10 / 96
第2章 思いは湯煙となり。
第3話 湯煙に映る思い。
しおりを挟む
お話は定山渓温泉に戻って、念願の大浴場。
「O.oh~!夢ニマデ見タ、日本ノ、温泉デース!嬉シィデース!」
エレナが両手を広げて、大浴場の入り口で裸のままピョンピョンしていた。
体を洗いながら目を細めてニコニコする泊り客のおばあちゃんたち。
その内、ゾロゾロとデカい裸の金髪軍団が入ってきた。
ニコニコ顔から、驚き顔に変わるおばあちゃんたち。
そのおばあちゃんの横に座ったオディアを連れたジェシカ。
「こんばんは~。失礼しますねぇ。」
「あら~外人さん、ご丁寧に。こんばんは~。」
上品に挨拶するジェシカ。後ろからリリアナやジュリアも、声を上品に合わせて挨拶をした。
( こんばんは~。 )
「あら~またまた綺麗な外人さんがきたわ。ご丁寧に。こんばんは~。」
ニコニコしながら、軽く汗を流しはじめるジェシカとオディア。
ジェリアとリリアナも、ニコニコしながら汗を流し始めた。
ジェシカは内ももに、オディアを立たせて軽く体を洗っている。
すでに4人は椎葉温泉で慣れていたのだ。
「どちらから来たんですか?日本語でいいの?はははっ。可愛いお子さんですこと。」
と、おばあちゃん。
「はい、アメリカから仕事で来ています。奥様はどちらから?」
「うわ~日本語お上手。私は姉妹で山口から来たの。元々は札幌出身で。みなさん、観光なの?」
「いいえ、千歳の基地で勤務しています。今日は、友達と来ました。」
「えっ?飛行機のCAさん?」
「いいえ~、軍人なんですの。千歳に勤務してますぅ。」
「えぇー、あー、そう!軍人さん!失礼しました。じゃぁ毎日大変でしょう!ゆっくりしてくださいね。」
「はい!ありがとうございます。でも、奥様の山口県っていったらフグが美味しいですよね。先週、実は栗山のお母さんとネットで山口の……」
泊り客とも話が弾むジェシカだった。
エレナと双子ちゃんは愛子たちが相手をしていた。
英語の堪能な鈴木絵里がエレナにどんどん話し掛けていた。
その横で双子ちゃんの面倒をみる4人の少女たち。
その4人の中へ、先に体を洗ったジュリアが入ってきた。
「愛ちゃん。麗ちゃん、今度は私が子供たちの面倒みるから、みんなで、ゆっくりしてね。ふふっ。は~い、ゴーシャ、アシャ。ジュリーとお風呂入ろっか。Chu! Chu! 」
双子ちゃんを両手に抱いて、ゆっくりぬるま湯の方の湯舟に入っていくジュリア。
双子ちゃんをあやしながら、幸せそうな顔をしてあやしていた。
布村たち4人の少女は湯舟に浸かった。
「はぁ~。……むにゃむにゃ。」
「有難う愛っ。ふぃ~。やっぱり第1雅の湯が最高ぅ。ふぃ~。」
「ありがとう、結衣。ふぅ。」
「麗子の夢、叶う。ふぅ、去年の年末、年越しに羅臼のバ~バ(祖母)たちと、家族で来たけどさぁ。やっぱ愛子の温泉が落ち着くわぁ。」
「ふぅ……愛子、有難う。でも、ちょっぴり残念ね~。」
と、チラッと洗い場でおばあちゃんたちと、話をするジェシカを見る中村・スーザン・幸子。
( ……。 )
続いて見る、愛子と結衣と麗子だった。
振り向いて鈴木絵里を見ると、洗い場でエレナと楽しそうに英語で話をしている。
「はははっ。夢崩れる~。と、言うより心の片隅で予想していた通り、一般人が云々出来る相手ではなかったのだった。と、再認識した愛子なのだ。……でもねぇ麗子。」
