21 / 96
第4章 鹵獲、敵の機動モービル。
第5話 2機目、「李隊長機」を鹵獲!
しおりを挟む
敵HARMORの正面球面モニターに表示される、きよしたちが乗ったタンデム・モービルの姿。
きよしの乗ったモービルに探索用ライトの光が何本も当たっている映像だった。
こちら側に向くきよしモービル。
右手にはチェーンヒートソードを持っている。
しかし、味方だと思っているので、敵のパイロットは警戒しなかった。
この飛んで来たパイロットは、自分はきよしの乗ったモービルの上官になるので、自分を守るために敵の白兵戦を警戒しているのだろうと都合よく考え、全く意に介してはいなかったのだ。
敵パイロットは逆にその対応を評価した。
その上官パイロットの正面球面モニター下部に表示される、きよし・布村タンデムモービルの状況。
「通常通信可能、味方識別正常、第2空挺部隊003バードワン:TWICE SEAT(2人乗りタンデム) 潘少尉、孫一級軍士長」
と、表示されていた。
ニッコリしてから、通信をするパイロットだった。
( ビー! )
再び、通信開始のブザーがなるきよし・布村タンデムモービルのコクピット。
( 003バードワン、バードワン。後衛は君たちで終わりか。私は第4急襲の李忠義だ。上尉だ。バードワン、ウチの部隊は先に行ったのかな~。行方が解らない。白犬ども(日本人)の対馬の残存戦力ではやられる訳はないしな。でも、ここのキャンプ、酷いやられ方だな。しかし、前線はようやく前進し始めたな。白犬どもようやく折れたか。ハハハッ。(ハングル語) )
正面スクリーンには通信内容のハングル語と翻訳した日本語が、翻訳した字幕映画の様に流れる。
タンデムモービルは2人乗りの為、この機体の2人のパイロットの通信記録から声や音紋を拾ったのだろう、2人の男性に扮して、ハングルで返信するAIだった。
違う2人の男性の声で答え始めるAIのエイモス。
それも黄色い字で表示された。
① ( 608、李上尉殿、お久しぶりです。潘です。 )
( バードワン?潘?あ~!あ~2人とも去年の大会以来だな。あはははっ。ここが後衛なのかな潘っ? )
② ( 孫です。ご無沙汰しておりました。 )
( 孫?あ~孫1級軍士長か。暫くだな~。 )
上手く2人のパイロット役をするAIのエイモス。
③( 大尉、時間がないんで、直接対馬の美味しい日本酒、お渡しします。コクピットを開けて下さい。時間がない。お毒味してください。お酒にはたしかぁ~、こだわりがありますよね。 )
( 了解!はははっ!バードワン。早速、気が利くな。俺の大隊長、司令には内緒にしてくれよ。はははっ!ピットを開ける。じゃ~早くしてくれ。そっちに行くから 。)
布村のスーツの色が変化した。
敵の教官服、品の無いグレーや黄色のライン付のスーツに色が変った。
形態は変えられないが色は変えられる様だった。
警戒されないよう、きよしのモービルのコクピットシールドの上下を先に半分くらい開けた。
( ガタン!ガガガガ。 )
急にカバーが開き始めたので、ビビる4人の少女。
「うわ、うわ。」
「声を出さないで下さい。何があっても。目をつむって顔を下げて。お願いします。僕はあのモービルを奪います。だから、ひと芝居します。エイモス、ゲスト4名の首から上、硬化解除。スーツ色は本人の皮膚のオリジナル色。」
( ゲスト佐藤、寺田、鈴木、中村4名の頸部から上方硬化解除終了。色素は4名の皮膚のオリジナル色に変色します。スーツ偏光反射係数計算中。計算終了。色が変わります。 )
首から上の硬化が解けてキョロキョロする4人。
そして4人のアーマースーツが本人たちの体の色に変わった。
( オーッ! )
スーツを着ているとはいえ、見栄えは完全に全裸の色白少女4人になった。
それも髪の毛を剃り上げられたスキンヘッドの頭の少女に見える。
顔を赤くする4人。
「えっ?えっ?」
「なになに?」
「麗子も絵里も、静かに、シーッ。」
布村が左右の後ろを振り向いた。
「シッ!動かない!みんな、頭下げる!」
慌てて少女たちは、目を閉じてうなだれた。
きよしが左右を見た。
「エイモス、あとは指示通りに。」
( 了解しました。 )
どうやら、きよしは先ほど、コンソールで直接キー入力して戦術、指示を出していたようだった。
きよしのアーマースーツも硬化が解けた。
首や、手足を軽く回すきよし。
拳銃を用意してからきよしが左右の少女の準備を視認して、銃を前に突き出した。
体をシートに落として隠れるように、正面に拳銃を向けて構えた。
( ウィン、プシューッ……ガタン。 )
完全に下がるきよしたちのコクピットシールド。
