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第7章 バトル・オブ・苫小牧。敵本隊上陸。
第1話 立ち上がれ!コンチェム。(敵視点ver)
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濁った苫小牧沖の海中から、モービル・パイロットが両手両足をかきながら浮上してくる。
空中で撃破され、海に墜落した自機から脱出したのだった。
パイロットの足元の海底へ、爆発の閃光と大きな泡を上げながら巨大なHARMOR突撃人型装甲機の壊撃-3型V-2が海底の暗闇へ沈降していく。
その海底へ沈む自機を一瞬見てから、ようやく海面まで浮上した敵パイロット。
ヒビ割れたガラスシールドを開けて呼吸をする。
「ブハーッ!うわー!死ぬかと思った。ランドセル、ハー、ハー。水蒸気爆発しなくて良かったぁ。ハー、でも、海中でボカボカ爆発してたけど。ハー、ハー。もう、もうー!もう沢山だ。ハー、ハー。えーここは、海岸までどの位あるんだ?えー?俺の対ホーミングスキャン・ジャマー中隊はどうなったんだ?えー?隊長や童(トン)は?」
海面で浮かびながら周囲を見る涂四級軍士長。
苫小牧市街地方面を見ると、上空で戦闘をしながら自軍のHARMORの大群が市街地へ向かっている。
小さくて眩しい、オレンジ色のバーニアの光の大群が苫小牧市に向かって遠ざかって行く。
対空攻撃の破裂する爆煙が次から次に、空一面に上がっている。もの凄い対空砲火だ。
( バリバリバリ!ドドドド!ドンドンドン! )
空にこだまする無数の破裂音。
多数のミサイル音。
爆発煙の中を味方の残存部隊が次々に進んでいた。
その中を進んで行く味方の海兵大隊。
涂の目視で目的の苫小牧市海岸へはまだ5キロ以上はある様に感じた。
改めて空を見る涂。
恐らく、自分達の対ホーミング部隊は全機破壊されたのだろう、黄色いモヤも無く自軍の大群が進んでいたのだが、一瞬にして対空砲火が止まったように見えた。
次々に作られていた対空砲火の炸裂煙が止まったように見えたのだ。
目を細めて市街地方面を見て、ニヤける涂。それと同時に、味方モービルが次々のランディングを始めているようだった。
味方のバーニアの眩しいオレンジ色の光が、ドンドン地上に吸い込まれるように見えた。
両手を上げて歓声を上げる涂だった。
「おー!対空砲火が止まったのか?どうした!小日本人。あははっ!弾切れかぁー。あははっ。行け、行け、行けー!小日本人をぶち殺せー。行けー!負けるな同志っ!ハー、ハー……さぁ俺も行こうか。ふー!」
海上で、思いっきりため息をつく涂だった。でも、あきらめて泳ぐしかなかった。
「この距離、泳ぐのかぁ。ちくしょー!」
嫌々、泳ぎ始めた。
泳ぎながら、だんだん直近の事象を思い出す涂。思わず目をつむって口をへの字にした。
「うわー、そうだった。俺に飛び掛かって来たんだな。」
自機に飛び掛かって来る敵(シーラス)のHARMORの「シルフィZERO」の姿。
物凄い衝撃で気を失ったのだ。
そして、涂が気が付くとすでに海中だった。
コクピット内へ噴き出す大量の海水。
コクピットシールドをパージさせて無我夢中で海面まで泳いで浮上して来たのだ。
「うわーそうだ。そうだ撃墜されたんだな。……あっ?生きてるかな?AI?コンチェム?(クジャクかぁさん:涂のコール名は孔雀:コンジャック。それにちなんでAIマスコット名のコンチェム)聞こえるか?コンチェム応答してくれ。……。」
海底に横たわる涂の自機のコンチェム。
壊撃-3型V-2。
胴体の前面を破壊され機体。
その開かれた暗いコクピットのコンソールに、数か所に電源が付き始めた。
海底に沈む、横たわる機体が再稼働したのだ。
海兵隊仕様の機体。
頑丈なロシア製の機体だった。
直接、稼動部位を破壊されない限り海水の侵入位ではダメージは少ないのだ。