何となく憂う目をして麗子、結衣と幸子を見る布村。
麗子もその愛子の気持ちが良く解り、涙目になるとタオルでごまかした。
「愛と……同じ気持ちだったのだった。う、うぅ。宿泊予約表に書かれた通りのカップルだったのだ。」
2人の顔を見る結衣と幸子。
次にこの2人に何が起こるのかを予想出来、目が合う結衣と幸子。
すかさず結衣が、話す。
「皆の衆。ノンビリしている場合ではないのだ!さぁ、愛の言う、お部屋ジュースが美味しくなるように、今から競争をします。」
「ふあい?何言ってんのぉ~?もう、競争なんていいよぅ、もぅ結衣ぃ~。」
「ぶ!何よ、何よ~。もう、そんな気分じゃない。もういいよ。」
本格的に大泣き前の泣き顔の2人が結衣に文句を言おうとする。
間髪入れず中村・スーザン・幸子が2人にチャパチャパ指先でお湯を掛けながら急いで話した。
「4人の息止め競争!誰が一番先に、(ブハッ!)と先に湯舟から出るか。早く出た人の負け。負けた者があした、朝ジュースをおごる。準備いい?秒数数えるから一人づつ行くよ!」
「サッチ~、良いからやめようょ。もう。いいって。絶対、海洋生物のサッチ~が勝つって。」
息の合った中村・スーザン・幸子と佐藤結衣。
結衣が音頭を取った。
「ハイハイ!いい年こいて文句言わない!さぁ剣道日本一の愛子さまから。せ~の!」
音頭に弱い愛子。
「レディー?レディー、GO~っ!」
( チャポンッ! )
さすが体育会系の愛子。佐藤結衣の掛け声に引っかかった。
まぁいつもの事。
鼻を持って沈む愛子だった。
結衣と幸子、ジミ泣きしながら麗子が数字を数える。
「い~ち!に~い、さ~ん、し~い、ご~お……。」
少しづつ小さな泡が浮かんでくる。テキトー数えの1分が経過した。
エレナや絵里、洗い場からオディアやジェシカがニカニカしながら、のぞいて見ている。
ジュリーが双子ちゃんを抱いて立ち上がって奥の湯船からのぞいて笑っていた。
「な~なじゅ、な~なじゅいち、な~なじゅに~、」
( ブハ~ッ! )
湯の中から飛び出す愛子。
( ブハッ!が~ペッ!どよどよ、どーよ!結衣、麗、サッチ~、何秒~?どーよ? )
「はははっ!さすが温泉宿の娘さん!1分20秒でした~!」
( よっしゃ~!うっしゃー! )
まんまと、引っかかりガッツポーズをする布村。
先程の泣き顔から勝者の嫌らしい顔に変わっている。
「次は誰っ?誰っ?」
サッチーが、麗子の腕を持って湯舟から上げた。
「はい、麗子・寺田ぁ~選手。」
「えっ、私?私っ?」
寺田麗子もすっかり泣き顔から普通に戻っていた。
すかさずスタートの音頭をとる佐藤結衣。
「せ~の!」
( チャポン! )
鼻を指でつまんで沈む麗子。
すぐ泡が出て来る。
「い~ち。に~い。さ~ん。し~い。、ご~お。ろ~」
( ブッハ~!無理、無理~!オェ。 )
6秒で湯舟から飛び上がる麗子だった。
「あはははっ!なんでぇ6秒~!あははっ!」
「無理無理無理~!。プールじゃないしぃ。熱いお湯じゃ、なおさら無理無理~!」
その内、洗い場ではオディアの手をつないだジェシカとリリアナが立ち上がった。
「あっ!」
目を合わす4人。
「これにて、息止め競争終了~。敗者は麗子~っ!」
「うわ~、マジ?絶対めっちゃズル~!結衣もサチ~っ!ほんとうに2人は、もう、……うふふっ。」