敵のパイロットもシールドを下げた。
タンデム席の形状が見慣れない形になって、不審な顔になる敵パイロットだったが、コクピットの奥の4人の少女を見て理解した。
( なんだ?お前たちのコクピットは?ん~あっ成る程成る程ォ。はははっ! )
敵パイロットから、タンデムシートの奥、左右に髪を剃り上げた裸の少女4人が、吊り下げられている様子を見ることができた。
( お~南北朝鮮軍本部への献上品か!さすがだな~!上玉じゃないか!酒と女か!はははっ!両方味見させてくれ!そっちに行く!あはははっ。うひょ~!戦場で4人の上玉とやれるかっ!良くやったお前たち。30分位、いや1時間は外に出ていろ!いいか!上官命令だっ!はははっ!白犬の女とやれるのが俺の目標だった!うひょ~! )
急いで、敵パイロットはボディーガード類を外した。おまけにパイロットスーツの上部防護装も脱いだ。そして、よつん這いで開いたコクピット・シールド・バイザー・カバーの裏まで這って行き、カバーの上でヘッドギアを脱いだのだ。
その瞬間、パイロットの額の中央に小さな赤い点のライトが照らされた。狙撃ロックされたのだった。一瞬、眩しい光で目を細める敵パイロット。
次の瞬間!
( シュパッ! )
空気を切り裂く音と共に、パイロットのおでこを、9ミリNATO弾が撃ち抜いた。
即死だった。
きよしの乗ったモービルに探索用ライトの光が何本も当たっている映像だった。
こちら側に向くきよしモービル。
右手にはチェーンヒートソードを持っている。
しかし、味方だと思っているので、敵のパイロットは警戒しなかった。
この飛んで来たパイロットは、自分はきよしの乗ったモービルの上官になるので、自分を守るために敵の白兵戦を警戒しているのだろうと都合よく考え、全く意に介してはいなかったのだ。
敵パイロットは逆にその対応を評価した。
その上官パイロットの正面球面モニター下部に表示される、きよし・布村タンデムモービルの状況。
「通常通信可能、味方識別正常、第2空挺部隊003バードワン:TWICE SEAT(2人乗りタンデム) 潘少尉、孫一級軍士長」
と、表示されていた。
ニッコリしてから、通信をするパイロットだった。
( ビー! )
再び、通信開始のブザーがなるきよし・布村タンデムモービルのコクピット。
( 003バードワン、バードワン。後衛は君たちで終わりか。私は第4急襲の李忠義だ。上尉だ。バードワン、ウチの部隊は先に行ったのかな~。行方が解らない。白犬ども(日本人)の対馬の残存戦力ではやられる訳はないしな。でも、ここのキャンプ、酷いやられ方だな。しかし、前線はようやく前進し始めたな。白犬どもようやく折れたか。ハハハッ。(ハングル語) )
正面スクリーンには通信内容のハングル語と翻訳した日本語が、翻訳した字幕映画の様に流れる。
タンデムモービルは2人乗りの為、この機体の2人のパイロットの通信記録から声や音紋を拾ったのだろう、2人の男性に扮して、ハングルで返信するAIだった。
違う2人の男性の声で答え始めるAIのエイモス。
それも黄色い字で表示された。
① ( 608、李上尉殿、お久しぶりです。潘です。 )
( バードワン?潘?あ~!あ~2人とも去年の大会以来だな。あはははっ。ここが後衛なのかな潘っ? )
② ( 孫です。ご無沙汰しておりました。 )
( 孫?あ~孫1級軍士長か。暫くだな~。 )
上手く2人のパイロット役をするAIのエイモス。
③( 大尉、時間がないんで、直接対馬の美味しい日本酒、お渡しします。コクピットを開けて下さい。時間がない。お毒味してください。お酒にはたしかぁ~、こだわりがありますよね。 )
( 了解!はははっ!バードワン。早速、気が利くな。俺の大隊長、司令には内緒にしてくれよ。はははっ!ピットを開ける。じゃ~早くしてくれ。そっちに行くから 。)
布村のスーツの色が変化した。
敵の教官服、品の無いグレーや黄色のライン付のスーツに色が変った。
形態は変えられないが色は変えられる様だった。
警戒されないよう、きよしのモービルのコクピットシールドの上下を先に半分くらい開けた。
( ガタン!ガガガガ。 )
急にカバーが開き始めたので、ビビる4人の少女。
「うわ、うわ。」
「声を出さないで下さい。何があっても。目をつむって顔を下げて。お願いします。僕はあのモービルを奪います。だから、ひと芝居します。エイモス、ゲスト4名の首から上、硬化解除。スーツ色は本人の皮膚のオリジナル色。」
( ゲスト佐藤、寺田、鈴木、中村4名の頸部から上方硬化解除終了。色素は4名の皮膚のオリジナル色に変色します。スーツ偏光反射係数計算中。計算終了。色が変わります。 )
