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第9章 バトル・オブ・苫小牧。激突!バルトッシュ中隊。
第1話 出動!ロボット会戦 in tomakomai city
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苫小牧市、西部海岸。
強い潮風が、海岸の草木を揺らした。
国道サブロク号線上に、一直線にならぶAXISの機動モービルHARMOR軍団。
奥に並んでいる巨大ロボが霞んで見える。
そして海岸沿いの国道向かいの北部。
高速道路上で補給が終わり、こちらもズラッと一直線に雑木林の後ろに並らぶシーラス苫小牧市防衛部隊のHARMOR。
両者のにらみ合いが続いていた。
両者の頭上。
早朝の青空には一筋の長い尾を引く雲。
朝日に照らされて、赤みを帯びたピンク色の筋光っている。
トンビがピロローと鳴きながら海岸浅瀬の獲物をぐるりと回り狙っていた。
そして獲物を見つけたトンビ。
( シュン! )
急降下を始めた。
突如、その静けさを破る勇者たちが、飛び込んで来たのだ。
15機のバルトシュ中隊だった。
きよし戦法で、上体をバーニア(ロケット噴射)で空間固定し、市街地を走り込んで来たのだ。
空間固定するバーニアが強烈な光の鋭角な炎を短発に繰り返して上半身が動かないよう姿勢制御をしている。
下半身の脚部が大足を上げて地面を蹴り、走っているのだ。
( バシュバシュ!バシューッ! )
(( クォ、ドシンドシンドシン! ))
( バシュ、ズババッ、バシューッ! )
(( クォ、ドシンドシンドシン! ))
( バシュ、ズババッ、バシューッ! )
(( クォ、ドシンドシンドシン! ))
猛ダッシュの中、射撃指示を出す隊長のバルトッシュ中佐。
(( 全隊!射撃開始っ! ))
先頭を走り、復唱する副中隊長の「ベアー」機に乗るロマン・ホルバチェフスキ中尉だった。
( 全隊ーっ!ってー!てー! )
(( ドン、ドン、ドン、ドンッ! ))
(( ドン、ドン、ドン、ドンッ! ))
(( ドン、ドン、ドン、ドンッ! ))
(( ドン、ドン、ドン、ドンッ! ))
機体の上下動も無く、空間を固定され、獲物を狙い正確に火を噴く最新鋭50ミリ速射カノン砲。
両腕の下から背中に回っている新装備の自動牽吊(空間固定)用のアーマー。そのバーニア噴射孔が激しい音と鋭角な炎を立てて、右左上下と噴射している。
知る人には、昨年の対馬戦役(対馬防衛戦)で敵地に走り込んでくる椎葉きよしと、少女たち5人が乗る「きよし・布村タンデムモービル」を思い出すシーンなのだ。
それも、核爆発の巨大な爆炎とキノコ雲をバックに、上半身のバーニアを吹かし砲口を前に向けて走り込んでいたのだ。
しかし、今回はそれを凌ぐ大群のシーラスHARMOR部隊だった。
それも最新型HARMOR「シルフZERO」の訓練途中とはいえ、洗練され高い戦術評価を得た戦術・戦法となって敵を襲ってきたのだ。
椎葉きよしが鹵獲した偵察・教習用の敵タンデム(2人乗り)HARMORをきよしのアイデアでインスタントにAI「エイモス」が改良したものではなく、戦闘専用の機体だった。
15機の、その上半身を空間固定された巨大ロボットの「シルフZERO」の大群が猛スピードで、大砲をぶっぱなしながら迫って来たのだ。
巨大ロボットの走る激しい振動。
バーニアの強烈な噴射圧。
崩れるビルの粉塵を、蹴散らしながら、敵のHARMORを微動だにせず正確に狙いながら走っている。
東側で警戒をしていた複数の敵HARMORへ、最新型砲弾の50ミリ速射カノン弾を命中させた。
砲弾速度、初速マッハ2.5。
HARMOR携行用機関砲では、世界で最も快速の「徹甲・劣化ウラン弾」が敵を襲った。
装甲1000ミリの武装戦艦の複合アーマーも貫通する強力な50ミリ砲弾なのだ。
(( バシンッバシンッバシンッ!バシンッ! ))
(( バシンッバシンッバシンッ!バシンッ! ))
( ズガーン! )
( ウギャーッ! )
( ズガン、ズガーン! )
吹き飛ぶ敵の敵HARMOR。
胴体をアーマーごと貫通され、一瞬に破裂する敵AXISパイロットたち。
バルトッシュ中隊の攻撃と同時、正面から日本側苫小牧シーラス・防衛部隊のHARMORも、一斉に切り込んで来た。
海岸正面の約5キロの雑木林、横一直線に吹き上がる苫小牧シーラス・防衛部隊HARMORのバーニア噴射爆炎。
(( ズバババババーッ! ))
(( ズバババババーッ! ))
突撃の音頭を取る、シーラスHARMOR。
米国製の新型HARMORのファイティング・スーのUSASF(アメリカ宙軍)より派遣されたコール名「ホワイトイエティ」のマティオ・H・コッパー大尉。
( いけーっ!野郎どもっ!バルトに続けーっ!)
(( オォォォーッ! ))
一斉に飛び出す、40機ものシーラスのHARMOR軍団。
初戦の敵AXIS威力偵察部隊への対応で少ない新型50ミリ速射カノン弾を撃ち尽したシーラス苫小牧市防衛部隊の彼ら。
NATO軍の標準能力のユニバーサル50ミリ速射砲弾を補給、再実装していた。
敵、AXISの「壊撃-3型V-2(ホワイトタイガー2)」には 対NATO軍ユニバーサル砲弾の防御を完全にほどこした遠・中距離射撃は効かないのだ。
そこで、日本側HARMORはあえて至近距離射撃に臨むため、バーニアを吹かし高速道路南側の林道から飛び出したのだった。
(( ズババババー! ))
(( ズババババー! ))
(( ズババババー! ))
強い潮風が、海岸の草木を揺らした。
国道サブロク号線上に、一直線にならぶAXISの機動モービルHARMOR軍団。
奥に並んでいる巨大ロボが霞んで見える。
そして海岸沿いの国道向かいの北部。
高速道路上で補給が終わり、こちらもズラッと一直線に雑木林の後ろに並らぶシーラス苫小牧市防衛部隊のHARMOR。
両者のにらみ合いが続いていた。
両者の頭上。
早朝の青空には一筋の長い尾を引く雲。
朝日に照らされて、赤みを帯びたピンク色の筋光っている。
トンビがピロローと鳴きながら海岸浅瀬の獲物をぐるりと回り狙っていた。
そして獲物を見つけたトンビ。
( シュン! )
急降下を始めた。
突如、その静けさを破る勇者たちが、飛び込んで来たのだ。
15機のバルトシュ中隊だった。
きよし戦法で、上体をバーニア(ロケット噴射)で空間固定し、市街地を走り込んで来たのだ。
空間固定するバーニアが強烈な光の鋭角な炎を短発に繰り返して上半身が動かないよう姿勢制御をしている。
下半身の脚部が大足を上げて地面を蹴り、走っているのだ。
( バシュバシュ!バシューッ! )
(( クォ、ドシンドシンドシン! ))
( バシュ、ズババッ、バシューッ! )
(( クォ、ドシンドシンドシン! ))
( バシュ、ズババッ、バシューッ! )
(( クォ、ドシンドシンドシン! ))
猛ダッシュの中、射撃指示を出す隊長のバルトッシュ中佐。
(( 全隊!射撃開始っ! ))
先頭を走り、復唱する副中隊長の「ベアー」機に乗るロマン・ホルバチェフスキ中尉だった。
( 全隊ーっ!ってー!てー! )
(( ドン、ドン、ドン、ドンッ! ))
(( ドン、ドン、ドン、ドンッ! ))
(( ドン、ドン、ドン、ドンッ! ))
(( ドン、ドン、ドン、ドンッ! ))
機体の上下動も無く、空間を固定され、獲物を狙い正確に火を噴く最新鋭50ミリ速射カノン砲。
両腕の下から背中に回っている新装備の自動牽吊(空間固定)用のアーマー。そのバーニア噴射孔が激しい音と鋭角な炎を立てて、右左上下と噴射している。
知る人には、昨年の対馬戦役(対馬防衛戦)で敵地に走り込んでくる椎葉きよしと、少女たち5人が乗る「きよし・布村タンデムモービル」を思い出すシーンなのだ。
それも、核爆発の巨大な爆炎とキノコ雲をバックに、上半身のバーニアを吹かし砲口を前に向けて走り込んでいたのだ。
しかし、今回はそれを凌ぐ大群のシーラスHARMOR部隊だった。
それも最新型HARMOR「シルフZERO」の訓練途中とはいえ、洗練され高い戦術評価を得た戦術・戦法となって敵を襲ってきたのだ。
椎葉きよしが鹵獲した偵察・教習用の敵タンデム(2人乗り)HARMORをきよしのアイデアでインスタントにAI「エイモス」が改良したものではなく、戦闘専用の機体だった。
15機の、その上半身を空間固定された巨大ロボットの「シルフZERO」の大群が猛スピードで、大砲をぶっぱなしながら迫って来たのだ。
巨大ロボットの走る激しい振動。
バーニアの強烈な噴射圧。
崩れるビルの粉塵を、蹴散らしながら、敵のHARMORを微動だにせず正確に狙いながら走っている。
東側で警戒をしていた複数の敵HARMORへ、最新型砲弾の50ミリ速射カノン弾を命中させた。
砲弾速度、初速マッハ2.5。
HARMOR携行用機関砲では、世界で最も快速の「徹甲・劣化ウラン弾」が敵を襲った。
装甲1000ミリの武装戦艦の複合アーマーも貫通する強力な50ミリ砲弾なのだ。
(( バシンッバシンッバシンッ!バシンッ! ))
(( バシンッバシンッバシンッ!バシンッ! ))
( ズガーン! )
( ウギャーッ! )
( ズガン、ズガーン! )
吹き飛ぶ敵の敵HARMOR。
胴体をアーマーごと貫通され、一瞬に破裂する敵AXISパイロットたち。
バルトッシュ中隊の攻撃と同時、正面から日本側苫小牧シーラス・防衛部隊のHARMORも、一斉に切り込んで来た。
海岸正面の約5キロの雑木林、横一直線に吹き上がる苫小牧シーラス・防衛部隊HARMORのバーニア噴射爆炎。
(( ズバババババーッ! ))
(( ズバババババーッ! ))
突撃の音頭を取る、シーラスHARMOR。
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( いけーっ!野郎どもっ!バルトに続けーっ!)
(( オォォォーッ! ))
一斉に飛び出す、40機ものシーラスのHARMOR軍団。
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NATO軍の標準能力のユニバーサル50ミリ速射砲弾を補給、再実装していた。
敵、AXISの「壊撃-3型V-2(ホワイトタイガー2)」には 対NATO軍ユニバーサル砲弾の防御を完全にほどこした遠・中距離射撃は効かないのだ。
そこで、日本側HARMORはあえて至近距離射撃に臨むため、バーニアを吹かし高速道路南側の林道から飛び出したのだった。
(( ズババババー! ))
(( ズババババー! ))
(( ズババババー! ))
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