でも、なんで結衣たちが、愛子と麗子にこんな競争させたのか、良く解った布村愛子と寺田麗子だった。
泣き顔や低いテンションで、今日の日を過ごす事が無いようにしてくれたのだった。
そして、オディアを抱きかかえて、湯舟に入るジェシカ。後から、ニコニコしたリリアナが入って来た。
オディアを太ももの上に乗せて、ニコニコしながらタオルでオディアの顔を拭いてあげている。
「ふぅ。気持ちいいわぁ。あ~最高。ねぇオディア。リリアナ~。」
オディアがジェシカの胸を叩いて聞いた。
「ジェシー、ジェシー。アシャとゴーシャの所に行っていい?」
「ハイハイ、行ってらっしゃいオディ。危ないから、走らないでよ。」
「うん。判ったぁ。」
湯舟から上がり、ピタピタと歩いてジュリーと双子ちゃんの所にいくオディア。
歩いて行くオディアを見守った後、肩まで湯舟に浸かるジェシカ。
「ホント、最高。日本に来て良かったぁ……ふぅ、気持ちいい……。わたし、椎葉温泉と同じ事言ってるかも。はははっ。」
目をつむりながら笑うジェシカ。
「滝野の水、結構冷たかったよねリリィ。あ~でも温まるぅ、フフフッ。」
リリアナも湯を両腕にゆっくり掛け回しながら、ウットリしている。
幸せそうな表情で日本への思いを話始める。
「ホント、隊長、冷たかったよね。あ~幸せ。この後、日本の夕ご飯よね。ワクワクしちゃう。宴会だって隊長。え・ん・か・い・よ。日本の映画やアニメで見た、憧れの宴会かぁ。それも北海道の温泉の高級ホテルよ!隊長!うふふっ。時間あったらルオとカラオケもやりたいし。もう楽しい事だらけよね。凄いなぁ日本って。」
ジェシカと同じく肩まで湯舟に浸かるリリアナ。
そのうち、エレナと鈴木絵里も湯舟に入って来た。
ゆっくりつま先から入るエレナ。
そして、首まで湯に浸かった。
「Oh!Oh~! ……。Feels amazing……feels good、good feeling。」
目をつむりニッコリするエレナ。そして、お礼をいう絵里。
「はぁ~、生き返るぅ生き返る。あったかい~。ふぅ気持ちいい。愛子、ありがとう。」
湯に浸かり、ホウっとする金髪外人さんたちと、少女たち。
湯舟の中でジェシカがゆっくり愛子に近づいてきた。
「愛ちゃん?ちょっと愛ちゃん……。」
「えっ、はぁいジェシカさん。」
湯船の中で、愛子の両手を持ってニッコリした。
「あの時、私が千歳に居て、愛ちゃんが対馬の現場にいて……。こんな風に一緒で、温泉に入れるなんて、思っても居なかったわ。うふふっ。ホント、可愛らしいわ。愛ちゃん。」
軽く愛子の頬をなでるジェシカ。
「そんなぁ、ありがとうございます。あの時、スミス中佐って、お声だけでしたけど、何度、励まされたことか。繋がってるって安心感がありましたよ。絶対に何かあれば助けに来てくれるって。本当に有難うございました。」
「愛ちゃん、こちらこそ。うふふっ。」
湯舟の中でハグする2人だった。
そんな大浴場の湯煙の中、ゆっくりした温かい時間が女性たちを包んだ。
「O.oh~!夢ニマデ見タ、日本ノ、温泉デース!嬉シィデース!」
エレナが両手を広げて、大浴場の入り口で裸のままピョンピョンしていた。
体を洗いながら目を細めてニコニコする泊り客のおばあちゃんたち。
その内、ゾロゾロとデカい裸の金髪軍団が入ってきた。
ニコニコ顔から、驚き顔に変わるおばあちゃんたち。
