31 / 85
第5章 海上保安庁ヘリ。
第2話 海南島沖のツナミ。
しおりを挟む
朝日が昇り始め、明るくなったハイナン島(海南島)沖合の海上。
穏やかな海に浮かぶ数隻の中国漁船団。
政府船の主導の元、中国漁船団は集団で定置網漁をしていたのだ。
その漁師たちが、定置網を仕掛けている時に、海の異変に気が付いたのだ。
甲板の端で作業している年配の漁師が目を細めて海上を見た。
「ん?ん?えー、なんだぁ?」
こちらに向かって盛り上がる海面を見て、ビックリして叫んだ。
「オイオイッ!オイッー!あ、あれ見ろっあれ!あれっ!」
作業する手を止めて、監視している政府役人に訴える、海の異変に気が付いた漁師。
面倒くさそうにその年配の漁師に近寄る役人。
「あ~なんだ、サボるなよ忙しい。こっちの仕事しろ。仕事に集中しろ!ケガするぞ!サボるなっ!」
近寄った役人の袖を引っ張って、海の方へ指をさす漁師。その持った袖を無理矢理はがす役人。
「引っ張るな、失礼な!逮捕するぞっ!」
再び袖をひっぱって、指で、沖の方を指さして訴える漁師だった。
「バカっ!オイ見ろ!あれ、あれだ!」
他の同僚の漁師たちも、網を送る手を止めて、首を伸ばして沖合を見始めたのだ。
「なんだ、お前たちも手を、休める……、ん?」
1人のリーダー格の漁師が、盛り上がる海面を見て、両手を上げた。
「はぁい?なんじゃー!う、うわーっ!」
リーダー格の漁師の目線に合わせて、首を伸ばして沖を見る役人。
「お、お、おわー、海が盛り上がって。何、何。」
ようやく気が付いた役人。
逃げるように指示を始める。
「何、何、うわー船室に逃げろー、津波、津波、津波!」
パニックになる甲板だった。
「うわわ~、逃げろ~。」
「船内に、逃げろーっ!」
「たすけてくれーっ!」
甲板の網はそのままに、大急ぎで船内に飛び込んで行った。
その定置網漁の船団の中で、最も大きい政府の漁船が、船団の1番北部にいた。
その艦橋の正面に立ち、双眼鏡でハイナン島方面を覗く船長。
「なんだ!この海域で地震が起きたのか。オイ、航海士。確認っ!」
後方で海図の書き込み作業していた航海士の若い船員が双眼鏡を覗く船長に呼ばれて振り向いた。
「船長、何でしょう。」
「いいから、これ、早く!見ろ。」
その船団の水深80メートルでワタツミが加速途中の時速90キロで通過していく。
突然、甲板では定置網を固定しているロープが次々音を立てて切れていき、船が大きく傾いた。
「うわー!網が引っ張られるー。」
ぐるっと船が回り初めて後方へ、引っ張られていく。
そして、網のロープが次々に切れた。
( ギギギー、バシッバシッバシッ! )
何が起きたのか解らない船員達だった。訳も解らず甲板ではパニックになっている。
( うわー! )
( 助けてー!うわー! )
大きく揺れる艦橋の中でも何かに掴まる船長や航海士、通信士達。
「えっ!部分的に海が盛り上がって、って。警戒警報!お願いします。」
引きずられて、大きく傾く船室。
船長や、航海長が周りを落ち着いて見た。
左右の凪いだ海上と、正面の盛り上がる海面を見て恐怖を感じる航海長。
波が来る前に、船が意味も無く、先に海底へ引きずられるおかしな状況だった。
「うわー、やはり海底火山の爆発か?いや、地震による局地的な津波なのか!なぜ、先に船が引きづられるのだ!とにかく、航海長っー警報ー!警報ーっ!」
艦内に響き始める警鐘。
( ジリリリリリー!ジリリリリー! )
船外では大型船が警報を鳴らす。
( ク、ク、クオーン!ク、ク、クオーン! )
海の異変に気が付いた小型漁船は定置網を捨て、盛り上がる海の方に船首を大急ぎで向け始めた。
揺れる艦内で船長が船内放送のマイクを持ってアナウンスを大急ぎでした。
「津波が発生、乗組員は作業中止!ドア付近にいる者はドアを閉めろ!何かに掴まれ!甲板や外に居る者は何かに掴まれー!急げー!津波が来るぞー!来たー!」
上空から見ると、先に進む黒い巨大な長方形の物体がどんどん進んで行く。
その物体が進む後方500メートル位には、大きな波を大海原に立てて進んで行った。
波の高さが、約20メートルの津波が中国の漁船団を襲った。
大きく上下に揺すられる漁船団。
時速120キロに達しても、さらに更に加速するワタツミ。通過した後の海上では大きな波が立つのだ。
穏やかな海に浮かぶ数隻の中国漁船団。
政府船の主導の元、中国漁船団は集団で定置網漁をしていたのだ。
その漁師たちが、定置網を仕掛けている時に、海の異変に気が付いたのだ。
甲板の端で作業している年配の漁師が目を細めて海上を見た。
「ん?ん?えー、なんだぁ?」