( こちらRWT2-CAMC-V2、AIコード:ETC-MC03.0891。只今、涂4級軍士長を確認しました。 )
「おー!コンチェムッ!コンチェム!生きてた!良かった。それで、コンチェム、お前の周辺状況を報告してくれ。沈んで行くの見て、寂しかった。報告してくれ。爆発しながら沈んで行ったけどぉ、ハー、ハー。だ、大丈夫だったか。」
( はい。当機は予定上陸沿岸より推定4500メートルの苫小牧沖、海底38メートル海底に着底しています。 )
「うわーずいぶん深いなぁ。んで、機体の状態は?」
( はい。機体の損傷個所及び欠損ですが、正面胸部AからCブロックの大破。コクピットは完全浸水で使用不能です。 )
「あらまあ。」
( しかし、リモートで海中稼働可能です。 )
「おー!そんで水中推進は?」
( 残念ながら、海面着水時の衝撃で大破。水中ジェット推進システムをパージしました。海底に沈降中、緊急パージで爆破除去しましたので、上尉の目撃したのはそのパージでの爆発だと思われます。 )
「なんだぁ。結局、水中推進だめかぁ。」
( はい。パイロット操縦系統と水中ジェット推進システムを除く、当機本体の全システム、稼働部位に異常ありません。海中での歩行移動は可能です。 )
「海底を歩くってか?」
( はい、上尉。当機、稼働限界は現在の予備電力で、歩行のみは約11分です。 )
「あ~ん。全然、だめじゃん。」
( はい。フュージョン・バッテリーは現在稼働停止。上尉?稼働を致しますか? )
「はあい?海中でか。」
( はい。全ての探査・通信機能が回復します。 )
「そりゃ動けば回復するでしょうに。動けばさ。」
( ただし、武器等、攻撃装備は全装備使用不能。ロケットモーター、各ジェット推進モーターも使用不能です。陸地で上陸後、完全整備か装備アッセンブリーの交換が必要です。 )
「ふ~ん。攻撃はできないかぁ。武器が使えないかぁ。ジャンプもだめかぁ。そうりゃ海底だからなぁ。はい、はい。はい納得~って、じゃなくて。おいっ!ちょっとコンチェム?核融合電池、稼働出来るのか?ホント?マジ!ウソだろう~?もう、海の中で浸水してるだろう。あの~、物凄い敵モービルの激突って言うか、攻撃でさ。使い物にならんだろう。現に僕らが撃墜されて、海に叩き落とされたんだろう?コンチェム、お前さんが無事に稼働してるのが、本当にビックリなのに。お前さんは予備電源で、だろぅ?電池で動いてるんだろ?こんな非常時に嘘つかないでくれ。ははっもう。あはははっ。」
( いいえ。嘘じゃありません。 )
「なに?マジか!」
( はい。 )
「うそぉー!」
( だから嘘じゃありません。 )
「えー!めっちゃ助かるじゃん。」
( はい。このフュージョン・バッテリーのアッセンブリー、JIF-NFB-33型は日本製。茨城製作所製アッセンブリーですので。 )
「あっ!」
( 今、作戦では全機、頑丈で信頼性が高い日本製の核融合電池アッセンブリーを搭載しています。 )
「お前、思いっきり信頼性が高い日本製って言いやがって。我が国製は……あはははっ。大事な作戦ではな。しゃーない。あはははっ。でも、敵国のって。今、戦時中なのに。よく手に入ったなぁ。」
( はい。ビジネス協定はそのまま生きていますので。 )
「はあい?なんじゃそりゃ。」
( 上尉。バッテーリー・アッセンブリーのリブート可能信号を継続的に確認しています。
「っへー!本当に生きている。動いてるし。」
( 仕様書通りなら宇宙空間から地球内気圧への移動EI(大気圏再突入)でも使用可能製品ですので。 )
「へぇー!茨城って。それも第1世代、第2世代のリニア新幹線の超一流のメーカー……どうりで頑丈なハズだ。スゲー。」
( このアッセンブリーは地球型惑星内、内水深度120メートルまでの水圧状況下で正常稼働可能です。特に本機体はホワイトタイガー2改。宙空および海兵仕様ですので、海中下でも普通に稼働可能です。 )
「へー。じゃコンチェム!稼働頼む。」
