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第13章 敵の名はチャイニーズ・アクシス。
第7話 戦慄!最強HARMOR、埠頭に立つ。
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JF-SOG2小隊の隊長のガンカメラの映像が、3Dで桐生上級曹長のコンソールの上に、ホログラフ映像で表示された。
2つの映像の中央で、踊っている少女が捉えられている。
「アルファーとブラボー。こちらウォーニホームCDC。シーエアラー(shot)およびパァパ(protection)を許可する。繰り返す、シーエアラーおよびパァパを許可する。送れ。」
少女が踊っている、正面の貨物船の甲板上部。
巨大な天井扉が4つ折りに畳まれて、開き終わった。
空を向いて、仰向けに格納してあるAXIS未登録の、最新HARMORの頭部から全身が現れた。
その貨物船の前で、殺人鬼の少女がクルクル回ったり、バレーリーナのような踊りをしている。
踊っている少女を日本国陸軍の特殊部隊の2小隊が、射撃姿勢のままゆっくり周りを囲んだ。
全く、意に介さないで踊り続ける少女。
アルファー小隊の隊長が答える。
マスクで口元が見えないが、恐らく訓練したのだろう射撃姿勢のままで、喉だけで答えている。
「アルファー了解。シーエアラーおよびパァパ確認。」
もう一人の隊長も答える。
「ブラボー了解。シーエアラーおよびパァパ確認。」
( カチャ、カチャ、カチャ。 )
( カチャ、カチャ、カチャ。 )
小隊全員が右親指で3点バーストモードに切り替えた。
そんな日本国陸軍の特殊部隊を小バカにするように、少女が踊りを止めて腹を抱えて笑い始めた。
「アーハハッ!アーハハッ!ククク。ハハハッー!アーハハハッ!」
やがて少女は、スッと背筋を伸ばして動きを止めた。
大きな目を見開いて、不気味な笑顔で振り向いた。
そして、首を縮めて真っ白い歯を出して更に不敵な笑顔になる。
その少女の動きに反応して、2人の隊長は腕を上げて部隊の足を止めた。
それでもお構いなく話始める少女。
貨物船の方に向いて両手を上げて大声を出した。
「キャハハハ~!エキドナーっ!目覚めろー!アーハハハッー!小日本人に貴女の力をお見せしな。」
開ききった貨物船の上部大型扉。
その奥の空間でHARMORの目が光る。
「アーハハハッー!」
再び踊り始める少女。
突然、貨物船から聞こえ始める物凄い音のバーニアの噴射ジェット音。
貨物室のチリやゴミが、物凄い音と共に空中に舞い上がった。
(( キィーン!ゴゴゴゴゴゴゴッー! ))
貨物船の貨物室上部から、突然高温による陽炎が立ち上る。
2人の隊長は少女に銃口を向けたままだが、部下の特殊部隊たちは、周りを警戒してキョロキョロ始めた。
すると、突然の爆発音。
(( ドンッ!バシュッー!ドババババー! ))
貨物船が爆発したと、錯覚するような爆発が起こった。
貨物船が中央部から爆炎と、大量の火花を上げたのだ。
いつの間にか少女は、特殊部隊の小隊の端に立っていた。
顎を引きながら更に不気味な笑い顔になる。
そして、綺麗な両手をスッとあげて、死の側転を始めた。
上空までジャンプした敵のHARMOR。
中華帝国連邦・人民解放軍陸軍、突撃人型装甲機「壊撃-4型 G-one」。
永世中立国のスイスが開催する、ワールドミリタリー・オンラインシュミレーション選手権、パワー・トゥルーパーズ・オンラインバトルで世界大会2位、参加名「昇竜」の新型の実機が出現したのだ。
それも、誰も見たことが無い、登録もされていないバージョンアップされた新型機体だった。
(( ドン!バシーン!ドカーン! ))