首から上の硬化が解けてキョロキョロする4人。
そして4人のアーマースーツが本人たちの体の色に変わった。
( オーッ! )
スーツを着ているとはいえ、見栄えは完全に全裸の色白少女4人になった。
それも髪の毛を剃り上げられたスキンヘッドの頭の少女に見える。
顔を赤くする4人。
「えっ?えっ?」
「なになに?」
「麗子も絵里も、静かに、シーッ。」
布村が左右の後ろを振り向いた。
「シッ!動かない!みんな、頭下げる!」
慌てて少女たちは、目を閉じてうなだれた。
きよしが左右を見た。
「エイモス、あとは指示通りに。」
( 了解しました。 )
どうやら、きよしは先ほど、コンソールで直接キー入力して戦術、指示を出していたようだった。
きよしのアーマースーツも硬化が解けた。
首や、手足を軽く回すきよし。
拳銃を用意してからきよしが左右の少女の準備を視認して、銃を前に突き出した。
体をシートに落として隠れるように、正面に拳銃を向けて構えた。
( ウィン、プシューッ……ガタン。 )
完全に下がるきよしたちのコクピットシールド。
敵のパイロットもシールドを下げた。
タンデム席の形状が見慣れない形になって、不審な顔になる敵パイロットだったが、コクピットの奥の4人の少女を見て理解した。
( なんだ?お前たちのコクピットは?ん~あっ成る程成る程ォ。はははっ! )
敵パイロットから、タンデムシートの奥、左右に髪を剃り上げた裸の少女4人が、吊り下げられている様子を見ることができた。
( お~南北朝鮮軍本部への献上品か!さすがだな~!上玉じゃないか!酒と女か!はははっ!両方味見させてくれ!そっちに行く!あはははっ。うひょ~!戦場で4人の上玉とやれるかっ!良くやったお前たち。30分位、いや1時間は外に出ていろ!いいか!上官命令だっ!はははっ!白犬の女とやれるのが俺の目標だった!うひょ~! )
急いで、敵パイロットはボディーガード類を外した。おまけにパイロットスーツの上部防護装も脱いだ。そして、よつん這いで開いたコクピット・シールド・バイザー・カバーの裏まで這って行き、カバーの上でヘッドギアを脱いだのだ。
その瞬間、パイロットの額の中央に小さな赤い点のライトが照らされた。狙撃ロックされたのだった。一瞬、眩しい光で目を細める敵パイロット。
次の瞬間!
( シュパッ! )
空気を切り裂く音と共に、パイロットのおでこを、9ミリNATO弾が撃ち抜いた。
即死だった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
「メジャー・インフラトン」序章2/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節FIRE!FIRE!FIRE! No1. )
あおっち
SF
敵の帝国、AXISがいよいよ日本へ攻めて来たのだ。その島嶼攻撃、すなわち敵の第1次目標は対馬だった。
この序章2/7は主人公、椎葉きよしの少年時代の物語です。女子高校の修学旅行中にAXIS兵士に襲われる女子高生達。かろうじて逃げ出した少女が1人。そこで出会った少年、椎葉きよしと布村愛子、そして少女達との出会い。
パンダ隊長と少女達に名付けられたきよしの活躍はいかに!少女達の運命は!
ジャンプ血清保持者(ゼロ・スターター)椎葉きよしを助ける人々。そして、初めての恋人ジェシカ。札幌、定山渓温泉に集まった対馬島嶼防衛戦で関係を持った家族との絆のストーリー。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
静寂の星
naomikoryo
SF
【★★★全7話+エピローグですので軽くお読みいただけます(^^)★★★】
深宇宙探査船《プロメテウス》は、未知の惑星へと不時着した。
そこは、異常なほど静寂に包まれた世界── 風もなく、虫の羽音すら聞こえない、完璧な沈黙の星 だった。
漂流した5人の宇宙飛行士たちは、救助を待ちながら惑星を探索する。
だが、次第に彼らは 「見えない何か」に監視されている という不気味な感覚に襲われる。
そしてある日、クルーのひとりが 跡形もなく消えた。
足跡も争った形跡もない。
ただ静かに、まるで 存在そのものが消されたかのように──。
「この星は“沈黙を守る”ために、我々を排除しているのか?」
音を発する者が次々と消えていく中、残されたクルーたちは 沈黙の星の正体 に迫る。
この惑星の静寂は、ただの自然現象ではなかった。
それは、惑星そのものの意志 だったのだ。
音を立てれば、存在を奪われる。
完全な沈黙の中で、彼らは生き延びることができるのか?