( 了解しました。フュージョン・バッテリーの始動開始いたします。アッセンブリ・システムよりリブート信号受理しました。)
「くわー。本当に動くんだ、これがまた。スゲー。」
( 再稼働まで、12、11、10、9、 )
「ふふふっ。その日本を攻めてるんだがなぁ。僕たちは、あはは!なんか、ようわからん世界。ところでコンチェム、海底を移動可能か?」
( はい。もちろん可能です。脚部、腕部、動力系統に異常ありません。通信機器の状況もオールクリア。 )
「よっしゃー!」
( ただし、敵地ですので通信は帝國本部からの制限付きです。 )
「はあい?」
( こちらから通信は出来ません。 )
「なんでよ?救助ビーコン出してんだろ?」
( いいえ、出せません。 )
「なんで。」
( 上尉、当機は撃墜判定されました。 )
「あら。」
( 上尉は戦死判定を受けた模様です。 )
「ぶっ!マジか!」
( はい、残念ながら。その為、作戦完了宣言まで撃墜認定機は受信のみです。 )
「えっ。そんな規定があるんだ。えっ?ちょっと待て、撃墜されたら救助ビーコン発信するのが普通だろうに。」
( はい。しかし、当機は無敵の最新鋭機。その撃墜は認められないとの事です。敵に機体が渡るのもご法度です。 )
「へー。俺達ゃ半島の奴隷か?バカ臭っ。」
( 上尉?核融合正常作動確認いたしました。 )
「よし!ってなんか素直に喜べないなぁ。訳も解んないし。まぁいいや。」
( 上尉? )
「はいな。コンチェム大先生、なんでしょうか?」
( コクピットから人的操作、操縦系のコントロールは全く出来ません。が、いつでも行けます。ご指示を。 )
「操縦出来ないのはシャーないけどさ。さぁー!よし!コンチェム。海底、進軍開始する。」
( はい、進軍を開始します。 )
「目的地は苫小牧沿岸まで。僕の回収可能深度に来たら、アームで僕を回収してくれ。」
( 了解しました。 )
「ヘッドギア、シールドにヒビは入っているが浸水していない。海中でコクピットに入る。」
( 了解いたしました。 )
海底に横たわっている壊撃-3型V-2が海底の砂煙を上げながら立ち上がった。
空中で撃破され、海に墜落した自機から脱出したのだった。
パイロットの足元の海底へ、爆発の閃光と大きな泡を上げながら巨大なHARMOR突撃人型装甲機の壊撃-3型V-2が海底の暗闇へ沈降していく。
その海底へ沈む自機を一瞬見てから、ようやく海面まで浮上した敵パイロット。
ヒビ割れたガラスシールドを開けて呼吸をする。
「ブハーッ!うわー!死ぬかと思った。ランドセル、ハー、ハー。水蒸気爆発しなくて良かったぁ。ハー、でも、海中でボカボカ爆発してたけど。ハー、ハー。もう、もうー!もう沢山だ。ハー、ハー。えーここは、海岸までどの位あるんだ?えー?俺の対ホーミングスキャン・ジャマー中隊はどうなったんだ?えー?隊長や童(トン)は?」
海面で浮かびながら周囲を見る涂四級軍士長。
苫小牧市街地方面を見ると、上空で戦闘をしながら自軍のHARMORの大群が市街地へ向かっている。
小さくて眩しい、オレンジ色のバーニアの光の大群が苫小牧市に向かって遠ざかって行く。
対空攻撃の破裂する爆煙が次から次に、空一面に上がっている。もの凄い対空砲火だ。
( バリバリバリ!ドドドド!ドンドンドン! )
空にこだまする無数の破裂音。
多数のミサイル音。
爆発煙の中を味方の残存部隊が次々に進んでいた。
その中を進んで行く味方の海兵大隊。
涂の目視で目的の苫小牧市海岸へはまだ5キロ以上はある様に感じた。
改めて空を見る涂。
恐らく、自分達の対ホーミング部隊は全機破壊されたのだろう、黄色いモヤも無く自軍の大群が進んでいたのだが、一瞬にして対空砲火が止まったように見えた。
次々に作られていた対空砲火の炸裂煙が止まったように見えたのだ。
目を細めて市街地方面を見て、ニヤける涂。それと同時に、味方モービルが次々のランディングを始めているようだった。
味方のバーニアの眩しいオレンジ色の光が、ドンドン地上に吸い込まれるように見えた。
両手を上げて歓声を上げる涂だった。
「おー!対空砲火が止まったのか?どうした!小日本人。あははっ!弾切れかぁー。あははっ。行け、行け、行けー!小日本人をぶち殺せー。行けー!負けるな同志っ!ハー、ハー……さぁ俺も行こうか。ふー!」
海上で、思いっきりため息をつく涂だった。でも、あきらめて泳ぐしかなかった。
「この距離、泳ぐのかぁ。ちくしょー!」
嫌々、泳ぎ始めた。
泳ぎながら、だんだん直近の事象を思い出す涂。思わず目をつむって口をへの字にした。
「うわー、そうだった。俺に飛び掛かって来たんだな。」
自機に飛び掛かって来る敵(シーラス)のHARMORの「シルフィZERO」の姿。
物凄い衝撃で気を失ったのだ。
そして、涂が気が付くとすでに海中だった。
コクピット内へ噴き出す大量の海水。
コクピットシールドをパージさせて無我夢中で海面まで泳いで浮上して来たのだ。
「うわーそうだ。そうだ撃墜されたんだな。……あっ?生きてるかな?AI?コンチェム?(クジャクかぁさん:涂のコール名は孔雀:コンジャック。それにちなんでAIマスコット名のコンチェム)聞こえるか?コンチェム応答してくれ。……。」
海底に横たわる涂の自機のコンチェム。
壊撃-3型V-2。
胴体の前面を破壊され機体。
その開かれた暗いコクピットのコンソールに、数か所に電源が付き始めた。
海底に沈む、横たわる機体が再稼働したのだ。
海兵隊仕様の機体。
頑丈なロシア製の機体だった。
直接、稼動部位を破壊されない限り海水の侵入位ではダメージは少ないのだ。
( こちらRWT2-CAMC-V2、AIコード:ETC-MC03.0891。只今、涂4級軍士長を確認しました。 )
「おー!コンチェムッ!コンチェム!生きてた!良かった。それで、コンチェム、お前の周辺状況を報告してくれ。沈んで行くの見て、寂しかった。報告してくれ。爆発しながら沈んで行ったけどぉ、ハー、ハー。だ、大丈夫だったか。」
( はい。当機は予定上陸沿岸より推定4500メートルの苫小牧沖、海底38メートル海底に着底しています。 )
「うわーずいぶん深いなぁ。んで、機体の状態は?」
( はい。機体の損傷個所及び欠損ですが、正面胸部AからCブロックの大破。コクピットは完全浸水で使用不能です。 )
「あらまあ。」
( しかし、リモートで海中稼働可能です。 )
「おー!そんで水中推進は?」
( 残念ながら、海面着水時の衝撃で大破。水中ジェット推進システムをパージしました。海底に沈降中、緊急パージで爆破除去しましたので、上尉の目撃したのはそのパージでの爆発だと思われます。 )
「なんだぁ。結局、水中推進だめかぁ。」
( はい。パイロット操縦系統と水中ジェット推進システムを除く、当機本体の全システム、稼働部位に異常ありません。海中での歩行移動は可能です。 )
「海底を歩くってか?」
( はい、上尉。当機、稼働限界は現在の予備電力で、歩行のみは約11分です。 )
「あ~ん。全然、だめじゃん。」
( はい。フュージョン・バッテリーは現在稼働停止。上尉?稼働を致しますか? )
「はあい?海中でか。」
( はい。全ての探査・通信機能が回復します。 )
「そりゃ動けば回復するでしょうに。動けばさ。」
( ただし、武器等、攻撃装備は全装備使用不能。ロケットモーター、各ジェット推進モーターも使用不能です。陸地で上陸後、完全整備か装備アッセンブリーの交換が必要です。 )
「ふ~ん。攻撃はできないかぁ。武器が使えないかぁ。ジャンプもだめかぁ。そうりゃ海底だからなぁ。はい、はい。はい納得~って、じゃなくて。おいっ!ちょっとコンチェム?核融合電池、稼働出来るのか?ホント?マジ!ウソだろう~?もう、海の中で浸水してるだろう。あの~、物凄い敵モービルの激突って言うか、攻撃でさ。使い物にならんだろう。現に僕らが撃墜されて、海に叩き落とされたんだろう?コンチェム、お前さんが無事に稼働してるのが、本当にビックリなのに。お前さんは予備電源で、だろぅ?電池で動いてるんだろ?こんな非常時に嘘つかないでくれ。ははっもう。あはははっ。」
