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第12章 攻撃型海中移動基地「海神(ワタツミ)級」の2番艦「須佐之男命(スサノオ)」
第3話 呂号潜、帰投準備!
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呂号潜、CIC左舷コントロール・エリア。
2人の女性操縦士が潜水艦を操舵していた。
副操縦士が右を振り向き艦長に報告する。
「接舷準備開始予告。キャプテン、状況報告。当艦からシーエアラー(スサノオ)まで4キロ。周辺に障害物、異常は認められない。半径10キロ周囲に敵サブマリン、存在認められない。僚艦3隻の接近を確認。呂号潜2、伊号潜1確認。3隻より接近信号確認。エイモス・リンケージはイネーブル。データ共有始めました。」
それに答えてうなずくデイビース艦長。
アゴを掻きながらピーチ副長に指示を出す。
「よし。ナンバーワン(ピーチ副長)。シーエアラー2キロ前、接舷準備。」
「イエッサー。シーエアラー2キロ前、接舷準備。」
ニッコリしながら近況を映すメインモニターを見るデイビース艦長。
反対にモニターを見ながら腕を組み直すピーチ副長が首から下げた複雑なインカムを頭部に装着しながら歩いて行き、2人の女性操縦士の椅子に手を掛けた。
モニターを見ながら指示を出す。
無音海中航行の元、呂号潜の両サイドにある磁気推進から、細かい動きが出来て自由度の高い海流を噴き出す、よくあるジェット推進エンジンに切り替えるのだ。
「シーエアラーまで2.5キロメートル、マグネティック・サイドプロポーション・メインスラスターオフ(側舷磁気推進装置)準備。サブ・フィジカルスラスター(物理補助動力)・イグニッション準備。」
「イエッサー。」
左舷の女性副操縦士が操作を開始した。
副操縦士が喉のインカムマイクを押さえて機関室に指示を出す。
「イエッサー。接舷距離設定開始。シーエアラー2キロ手前で停止前減速します。機関室、メインスラスターオフ準備。サブフィジカルスラスターイグニッション準備開始。準備出来次第点火する。」
呂号潜の機関室。
機関室作業員が、サブスラスターのウォータージェットエンジンの状況を確認し始めた。そしてインカムで操縦士に報告をする。
「こちら機関室。サブフィジカルスラスターエンジン、イグニッションシステム良好。……フュージョンバッテリー(核融合電池)良好、サブスラスターとのコネクション完了。いつでも行けます。」
機関室に応えながら、横に立っている副長の斜め上を見ながら報告する女性操縦士。
「CIC了解。……副長、準備完了しました。」
「よし。サブフィジカルスラスターエンジン、イグニッション。」
「イエッサー!サブフィジカルスラスターエンジン、イグニッション!」
機関室では無音で高出力の新型潜水艦用プラズマアークエンジンの始動状態を見ている。
「スラスターエンジン、イグニッション確認。イグニッション成功。アーク放電、プラズマ放電共に安定。……負荷係数39。更に縮小……係数ゼロ確認。エンジン、アイドルー。CIC、サブスラスターイネーブルです。」
3人で機関モニターを見る。
2人の操縦士の肩を叩いて労うピースだった。
素早く艦長席の横へ戻った。
椅子の上でニッコリするデイビース艦長だった。
「了解。ナンバーワン、後は任せる。」
副長の肩をポンッと叩いて椅子から降りるデイビース艦長。
代わりにピーチ副長が席に座った。
その横から、海上自衛隊のCIC女性士官が、2人分の紙コップにコーヒーを入れて立っていた。
「キャプテン。コマンダー。コスタ(コーヒー)です。」
「おー、有難う。ルテナン・ミズタニ(水谷一等海尉)」
「あ、有難う。ミズタニ。」
2人は女性自衛官からコービーをもらいニコニコした。
紙コップのバナーを見て眉を上げてニッコリするデイビース艦長。
一口飲んで再びニッコリする艦長だった。
そこへCIC入室のブザー。
( ビーッ。 )
振り向く日本人女性自衛官、水谷一等海尉。
コーヒーを飲みながら、椅子から身を乗り出して覗く副長と振り向く艦長。
入り口の武装警備歩哨が防水ドアを軽く開けて確認し、声を上げる。