こちらに向かって盛り上がる海面を見て、ビックリして叫んだ。
「オイオイッ!オイッー!あ、あれ見ろっあれ!あれっ!」
作業する手を止めて、監視している政府役人に訴える、海の異変に気が付いた漁師。
面倒くさそうにその年配の漁師に近寄る役人。
「あ~なんだ、サボるなよ忙しい。こっちの仕事しろ。仕事に集中しろ!ケガするぞ!サボるなっ!」
近寄った役人の袖を引っ張って、海の方へ指をさす漁師。その持った袖を無理矢理はがす役人。
「引っ張るな、失礼な!逮捕するぞっ!」
再び袖をひっぱって、指で、沖の方を指さして訴える漁師だった。
「バカっ!オイ見ろ!あれ、あれだ!」
他の同僚の漁師たちも、網を送る手を止めて、首を伸ばして沖合を見始めたのだ。
「なんだ、お前たちも手を、休める……、ん?」
1人のリーダー格の漁師が、盛り上がる海面を見て、両手を上げた。
「はぁい?なんじゃー!う、うわーっ!」
リーダー格の漁師の目線に合わせて、首を伸ばして沖を見る役人。
「お、お、おわー、海が盛り上がって。何、何。」
ようやく気が付いた役人。
逃げるように指示を始める。
「何、何、うわー船室に逃げろー、津波、津波、津波!」
パニックになる甲板だった。
「うわわ~、逃げろ~。」
「船内に、逃げろーっ!」
「たすけてくれーっ!」
甲板の網はそのままに、大急ぎで船内に飛び込んで行った。
その定置網漁の船団の中で、最も大きい政府の漁船が、船団の1番北部にいた。
その艦橋の正面に立ち、双眼鏡でハイナン島方面を覗く船長。
「なんだ!この海域で地震が起きたのか。オイ、航海士。確認っ!」
後方で海図の書き込み作業していた航海士の若い船員が双眼鏡を覗く船長に呼ばれて振り向いた。
「船長、何でしょう。」
「いいから、これ、早く!見ろ。」
その船団の水深80メートルでワタツミが加速途中の時速90キロで通過していく。
突然、甲板では定置網を固定しているロープが次々音を立てて切れていき、船が大きく傾いた。
「うわー!網が引っ張られるー。」
ぐるっと船が回り初めて後方へ、引っ張られていく。
そして、網のロープが次々に切れた。
( ギギギー、バシッバシッバシッ! )
何が起きたのか解らない船員達だった。訳も解らず甲板ではパニックになっている。
( うわー! )
( 助けてー!うわー! )
大きく揺れる艦橋の中でも何かに掴まる船長や航海士、通信士達。
「えっ!部分的に海が盛り上がって、って。警戒警報!お願いします。」
引きずられて、大きく傾く船室。
船長や、航海長が周りを落ち着いて見た。
左右の凪いだ海上と、正面の盛り上がる海面を見て恐怖を感じる航海長。
波が来る前に、船が意味も無く、先に海底へ引きずられるおかしな状況だった。
「うわー、やはり海底火山の爆発か?いや、地震による局地的な津波なのか!なぜ、先に船が引きづられるのだ!とにかく、航海長っー警報ー!警報ーっ!」
艦内に響き始める警鐘。
( ジリリリリリー!ジリリリリー! )
船外では大型船が警報を鳴らす。
( ク、ク、クオーン!ク、ク、クオーン! )
海の異変に気が付いた小型漁船は定置網を捨て、盛り上がる海の方に船首を大急ぎで向け始めた。
揺れる艦内で船長が船内放送のマイクを持ってアナウンスを大急ぎでした。
「津波が発生、乗組員は作業中止!ドア付近にいる者はドアを閉めろ!何かに掴まれ!甲板や外に居る者は何かに掴まれー!急げー!津波が来るぞー!来たー!」
上空から見ると、先に進む黒い巨大な長方形の物体がどんどん進んで行く。
その物体が進む後方500メートル位には、大きな波を大海原に立てて進んで行った。
波の高さが、約20メートルの津波が中国の漁船団を襲った。
大きく上下に揺すられる漁船団。
時速120キロに達しても、さらに更に加速するワタツミ。通過した後の海上では大きな波が立つのだ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
「メジャー・インフラトン」序章2/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節FIRE!FIRE!FIRE! No1. )
あおっち
SF
敵の帝国、AXISがいよいよ日本へ攻めて来たのだ。その島嶼攻撃、すなわち敵の第1次目標は対馬だった。
この序章2/7は主人公、椎葉きよしの少年時代の物語です。女子高校の修学旅行中にAXIS兵士に襲われる女子高生達。かろうじて逃げ出した少女が1人。そこで出会った少年、椎葉きよしと布村愛子、そして少女達との出会い。
パンダ隊長と少女達に名付けられたきよしの活躍はいかに!少女達の運命は!
