「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち

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第11章 敵の陽動作戦、残存部隊を殲滅せよ。

第3話 噂話とクシャミの関係。

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 アフロダイテイの林少尉が、送ったデータ映像や進捗アニメーションは至る所に送られていた。

宇宙でも。

自衛隊共同第3、月衛星基地の基地司令室CDCルーム。
 
 その大画面前で、司令の遠藤宙空将補やウィルソンRSF少将たちと、厳しい顔をして見ている椎葉繁1等宙佐。

          ◇
 
栗山町でも。

 オディアの覚醒バタバタ事件も一息ついていた3人の叔母様。その仕事場の医療サンパチトレーラー。
 
 医療管理モニターの前で、頬杖をしてポツンとひとりで見ているオリエッタ博士。

 旦那のローマンが乗っているだろうAA-1の矢印の先をボーっと見ていた。そのトレーラーの入れ口で、モニターを見た京子が慌ててサンダルを脱いで入って来た。
 
「あらあら、あら、ローマンパパでしょオリー。(そうみたい。)ちょっと、ちょっと麗子!台湾、始まったよ。」
 
「えっ?来たっ!来たの!」
 
 お代わりの煎餅を入れたお盆を持って、慌てて上がってくる麗子。モニターを覗いた。
 
「どれ、どれ~。オー、やってるやってる。」
 
 体をオリエッタに引っ付けて解説した。
 チロッと横目で麗子を見るオリエッタ。麗子が持って来た煎餅の袋を破る。モニターに人差し指をツンツンする麗子だった。
 
「お姉ちゃん、オリー!こ、こ、これ、この下の矢印は気化爆弾でしょ。(知らなーい。)(そうなん?)これ新型のマーク2だっけ?ウチのリーリンとキャロル・ウッチーで既存のエアースパーク4をEMS対応にいじって開発してさ、台湾に納品した奴だよ。これこれっ!絶対マーク2。」
 
「ホントに使うんだぁ。大量破壊兵器……ふ~ん。」
 
 ニコニコしながら、ペットボトルのお湯を急須に入れて回す麗子。
 
「あははっ。絶対マーク2だわ。気化燃料も、なんだかさ。ミッキー(神保主任)が月裏でたまたま見つけた素材でさ。新開発の気化燃料らしいべさ。」
「ふ~ん……。」
 
 話に興味がない京子とオリエッタ。
 
「お姉ちゃん、同質量のエタノールの20倍!20倍の気化拡散スピードだって、お姉ちゃん。もう、早々ミッキーがHARMORの整備工場でプラズマ溶接バーナー用に使ってるって。これ~、生物兵器や毒ガスに使われたら、エライ事になるわ。あ~怖っ。もしこれが、この画面の矢印がマーク2なら、古い原爆の4倍の衝撃波がはじけるらしいよ。なんせ仕上げはリーリン大先生だから、あ~怖っ!」
 
 煎餅を持ったまま、横に座る京子。
 
「あ~怖って、アンタたち。ホントに。」
 
 ジロッと麗子を見る京子。
 その視線を見て、豪快に笑う妹の麗子だった。
 
「ガハハハッ!まぁ思いっきり地獄に落ちるでしょうね。お姉ちゃん、ガハハハッ。」
 
 チロッと視線を京子に返してから真顔になる麗子。
 
「はぁ……興味ない。カリッポリッ。」
 
 全く動じない麗子だった。そして頬杖をついた。
 
「弟子のキャロル・ウッチーお得意の対電子兵器。電子機器にとっては死の粉かぁ。さぁてどうなる事か。ん?カリッポリッ。これまた仕上げはリーリンだから、間違いなくガツーンと敵の電子兵器に効くんだろうなぁ。カリッポリッ。」
 
