「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち

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第4章 新たな仕事。

第8話 内方はじめとキャロル・シンガー・ウチカタ。

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 静かになるDDCルームの周辺。

「……クククッ。いつまで、騒いでるんだ、あのビッチ。アハハハッ。」
 
 残り笑いのガイザー。

 そんなガイザーの肩を苦笑いして叩く内方中佐。

 「J」博士に振り向いて行った。
 
「とにかくJ博士、もし調査依頼が正式に決まったら、早めに連絡して下さい。まだまだ、私のチーム、内偵途中の案件が詰まってますから。優先順位を決めなければなりませんので。」
 
 急に眼が大きくなって、内方にからむ「J」博士こと、キャロル・シンガー博士。
 
「何、何っ、はじめちゃん!アナタまだ仕事あんの。ふ~ん仕事熱心だなぁって。えっ……デート出来ないじゃない。」
 
 デートの言葉に反応する少女たち。
 お互いを見合って驚いた。
 
「えっ?」
「えっ?」
「デートって、マジッ?え、マジッ?」

 そんな少女を見ながら、お構いなしに、内方はじめに絡む「J」博士。
 
「もぅ次、いつ付き合ってくれるの?ベットだって綺麗にしないといけないし。部屋の片づけもこの間したのにぃプンプン。この間、ベットの中で次の仕事なんて言わなかったじゃない!はじめちゃん。プンプン。」
 
 内方の腕に絡みながら、あからさまに付き合っているのを明かす「J」博士だった。
 
 普段と全く様子の違って男に甘えるシンガー博士( 「J」博士 )を見て驚く少女たち。
 
 腰痛で苦しんでいた痛みはどこへやら。
 口を閉じたまま、ビックリしてアゴを落として真顔で内方を見るトラッシュ。
 
 ガイザーは、いつもの痴話なのか、トラッシュや少女たちを見渡して口をへの字に、また手の平を開いて呆れていた。
 
 内方も、「J」博士も、特に照れる様子も無く、それどころか男女の何らかを堂々とチームに見せているのだった。
 
 どこに隠していたのか、いつの間に持って来ていたのか、情報特務隊のベレー帽を被る内方はじめ。

 ジロッと女博士を見て愛想笑いをして、チーム全員の方に体を向けて軽く敬礼をした。
 
 トラッシュが立ち上がり、ビシッとガイザーも両手を太ももに付けた。

 ポカーンとする少女たちに整列を促すガイザー。

 そんな中、「J」博士が連れて来たニコニコする2人の兵士に、言った。
 
「2人とも。その子を私の研究室に。スイッチとかそのままでいいわ。軽いからそのまま、放っておいて。永久電源ですから。電源が入ったままでいいです。」

( はっ! )

 レールガンを持った2人の兵士は敬礼し、奥のエレベーターに向かった。
 
 「J」博士は白衣のポケットに手を突っ込んだまま、下を向いて壁に背中を付けている。

 少し怒っているようでもあった。
 
 少女たちとトラッシュがそんな「J」博士と、気にも留めない内方少佐の2人を見ていた。

 しかしトラッシュや愛子たちの上官は、みんなのムードに全くお構いなしだった。

 その上官、内方が訓示を始めた。
 
 先にガイザーが号令をかける。


( よし、きよーつけー! )
 

(( ザッ! ))

( 休めっ! )

(( はっ! ))

( 全員傾聴っ! )

(( はっ! ))
 