ジャンプ血清保持者(ゼロ・スターター)椎葉きよしを助ける人々。そして、初めての恋人ジェシカ。札幌、定山渓温泉に集まった対馬島嶼防衛戦で関係を持った家族との絆のストーリー。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! No2.
あおっち
SF
海を埋め尽くすAXISの艦隊。
飽和攻撃が始まる台湾、金門県。
海岸の空を埋め尽くすAXISの巨大なロボ、HARMARの大群。
同時に始まる苫小牧市へ着上陸作戦。
苫小牧市を守るシーラス防衛軍。
そこで、先に上陸した砲撃部隊の砲弾が千歳市を襲った!
SF大河小説の前章譚、第5部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
我ら新興文明保護艦隊
ビーデシオン
SF
もしも道行く野良猫が、百戦錬磨の獣戦士だったら?
もしも冴えないサラリーマンが、戦争上がりのアンドロイドだったら?
これは、実際にそんな空想めいた素性をもって、陰ながら地球を守っているエージェントたちのお話。
※表紙絵はひのたけきょー(@HinotakeDaYo)様より頂きました!
「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
あおっち
SF
脈々と続く宇宙の無数の文明。その中でより高度に発展した高高度文明があった。その文明の流通、移動を支え光速を超えて遥か彼方の銀河や銀河内を瞬時に移動できるジャンプ技術。それを可能にしたジャンプ血清。
その血清は生体(人間)へのダメージをコントロールする血清、ワクチンなのだ。そのジャンプ血清をめぐり遥か大昔、大銀河戦争が起こり多くの高高度文明が滅びた。
その生き残りの文明が新たに見つけた地、ネイジェア星域。私達、天の川銀河の反対の宙域だった。そこで再び高高度文明が栄えたが、再びジャンプ血清供給に陰りが。天の川銀河レベルで再び紛争が勃発しかけていた。
そして紛争の火種は地球へ。
その地球では強大な軍事組織、中華帝国連邦、通称「AXIS」とそれに対抗する為、日本を中心とした加盟国軍組織「シーラス」が対峙していたのだ。
近未来の地球と太古から続くネイジェア星域皇国との交流、天然ジャンプ血清保持者の椎葉清らが居る日本と、高高度文明異星人(シーラス皇国)の末裔、マズル家のポーランド家族を描いたSF大河小説「メジャー・インフラトン」の前章譚、7部作。
第1部「太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」。
ジャンプ血清は保持者の傷ついた体を異例のスピードで回復させた。また血清のオリジナル保持者(ゼロ・スターター)は、独自の能力を飛躍的に引き上げる事が出来たのだ。
第2次大戦時、無敵兵士と言われた舩坂弘氏をモデルに御舩大(ミフネヒロシ)の無敵ふりと、近代世界のジャンプ血清保持者、椎葉きよし(通称:お子ちゃまきよし)の現在と過去。
ジャンプ血清の力、そして人類の未来をかけた壮大な戦いが、いま、始まる――。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
本格的な戦闘シーンもあり、面白い場面も増えます。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
「メジャー・インフラトン」序章3/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 FIRE!FIRE!FIRE!No2. )
あおっち
SF
とうとう、AXIS軍が、椎葉きよしたちの奮闘によって、対馬市へ追い詰められたのだ。
そして、戦いはクライマックスへ。
現舞台の北海道、定山渓温泉で、いよいよ始まった大宴会。昨年あった、対馬島嶼防衛戦の真実を知る人々。あっと、驚く展開。
この序章3/7は主人公の椎葉きよしと、共に闘う女子高生の物語なのです。ジャンプ血清保持者(ゼロ・スターター)椎葉きよしを助ける人々。
いよいよジャンプ血清を守るシンジケート、オリジナル・ペンタゴンと、異星人の関係が少しづつ明らかになるのです。
次の第4部作へ続く大切な、ほのぼのストーリー。
疲れたあなたに贈る、SF物語です。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる