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第5章 バトル・オブ・苫小牧。千歳、侵入。
第6話 世紀末!港の空に迫る巨大ロボの大群。
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( キュインキュイーン!キュインキュイーン!敵、増援部隊接近!数、約160っ! )
( キュインキュイーン!キュインキュイーン!敵、増援部隊接近!数、約160っ! )
「何っ!」
バルトシュたちから見える、沿岸上空にイナゴの大群の様に黒い影がこちらに向かって来ていた。
巡航ミサイルに続く波状飽和攻撃第2波だった。
ゲームボーイのAIが敵分析状況を解説し始めた。
( 敵、HARMORは時速210キロの巡航速度で、下部機体は高度250メートル、上部機体は高度400メートルの範囲を飛行中。先頭集団は新型ホーミングジャムを拡散放出中。予想成分の詳細不明。スペクトル光学成分分析ではシリコン粒子に宙空戦闘用、ビーム拡散膜成分が見られます。 )
「よし!中隊!対空および白兵戦戦闘準備!全機!アーマーパージ!」
( 了解! )
一斉に自動縣吊バーニアを外した。
自動的に、バーニアを吹かして地上にゆっくり着陸するアーマー。
その時、スナイパーチームから緊急通信が入る。
背後の上空を振り向くバルトッシュ中隊。
直属のスナイパー・HARMORのレオン・ノヴァック中尉「リコン」から直接通信が入った。
「メーデー!メーデー!隊長ーっ!うわー!」
上空からスナイピィング・エアロシェルに寝そべり狙撃姿勢の3機のスナイパー・HARMOR。
その3機へ馬乗りになってヒートナイフを突き刺し背部を破壊する敵HARMORが映った。
リコンの隣、僚機「マザーグース」の被害が早かった。
( ぐわー!ぐわー!母さんっ!助けてーっ! )
スナイパー・HARMORの背中のランドセルを剥ぎとった1機が開いたアタッチメント孔に40ミリカノンを突き刺した。
( ガシンッ! )
歓喜する敵パイロット。
「お前たちの戦術は、あははっ!見え、見えなんだよなぁ!ガッハッハ!死ねーッ!」
( バシュ!バシュ! )
僚機の「マザーグース」のコクピット内側から突き抜ける爆発。
( ズガーン! )
「マザーグース」で馬乗りになった敵は、脚で爆発するスナイパー・HARMORの機体を蹴ってから降下した。
降下しながらオレンジ色の炎を噴射し始めた。
「お先に!」
敵パイロットは僚機の2人のモニターに敬礼をして、千歳方面に飛び上がった。
バルトッシュのモニター。
3機のパイロットバイタルの内、スナイパー・マザーグース事、バギンスキー少尉のバイタルの反応が無くなる。
上空をズームアップするAI。
何筋かの煙の筋を出しながら落下するマザーグース機とエアロシェル。上空で落下しながら大爆発を起こすマザーグース機。
「マザーグース!マザーグース!」
「く、く。」
悔しがるバルトッシュ。
しかし、元ヴィクトリアの部下で歴戦練磨のロマン・ホルバチェフスキ中尉の「ベアー」機は、さすが反応が早かった。
咄嗟に生き残り2機の脱出を促した。
「リコン!モーテイル(蝶)!緊急脱出!急げ!」
腰の脱出レバーを引く、2機のパイロット。
うつ伏せの機体の胸部コクピット・シールドと、コクピットパネルが同時に破裂し、コクピットチェアーごとエアロシェルの床に叩きつけられるスナイパー・パイロットたち。
爆圧でエアロシェルから弾かれる自機のスナイパー・HARMORと、馬乗りになったままの敵HARMORの2機が、はじかれて落下した。
その敵、HARMORパイロット。
「うわー!やられた!こ生意気な!」
「うわー!そんな手があったか!」
空中で、先に姿勢を取り戻した1機の敵HARMOR。
エアロシェル上で、半開きのコクピットシールドで、ジタバタしている2人のパイロットにロックオンした。
順番に射撃する敵の偵察機パイロット。
( バシュ!バシュ! )
( バシュ!バシュ! )
(( うわー!))
(( ギャー!))
エアロシェルの上のコクピットカバーと椅子の隙間から脱出仕掛けていたリコンとモーテルを狙い、40ミリカノンをお見舞いした敵、偵察用HARMORだった。
エアロシェルごとバラバラに吹き飛ぶ「リコン」と「モーテイル」のスナイパー・パイロットの生身の体。
バルトシュのパイロットバイタルの反応がまたひとつ、またひとつと順番に消えた。
「リコン!モテーィル!」
「……中佐。行きましょう。」
「よし、中隊……。」
「中佐!」
空を睨みながら、ボソッと呟くバルトッシュ。
「空中戦をやる。」
「はっ?」
「空中戦だ。」
「えっ?」
「聞こえんか!これより我が中隊は敵HARMORの大群の出鼻をくじく!中隊!カノン全弾拡散モード。クラッシュ・ハンマー攻撃をする。ジャックハマーだ!50ミリ徹甲弾マガジン装着。(手首に50ミリ砲弾のマガジンを装着。相手にパンチおよび、相手の部位を握って破裂させ、衝撃で砕く白兵戦装備)」
バルトッシュの「ゲームボーイ」が両手首に50ミリキャノンのマガジンを装着し、空いた50ミリカノン砲のマガジンにショット弾のマガジンに換装した。
それに続く中隊の14機。
ここは冷静に判断し、体制を整える考えのハズが激情し反撃の構えをするバルトッシュ。
歴戦練磨のロマン・ホルバチェフスキ中尉は、異論をせず諦めて、ただ目をつむった。
「ボーイ!バーニア最大圧力っ!アンカー打てっ!」
HARMORの踵から地面に固定アンカーが突き刺さる。
(( ガン!ガンッ!))
同時に、大口径のバーニアに火を入れた。
(( ボンッ!ドバババババー!))
AIの報告がコクピットに響いた。
( バーニア最大圧力、最大噴射にします。カウントダウン開始。最大圧力まで11、10、9、8、……。 )
真っ白く眩しいバーニアの炎が地面を叩く。
(( ズバババババー!))
(( ズバババババー!))
中隊の僚機達もそれに続いた。
地面を揺るがすバーニアの噴射による振動。
周辺のビルが振動で崩れ始めた。
( キュインキュイーン!キュインキュイーン!敵、増援部隊接近!数、約160っ! )
「何っ!」
バルトシュたちから見える、沿岸上空にイナゴの大群の様に黒い影がこちらに向かって来ていた。
巡航ミサイルに続く波状飽和攻撃第2波だった。
ゲームボーイのAIが敵分析状況を解説し始めた。
( 敵、HARMORは時速210キロの巡航速度で、下部機体は高度250メートル、上部機体は高度400メートルの範囲を飛行中。先頭集団は新型ホーミングジャムを拡散放出中。予想成分の詳細不明。スペクトル光学成分分析ではシリコン粒子に宙空戦闘用、ビーム拡散膜成分が見られます。 )
「よし!中隊!対空および白兵戦戦闘準備!全機!アーマーパージ!」
( 了解! )
一斉に自動縣吊バーニアを外した。
自動的に、バーニアを吹かして地上にゆっくり着陸するアーマー。
その時、スナイパーチームから緊急通信が入る。
背後の上空を振り向くバルトッシュ中隊。
直属のスナイパー・HARMORのレオン・ノヴァック中尉「リコン」から直接通信が入った。
「メーデー!メーデー!隊長ーっ!うわー!」
上空からスナイピィング・エアロシェルに寝そべり狙撃姿勢の3機のスナイパー・HARMOR。
その3機へ馬乗りになってヒートナイフを突き刺し背部を破壊する敵HARMORが映った。
リコンの隣、僚機「マザーグース」の被害が早かった。
( ぐわー!ぐわー!母さんっ!助けてーっ! )
スナイパー・HARMORの背中のランドセルを剥ぎとった1機が開いたアタッチメント孔に40ミリカノンを突き刺した。
( ガシンッ! )
歓喜する敵パイロット。
「お前たちの戦術は、あははっ!見え、見えなんだよなぁ!ガッハッハ!死ねーッ!」
( バシュ!バシュ! )
僚機の「マザーグース」のコクピット内側から突き抜ける爆発。
( ズガーン! )
「マザーグース」で馬乗りになった敵は、脚で爆発するスナイパー・HARMORの機体を蹴ってから降下した。
降下しながらオレンジ色の炎を噴射し始めた。
「お先に!」
敵パイロットは僚機の2人のモニターに敬礼をして、千歳方面に飛び上がった。
バルトッシュのモニター。
3機のパイロットバイタルの内、スナイパー・マザーグース事、バギンスキー少尉のバイタルの反応が無くなる。
上空をズームアップするAI。
何筋かの煙の筋を出しながら落下するマザーグース機とエアロシェル。上空で落下しながら大爆発を起こすマザーグース機。
「マザーグース!マザーグース!」
「く、く。」
悔しがるバルトッシュ。
しかし、元ヴィクトリアの部下で歴戦練磨のロマン・ホルバチェフスキ中尉の「ベアー」機は、さすが反応が早かった。
咄嗟に生き残り2機の脱出を促した。
「リコン!モーテイル(蝶)!緊急脱出!急げ!」
腰の脱出レバーを引く、2機のパイロット。
うつ伏せの機体の胸部コクピット・シールドと、コクピットパネルが同時に破裂し、コクピットチェアーごとエアロシェルの床に叩きつけられるスナイパー・パイロットたち。
爆圧でエアロシェルから弾かれる自機のスナイパー・HARMORと、馬乗りになったままの敵HARMORの2機が、はじかれて落下した。
その敵、HARMORパイロット。
「うわー!やられた!こ生意気な!」
「うわー!そんな手があったか!」
空中で、先に姿勢を取り戻した1機の敵HARMOR。
エアロシェル上で、半開きのコクピットシールドで、ジタバタしている2人のパイロットにロックオンした。
順番に射撃する敵の偵察機パイロット。
( バシュ!バシュ! )
( バシュ!バシュ! )
(( うわー!))
(( ギャー!))
エアロシェルの上のコクピットカバーと椅子の隙間から脱出仕掛けていたリコンとモーテルを狙い、40ミリカノンをお見舞いした敵、偵察用HARMORだった。
エアロシェルごとバラバラに吹き飛ぶ「リコン」と「モーテイル」のスナイパー・パイロットの生身の体。
バルトシュのパイロットバイタルの反応がまたひとつ、またひとつと順番に消えた。
「リコン!モテーィル!」
「……中佐。行きましょう。」
「よし、中隊……。」
「中佐!」
空を睨みながら、ボソッと呟くバルトッシュ。
「空中戦をやる。」
「はっ?」
「空中戦だ。」
「えっ?」
「聞こえんか!これより我が中隊は敵HARMORの大群の出鼻をくじく!中隊!カノン全弾拡散モード。クラッシュ・ハンマー攻撃をする。ジャックハマーだ!50ミリ徹甲弾マガジン装着。(手首に50ミリ砲弾のマガジンを装着。相手にパンチおよび、相手の部位を握って破裂させ、衝撃で砕く白兵戦装備)」
バルトッシュの「ゲームボーイ」が両手首に50ミリキャノンのマガジンを装着し、空いた50ミリカノン砲のマガジンにショット弾のマガジンに換装した。
それに続く中隊の14機。
ここは冷静に判断し、体制を整える考えのハズが激情し反撃の構えをするバルトッシュ。
歴戦練磨のロマン・ホルバチェフスキ中尉は、異論をせず諦めて、ただ目をつむった。
「ボーイ!バーニア最大圧力っ!アンカー打てっ!」
HARMORの踵から地面に固定アンカーが突き刺さる。
(( ガン!ガンッ!))
同時に、大口径のバーニアに火を入れた。
(( ボンッ!ドバババババー!))
AIの報告がコクピットに響いた。
( バーニア最大圧力、最大噴射にします。カウントダウン開始。最大圧力まで11、10、9、8、……。 )
真っ白く眩しいバーニアの炎が地面を叩く。
(( ズバババババー!))
(( ズバババババー!))
中隊の僚機達もそれに続いた。
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