( いいえ。嘘じゃありません。 )
「なに?マジか!」
( はい。 )
「うそぉー!」
( だから嘘じゃありません。 )
「えー!めっちゃ助かるじゃん。」
( はい。このフュージョン・バッテリーのアッセンブリー、JIF-NFB-33型は日本製。茨城製作所製アッセンブリーですので。 )
「あっ!」
( 今、作戦では全機、頑丈で信頼性が高い日本製の核融合電池アッセンブリーを搭載しています。 )
「お前、思いっきり信頼性が高い日本製って言いやがって。我が国製は……あはははっ。大事な作戦ではな。しゃーない。あはははっ。でも、敵国のって。今、戦時中なのに。よく手に入ったなぁ。」
( はい。ビジネス協定はそのまま生きていますので。 )
「はあい?なんじゃそりゃ。」
( 上尉。バッテーリー・アッセンブリーのリブート可能信号を継続的に確認しています。
「っへー!本当に生きている。動いてるし。」
( 仕様書通りなら宇宙空間から地球内気圧への移動EI(大気圏再突入)でも使用可能製品ですので。 )
「へぇー!茨城って。それも第1世代、第2世代のリニア新幹線の超一流のメーカー……どうりで頑丈なハズだ。スゲー。」
( このアッセンブリーは地球型惑星内、内水深度120メートルまでの水圧状況下で正常稼働可能です。特に本機体はホワイトタイガー2改。宙空および海兵仕様ですので、海中下でも普通に稼働可能です。 )
「へー。じゃコンチェム!稼働頼む。」
( 了解しました。フュージョン・バッテリーの始動開始いたします。アッセンブリ・システムよりリブート信号受理しました。)
「くわー。本当に動くんだ、これがまた。スゲー。」
( 再稼働まで、12、11、10、9、 )
「ふふふっ。その日本を攻めてるんだがなぁ。僕たちは、あはは!なんか、ようわからん世界。ところでコンチェム、海底を移動可能か?」
( はい。もちろん可能です。脚部、腕部、動力系統に異常ありません。通信機器の状況もオールクリア。 )
「よっしゃー!」
( ただし、敵地ですので通信は帝國本部からの制限付きです。 )
「はあい?」
( こちらから通信は出来ません。 )
「なんでよ?救助ビーコン出してんだろ?」
( いいえ、出せません。 )
「なんで。」
( 上尉、当機は撃墜判定されました。 )
「あら。」
( 上尉は戦死判定を受けた模様です。 )
「ぶっ!マジか!」
( はい、残念ながら。その為、作戦完了宣言まで撃墜認定機は受信のみです。 )
「えっ。そんな規定があるんだ。えっ?ちょっと待て、撃墜されたら救助ビーコン発信するのが普通だろうに。」
( はい。しかし、当機は無敵の最新鋭機。その撃墜は認められないとの事です。敵に機体が渡るのもご法度です。 )
「へー。俺達ゃ半島の奴隷か?バカ臭っ。」
( 上尉?核融合正常作動確認いたしました。 )
「よし!ってなんか素直に喜べないなぁ。訳も解んないし。まぁいいや。」
( 上尉? )
「はいな。コンチェム大先生、なんでしょうか?」
( コクピットから人的操作、操縦系のコントロールは全く出来ません。が、いつでも行けます。ご指示を。 )
「操縦出来ないのはシャーないけどさ。さぁー!よし!コンチェム。海底、進軍開始する。」
( はい、進軍を開始します。 )
「目的地は苫小牧沿岸まで。僕の回収可能深度に来たら、アームで僕を回収してくれ。」
( 了解しました。 )
「ヘッドギア、シールドにヒビは入っているが浸水していない。海中でコクピットに入る。」
( 了解いたしました。 )
海底に横たわっている壊撃-3型V-2が海底の砂煙を上げながら立ち上がった。
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