「ふ~ん……。」
 
 感心するのか,呆れるのか。麗子を冷たい流し目で見てから立ち上がる京子。

「なんか、しょっぱい(塩辛い)の飽きた。甘いもん持って来る。オリーは?」
 
「あ~、朝焼いたアップルパイ、母屋の台所に入ってるよ~。」
 
「おー、サンキュウ。持って来るわ。」
 
「あ、お姉ちゃん。私もってくるべさ。紅茶も入れるわ。よっこいしょ。」
 
 オリエッタの肩を使って立ち上がる麗子。
 つかつかとズッ掛けを履いてサンパチから母屋に向かった。
 麗子の後ろ姿を見る京子。
 
 サンパチの出入口、母屋の屋根上から見える、薄い早朝の青空をボーっと見ていた。

          ◇        
 
 最大船速で海中を進むAS潜1番艦「ワタツミ」のD区画(夫婦)ルーム。薄いオレンジ色の照明のベットルーム。
 
「……ハッ、ハッ、ハックション!クション!あ~もうぅズルっ。ね”~パパぁ、あ~ズルズル。ディッシュ取ってぇ。」
 
「……んっ?あいよ~。」
 
「あ、あんがと。カサカサ、チ~ン。う~もう1回、カサカサ、チ~ン。ん~ポイッ。」
 
 ゴミ箱にかんだ鼻紙を投げる妻のキャロル。
 
「パパ、あんがと。ハイ。」
 
 箱ティッシュをはじめに渡す妻。目をつむったまま受け取る夫のはじめ。
 
「ん。あいよ。」
 
 箱ティッシュをベットの棚に置くはじめ。
 
( コトッ。 )
 
「ん?……?」
 
 シーツから顔だけ出してキョロキョロしてから、またシーツにくるまって寝るキャロル・シンガー・内方博士だった。

          ◇
 
 千歳宙空ステーション。
 そのシーラスエリアのポーランド宇宙軍が使用している第13倉庫の脇の広場。
 
 直径5メートル、長さ20メートルの円筒(宙空戦戦艦用ハイパー・エンジン本体)を積んだ巨大トレーラが10台止まっていた。その奥には先程、バルトッシュたちに新型アーマーを積んだ、中型と言え大きな空荷のトレーラーがズラーっと並んでいた。
 
 その内の1台、円筒が積まれた荷台に立って、円筒の中へ上半身を入れてゴソゴソと作業をしている女性がいた。
 
 妊娠8か月の身重でショートカットの可愛らしい女性だった。腰を両手で押さえながら、円筒から身を出した。
 
「腰にギューッとくる。腰、痛タタ。」
 
 腰を伸ばしながら整備扉を閉じ、タオルで顔や首の汗を拭いた。
 
「ふぅ。暑い。」
 そして、作業台に置いてある紙コップにペットボトルの水を足して一気に飲んだ。
 
「ひゃーっ。ひと段落。とりあえずぅ、とりあえずぅオーケーっと。後は試運転でおわ~り。え~と、亜光速シールドの空間防壁の展開領域と、とぉ、え~展開時間のチェックだけかぁ。まま、この戦、終わってからにしようっと。あー、朝から疲れた。リーリン!エライエライ。」
 
 作業台に、クリスタルパソコンや整備点検用具を整理して置いていると、女性の足元にHEVジムニーが止まった。
 
 ツナギの整備服を着た中年の男性がニコニコしならジムニーから降りて来た。そして顔を上に向けて荷台の女性に話しかけた。
 
「おーい!リーリンっ!リーリン大先生ー。奥様ー!」
 
 足元を見る女性。
 
「あん、パパ。」
 
「もう、レッドアラート発動だ。苫小牧にいよいよ敵上陸だ。避難勧告から避難命令へ変わった。迎えに来たぞ。」
 
「はい、はい。降りるわ。ちょっと待って。さっきもね、」
 
「ん?」
 
「ルオがさ。」
 
「おう、ルオ。あそこで待機しているな。」
 
 1キロ以上先に、ルオのパールバディー・ワンが警戒巡回をしていた。
 
「ルオがさ、あそこから何気なく、警戒巡回のフリしてパールバディでここまで歩いてきて、マァマ何してるの~って。見に来たのよ。ふふっ。」
 
「そりぁ、お腹の大きいマァマを心配するだろうよ。」
 
「そうか、そうよね。ふふっ。」
 
 リーリンが、トラックの荷台に付いている大きなエレベーターに乗って、昇降ボタンをおして作業台と共にゆっくり降りて来た。
 お腹をさするリーリン。
 
「もう、リーリン。エンジン調整は俺たちに任せてくれればさ。」

 
 手を差し伸べて愛妻を労わる黄部長。
 
「はは、よいしょっと。でも、この子たち(パイパードライブエンジン)。私の初めてプロデュースしたドライブ・モーターなんだし。アップデイトでも、完璧にしないとぉ心配でさ。でもとりあえず終わったわ。」
 
