしも、ジェシカも、2人とも疲れ果てて、ホントはオディアも連れてこないつもりだったんだわ。でも、きよしがジェシカと仲良くさせるために、オディアも一緒に連れて行くからって、俺とルオがオディアの世話係で付いて来ただけがぁ……。いつの間にかバルトッシュ夫妻も来てさぁ、段々話が大きくなってるべさ。まぁ正式配属の前の打ち上げって事で納得してるけどぉ、さ。なんでこんなに色んな人が来てるんだべか。」
 
「そう言うなって未央。きー坊(椎葉きよし)にぜひ、逢いたいって人が結構いて、断れなかったんだべさ。したっけよ、」
 
 父親の小林未来の話を遮って怒る小林未央。
 
「父さん、何言ってんのさ。きよしばぁ、身体ば休ませないと。軍の休暇の日~でもアイツ、畑ば手伝って。シー、アイツ栗山の家から離れないと身体、休めないべや。シーは、あの性格だし。せっかく彼女も出来たのにさ。だけどな~んでさ。父さん知ってんべ。先月の母さんの選挙演説の手伝いで、きよしとジェシカが泊まりに来て、オディアとジェシカの事、話して知ってるクセによ。」
 
 呆れる母の敏子。また夫の小林未来の袖を引っ張った。
 
「ほらっお父さん、未央のいう通りよ。ん~もう、どうするのさ。」
 
「ん?ん~。中止する訳にはぁ、いかんべさ。このホテルのお嬢さん達がどうしても会いたいって。その内、ご両親達もどうしても会いたいって事になってさ。そんで、繁と京子さんから頼まれてさ。実は、なんとぉ!未央っ!」
 
「なんだべ。」
 
「ここの女将が京子姉さんと和歌山の子供時代の同郷でさ、大学まで同級生だった~ってな。知らんかったしょ。」
 
「はあい?」
 
 小林母子がクエッションする。
 
「京子さんとぉここの女将が?幼馴染って、ふ~ん……。」
 
 感心する未央の母の敏子。
 
「んだべさ。俺も知らんかった。繁と京子さんの結婚式に来てたらしいけど。父さん、全然覚えてないしな。そんで話がスイスイって進んでさ。女将の旦那さん、まぁここの社長も、いつかきよしにお礼したかったんだと。んでな、未央。」
 
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「いやいや、ん~、ん?はははっ。無きにしも非ずだけどよ~。まぁいいべや。」
 
「だべ~!もう、また調子こいて余計な事を。親父~、シーの体の事、少しでも考えろや。シーば、休ませろろって。」
 
「そう言うなって。そんで去年の対馬の後、京子ちゃんが自衛隊のお医者さん先生と4人の女の子のご両親がぁ、検査のたんびに何回か会ったらしいけどさ。京子ちゃんに、いつかきよしに直接お礼したいって、ズ~と言ってたらしいんだわ。そんでよ、」
 
「それが、今日かよ~。まぁ、ん~?」
 
 宴会部屋入れ口付近で、大勢の泣き声や歓喜の聞こえて来た。
 
 きよしに頭を下げる4人の少女の両親達。
 泣きながらお礼を、何度も、何度もしていた。
 それを黙ってみる小林親子だった。
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