そのおばあちゃんの横に座ったオディアを連れたジェシカ。
「こんばんは~。失礼しますねぇ。」
「あら~外人さん、ご丁寧に。こんばんは~。」
上品に挨拶するジェシカ。後ろからリリアナやジュリアも、声を上品に合わせて挨拶をした。
( こんばんは~。 )
「あら~またまた綺麗な外人さんがきたわ。ご丁寧に。こんばんは~。」
ニコニコしながら、軽く汗を流しはじめるジェシカとオディア。
ジェリアとリリアナも、ニコニコしながら汗を流し始めた。
ジェシカは内ももに、オディアを立たせて軽く体を洗っている。
すでに4人は椎葉温泉で慣れていたのだ。
「どちらから来たんですか?日本語でいいの?はははっ。可愛いお子さんですこと。」
と、おばあちゃん。
「はい、アメリカから仕事で来ています。奥様はどちらから?」
「うわ~日本語お上手。私は姉妹で山口から来たの。元々は札幌出身で。みなさん、観光なの?」
「いいえ、千歳の基地で勤務しています。今日は、友達と来ました。」
「えっ?飛行機のCAさん?」
「いいえ~、軍人なんですの。千歳に勤務してますぅ。」
「えぇー、あー、そう!軍人さん!失礼しました。じゃぁ毎日大変でしょう!ゆっくりしてくださいね。」
「はい!ありがとうございます。でも、奥様の山口県っていったらフグが美味しいですよね。先週、実は栗山のお母さんとネットで山口の……」
泊り客とも話が弾むジェシカだった。
エレナと双子ちゃんは愛子たちが相手をしていた。
英語の堪能な鈴木絵里がエレナにどんどん話し掛けていた。
その横で双子ちゃんの面倒をみる4人の少女たち。
その4人の中へ、先に体を洗ったジュリアが入ってきた。
「愛ちゃん。麗ちゃん、今度は私が子供たちの面倒みるから、みんなで、ゆっくりしてね。ふふっ。は~い、ゴーシャ、アシャ。ジュリーとお風呂入ろっか。Chu! Chu! 」
双子ちゃんを両手に抱いて、ゆっくりぬるま湯の方の湯舟に入っていくジュリア。
双子ちゃんをあやしながら、幸せそうな顔をしてあやしていた。
布村たち4人の少女は湯舟に浸かった。
「はぁ~。……むにゃむにゃ。」
「有難う愛っ。ふぃ~。やっぱり第1雅の湯が最高ぅ。ふぃ~。」
「ありがとう、結衣。ふぅ。」
「麗子の夢、叶う。ふぅ、去年の年末、年越しに羅臼のバ~バ(祖母)たちと、家族で来たけどさぁ。やっぱ愛子の温泉が落ち着くわぁ。」
「ふぅ……愛子、有難う。でも、ちょっぴり残念ね~。」
と、チラッと洗い場でおばあちゃんたちと、話をするジェシカを見る中村・スーザン・幸子。
( ……。 )
続いて見る、愛子と結衣と麗子だった。
振り向いて鈴木絵里を見ると、洗い場でエレナと楽しそうに英語で話をしている。
「はははっ。夢崩れる~。と、言うより心の片隅で予想していた通り、一般人が云々出来る相手ではなかったのだった。と、再認識した愛子なのだ。……でもねぇ麗子。」
何となく憂う目をして麗子、結衣と幸子を見る布村。
麗子もその愛子の気持ちが良く解り、涙目になるとタオルでごまかした。
「愛と……同じ気持ちだったのだった。う、うぅ。宿泊予約表に書かれた通りのカップルだったのだ。」
2人の顔を見る結衣と幸子。
次にこの2人に何が起こるのかを予想出来、目が合う結衣と幸子。
すかさず結衣が、話す。
