「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! No2.

あおっち

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第5章 バトル・オブ・苫小牧。千歳、侵入。

第3話 奇天烈!少女隊、千歳参上。

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 ガオ・ルーシー率いるエキドナの小隊が既に千歳宙空ステーションまで後2キロ手前の湿地帯の茂みに迫っていた。

「マー(馬 明明(マー・メイメイ)一級軍士長)、ユー(于 魅音(ユー・ミオン)一級軍士長)?マー?探査・索敵波は?」

「ハイ、お嬢。探査波は無いよ。さっきまでのうるさい探査波も無くなったし。おバカよね。なんで切るかな。あはは。ジェシーのメティス機はどこかに行ったみたいな。あははっ。この一瞬のすれ違いでジェシーたちの運命が決まった。くくくっ。」

「お嬢。はい。データ登録終わりました。うふふっ。わざわざ仲良く飛んでるなんて。次のローンチで落としますわ。副大隊長様、いかがします。それとも今……、どうかしら、いつでもご指示を。」

「ふっ、ユー。我が栄光の中部戦区の統合参謀直属、中央機甲部隊の我々が、急いで成果を上げる事もない。格下の東部戦区の上陸部隊が来たら、その時に撃ち上がるだろう?メイメイもその時でいい。大戦艦なんてこの程度の兵器で落とせやしない。」

「うふふ。了解。じゃ、この子(オートマチック・自動照準追尾型レールガン砲)はここに設置しますわ。メイメイ?」

「はぁい。了解よ。重たい荷物はイライラの原因。ウチの子も降ろしますよ。くくっ。」

「2人共、勿体ないけど、召使(護衛用自動制御無人パワードスーツ)も置きなよ。」

「了解、お嬢。」

「了解よ。あはは。お嬢は慎重だよね。くくっ。」

 パールバディ・ワンとファニー・ダディーの打ち上がる航跡を見上げる3機の敵、新型HARMOR。

「ふん。ファニーダディとパールバディか。」

「お嬢。ルオちゃんとリリーよね。カップルであの世なんて。うふふっ。素敵よね。」

「ふっ、了解。さぁ、大隊が掃除するまで買い物行こうか。日本のコンビニ行きたい。千歳のステーション、24時間だよね。開いてればキティーちゃんグッズ買いたい。北海道は両親との温泉旅行依頼だし。2人共、レールガンの設置開始しな。」

「お嬢?私も宙空ステーションで化粧品買いたい。やってるかな。」

「私も、リアルでラーメン食べたい。」

「あははっ。好きな化粧品、もらったらいい。好きな味のラーメン食べたらいいさ。小日本人は律儀に避難してるでしょう。もし人が居ても殺したらいい。東部の大群が来るんだから、パニクッてるでしょ。好きにしな。」
 

(( 了解! ))


 予備の補給および装備品の大きなランドセルから離れ出る、武装した無人機のパワードスーツ。

( シュッ、ガシャン! )

( シュッ、ガシャン! )

 マー一級軍士長とユー一級軍士長の機体から飛び降りて、周辺の警戒を始めた。

 于一級軍士長の機体がゆっくりしゃがむと、自動照準追尾型レールガン砲が地面に降りて勝手に準備を始めた。

 1分もしない内に、2人のコンソールに準備完了のタブが現れる。

 少女隊長の部下、2機のAXIS最新鋭の自動照準追尾型レールガン砲の設置準備が終わったのだ。
 本来は、シャトルや爆撃機、などの大型軍用機器を撃滅する為のものだった。

 今回はテイクオフ時の超ド級宙空戦艦と言われるウーラノスを叩く為の物だ。と、名目でこの兵器を持ち出した小隊だった。 

 しかしこの小隊、隊長や隊員は今回の戦闘には全く無関心だった。

 目標は、あくまで有名なお子ちゃまきよし。そう、我らが椎葉きよしを叩く為に来たのだった。

 AXISの中部戦区参謀本部はあくまでも占冠村の女真帝国の幕府撃滅。

 少女隊は陽動作戦の1部隊でしかなかった。
 それを逆手に参戦した少女隊だったのだ。

 最新のオンラインバトルで、臨時の小林チーム(小林未央、リリアナ、ルオの3人の臨時小隊。

 椎葉きよしはオンラインバトルが大嫌いで軍の教練以外は参加しないため、リリアナがアタッカーで参戦。)に敗戦して2位となった。

 なかなか勝てない恨みを少女小隊が晴らす為に来たのだった。

 そのリリアナが本業のスナイパー・HARMORで、そしてルオが目の前を打ち上がっていたのだ。

 オンラインバトルでいくら待ち望んでも椎葉きよしと対戦できない高(ガオ)副隊長。

 やっと実機で椎葉きよしと対戦出来るのかもしれなかった。

 設置した自動照準追尾型レールガン砲の稼働チェックを終える、2機の最新鋭のホワイトタイガー「壊撃-4型 G-one」。

「この子達の初陣よね。邪魔な、あのカップルを、一発で仲良くあの世行きにしてもらわないと。ふふっ。」

 楽し気に、不気味に笑う于一級軍士長だった。

「お嬢。ウチの子(4型の本体)はどうします。」

「フン。あの奥の背の高い樹木の沼地でいいわ。それより、私服。汚れずにどうやってターミナルへ行く?」

「お嬢、お任せ。うふふ。」

 沼地まで来た3機。

 沼地に機体振動を起こし下半身を隠した。
 それから3機のコクピット・シールド・バイザーが開いた。

( キィィー、ドドドーッ! )

( キィィー、ドドドーッ! )

( キィィー、ドドドーッ! )


 武装したパワードスーツを着た3人が、千歳宙空ステーション方面へ向かって国道を低空で飛んで行った。
 
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