「よしっ!全員いいか。それではここで、本日は解散する。おのおの明後日、2日後だ。6月27日「ワタツミ」時間(日本標準時)、マルナナ・マルマル時(朝7時)に、第2ブリーフィングルームに集合する。ガイザー小隊、エイモス5と、現在、津軽海峡で作戦行動中のチーム曽根10名と合流。情報本部の青山リーダー含め、全18名が集合する。内偵項目の刷新と優先順位の打ち合わせである。シーラス日本本部・奈良橿原本部で御舩閣下、郭閣下達とオリジナル・ペンタゴンの本会議がある。全員が参加予定である。よって広島の呉でオーバーホール予定のポーランド海軍空母打撃群、機動艦隊旗艦「エミリア・プラテル」に搭乗予定ではある。が、しかし戦時下で「エミリア・プラテル」も現在、作戦行動中で状況が大きく変わる可能性もある。スマハンドはいつでも受信できるように。追って連絡する。それまで2日間、体を十分休めるように。それまで基本、自由行動だ。学習、教練はなし。ただし、現在、同盟国軍は先ほどの御舩閣下のお話の通りチャイニーズアクシスと戦闘状態にある。そして、このワタツミもこれから対軍事衛星、対大陸弾道弾撃墜オペレーションに入り既にレッドアラートでもある。しかしだ。我々はあくまでも別動隊だ。周りがざわついているだろうから、自室にて待機しておくように。「ワタツミ温泉」は本日ヒトヒト(11)時までだ。それ以降は戦闘状況解除まで、入室出来ない。まぁ体を休めるのも仕事だ。よろしいか。戦闘が始まる前にワタツミ温泉にでもゆっくり浸かって休んでくれ。以上だ。」
 

(( はっ! ))


 ニコニコとするガイザーやトラッシュ、少女たちだった。

 今現在の朝4時過ぎから明後日の朝7時まで、丸々2日、暇にできるのだった。
 
 チームにとって暫くぶりの骨休みなのだった。

 ニカッと白い歯をだして号令する内方。

 
「それでは~、解散っ!」


(( はっ! ))


 敬礼をする内方とチーム・ウッチーたち。

 敬礼の腕を内方が下げると、その内方に白衣のJ博士が腰に手を回し、2人が引っ付いてエレベーターホールに向かった。

 時折、欧米人のようにキスをしながら歩いて行く。

 そんな2人を目をマルマル見開いて驚いて見るトラッシュと少女たちだった。
 
 横からガイザーが、ニコニコしながら5人に言った。
 
「2人は夫婦だけど、お前ら知らなかったか?」
 

(( っえー! )) 
 
(( マジっすか! ))
 

 目一杯驚く、大男と少女たち。
 ベレー帽を取って頭を掻くトラッシュ。
 
「マジですか?このチームに入って4か月、全く気が付きませんでした。愛ちゃんたちは?」
 
 素早く左右に顔を振る少女たち。
 あっけにとられた愛子。
 
「私も全然、気が付かなかった。J博士に毎日勉強とか、武器の訓練やら受けてるけどぉ。あー2人見たら鳥肌立った。結衣は?」
 
 顔をぶるぶる左右に振る佐藤結衣。
 
「ぶるぶる、ぶるぶる。じぇんじぇん。絵里は?」
 
「私もぶるぶるぶるっ。今日まで人を見る余裕なんてない。麗子は?」
 
「ぶるぶるぶるっ。あ~驚き次郎っ。」
 
 眉の間を掻きながらトラッシュが、大笑いした。
 
「はは、なんじゃ驚き次郎って。ラーメン屋か?あはは。でもビックリ。参ったな。」
 
 愛子たちを呆れてふふふ、と軽く笑いながらガイザーが、トラシュが座ってた椅子を逆にした。

 背もたれに組んだ腕を乗せて、顎を乗せてだるそうに話す。
 
「もう、キャップも、J博士も結婚して3年位になるかな?」
 
「えー、そんな前に結婚していたんですか。」
 
 驚く佐藤結衣。

 その時、サイレンが鳴り始めた。

 そしてサイレンと共にシーラスマザーのアナウンスが入った。
 

(( ウォウオーン!ウォウオーン!ウォウオーン! ))

(( ウォウオーン!ウォウオーン!ウォウオーン! ))
 
 
 サイレンに緊張し、DDCの廊下や天井を見渡すトラッシュや愛子たち。

 それに対照的に目をつむったまま大あくびをして腰をボリボリ掻くガイザー。
 
 えっ?と、緩んでるガイザーを見る愛子たちだった。
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