「皆の衆。ノンビリしている場合ではないのだ!さぁ、愛の言う、お部屋ジュースが美味しくなるように、今から競争をします。」
「ふあい?何言ってんのぉ~?もう、競争なんていいよぅ、もぅ結衣ぃ~。」
「ぶ!何よ、何よ~。もう、そんな気分じゃない。もういいよ。」
本格的に大泣き前の泣き顔の2人が結衣に文句を言おうとする。
間髪入れず中村・スーザン・幸子が2人にチャパチャパ指先でお湯を掛けながら急いで話した。
「4人の息止め競争!誰が一番先に、(ブハッ!)と先に湯舟から出るか。早く出た人の負け。負けた者があした、朝ジュースをおごる。準備いい?秒数数えるから一人づつ行くよ!」
「サッチ~、良いからやめようょ。もう。いいって。絶対、海洋生物のサッチ~が勝つって。」
息の合った中村・スーザン・幸子と佐藤結衣。
結衣が音頭を取った。
「ハイハイ!いい年こいて文句言わない!さぁ剣道日本一の愛子さまから。せ~の!」
音頭に弱い愛子。
「レディー?レディー、GO~っ!」
( チャポンッ! )
さすが体育会系の愛子。佐藤結衣の掛け声に引っかかった。
まぁいつもの事。
鼻を持って沈む愛子だった。
結衣と幸子、ジミ泣きしながら麗子が数字を数える。
「い~ち!に~い、さ~ん、し~い、ご~お……。」
少しづつ小さな泡が浮かんでくる。テキトー数えの1分が経過した。
エレナや絵里、洗い場からオディアやジェシカがニカニカしながら、のぞいて見ている。
ジュリーが双子ちゃんを抱いて立ち上がって奥の湯船からのぞいて笑っていた。
「な~なじゅ、な~なじゅいち、な~なじゅに~、」
( ブハ~ッ! )
湯の中から飛び出す愛子。
( ブハッ!が~ペッ!どよどよ、どーよ!結衣、麗、サッチ~、何秒~?どーよ? )
「はははっ!さすが温泉宿の娘さん!1分20秒でした~!」
( よっしゃ~!うっしゃー! )
まんまと、引っかかりガッツポーズをする布村。
先程の泣き顔から勝者の嫌らしい顔に変わっている。
「次は誰っ?誰っ?」
サッチーが、麗子の腕を持って湯舟から上げた。
「はい、麗子・寺田ぁ~選手。」
「えっ、私?私っ?」
寺田麗子もすっかり泣き顔から普通に戻っていた。
すかさずスタートの音頭をとる佐藤結衣。
「せ~の!」
( チャポン! )
鼻を指でつまんで沈む麗子。
すぐ泡が出て来る。
「い~ち。に~い。さ~ん。し~い。、ご~お。ろ~」
( ブッハ~!無理、無理~!オェ。 )
6秒で湯舟から飛び上がる麗子だった。
「あはははっ!なんでぇ6秒~!あははっ!」
「無理無理無理~!。プールじゃないしぃ。熱いお湯じゃ、なおさら無理無理~!」
その内、洗い場ではオディアの手をつないだジェシカとリリアナが立ち上がった。
「あっ!」
目を合わす4人。
「これにて、息止め競争終了~。敗者は麗子~っ!」
「うわ~、マジ?絶対めっちゃズル~!結衣もサチ~っ!ほんとうに2人は、もう、……うふふっ。」
でも、なんで結衣たちが、愛子と麗子にこんな競争させたのか、良く解った布村愛子と寺田麗子だった。
泣き顔や低いテンションで、今日の日を過ごす事が無いようにしてくれたのだった。
そして、オディアを抱きかかえて、湯舟に入るジェシカ。後から、ニコニコしたリリアナが入って来た。
オディアを太ももの上に乗せて、ニコニコしながらタオルでオディアの顔を拭いてあげている。
「ふぅ。気持ちいいわぁ。あ~最高。ねぇオディア。リリアナ~。」
