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第5章 バトル・オブ・苫小牧。千歳、侵入。
第5話 逃すなバルトシュ!宋の逃亡。
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浜厚真海岸から至急駆けつけるバルトシュ中隊。
スナイパーの3機は上空から降下しながら敵、地上軍をロックしていた。
国道を15機のHARMORが2列のまま走っている。きよし戦法、上半身の各バーニアを吹かしながら固定して50ミリカノンの照準を合わせた。
背の低いビルに身体を隠して防戦している敵、海洋攻撃型HARMORのハイシェ (海蛇)小隊と合流した先行上陸部隊のHARMORたち。
足元に僚機が起動停止してうつ伏せに倒れている。
「クソ!まだ味方が来ない!小隊長?宋副大隊長、まだですか?せっかく海中から応援で駆けつけてきたのに。この機体、地上戦では不利です。」
「馬鹿者、もう少しだ!泣き言いうな!威力偵察を志願したのは誰だ!」
「約束の10分が過ぎました!もはや母船隊の本隊は壊滅……。」
「馬鹿者!口より手を動かせ!」
「でも、対馬の……」
その時、上空から2機を狙う目があった。バルトッシュ中隊のスナイパーだった。
( バシュー! )
マッハ8の高速弾が部下の機体の肩を打ち砕いた!
(( ズカーン! ))
40ミリカノン砲を持った左腕が肩ごと吹き飛んだ。
ビルに打ち付けらるボディー。
( ウギヤー! )
間髪入れず、防戦している2小隊の7機にロックオン警告が鳴りAIの音声が鳴り響いた。
( ビビビ、ビビビ、ビビビ!当機はロックオンされています。ビビビ、ビビビ!当機はロックオンされています。 )
2小隊の、敵パイロットたちはコクピットの中で身体を捩りながらモニターをキョロキョロ見て、ロックオン先の敵を探した。
しかし、既に遅し。
バーニア自動縣吊制御で上半身を空間に固定したまま、高速で移動するバルトシュ小隊の新型50ミリ速射カノンに捕らえられていたのだ。
「撃ち~方!始め!」
一斉に火を吹くバルトシュ小隊のカノン砲。
( ドン、ドン、ドン! )
( ドン、ドン、ドン! )
敵、2小隊の7機のコクピット部を正確にぶち抜く新型50ミリ徹甲弾。
( ぐわー! )
( こんなところでー。 )
敵パイロットの気持ちなど、容赦なく走り続けながら撃ち込むバルトシュ中隊。
( ぐわー、げー! )
( うわー! )
完全に稼働停止する7機のHARMOR。
地面に腕をついた振動で、撃ち込まれてボロボロになったコクピット・シールドが開く。
中からパイロットのヘッドギアーと片足、そして血だらけの胴体が降ってきた。
「ボーイ、敵の状況報告。」
( はっ。7機、2小隊。敵ブラボー、チャーリー核融合炉完全停止確認。パイロット1名生存を確認。中佐?処置は? )
バルトシュの正面モニターで開いたコクピットが映された。
肩から銃を担いで飛び降りするパイロットが映っている。
冷たく上目遣いのバルトシュ。
ここで殺害するべきだったが、HARMORパイロットの生死は機体での対決で決めるべきと、甘っちょろい思考の持ち主だった。
今は戦闘中だ。
間違った武士精神だった。
彼の姉のヴィクトリアならどうしたのだろうか?
