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第1章 黄昏前に。
第2話 展開せよ!チームZ、チームY!
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新型50ミリ速射カノンを持ったメティス(ジェシカ・スミス隊長機)を中心にスミス小隊が配置についた。
報告するジェシカ。
「ウォーニホームCDC、こちらチームズールー、オーバー。準備完了。配置に着きました、ウィルコ。(行動完了)」
千歳シーラスワンの第2国防管制ビル(偽装艦橋ビル)前に整列する、ジェシカ・L・D・G・スミス中佐が率いる第90訓練小隊、TACコード「チーム・ズールー」の3機のHARMOR。
そのHARMORの3機の正面には新型105ミリ滑空砲2連装の31式機動戦闘車20輌と、対HARMOR・対空迎撃ミサイル装甲車のオートマ(英国製、無人装甲車エイジャックス)が、20輌が並んでいる。
ジェシカたち、HARMORの横にはHARMOR用装備補給車両で、専用の貨物車両を2台牽引した連結38式無人自走トレーラー乙型3輌が整列していた。
「ウォーニホームCDC、オーバー。こちらチームヤンキー(コードY:第81訓練小隊)。同じく配置に着きました。ウィルコ。」
毘沙門天(ヴァイシュラーヴァナ)に乗る小林が答えた。
スミス小隊、小林小隊の訓練2小隊が、敵上陸部隊から千歳シーラスワンを護衛するのだ。
たかが、訓練小隊と侮るなかれ。
そのジェシカ、小林の2小隊の訓練ベンチマークデータを用いたスーパーコンピュータによるシュミレーションでは、70~100機程度のHARMORを要する戦力クラスC、中堅国の機甲部隊を複数回、殲滅する事が出来るのだ。
この訓練2小隊の成績は、3機1小隊として世界最高峰のベンチマークデータなのだ。
すなわちこの訓練2小隊だけで、事実上、一国を武力制圧出来る能力があると戦力判定されているのだった。
もちろん、昨年の対馬戦役でのエイモスAIの実戦データを反映されていない上での分析結果だった。
もし椎葉きよしの昨年の対馬データを入れたなら、地球上、敵う国はないと噂をされているのだ。
その最強2小隊が守る千歳宙空ステーションにあるシーラス空港エリア。
そびえたつ、近代的な第2国防管制ビル。
その正体は、急襲攻撃型宙空機動艦、超ド級戦闘母艦(ウーラノス型1番艦)ウーラノス。
全長1,181メートルの巨大宙空戦闘母艦なのだ。
千歳宙空ステーション、第2国防管制ビルの内側には、ウーラノス艦橋上部の3分の1がはまっているのだ。
滑走路の地下の広大な領域には、この1000メートルを超すウーラノスの本体が収まっていた。
その地上を守る訓練2小隊と日本国陸軍、自衛隊の各戦闘オートマと、補給サンパチ車両。
メリッサが、横に立って正面モニターを見つめている御舩に報告した。
「訓練2小隊および日本国陸軍、自衛隊のオートマ、準備完了。いつでもご命令を。」
「よし。」
メリッサに顔を向けてから、桐生上級曹長に指示を出す御舩少将。
「では桐生君。」
データ入力の姿勢のままの桐生。
左うえの御舩を見た。
「桐生君、両小隊の作戦配置コード発信。作戦配置コードN、作戦装備コードRで。」
直ちにテキパキと、データ入力をしながら、答える桐生。
「はい、長官。各小隊へ、作戦配置コードN、作戦装備コードRで通知しました。」
「よし。コマンダーHARMORの待機ポジション通知。ヴァイシュラーヴァナ(毘沙門天:小林未央機)は第1ビル・ペントハウスの屋上。」
「了解。」
3Dコンソールに、素早く打ち込む桐生上級曹長。
「コーンボウラー(ジュリア・T・ジャクソン機)は第2ビル偽装固定部の正面ベランダで。」
「両コマンダーHARMORへ通知しました。」
「よし。次はスナイパー。両スナイパーHARMORの装備は、SHAALS(Simple High-Altitude Ascension Launch System:簡易高高度上昇ローンチシステム)装着でシーラスエリア・滑走路内を巡回待機。アタッカーHARMOR、装備現状そのまま。配置につき次第、高度警備巡回(ドローンおよび衛星リンク)開始。」
「はっ!両スナイパーHARMORはSHAALS装着後、巡回待機。両アタッカーHARMORは装備現状のまま、高度警戒巡回を通知しました。」
コマンド入力をしながら、キリッと返事をする桐生上級曹長。
訓練小隊に、今度は、重ねて小林小隊と、スミス小隊に音声司令を発信する桐生上級曹長だった。
「こちらウォーニホームCDC、チームヤンキー、チームズールーの各小隊配置および装備コード、ノーベンバーレイン。繰り返す配置および装備コード、ノーベンバーレイン。」
「ファーストキッチンにヴァイシュラーヴァナ(毘沙門天:小林機)、セカンドキッチンにコーンボウラー(ジュリア機)。」
「パールバディ・ワン(ファン・ルオ機)、パールバディ・ワン。ファニーダディ(リリアナ・ヒューズ機)と共にバーガーショップでローンチ・SHAALS《シャルス》を実装。」
「メティス(ジェシカ機)、ゴッド・オブ・シバ(椎葉機)。ノーマルウエポンで……。」
小隊長機のジェシカ、小林の目の前に、司令コマンドが3Dで浮かんだ。
応答する2機。
「こちらチームズールー了解。ロジャー。」
「こちらチームヤンキー了解。ロジャー。」
うなずく御舩。
「よし!メリッサ。地上混成のオートマ部隊、散開。直ちにレベル3(実弾装填と警戒)で配置。」
「はっ!」
小林とジェシカ小隊のお供の、日本国陸軍と自衛隊の(対空、対HARMOR無人部隊)混成部隊が動き出した。
( キュルキュル、ゴゴゴゴー! )
( キュルキュル、ゴゴゴゴー! )
( キュルキュル、ゴゴゴゴー! )
各々の配置に着く武装地上兵器のオートマ群。
一斉に展開を開始した。
報告するジェシカ。
「ウォーニホームCDC、こちらチームズールー、オーバー。準備完了。配置に着きました、ウィルコ。(行動完了)」
千歳シーラスワンの第2国防管制ビル(偽装艦橋ビル)前に整列する、ジェシカ・L・D・G・スミス中佐が率いる第90訓練小隊、TACコード「チーム・ズールー」の3機のHARMOR。
そのHARMORの3機の正面には新型105ミリ滑空砲2連装の31式機動戦闘車20輌と、対HARMOR・対空迎撃ミサイル装甲車のオートマ(英国製、無人装甲車エイジャックス)が、20輌が並んでいる。
ジェシカたち、HARMORの横にはHARMOR用装備補給車両で、専用の貨物車両を2台牽引した連結38式無人自走トレーラー乙型3輌が整列していた。
「ウォーニホームCDC、オーバー。こちらチームヤンキー(コードY:第81訓練小隊)。同じく配置に着きました。ウィルコ。」
毘沙門天(ヴァイシュラーヴァナ)に乗る小林が答えた。
スミス小隊、小林小隊の訓練2小隊が、敵上陸部隊から千歳シーラスワンを護衛するのだ。
たかが、訓練小隊と侮るなかれ。
そのジェシカ、小林の2小隊の訓練ベンチマークデータを用いたスーパーコンピュータによるシュミレーションでは、70~100機程度のHARMORを要する戦力クラスC、中堅国の機甲部隊を複数回、殲滅する事が出来るのだ。
この訓練2小隊の成績は、3機1小隊として世界最高峰のベンチマークデータなのだ。
すなわちこの訓練2小隊だけで、事実上、一国を武力制圧出来る能力があると戦力判定されているのだった。
もちろん、昨年の対馬戦役でのエイモスAIの実戦データを反映されていない上での分析結果だった。
もし椎葉きよしの昨年の対馬データを入れたなら、地球上、敵う国はないと噂をされているのだ。