オディアがジェシカの胸を叩いて聞いた。
「ジェシー、ジェシー。アシャとゴーシャの所に行っていい?」
「ハイハイ、行ってらっしゃいオディ。危ないから、走らないでよ。」
「うん。判ったぁ。」
湯舟から上がり、ピタピタと歩いてジュリーと双子ちゃんの所にいくオディア。
歩いて行くオディアを見守った後、肩まで湯舟に浸かるジェシカ。
「ホント、最高。日本に来て良かったぁ……ふぅ、気持ちいい……。わたし、椎葉温泉と同じ事言ってるかも。はははっ。」
目をつむりながら笑うジェシカ。
「滝野の水、結構冷たかったよねリリィ。あ~でも温まるぅ、フフフッ。」
リリアナも湯を両腕にゆっくり掛け回しながら、ウットリしている。
幸せそうな表情で日本への思いを話始める。
「ホント、隊長、冷たかったよね。あ~幸せ。この後、日本の夕ご飯よね。ワクワクしちゃう。宴会だって隊長。え・ん・か・い・よ。日本の映画やアニメで見た、憧れの宴会かぁ。それも北海道の温泉の高級ホテルよ!隊長!うふふっ。時間あったらルオとカラオケもやりたいし。もう楽しい事だらけよね。凄いなぁ日本って。」
ジェシカと同じく肩まで湯舟に浸かるリリアナ。
そのうち、エレナと鈴木絵里も湯舟に入って来た。
ゆっくりつま先から入るエレナ。
そして、首まで湯に浸かった。
「Oh!Oh~! ……。Feels amazing……feels good、good feeling。」
目をつむりニッコリするエレナ。そして、お礼をいう絵里。
「はぁ~、生き返るぅ生き返る。あったかい~。ふぅ気持ちいい。愛子、ありがとう。」
湯に浸かり、ホウっとする金髪外人さんたちと、少女たち。
湯舟の中でジェシカがゆっくり愛子に近づいてきた。
「愛ちゃん?ちょっと愛ちゃん……。」
「えっ、はぁいジェシカさん。」
湯船の中で、愛子の両手を持ってニッコリした。
「あの時、私が千歳に居て、愛ちゃんが対馬の現場にいて……。こんな風に一緒で、温泉に入れるなんて、思っても居なかったわ。うふふっ。ホント、可愛らしいわ。愛ちゃん。」
軽く愛子の頬をなでるジェシカ。
「そんなぁ、ありがとうございます。あの時、スミス中佐って、お声だけでしたけど、何度、励まされたことか。繋がってるって安心感がありましたよ。絶対に何かあれば助けに来てくれるって。本当に有難うございました。」
「愛ちゃん、こちらこそ。うふふっ。」
湯舟の中でハグする2人だった。
そんな大浴場の湯煙の中、ゆっくりした温かい時間が女性たちを包んだ。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
「メジャー・インフラトン」序章2/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節FIRE!FIRE!FIRE! No1. )
あおっち
SF
敵の帝国、AXISがいよいよ日本へ攻めて来たのだ。その島嶼攻撃、すなわち敵の第1次目標は対馬だった。
この序章2/7は主人公、椎葉きよしの少年時代の物語です。女子高校の修学旅行中にAXIS兵士に襲われる女子高生達。かろうじて逃げ出した少女が1人。そこで出会った少年、椎葉きよしと布村愛子、そして少女達との出会い。
パンダ隊長と少女達に名付けられたきよしの活躍はいかに!少女達の運命は!