恐らく躊躇なく排除しただろう。
これは侵略戦争なのだ。
バルトッシュの前で一気に駆け抜けて逃げるパイロット。
その逃げるパイロットのヘッドギアと肩には、3つコブのシー・サーベントの絵が描かれていた。
宋上尉が1人、生き残り逃亡したのだ。
アタッカー・HARMORのロマン・ホルバチェフスキ中尉の「ベアー」がバルトッシュの肩に腕を置いて接触通信。
「中佐!敵兵排除は?」
「構うな!」
「なぜ?です?」
何もしないバルトシュに一瞬不満の感情を見せるロマン。
「それより、防衛前線の助太刀だ。」
「……。」
確かに、バルトッシュ中隊の正面では、ガレキと化した苫小牧市街地が広がっていた。無駄な弾を消費する事も無かったのだ。
その時、再び警告音とAIによる警告音声が鳴った。
( キュインキュイーン!キュインキュイーン!敵、増援部隊接近!数、約160っ! )
( キュインキュイーン!キュインキュイーン!敵、増援部隊接近!数、約160っ! )
「何っ!」
バルトシュたちから見える、沿岸上空にイナゴの大群の様に黒い影がこちらに向かって来ていた。
スナイパーの3機は上空から降下しながら敵、地上軍をロックしていた。
国道を15機のHARMORが2列のまま走っている。きよし戦法、上半身の各バーニアを吹かしながら固定して50ミリカノンの照準を合わせた。
背の低いビルに身体を隠して防戦している敵、海洋攻撃型HARMORのハイシェ (海蛇)小隊と合流した先行上陸部隊のHARMORたち。
足元に僚機が起動停止してうつ伏せに倒れている。
「クソ!まだ味方が来ない!小隊長?宋副大隊長、まだですか?せっかく海中から応援で駆けつけてきたのに。この機体、地上戦では不利です。」
「馬鹿者、もう少しだ!泣き言いうな!威力偵察を志願したのは誰だ!」
「約束の10分が過ぎました!もはや母船隊の本隊は壊滅……。」
「馬鹿者!口より手を動かせ!」
「でも、対馬の……」
その時、上空から2機を狙う目があった。バルトッシュ中隊のスナイパーだった。
( バシュー! )
マッハ8の高速弾が部下の機体の肩を打ち砕いた!
(( ズカーン! ))
40ミリカノン砲を持った左腕が肩ごと吹き飛んだ。
ビルに打ち付けらるボディー。
( ウギヤー! )
間髪入れず、防戦している2小隊の7機にロックオン警告が鳴りAIの音声が鳴り響いた。
( ビビビ、ビビビ、ビビビ!当機はロックオンされています。ビビビ、ビビビ!当機はロックオンされています。 )
2小隊の、敵パイロットたちはコクピットの中で身体を捩りながらモニターをキョロキョロ見て、ロックオン先の敵を探した。
しかし、既に遅し。
バーニア自動縣吊制御で上半身を空間に固定したまま、高速で移動するバルトシュ小隊の新型50ミリ速射カノンに捕らえられていたのだ。
「撃ち~方!始め!」
一斉に火を吹くバルトシュ小隊のカノン砲。
( ドン、ドン、ドン! )
( ドン、ドン、ドン! )
敵、2小隊の7機のコクピット部を正確にぶち抜く新型50ミリ徹甲弾。
( ぐわー! )
( こんなところでー。 )
敵パイロットの気持ちなど、容赦なく走り続けながら撃ち込むバルトシュ中隊。
( ぐわー、げー! )
( うわー! )
完全に稼働停止する7機のHARMOR。
地面に腕をついた振動で、撃ち込まれてボロボロになったコクピット・シールドが開く。
中からパイロットのヘッドギアーと片足、そして血だらけの胴体が降ってきた。
「ボーイ、敵の状況報告。」
( はっ。7機、2小隊。敵ブラボー、チャーリー核融合炉完全停止確認。パイロット1名生存を確認。中佐?処置は? )
バルトシュの正面モニターで開いたコクピットが映された。
肩から銃を担いで飛び降りするパイロットが映っている。
冷たく上目遣いのバルトシュ。
ここで殺害するべきだったが、HARMORパイロットの生死は機体での対決で決めるべきと、甘っちょろい思考の持ち主だった。
今は戦闘中だ。
間違った武士精神だった。
彼の姉のヴィクトリアならどうしたのだろうか?
恐らく躊躇なく排除しただろう。
これは侵略戦争なのだ。
バルトッシュの前で一気に駆け抜けて逃げるパイロット。
その逃げるパイロットのヘッドギアと肩には、3つコブのシー・サーベントの絵が描かれていた。
宋上尉が1人、生き残り逃亡したのだ。
アタッカー・HARMORのロマン・ホルバチェフスキ中尉の「ベアー」がバルトッシュの肩に腕を置いて接触通信。
「中佐!敵兵排除は?」
「構うな!」
「なぜ?です?」
何もしないバルトシュに一瞬不満の感情を見せるロマン。
「それより、防衛前線の助太刀だ。」
「……。」
確かに、バルトッシュ中隊の正面では、ガレキと化した苫小牧市街地が広がっていた。無駄な弾を消費する事も無かったのだ。
その時、再び警告音とAIによる警告音声が鳴った。
( キュインキュイーン!キュインキュイーン!敵、増援部隊接近!数、約160っ! )
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バルトシュたちから見える、沿岸上空にイナゴの大群の様に黒い影がこちらに向かって来ていた。
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