「キャプテン。カクタス、ラクシュミー、ゴブリン、CIC入ります。」
3人は素早くCICに入室して、並んで敬礼をした。
2人の女性操縦士が潜水艦を操舵していた。
副操縦士が右を振り向き艦長に報告する。
「接舷準備開始予告。キャプテン、状況報告。当艦からシーエアラー(スサノオ)まで4キロ。周辺に障害物、異常は認められない。半径10キロ周囲に敵サブマリン、存在認められない。僚艦3隻の接近を確認。呂号潜2、伊号潜1確認。3隻より接近信号確認。エイモス・リンケージはイネーブル。データ共有始めました。」
それに答えてうなずくデイビース艦長。
アゴを掻きながらピーチ副長に指示を出す。
「よし。ナンバーワン(ピーチ副長)。シーエアラー2キロ前、接舷準備。」
「イエッサー。シーエアラー2キロ前、接舷準備。」
ニッコリしながら近況を映すメインモニターを見るデイビース艦長。
反対にモニターを見ながら腕を組み直すピーチ副長が首から下げた複雑なインカムを頭部に装着しながら歩いて行き、2人の女性操縦士の椅子に手を掛けた。
モニターを見ながら指示を出す。
無音海中航行の元、呂号潜の両サイドにある磁気推進から、細かい動きが出来て自由度の高い海流を噴き出す、よくあるジェット推進エンジンに切り替えるのだ。
「シーエアラーまで2.5キロメートル、マグネティック・サイドプロポーション・メインスラスターオフ(側舷磁気推進装置)準備。サブ・フィジカルスラスター(物理補助動力)・イグニッション準備。」
「イエッサー。」
左舷の女性副操縦士が操作を開始した。
副操縦士が喉のインカムマイクを押さえて機関室に指示を出す。
「イエッサー。接舷距離設定開始。シーエアラー2キロ手前で停止前減速します。機関室、メインスラスターオフ準備。サブフィジカルスラスターイグニッション準備開始。準備出来次第点火する。」
呂号潜の機関室。
機関室作業員が、サブスラスターのウォータージェットエンジンの状況を確認し始めた。そしてインカムで操縦士に報告をする。
「こちら機関室。サブフィジカルスラスターエンジン、イグニッションシステム良好。……フュージョンバッテリー(核融合電池)良好、サブスラスターとのコネクション完了。いつでも行けます。」
機関室に応えながら、横に立っている副長の斜め上を見ながら報告する女性操縦士。
「CIC了解。……副長、準備完了しました。」
「よし。サブフィジカルスラスターエンジン、イグニッション。」
「イエッサー!サブフィジカルスラスターエンジン、イグニッション!」
機関室では無音で高出力の新型潜水艦用プラズマアークエンジンの始動状態を見ている。
「スラスターエンジン、イグニッション確認。イグニッション成功。アーク放電、プラズマ放電共に安定。……負荷係数39。更に縮小……係数ゼロ確認。エンジン、アイドルー。CIC、サブスラスターイネーブルです。」
3人で機関モニターを見る。
2人の操縦士の肩を叩いて労うピースだった。
素早く艦長席の横へ戻った。
椅子の上でニッコリするデイビース艦長だった。
「了解。ナンバーワン、後は任せる。」
副長の肩をポンッと叩いて椅子から降りるデイビース艦長。
代わりにピーチ副長が席に座った。
その横から、海上自衛隊のCIC女性士官が、2人分の紙コップにコーヒーを入れて立っていた。
「キャプテン。コマンダー。コスタ(コーヒー)です。」
「おー、有難う。ルテナン・ミズタニ(水谷一等海尉)」
「あ、有難う。ミズタニ。」
2人は女性自衛官からコービーをもらいニコニコした。
紙コップのバナーを見て眉を上げてニッコリするデイビース艦長。
一口飲んで再びニッコリする艦長だった。
そこへCIC入室のブザー。
( ビーッ。 )
振り向く日本人女性自衛官、水谷一等海尉。
コーヒーを飲みながら、椅子から身を乗り出して覗く副長と振り向く艦長。
入り口の武装警備歩哨が防水ドアを軽く開けて確認し、声を上げる。
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3人は素早くCICに入室して、並んで敬礼をした。
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