ジャンプ血清保持者(ゼロ・スターター)椎葉きよしを助ける人々。そして、初めての恋人ジェシカ。札幌、定山渓温泉に集まった対馬島嶼防衛戦で関係を持った家族との絆のストーリー。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
あおっち
SF
脈々と続く宇宙の無数の文明。その中でより高度に発展した高高度文明があった。その文明の流通、移動を支え光速を超えて遥か彼方の銀河や銀河内を瞬時に移動できるジャンプ技術。それを可能にしたジャンプ血清。
その血清は生体(人間)へのダメージをコントロールする血清、ワクチンなのだ。そのジャンプ血清をめぐり遥か大昔、大銀河戦争が起こり多くの高高度文明が滅びた。
その生き残りの文明が新たに見つけた地、ネイジェア星域。私達、天の川銀河の反対の宙域だった。そこで再び高高度文明が栄えたが、再びジャンプ血清供給に陰りが。天の川銀河レベルで再び紛争が勃発しかけていた。
そして紛争の火種は地球へ。
その地球では強大な軍事組織、中華帝国連邦、通称「AXIS」とそれに対抗する為、日本を中心とした加盟国軍組織「シーラス」が対峙していたのだ。
近未来の地球と太古から続くネイジェア星域皇国との交流、天然ジャンプ血清保持者の椎葉清らが居る日本と、高高度文明異星人(シーラス皇国)の末裔、マズル家のポーランド家族を描いたSF大河小説「メジャー・インフラトン」の前章譚、7部作。
第1部「太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」。
ジャンプ血清は保持者の傷ついた体を異例のスピードで回復させた。また血清のオリジナル保持者(ゼロ・スターター)は、独自の能力を飛躍的に引き上げる事が出来たのだ。
第2次大戦時、無敵兵士と言われた舩坂弘氏をモデルに御舩大(ミフネヒロシ)の無敵ふりと、近代世界のジャンプ血清保持者、椎葉きよし(通称:お子ちゃまきよし)の現在と過去。
ジャンプ血清の力、そして人類の未来をかけた壮大な戦いが、いま、始まる――。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
本格的な戦闘シーンもあり、面白い場面も増えます。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)
あおっち
SF
港に立ち上がる敵AXISの巨大ロボHARMOR。
遂に、AXIS本隊が北海道に攻めて来たのだ。
その第1次上陸先が苫小牧市だった。
これは、現実なのだ!
その発見者の苫小牧市民たちは、戦渦から脱出できるのか。
それを助ける千歳シーラスワンの御舩たち。
同時進行で圧力をかけるAXISの陽動作戦。
台湾金門県の侵略に対し、真向から立ち向かうシーラス・台湾、そしてきよしの師範のゾフィアとヴィクトリアの機動艦隊。
新たに戦いに加わった衛星シーラス2ボーチャン。
目の離せない戦略・戦術ストーリーなのだ。
昨年、椎葉きよしと共に戦かった女子高生グループ「エイモス5」からも目が離せない。
そして、遂に最強の敵「エキドナ」が目を覚ましたのだ……。
SF大河小説の前章譚、第4部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! No2.
あおっち
SF
海を埋め尽くすAXISの艦隊。
飽和攻撃が始まる台湾、金門県。
海岸の空を埋め尽くすAXISの巨大なロボ、HARMARの大群。
同時に始まる苫小牧市へ着上陸作戦。
苫小牧市を守るシーラス防衛軍。
そこで、先に上陸した砲撃部隊の砲弾が千歳市を襲った!
SF大河小説の前章譚、第5部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
Another Japan Online(アナザージャパンオンライン) ~もう一つの日本~
むねじゅ
SF
この物語は、20XX年 AI技術が発達し、失業率90%を超えた時代の日本が舞台である。
日本政府は、この緊急事態を脱する提案を行う。
「もし生活に困窮している方がいるならば、暮らしに何も不自由が無い仮想現実の世界で生活しましょう」と…
働かなくて良いと言う甘い誘いに国民達は、次々に仮想現実の世界へ行く事を受け入れるのであった。
主人公は、真面目に働いていたブラック会社を解雇されてしまう。
更に追い打ちをかけるようにある出来事が起こる。
それをきっかけに「仮想現実の世界」に行く事を決意するのであった。
【完結】バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~
山須ぶじん
SF
異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。
彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。
そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。
ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。
だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。
それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。
※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。
※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。
我ら新興文明保護艦隊
ビーデシオン
SF
もしも道行く野良猫が、百戦錬磨の獣戦士だったら?
もしも冴えないサラリーマンが、戦争上がりのアンドロイドだったら?
これは、実際にそんな空想めいた素性をもって、陰ながら地球を守っているエージェントたちのお話。
※表紙絵はひのたけきょー(@HinotakeDaYo)様より頂きました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる