「メジャー・インフラトン」序章3/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 FIRE!FIRE!FIRE!No2. )

あおっち

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第5章 町会議員、小林未来(みらい)。

第3話 ドッキリ!地下、豪華絢爛の宴会場!

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 所は変わって、北海道、札幌市定山渓の第1雅ホテル。

 地下の大宴会場エレベーターホール。

 上の階から来たエレベーターが止まった。
 
( ピンッ。シュ! )

 地下1階のエレベータが開くと、数名の和服スタッフと共にお辞儀をして挨拶する布村恵子ママ。

 上品に左右の腕を膝外側までピンと伸ばし、日本式のお辞儀をしたままのスタッフの脇を通るきよし部屋一行。
 
「こちらが宴会場でございます。さぁ。どうぞ。」
 
 一行の先頭に歩き、案内をする布村恵子ママ。浴衣姿でピタピタと、きよしと手をつないで歩くオディア。

 その後ろの浴衣姿のジェシカが挨拶する。
 
「女将さん、お願いします。」
 
「愛ちゃんのママさん。お願いします。」
 
 後から来る、佐藤結衣も中村・スーザン・幸子、寺田麗子、鈴木絵里がスタッフに挨拶した。寺田と鈴木はスタッフと見識があるようだった。
 
「工藤さん、お願いします。」
 
「結衣ちゃんも幸子ちゃん、ゆっくりしてくださいね。うふふ。」
 
「工藤さん、庄司さんもお願いします。」
 
「はい、麗ちゃんいらっしゃい。今日はゲストなんだからゆっくりしてね。」
 
 寺田の横に並ぶ鈴木絵里。
 
「工藤ちゃん、ひとみ(庄司)さん。お願いします。また来ちゃった。えへへ。」
 
「こちらこそ絵里ちゃん。ゆっくりしてね。」
 
 少女たちはすでに、布村の実家でもある第1ホテルに何度も来ていたので、スタッフとも親しくなっていたのだ。

 特に寺田麗子と鈴木絵里は高校1年の夏休みと冬休み、泊りがけでアルバイトもしていたのだ。

 そして、エレベーターの最後に出て来た布村愛子。

 エレベーターの中で開くボタンを押したままニコニコ皆を見ていた。
 
「結衣達は一緒に、隊長達と先に行ってね。私は次のグループを案内するから。」
 
「愛、了~。」
 
「了~了~、愛~っ。」
 
 ピョンピョンと楽しそうに話しながら宴会場に向かう少女たち。

 スタッフの横に立つ愛子。

 スタッフ達と話始める。
 愛子が子供の頃から働いてもらっている彼女らだった。
 
「工藤主任、ひとみさん(庄司)、今日私は無銭飲食よ。はははっ。」
 
「あらま、お嬢様。たまには楽しんでくださいよ。ねぇひとみさん。隣のエレベーターだけは、お任せします。」
 
「将来の女将さん。頼みますよ。あはは。」
 
 豪快にわらう着物姿の庄司ひとみ80歳だった。
 
「はい、了解で~す。工藤主任。ひとみさん。」
 
「後は、もう、愛ちゃん!任せて。ふふふっ。今日、愛ちゃんはお客様よ。うふふ。」
 
 ひとみさんが、工藤主任の袖に触れた。
 
「主任、わたしは、主任の旦那の、盛り付け手伝ってくるべさ。」
 
「あ、お願いします。ひとみさん。助かります。」
 
「なんか平日で、珍しく混んでるべさ。商売繁盛でいいべね~。じゃ主任。愛ちゃんも。」
 
 お上品に挨拶してからシャキシャキと料理場へ向かう、この道56年のベテラン給仕だった。
 
「いや~有難うございます。私もゆっくりします。」
 
「お待ちのお客様もほぼ全員揃っています。待ち時間、3種類の突き出しを出しておきました。暇してないと思いますよ。」
 
「あ~さすが、工藤ちゃん。」
 
 隣のエレベーターの階表示の点滅を見る布村。
 
「あっ、次のグループが来た。」
 
「はい、愛ちゃん宜しく。」
 
「はい、お任せ工藤主任。」
 
 2人のベテラン給仕も宴会場に向かった。
 布村と一緒に残った第1ホテルスタッフはニコニコしながらルオ、小林、バルトシュ家族が乗った隣のエレベーター前にサッサと移動して来賓に構えた。一緒にならんで待つ愛子。
 
「うふふっ。」

( ピン♪ )
 
( シュ。 )

 エレベーターの扉が開くと中からにぎやかな声が聞こえる。

 最初に降りて来たのは小林とルオだった。そのルオの腕を後ろから掴むリリアナ。

 そして、バルトッシュ・カミンスキ夫妻。後ろからは、双子ちゃんを抱っこしたジュリアが続く。

 挨拶する愛子とスタッフ達。
 
「ここから先がご宴会場です。お客様も先に見えられています。さぁ小林様、黄様、カミンスキー様、どうぞ、こちらへ。」
 
 母親の恵子の様に、一行を案内する愛子。
 
「WOW!WOW~。WOW~!愛ちゃんありがとう。」
 
 口を押えて興奮するリリアナ。
 なぜか、キャッキャ騒ぐ双子ちゃん達。ジュリーが足元を見ると、オディアが戻って来ていて、ちっちゃな足の裏をトントンとしながら一緒に歩いていた。
 
 先頭の男達のきよしとルオ、小林と後から来たバルトシュ。そしてジェシカ小隊達と4人の少女達が宴会場の襖の前で、楽しく話をしながら待っていた。

 全員が揃った所で、床に膝をついて、高級で上質な日本襖を開く女将の恵子ママ。
 
「(スーッ。)さぁ皆様お待ちです。お入り下さいませ。」
 
「えっ!皆様って誰っ?」
 
 端っから自分達だけっと、思っていたきよし。疑いながら、そろそろ~と、覗き込みながら、男4人は宴会場に入った。

( オオオー!パチパチパチッ 。)

「えっ?一杯いるし。」
 
 人が居たとしても10人位のイメージだったのか、面を食らいキョトンとするきよしだった。
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