(( シュッ!バシーン!ドカーン! ))
他の貨物船2隻に搭載された2機の僚機も、瞬発バーニアを吹かして飛び出した。
高度300メートルまで上昇する「昇竜」。
臀部から脚部まで、下半身は竜の鱗の絵。
その鱗をまとい、腹部から上部は滑らかな装甲装備。
女性を思わせる妖艶な姿のモービルだった。
忍者の様に両アームを伸ばし、M字開脚をしたまま上空で止まった。
その昇竜HARMORの射撃モニター。
20名の特殊部隊員全てに、対人ロックオンしたのだ。
射撃モニターには笑いながら側転を始めた少女が映っている。そして、降下が始まると共に左アーム・マニュピレータの手首から出す銃口が火を噴いた。
(( ブブーッ!ブブーッ!ブーッ! ))
その少女の側転の跡を追いかけるように、上空からの機銃照射が始まったのだ。
貨物船からバーニアで飛び上がった昇竜HARMORが、地上に居る、特殊部隊員を真上からアーム部の12.7mmチェーンガンで攻撃していたのだ。
(( ブ、ブッ、ブーッ! ))
隊員1人1人を正確に倒していく。
上から潰れる様に、鮮血を飛び散らせて地面に、まさしく、地面へひっこむ様に射撃される特殊部隊員。
中には体ごと爆発するように飛び散る部隊員もいる。
「アハハッ!アハハハ!アハハハッ!」
側転する少女の跡には真上から射撃され地面の上に、血や肉の塊になる隊員たち。
貨物船の爆発から5秒もかからなかった。
血と、バラバラになった肉の塊が描いた円の中心に立つ少女。
ゆっくり目を閉じて白い歯を出して不敵な笑顔をした。
(( ドシンッ! ))
少女が乗るHARMOR、搭乗機の「エキドナ」が、ひざまついて着陸した。
続いて、フル装備、補給装備をまとった僚機2機も着陸した。
(( ドシンッ! ))
(( ドシンッ! ))
少女が、アゴを引いた姿勢で、ゆっくり目を開いた。
着弾した12.7ミリの地煙が、風でゆっくり通り過ぎた。
地面に描かれた鮮血と、肉の円が現れた。
円の外に立って、不敵に笑う少女だった。
少女の正面には、特殊部隊隊長の穴の開いたヘルメットを被った、生首が地面の上に転がっている。
ヘルメットのガンカメラが、少女に焦点を合わした。
千歳シーラスワンの正面巨大モニター。
朝日の逆光の中、斜めに映る不敵な笑顔の少女。
その少女の後ろで立ち上がる、3機の敵HARMOR。
オペレーション室の全員が、怒りの眼差しでモニターを見ている。
檀上の御舩とメリッサ。
怒りの眼差しで見ている。
自分達の初動対応の不手際を笑う様に、少女の笑顔を見て感じたのかも知れなかった。
まだ初動と言うのに敗北感が、その場の空気を占めた。
拳銃を持った少女の腕が、ゆっくり上がる。
正面モニターに、拳銃の銃口が向けられた。
(( パンパンッ! ザー……。))
真っ暗になるモニター。
その黒いままのモニターを睨み続ける御舩、メリッサ、そして全ての千歳シーラスワンの事務武官たち。
シーラス2ボーチャンの球体司令室。
上も、下も、前も、後ろも。
球形司令室の各国事務武官たちが、厳しい表情で、真っ黒のモニターを見ている。
初動報告が遅れたアメリカ宙軍・情報事務武官の2人。
大きく目を見開いて、まばたきもしないで睨みながら悔し涙をした。
無重力空間に浮遊する悔し涙の粒。
涙の粒の奥に映る、中央に浮かぶ3Dモニター。
キツイ眼で見つめるソスノフスカと清水が、つかまり棒を持ったまま浮遊していた。
◇ ◇
第4部作が終わりました。
次回、第5部作「「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ~マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! 跳べ!跳べ!跳べ! No2.」ですよ。
