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第1章 ヘッドギア。
第3話 漁港の銃撃戦。
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2人が休んでる、見渡しの良い丘の林へ、銃撃戦の様な音が聞こえてきた。
( タンタンタンッ、パパパパ!パパパパパ! )
( タンタンッ!パパパッ! )
一瞬、銃声で身を縮めてきよしの腕をもつ布村。
( キャ!隊長~。なんか怖い。 )
「んっ?大丈夫。かなり遠いと思うから。布村さん、その丸太で、ちょっとそこで休んでて。探査してみる。」
きよしは、リュックにぶら下がったヘッドギア(ヘルメット)と、リュックの中の電池を取り出して、2つを接続した。
接続した電池をガムテープでぐるぐる巻いてヘッドギアに固定した。
チロッと布村を見てから、ヘッドギアをかぶるきよしだった。
( ピィーン、キィーン……。 )
高周波の小さな音と共にヘッドギアの息が吹き返したのだ。
同時に少しよれていたパイロットスーツもシャンとした。
( プシュー。 )
パイロットスーツの各所に小さな明かりが灯る。
布村が立ち上がり、きよしの肩を持ち、丸太の上に乗ってきよしの顔をのぞいて見た。
ヘッドギアのガラス面や、何やら顔の周りで色んなラインやカラフルな光る文字、何かの映像表示が浮かんでいる。
きよしの声が聞こえないが何かと会話しているきよし。
可愛い眉をおもいっきり上げて、ヘッドギアの中をのぞいて見る布村に気が付いて、きよしは手の平で座って待ってとサインした。
その一連の布村の仕草が可愛かったのか、ニコニコしながら腕を組んで小刻みヘッドギアを動かし話をしている。
( タンタンッ、パパパ!パパパ! )
銃声の音がするたびにきよしの腕を握る布村。
きよしも手をつないだまま丸太へ一緒に座った。
5分程すると、ヘッドギアの正面のガラスを開いた。
( カパッ! )
「布村さん、もっと漁港周辺が見える所へ移動する。こっちに来て。」
「はい。パンダ隊長。」
リュックを担ぎなおして、きよしの後をトコトコと追いかける布村愛子だった。
夜が明け始めて、放射線状に広がった雲が金色に輝き始めた。
それでもまだ早朝。
暗闇が広がる小山の林から、開けた小山の斜面をゆっくり降りていく2人。
( パン!パン!パン! )
( タタタタッ!タタタッ! )
( ババババババッ! )
だんだん銃撃戦の音がリアルに大きくなって来た。
漁港を挟んで向かいの丘の斜面で銃撃戦の閃光が2人に見えて来たのだ。
ゆっくりしゃがむ、きよし。
振り向いて布村にしゃがむよう指示する。
同じく、きよしの腕を持ちながら、静かにしゃがむ布村。
きよしはリュックを脱いで足元に置いた。
素早くヘッドギアを脱いだ。
( シュッ! )
と、音がして少しよれるパイロットスーツ。
きよしはヘッドギアを脱ぐとすぐに、静かにパイロットスーツも脱いだ。
筋肉隆々の後ろ姿。
布村と同じグレーのアーマースーツ姿のきよしだ。
小ぶりのお尻、逆三角形の背中。大人の男の姿だった。
盛り上がる肩の筋肉と太い腕は、布村の太もも位の太さだった。
長くて太っとい、太ももの大きな筋肉繊維の動きを見て、一瞬キュンとする布村。
そんな布村を尻目に、寡黙に準備するきよし。スマハンドの電源を入れて、操作するとグレーのアーマースーツが真っ黒になった。
即座にスマハンドの電源を落とす。
流れるような動きで、布を首から指を引っ掛けて頭と顔を覆うきよし。
あっという間に忍者の様な姿になった。
チラッと布村を振り向き見るきよし。
ニッコリと目が笑っている。また、銃撃戦の正面を見たまま、手元を見もしないでリュックの中を手で探り、オートマチック拳銃の令和南部とマガジンを出して、装填した。次にサイレンサーを装着した。
全く無駄のない動き。訓練された兵士そのものだった。
布村は、そんなきよしを、高校生の自分と同じレベルの目線で接していた自分を後悔した。
なぜか、ドキドキしながら涙目になる布村。
椎葉きよしは一般市民なんかが、相手出来るような者ではなかったのだ。
とことん訓練された兵士。
それも超一級の兵士の姿だったのだ。
興奮し、全身が真っ赤になる布村。
きよしを好きになり過ぎて、今すぐにも抱き着きたい、心臓が飛び出そうな気分、衝動に駆られる布村だった。
……が、しかし。
ところがだ、振り向き愛子に声を掛けるきよし。
「あれ?布村さん涙目?怪我した?花粉症なの?山はダメだったの?大丈夫?それとも、もう少しお水飲む?」
小学生の高学年の様な声で、心配するきよし。
心配する所もかなりズレている。
( あぁぁぁ、これが、お子ちゃまきよし。お子ちゃまの、お子ちゃまたる所以……。 )
一瞬で砕ける布村の乙女心とエッチな妄想。
自分の幻想は夢のまた夢と自覚した……愛子だった。
冷たく目をつむり、渋い顔で、命令する愛子。
「いいから、自分の仕事する!もぅ。パンダきよしっ!わたしはここに居たらいいの?サッサと指示しなさい。どうするの?もぅ。」
何故か、怒っている布村に、目が点になる忍者きよし。
「……どうしたの?さっきまでニコニコしてたのにぃ。ままいいや、はい、被って。」
布村にヘッドギアーを被せようとするきよし。
「ちょちょちょっ!何、何、何っ!」
「いいから、いいから。ほい。」
きよしは無理やり布村にヘッドギアを被した。
そして、正面の縦のガラス面を大きな手で、カパッと外から開いた。
「エイモス!命令・ダブルエントリー。布村さんを登録。」
すると、布村の左右の耳から女性AIの声が聞こえてきた。
「えっ?えっ?」
びっくりして、目を見開いたまま、きよしの腕につかまる布村。
( 日本人女性のエントリーを承認いたしました。名前をお願い致します。 )
驚いている愛子の束の間。きよしが愛子の手から離れ、そのままアッという間に、下の林に消えた。
( タンタンタンッ、パパパパ!パパパパパ! )
( タンタンッ!パパパッ! )
一瞬、銃声で身を縮めてきよしの腕をもつ布村。
( キャ!隊長~。なんか怖い。 )
「んっ?大丈夫。かなり遠いと思うから。布村さん、その丸太で、ちょっとそこで休んでて。探査してみる。」
きよしは、リュックにぶら下がったヘッドギア(ヘルメット)と、リュックの中の電池を取り出して、2つを接続した。
接続した電池をガムテープでぐるぐる巻いてヘッドギアに固定した。
チロッと布村を見てから、ヘッドギアをかぶるきよしだった。
( ピィーン、キィーン……。 )
高周波の小さな音と共にヘッドギアの息が吹き返したのだ。
同時に少しよれていたパイロットスーツもシャンとした。
( プシュー。 )
パイロットスーツの各所に小さな明かりが灯る。
布村が立ち上がり、きよしの肩を持ち、丸太の上に乗ってきよしの顔をのぞいて見た。
ヘッドギアのガラス面や、何やら顔の周りで色んなラインやカラフルな光る文字、何かの映像表示が浮かんでいる。
きよしの声が聞こえないが何かと会話しているきよし。
可愛い眉をおもいっきり上げて、ヘッドギアの中をのぞいて見る布村に気が付いて、きよしは手の平で座って待ってとサインした。
その一連の布村の仕草が可愛かったのか、ニコニコしながら腕を組んで小刻みヘッドギアを動かし話をしている。
( タンタンッ、パパパ!パパパ! )
銃声の音がするたびにきよしの腕を握る布村。
きよしも手をつないだまま丸太へ一緒に座った。
5分程すると、ヘッドギアの正面のガラスを開いた。
( カパッ! )
「布村さん、もっと漁港周辺が見える所へ移動する。こっちに来て。」
「はい。パンダ隊長。」
リュックを担ぎなおして、きよしの後をトコトコと追いかける布村愛子だった。
夜が明け始めて、放射線状に広がった雲が金色に輝き始めた。
それでもまだ早朝。
暗闇が広がる小山の林から、開けた小山の斜面をゆっくり降りていく2人。
( パン!パン!パン! )
( タタタタッ!タタタッ! )
( ババババババッ! )
だんだん銃撃戦の音がリアルに大きくなって来た。
漁港を挟んで向かいの丘の斜面で銃撃戦の閃光が2人に見えて来たのだ。
ゆっくりしゃがむ、きよし。
振り向いて布村にしゃがむよう指示する。
同じく、きよしの腕を持ちながら、静かにしゃがむ布村。
きよしはリュックを脱いで足元に置いた。
素早くヘッドギアを脱いだ。
( シュッ! )
と、音がして少しよれるパイロットスーツ。
きよしはヘッドギアを脱ぐとすぐに、静かにパイロットスーツも脱いだ。
筋肉隆々の後ろ姿。
布村と同じグレーのアーマースーツ姿のきよしだ。
小ぶりのお尻、逆三角形の背中。大人の男の姿だった。
盛り上がる肩の筋肉と太い腕は、布村の太もも位の太さだった。
長くて太っとい、太ももの大きな筋肉繊維の動きを見て、一瞬キュンとする布村。
そんな布村を尻目に、寡黙に準備するきよし。スマハンドの電源を入れて、操作するとグレーのアーマースーツが真っ黒になった。
即座にスマハンドの電源を落とす。
流れるような動きで、布を首から指を引っ掛けて頭と顔を覆うきよし。
あっという間に忍者の様な姿になった。
チラッと布村を振り向き見るきよし。
ニッコリと目が笑っている。また、銃撃戦の正面を見たまま、手元を見もしないでリュックの中を手で探り、オートマチック拳銃の令和南部とマガジンを出して、装填した。次にサイレンサーを装着した。
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布村は、そんなきよしを、高校生の自分と同じレベルの目線で接していた自分を後悔した。
なぜか、ドキドキしながら涙目になる布村。
椎葉きよしは一般市民なんかが、相手出来るような者ではなかったのだ。
とことん訓練された兵士。
それも超一級の兵士の姿だったのだ。
興奮し、全身が真っ赤になる布村。
きよしを好きになり過ぎて、今すぐにも抱き着きたい、心臓が飛び出そうな気分、衝動に駆られる布村だった。
……が、しかし。
ところがだ、振り向き愛子に声を掛けるきよし。
「あれ?布村さん涙目?怪我した?花粉症なの?山はダメだったの?大丈夫?それとも、もう少しお水飲む?」
小学生の高学年の様な声で、心配するきよし。
心配する所もかなりズレている。
( あぁぁぁ、これが、お子ちゃまきよし。お子ちゃまの、お子ちゃまたる所以……。 )
一瞬で砕ける布村の乙女心とエッチな妄想。
自分の幻想は夢のまた夢と自覚した……愛子だった。
冷たく目をつむり、渋い顔で、命令する愛子。
「いいから、自分の仕事する!もぅ。パンダきよしっ!わたしはここに居たらいいの?サッサと指示しなさい。どうするの?もぅ。」
何故か、怒っている布村に、目が点になる忍者きよし。
「……どうしたの?さっきまでニコニコしてたのにぃ。ままいいや、はい、被って。」
布村にヘッドギアーを被せようとするきよし。
「ちょちょちょっ!何、何、何っ!」
「いいから、いいから。ほい。」
きよしは無理やり布村にヘッドギアを被した。
そして、正面の縦のガラス面を大きな手で、カパッと外から開いた。
「エイモス!命令・ダブルエントリー。布村さんを登録。」
すると、布村の左右の耳から女性AIの声が聞こえてきた。
「えっ?えっ?」
びっくりして、目を見開いたまま、きよしの腕につかまる布村。
( 日本人女性のエントリーを承認いたしました。名前をお願い致します。 )
驚いている愛子の束の間。きよしが愛子の手から離れ、そのままアッという間に、下の林に消えた。
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