「もう、几帳面で完璧主義の奥様なんだから。で、どうだった?」
 
「パパたちのアップデイト作業と整備は完璧よ!」
 
 真っ白い歯をだして、親指を上げるリーリン。
 
「お!あっそー、あー良かった。ははっ。リーリン大先生のお墨付きになったな。あははっ。」
 
「うふふっ。……あっ……ハァハァ、ハクション!」
 
 くしゃみと同時にお尻を押さえるリーリン。
 
「何、何、風邪?お腹か?」
 
「違う、違う~。ハクション!ズルズル。あ、誰か私の悪口か、噂話してるなぁ。ハクション!もう。クシャミしたら赤ちゃん出そうな気になって。お尻押さえてしまった。ははっ。」
 
「ははっ。噂の主は京子姉さん?麗ちゃんか?」
 
「うふふ。」
 
 空や、奥に立っているルオのパールバディなど周りを覗いて、鼻をこするリーリンだった。
 
「もう、パパっ。何時?お腹空いた。」
 
「もう7時か。多分、そういうと思ってさ、奥様見て!ジャジャーン!」
 
 ジムニーの助手席のドアを開けて、手を広げる黄部長。
 2人分の朝食を用意したバスケットと紅茶とスープが入っているのであろう、細いポット2本もジムニーの助手席に置いてあった。
 
「移動しながらか、それとも豪華絢爛の13番倉庫のポー軍の食堂で食べようと思って2人分モーニング持って来た。」
 
「あ~ん、パパ、うれしいわぁ。」
 
「シラス食堂の甲賀さんのお婆ちゃんに避難レベルを伝えにいったら、ちょうどお婆ちゃん、通常食から戦闘食に切り替えで仕込み中だったのさ。ウーラノス用に3000食作るって。軍のPAパートのお婆ちゃんたち総出で。仕切ってたな。甲賀さんのお婆ちゃん。もう80近いのにエライ馬力でさ。リーリンの話になってさ。妊婦さんは3食食べないとダメだからって。無駄になってもいいから持っていきなって。即興でサッサと、朝食セット作ってもらった。凄いわー!まだ朝6時なのに。」
 
「さすがパパ。ありがとうパパ。パチパチパチ!CHU」
 
 夫の黄技術部長の頬にキスをする愛妻のリーリン。いつまでも仲の良い夫婦だった。
 
「ここ(千歳)まで敵が来るとは限らんし。時間あるだろうと思ってさ。1番から13番倉庫までは核攻撃位は平気ですからね。私の開発した、戦艦と同じアンチショックウェーブスポイラーも全倉庫に装備してるし。そこでゆっくり食べればってさ。思って。あはは。爆撃機来たら、地下の戦略システムシェルターがウーラノス運搬通路に避難すればいいからさ。」
 
「ん~、じゃーパパ。このトレーラーでいいよ。総木目調で豪華絢爛だし。綺麗なトイレも完備してるし。水も核融合電池からでる超純水だぁし~。通信機器もバッチりだし。簡易キッチン、豪華ソファ、ゴージャスなベットもあって、ほんと豪華なキャンピングカーですから。」
 
「おっ。フランス製はトレーラーでもなんでも、おしゃれだよな。了~、了~。そうだそうだ、このトレーラー。本国では長距離運搬で、数日移動前提のトレーラーだからな。家より豪華だったな。」
 
 整備中の宙空戦艦用ハイパー・ドライブエンジンを積んだフランス製巨大トレーラーの居住部、豪華なソファで夫婦2人仲良く朝食を採るのだった。
 
「クシュン!」
 
「あ、また麗ちゃんたちかぁ?あはは。」
 
「うふふっ。」
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