椎葉きよしの少年時代もいよいよ佳境に入りました。
巨大ロボ大戦の幕開けです。
お楽しみに~♪
2つの映像の中央で、踊っている少女が捉えられている。
「アルファーとブラボー。こちらウォーニホームCDC。シーエアラー(shot)およびパァパ(protection)を許可する。繰り返す、シーエアラーおよびパァパを許可する。送れ。」
少女が踊っている、正面の貨物船の甲板上部。
巨大な天井扉が4つ折りに畳まれて、開き終わった。
空を向いて、仰向けに格納してあるAXIS未登録の、最新HARMORの頭部から全身が現れた。
その貨物船の前で、殺人鬼の少女がクルクル回ったり、バレーリーナのような踊りをしている。
踊っている少女を日本国陸軍の特殊部隊の2小隊が、射撃姿勢のままゆっくり周りを囲んだ。
全く、意に介さないで踊り続ける少女。
アルファー小隊の隊長が答える。
マスクで口元が見えないが、恐らく訓練したのだろう射撃姿勢のままで、喉だけで答えている。
「アルファー了解。シーエアラーおよびパァパ確認。」
もう一人の隊長も答える。
「ブラボー了解。シーエアラーおよびパァパ確認。」
( カチャ、カチャ、カチャ。 )
( カチャ、カチャ、カチャ。 )
小隊全員が右親指で3点バーストモードに切り替えた。
そんな日本国陸軍の特殊部隊を小バカにするように、少女が踊りを止めて腹を抱えて笑い始めた。
「アーハハッ!アーハハッ!ククク。ハハハッー!アーハハハッ!」
やがて少女は、スッと背筋を伸ばして動きを止めた。
大きな目を見開いて、不気味な笑顔で振り向いた。
そして、首を縮めて真っ白い歯を出して更に不敵な笑顔になる。
その少女の動きに反応して、2人の隊長は腕を上げて部隊の足を止めた。
それでもお構いなく話始める少女。
貨物船の方に向いて両手を上げて大声を出した。
「キャハハハ~!エキドナーっ!目覚めろー!アーハハハッー!小日本人に貴女の力をお見せしな。」
開ききった貨物船の上部大型扉。
その奥の空間でHARMORの目が光る。
「アーハハハッー!」
再び踊り始める少女。
突然、貨物船から聞こえ始める物凄い音のバーニアの噴射ジェット音。
貨物室のチリやゴミが、物凄い音と共に空中に舞い上がった。
(( キィーン!ゴゴゴゴゴゴゴッー! ))
貨物船の貨物室上部から、突然高温による陽炎が立ち上る。
2人の隊長は少女に銃口を向けたままだが、部下の特殊部隊たちは、周りを警戒してキョロキョロ始めた。
すると、突然の爆発音。
(( ドンッ!バシュッー!ドババババー! ))
貨物船が爆発したと、錯覚するような爆発が起こった。
貨物船が中央部から爆炎と、大量の火花を上げたのだ。
いつの間にか少女は、特殊部隊の小隊の端に立っていた。
顎を引きながら更に不気味な笑い顔になる。
そして、綺麗な両手をスッとあげて、死の側転を始めた。
上空までジャンプした敵のHARMOR。
中華帝国連邦・人民解放軍陸軍、突撃人型装甲機「壊撃-4型 G-one」。
永世中立国のスイスが開催する、ワールドミリタリー・オンラインシュミレーション選手権、パワー・トゥルーパーズ・オンラインバトルで世界大会2位、参加名「昇竜」の新型の実機が出現したのだ。
それも、誰も見たことが無い、登録もされていないバージョンアップされた新型機体だった。
(( ドン!バシーン!ドカーン! ))
(( シュッ!バシーン!ドカーン! ))
他の貨物船2隻に搭載された2機の僚機も、瞬発バーニアを吹かして飛び出した。
高度300メートルまで上昇する「昇竜」。
臀部から脚部まで、下半身は竜の鱗の絵。
その鱗をまとい、腹部から上部は滑らかな装甲装備。
女性を思わせる妖艶な姿のモービルだった。