その最強2小隊が守る千歳宙空ステーションにあるシーラス空港エリア。
そびえたつ、近代的な第2国防管制ビル。
その正体は、急襲攻撃型宙空機動艦、超ド級戦闘母艦(ウーラノス型1番艦)ウーラノス。
全長1,181メートルの巨大宙空戦闘母艦なのだ。
千歳宙空ステーション、第2国防管制ビルの内側には、ウーラノス艦橋上部の3分の1がはまっているのだ。
滑走路の地下の広大な領域には、この1000メートルを超すウーラノスの本体が収まっていた。
その地上を守る訓練2小隊と日本国陸軍、自衛隊の各戦闘オートマと、補給サンパチ車両。
メリッサが、横に立って正面モニターを見つめている御舩に報告した。
「訓練2小隊および日本国陸軍、自衛隊のオートマ、準備完了。いつでもご命令を。」
「よし。」
メリッサに顔を向けてから、桐生上級曹長に指示を出す御舩少将。
「では桐生君。」
データ入力の姿勢のままの桐生。
左うえの御舩を見た。
「桐生君、両小隊の作戦配置コード発信。作戦配置コードN、作戦装備コードRで。」
直ちにテキパキと、データ入力をしながら、答える桐生。
「はい、長官。各小隊へ、作戦配置コードN、作戦装備コードRで通知しました。」
「よし。コマンダーHARMORの待機ポジション通知。ヴァイシュラーヴァナ(毘沙門天:小林未央機)は第1ビル・ペントハウスの屋上。」
「了解。」
3Dコンソールに、素早く打ち込む桐生上級曹長。
「コーンボウラー(ジュリア・T・ジャクソン機)は第2ビル偽装固定部の正面ベランダで。」
「両コマンダーHARMORへ通知しました。」
「よし。次はスナイパー。両スナイパーHARMORの装備は、SHAALS(Simple High-Altitude Ascension Launch System:簡易高高度上昇ローンチシステム)装着でシーラスエリア・滑走路内を巡回待機。アタッカーHARMOR、装備現状そのまま。配置につき次第、高度警備巡回(ドローンおよび衛星リンク)開始。」
「はっ!両スナイパーHARMORはSHAALS装着後、巡回待機。両アタッカーHARMORは装備現状のまま、高度警戒巡回を通知しました。」
コマンド入力をしながら、キリッと返事をする桐生上級曹長。
訓練小隊に、今度は、重ねて小林小隊と、スミス小隊に音声司令を発信する桐生上級曹長だった。
「こちらウォーニホームCDC、チームヤンキー、チームズールーの各小隊配置および装備コード、ノーベンバーレイン。繰り返す配置および装備コード、ノーベンバーレイン。」
「ファーストキッチンにヴァイシュラーヴァナ(毘沙門天:小林機)、セカンドキッチンにコーンボウラー(ジュリア機)。」
「パールバディ・ワン(ファン・ルオ機)、パールバディ・ワン。ファニーダディ(リリアナ・ヒューズ機)と共にバーガーショップでローンチ・SHAALS《シャルス》を実装。」
「メティス(ジェシカ機)、ゴッド・オブ・シバ(椎葉機)。ノーマルウエポンで……。」
小隊長機のジェシカ、小林の目の前に、司令コマンドが3Dで浮かんだ。
応答する2機。
「こちらチームズールー了解。ロジャー。」
「こちらチームヤンキー了解。ロジャー。」
うなずく御舩。
「よし!メリッサ。地上混成のオートマ部隊、散開。直ちにレベル3(実弾装填と警戒)で配置。」
「はっ!」
小林とジェシカ小隊のお供の、日本国陸軍と自衛隊の(対空、対HARMOR無人部隊)混成部隊が動き出した。
( キュルキュル、ゴゴゴゴー! )
( キュルキュル、ゴゴゴゴー! )
( キュルキュル、ゴゴゴゴー! )
各々の配置に着く武装地上兵器のオートマ群。
一斉に展開を開始した。
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