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第4章 バトル・オブ・苫小牧。敵、着上陸侵攻開始せり!
第7話 ハイシェ・サイン!全部隊行動せよ!
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浜厚真の海岸線。
自衛隊・日本国陸軍の攻撃の後、敵のベータ小隊の3機が引き続きシーラス側のHARMORからの攻撃に耐えていた。いや、時間稼ぎをしていた。
下半身を海に沈めバルトシュ達の攻撃から防戦している3機は、AXIS本国、海洋攻撃型HARMORの部隊名、ハイシェ (海蛇)小隊だった。
威力偵察を兼ねて、味方小隊の少女HARMOR小隊の上陸作戦を助けるために、海岸で陽動(敵の目をごまかす)していたが、自分たちの役目もそろそろ終わりになってきた所だった。
陽動作戦の狙い通り、彼らの背後の沖合では海底を進むオルカに対し、自衛隊対潜哨戒機のP-1Jによる空からの短魚雷攻撃が始まった。
海上からは、P-1Jの攻撃から撃ち漏らしたオルカに対し、自衛隊の哨戒護衛艦、日本国海軍の沿岸警備艦によるカバー対潜攻撃も準備が始まったようだった。
P-1Jの放った無数の短魚雷がヒットした。
( シュシュー! )
( シュシュー! )
(( ズガーンッ! ))
(( ドバーンッ! ))
(( ドバドバッ、ズガーンッ! ))
海底に張り付いたまま粉砕、破壊するオルカ部隊。
複数本の水柱が立つ浜厚真海岸沖の海面。
そんなハイシェ小隊の背後の海で始まった日本側の対潜哨戒攻撃だった。
ニヤッとする、ハイシェ小隊の小隊長、宋小校だった。
ヘッドギアと肩に描かれる、3つコブのシーサーベントの絵をあわらした小隊のマーク。
小隊長の宋が、目を凝らしてコクピット・コンソールモニターを切り替えながら苫小牧港方面を見ていると、苫小牧フェリーターミナルビルの奥で、オレンジ色のバーニアを吹かして内陸部に飛んでいく味方HARMORを発見した。
3本の筋のオレンジ色の噴射炎が確認出来た。
「よし!」
握りこぶしを作って喜ぶ宋上尉。
同時に、自分のAIが音声で3人のパイロットに知らせた。
( ガオ・ルオシー(高 若汐)副大隊長がフェーズ2へ移行致しました。楊閣下から進軍開始の司令受信。作戦開始のサイン長長波打ちます。 )
「ははっ。了解、ハニー?ハイシュ・サイン(作戦開始の長長波信号)打て!」
(( ピーン! ))
AXIS全軍の作戦開始の合図だった。
日本や世界各地の沿岸部にいる大型潜水母艦が一斉に浮上し始めた。
「あ!ソフノフスカ長官。」
画面に指を差す、日本国宙軍・情報技術コマンダーの鈴木大樹2等宙佐。
後ろのソフノフスカが、木村と鈴木の間から身を乗り出してモニターを凝視した。
「正体不明の長長波信号を感知。」
「何っ!」
そして、木村紗枝3等宙佐がモニター見て叫ぶ。
「苫小牧沖。敵、タンクブローの海中音多数。潜水母艦艦隊、浮上開始します。」
「ん!他は?」
球形司令室の、各国の情報技術コマンダーの全員が手を上げる。
世界中の海域でAXISの潜水母艦の浮上が確認出来たのであった。
千歳シーラスワン・オペレーションルームの巨大モニターの世界地図。
次々に表示される世界中の海域に姿を現したAXISのHARMOR潜水母艦。
敵、海洋型HARMORのハイシェ (海蛇)小隊、宋上尉の打ったサイン長長波が全ての作戦開始の合図だったのだ。
AXISの狙いが、世界中の海でシラス加盟国軍を釘付けにして、加盟国軍の市民に恐怖を与え、台湾、北海道攻略から目を逸らすのも目的だったに違いない。
日本国内でもそうだった。
着上陸対象の北海道以外の日本の湾岸都市に2回目の警報を鳴らしてしまっていたのだ。
恐らくAXISの潜入スパイか、AXISに買収された政府役人だった。
それも湾岸都市に響き渡るJアラート警報では無く、空襲警報だった。
ご丁寧に避難勧告のアナウンスまでつけていたのだ。
そして、それを朝からあおるマスコミだった。
自衛隊・日本国陸軍の攻撃の後、敵のベータ小隊の3機が引き続きシーラス側のHARMORからの攻撃に耐えていた。いや、時間稼ぎをしていた。
下半身を海に沈めバルトシュ達の攻撃から防戦している3機は、AXIS本国、海洋攻撃型HARMORの部隊名、ハイシェ (海蛇)小隊だった。
威力偵察を兼ねて、味方小隊の少女HARMOR小隊の上陸作戦を助けるために、海岸で陽動(敵の目をごまかす)していたが、自分たちの役目もそろそろ終わりになってきた所だった。
陽動作戦の狙い通り、彼らの背後の沖合では海底を進むオルカに対し、自衛隊対潜哨戒機のP-1Jによる空からの短魚雷攻撃が始まった。
海上からは、P-1Jの攻撃から撃ち漏らしたオルカに対し、自衛隊の哨戒護衛艦、日本国海軍の沿岸警備艦によるカバー対潜攻撃も準備が始まったようだった。
P-1Jの放った無数の短魚雷がヒットした。
( シュシュー! )
( シュシュー! )
(( ズガーンッ! ))
(( ドバーンッ! ))
(( ドバドバッ、ズガーンッ! ))
海底に張り付いたまま粉砕、破壊するオルカ部隊。
複数本の水柱が立つ浜厚真海岸沖の海面。
そんなハイシェ小隊の背後の海で始まった日本側の対潜哨戒攻撃だった。
ニヤッとする、ハイシェ小隊の小隊長、宋小校だった。
ヘッドギアと肩に描かれる、3つコブのシーサーベントの絵をあわらした小隊のマーク。
小隊長の宋が、目を凝らしてコクピット・コンソールモニターを切り替えながら苫小牧港方面を見ていると、苫小牧フェリーターミナルビルの奥で、オレンジ色のバーニアを吹かして内陸部に飛んでいく味方HARMORを発見した。
3本の筋のオレンジ色の噴射炎が確認出来た。
「よし!」
握りこぶしを作って喜ぶ宋上尉。
同時に、自分のAIが音声で3人のパイロットに知らせた。
( ガオ・ルオシー(高 若汐)副大隊長がフェーズ2へ移行致しました。楊閣下から進軍開始の司令受信。作戦開始のサイン長長波打ちます。 )
「ははっ。了解、ハニー?ハイシュ・サイン(作戦開始の長長波信号)打て!」
(( ピーン! ))
AXIS全軍の作戦開始の合図だった。
日本や世界各地の沿岸部にいる大型潜水母艦が一斉に浮上し始めた。
「あ!ソフノフスカ長官。」
画面に指を差す、日本国宙軍・情報技術コマンダーの鈴木大樹2等宙佐。
後ろのソフノフスカが、木村と鈴木の間から身を乗り出してモニターを凝視した。
「正体不明の長長波信号を感知。」
「何っ!」
そして、木村紗枝3等宙佐がモニター見て叫ぶ。
「苫小牧沖。敵、タンクブローの海中音多数。潜水母艦艦隊、浮上開始します。」
「ん!他は?」
球形司令室の、各国の情報技術コマンダーの全員が手を上げる。
世界中の海域でAXISの潜水母艦の浮上が確認出来たのであった。
千歳シーラスワン・オペレーションルームの巨大モニターの世界地図。
次々に表示される世界中の海域に姿を現したAXISのHARMOR潜水母艦。
敵、海洋型HARMORのハイシェ (海蛇)小隊、宋上尉の打ったサイン長長波が全ての作戦開始の合図だったのだ。
AXISの狙いが、世界中の海でシラス加盟国軍を釘付けにして、加盟国軍の市民に恐怖を与え、台湾、北海道攻略から目を逸らすのも目的だったに違いない。
日本国内でもそうだった。
着上陸対象の北海道以外の日本の湾岸都市に2回目の警報を鳴らしてしまっていたのだ。
恐らくAXISの潜入スパイか、AXISに買収された政府役人だった。
それも湾岸都市に響き渡るJアラート警報では無く、空襲警報だった。
ご丁寧に避難勧告のアナウンスまでつけていたのだ。
そして、それを朝からあおるマスコミだった。
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