忍者の様に両アームを伸ばし、M字開脚をしたまま上空で止まった。
その昇竜HARMORの射撃モニター。
20名の特殊部隊員全てに、対人ロックオンしたのだ。
射撃モニターには笑いながら側転を始めた少女が映っている。そして、降下が始まると共に左アーム・マニュピレータの手首から出す銃口が火を噴いた。
(( ブブーッ!ブブーッ!ブーッ! ))
その少女の側転の跡を追いかけるように、上空からの機銃照射が始まったのだ。
貨物船からバーニアで飛び上がった昇竜HARMORが、地上に居る、特殊部隊員を真上からアーム部の12.7mmチェーンガンで攻撃していたのだ。
(( ブ、ブッ、ブーッ! ))
隊員1人1人を正確に倒していく。
上から潰れる様に、鮮血を飛び散らせて地面に、まさしく、地面へひっこむ様に射撃される特殊部隊員。
中には体ごと爆発するように飛び散る部隊員もいる。
「アハハッ!アハハハ!アハハハッ!」
側転する少女の跡には真上から射撃され地面の上に、血や肉の塊になる隊員たち。
貨物船の爆発から5秒もかからなかった。
血と、バラバラになった肉の塊が描いた円の中心に立つ少女。
ゆっくり目を閉じて白い歯を出して不敵な笑顔をした。
(( ドシンッ! ))
少女が乗るHARMOR、搭乗機の「エキドナ」が、ひざまついて着陸した。
続いて、フル装備、補給装備をまとった僚機2機も着陸した。
(( ドシンッ! ))
(( ドシンッ! ))
少女が、アゴを引いた姿勢で、ゆっくり目を開いた。
着弾した12.7ミリの地煙が、風でゆっくり通り過ぎた。
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円の外に立って、不敵に笑う少女だった。
少女の正面には、特殊部隊隊長の穴の開いたヘルメットを被った、生首が地面の上に転がっている。
ヘルメットのガンカメラが、少女に焦点を合わした。
千歳シーラスワンの正面巨大モニター。
朝日の逆光の中、斜めに映る不敵な笑顔の少女。
その少女の後ろで立ち上がる、3機の敵HARMOR。
オペレーション室の全員が、怒りの眼差しでモニターを見ている。
檀上の御舩とメリッサ。
怒りの眼差しで見ている。
自分達の初動対応の不手際を笑う様に、少女の笑顔を見て感じたのかも知れなかった。
まだ初動と言うのに敗北感が、その場の空気を占めた。
拳銃を持った少女の腕が、ゆっくり上がる。
正面モニターに、拳銃の銃口が向けられた。
(( パンパンッ! ザー……。))
真っ暗になるモニター。
その黒いままのモニターを睨み続ける御舩、メリッサ、そして全ての千歳シーラスワンの事務武官たち。
シーラス2ボーチャンの球体司令室。
上も、下も、前も、後ろも。
球形司令室の各国事務武官たちが、厳しい表情で、真っ黒のモニターを見ている。
初動報告が遅れたアメリカ宙軍・情報事務武官の2人。
大きく目を見開いて、まばたきもしないで睨みながら悔し涙をした。
無重力空間に浮遊する悔し涙の粒。
涙の粒の奥に映る、中央に浮かぶ3Dモニター。
キツイ眼で見つめるソスノフスカと清水が、つかまり棒を持ったまま浮遊していた。
◇ ◇
第4部作が終わりました。
次回、第5部作「「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ~マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! 跳べ!跳べ!跳べ! No2.」ですよ。
椎葉きよしの少年時代もいよいよ佳境に入りました。
巨大ロボ大戦の幕開けです。
お楽しみに~♪
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