そして、最後に待ち受けるのは── 沈黙を破るか、沈黙に飲まれるかの選択 だった。
極限の静寂と恐怖が支配するSFサスペンス、開幕。
「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
あおっち
SF
脈々と続く宇宙の無数の文明。その中でより高度に発展した高高度文明があった。その文明の流通、移動を支え光速を超えて遥か彼方の銀河や銀河内を瞬時に移動できるジャンプ技術。それを可能にしたジャンプ血清。
その血清は生体(人間)へのダメージをコントロールする血清、ワクチンなのだ。そのジャンプ血清をめぐり遥か大昔、大銀河戦争が起こり多くの高高度文明が滅びた。
その生き残りの文明が新たに見つけた地、ネイジェア星域。私達、天の川銀河の反対の宙域だった。そこで再び高高度文明が栄えたが、再びジャンプ血清供給に陰りが。天の川銀河レベルで再び紛争が勃発しかけていた。
そして紛争の火種は地球へ。
その地球では強大な軍事組織、中華帝国連邦、通称「AXIS」とそれに対抗する為、日本を中心とした加盟国軍組織「シーラス」が対峙していたのだ。
近未来の地球と太古から続くネイジェア星域皇国との交流、天然ジャンプ血清保持者の椎葉清らが居る日本と、高高度文明異星人(シーラス皇国)の末裔、マズル家のポーランド家族を描いたSF大河小説「メジャー・インフラトン」の前章譚、7部作。
第1部「太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」。
ジャンプ血清は保持者の傷ついた体を異例のスピードで回復させた。また血清のオリジナル保持者(ゼロ・スターター)は、独自の能力を飛躍的に引き上げる事が出来たのだ。
第2次大戦時、無敵兵士と言われた舩坂弘氏をモデルに御舩大(ミフネヒロシ)の無敵ふりと、近代世界のジャンプ血清保持者、椎葉きよし(通称:お子ちゃまきよし)の現在と過去。
ジャンプ血清の力、そして人類の未来をかけた壮大な戦いが、いま、始まる――。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
本格的な戦闘シーンもあり、面白い場面も増えます。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)
あおっち
SF
港に立ち上がる敵AXISの巨大ロボHARMOR。
遂に、AXIS本隊が北海道に攻めて来たのだ。
その第1次上陸先が苫小牧市だった。
これは、現実なのだ!
その発見者の苫小牧市民たちは、戦渦から脱出できるのか。
それを助ける千歳シーラスワンの御舩たち。
同時進行で圧力をかけるAXISの陽動作戦。
台湾金門県の侵略に対し、真向から立ち向かうシーラス・台湾、そしてきよしの師範のゾフィアとヴィクトリアの機動艦隊。
新たに戦いに加わった衛星シーラス2ボーチャン。
目の離せない戦略・戦術ストーリーなのだ。
昨年、椎葉きよしと共に戦かった女子高生グループ「エイモス5」からも目が離せない。
そして、遂に最強の敵「エキドナ」が目を覚ましたのだ……。
SF大河小説の前章譚、第4部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! No2.
あおっち
SF
海を埋め尽くすAXISの艦隊。
飽和攻撃が始まる台湾、金門県。
海岸の空を埋め尽くすAXISの巨大なロボ、HARMARの大群。
同時に始まる苫小牧市へ着上陸作戦。
苫小牧市を守るシーラス防衛軍。
そこで、先に上陸した砲撃部隊の砲弾が千歳市を襲った!
SF大河小説の前章譚、第5部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
【完結】バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~
山須ぶじん
SF
異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。
彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。
そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。
ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。
だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。
それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。
※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。
※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。

アーク・エモーション:デジタルヒーロー
夕闇ポルカ
SF
未来都市オメガ・ゼロで孤独な生活を送る16歳の少女、レイナ。彼女の退屈な日常が一変するのは、ある日ネットカフェで見つけた謎のアプリ「アーク・エモーション」を起動した時から。画面から現れたのは、実は都市の安全を守るために設計されたAIヒーロー、アークだった。
レイナとアークは、最初はただのデジタルと人間の奇妙なコンビに過ぎなかったが、次第に深い絆を育んでいく。しかし、都市には影で操る謎の敵ヴァニタスが潜んでおり、アークの力を狙っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる