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第9章 バトル・オブ・苫小牧。激突!バルトッシュ中隊。

第3話 戦慄!宙(そら)からの攻撃。

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  (( ドババババー! ))
 
 ミヤオ小校の眼前に現れる日本側シーラスのHARMOR。

ミヤオ小校殿、来ましたっ!」
 
「よし!ふふふ、飛んで火にいるなんとやら。全連隊~引き付けろー、引き付けろー。撃ち方準備ー、」
 
 何か、ピカっと、稲光の様な閃光の走った様な気がした苗小校だった。
 
「撃ち方!準っ……。んっ、なんだ?」

 
( シュピン、シュピン、シュピン! )

( シュピン、シュピン、シュピン! )


 早朝の透き通る青空の遥か上空から、明るい朝の陽ざしでもはっきり判る、眩しい濃い赤色のレーザー光線が走った。

 それも、何百もの真っ赤なラインが地表を撫でたのだ。

 苗小校からは物の影で良く見えないが、無数の爆発炎が上がり始めたのだ。


(( ズガーン!ドカーン! ))

 
(( ドバババーッ!ドカーン! ))

 
 5キロ四方、至る所から上がる爆炎。

 苗小校のノーズアップ・ディスプレイに表示される味方小隊の所在地のポントを表す点の表示。

 その点が、一斉にパラパラと消え始めたのだ。

 日本側HARMORを撃退するために、周囲5キロにいたハズの味方小隊が、小隊単位で消滅し始めたのだ。
 
「何っ!上からの攻撃か!」


( ぐわーっ! )

( きゃーっ! )
 
 敵AXISのWALKERを襲う真っ赤なレーザー。

 通信波に響き渡る、大勢の部下たちの断末魔の悲鳴だった。


( うわー!苗(ミヤオ)小校!ヒィィ……。 )

( うわー!副長!お助け……。ガァー! )

 
 苗は、WALKERの上半身を上下左右にひねって慌てて様子を見た。

 そして、何気なく後ろを振り向いた。

 補佐役で後方にいた観測及び通信の3体の士官WALKERを見たのだ。

 周囲から燃え上がる部下たち。

 中にはモニターや監視機器共々、真っ 2つにゆっくり分かれて倒れる部下の姿が目に入って来た。
 
「何っ!一級軍士長!易(イー)軍士長っ!」


( ドカーンッ、バシーン! )


 その時、苗の目の前で分士長たちのWALKER3体が、まとめて爆発した。

 
( ドカーンッ、ドカーンッ! )

 
 後ろに設置して仕掛けてあった、対HARMORミサイルも続けて誘爆したのだ。

 
( ズガーンッ、バシーン! )

 
 隠れていた建物から外へ、爆風で吹き飛ばされる苗小校。
 

( グワーッ、ドカッ!うーん……。 )


 WALKERの中で気絶する苗小校だった。
 
          ◇

 苫小牧市の遥か上空の静止衛星空間。
 
 戦闘態勢の武装攻撃・換装姿のままフランス宙軍ステルス監視衛星「ブロンシュ」が、モリガンtype1とモリガンtype2を周囲に従え、地球の地表へ攻撃を開始したのだ。
 
 目標は、味方HARMORを狙い、迎撃態勢をとっていた敵AXISのWALKER連隊だった。

 恐怖の大量破壊兵器、特AS兵器のエイチエムピー・キャブ(HMP-CAB:重金属プラズマ核消滅光線:Heavy Metal Plasma Core Annihilator Beam)レーザー砲が初めて実戦で使われたのだった。

 地上の友軍機の機動モービルHARMORの出撃に合わせて、衛星軌道上から援護射撃を行い敵、WALKER部隊を一瞬にして撃滅したのだ。
 
 恐るべし、エイチエムピー・キャブ(HMP-CAB)砲。
 
 地上攻撃用レーザー光線をモリガン1、モリガン2を光学反射衛星代わりにして、地上の敵、WALKERや野戦テントを攻撃したのだ。

 高出力のプラズマ重金属量子線レーザー兵器のエイチエムピー・キャブ砲。

 膨大なエネルギーが必要だったため、核融合でエネルギー産生をしていた。

 核融合電池で充填してから高出力のレーザーを発射すると、ブロンシュの核融合電池の円筒のアッセンブリーが後ろに後退し、余剰冷却ガスを宇宙空間に放出した。


( ブシュー。 )

 
 ブロンシュにはそんな核融合アッセンブリーが、あと3基もあるのだ。

 そして、再セットされる核融合アッセンブリーの円筒部。

 次弾の発射準備も引き続き完了したのだ。
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