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第2章 攻撃型母衛星基地「シーラス2ボーチャン。」
第4話 急げ!迫る、作戦変更可能リミット!
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千歳シーラスワン戦略戦術オペレーションルームのメイン画面にシャトルの発射モニターが映し出されている。
早朝のまだ薄ら暗い青空に吸い込まれる、鋭い3本の煙をトレースしていた。
そのモニターを、ベランダ壇上に立ったまま、厳しい顔で見つめている御舩司令長官。
その御舩の横にメリッサは速足でやって来た。
振り向く御舩に端末を渡した。
急ぎ、報告書を目で追う御舩だった。アゴを掻きながら。
「まだ、AXISの最終目標が解らんのか。メリッサ?ビッグターン(大気圏高高度のシャトル・ターン)まで、後何分だ。金門県は近場だから3分位か?」
「ハイ閣下。2分20秒後にビックターン。進路変更猶予ほぼ1分。ローマン大佐も、ルフェーブル機長も情報待機中です。」
「内方エイモスチームから入電は?」
「ございません。閣下まだ、内方中佐たちは回収の潜水艦に向かってジムニーで水中移動、あっ。」
スマハンドの時計を表示してチラッとみるメリッサ秘書官。
「いえ、艦内で、すでにウイスキー(ある基地のTACコード)で全員減圧中です。すみません。」
「構わん。そうか、そうか。ビッグターンのカウントダウン表示、大きく見せてくれ。」
即座に喉へインカムマイクを当てて指示を出すメリッサ。
現在は地球儀レイアウトにビック・マム(大型シャトル)のローマンたち第1陣と、次の第2陣の進路が表示されていた。
その画面から下の階のオペレーター事務次官が正面モニターに大きく2つのカウントダウン表示を変更した。
左のブルーのカウントダウン数字は進路変更可能時間、右の赤のカウントダウン数字はビッグターンまでの時間だ。
「メリッサ、館内オープン回線。」
「はっ。館内オープン回線にします。」
メリッサは軽く敬礼をして御舩のやり取りをオペレーションルーム全体に流すよう指示をした。
下のオペレーションルームの事務武官やオペレーターたちはインカムの片耳を外したり、インカムを机において待機する者がいたり、全員がカウントダウンに注目した。
もし、中華帝国連邦、AXISの攻撃型潜水母艦の最終攻撃目標が解れば、今向かっているオービターの進路、台湾金門県への急襲攻撃の作戦がガラッと変わる可能性があるからだった。
全部隊を最終攻撃地の援護に回すのか、オービター「ビッグマム」の第1陣だけを金門県に向けて、第2陣以降を最終攻撃目標に回すのか。
国内の防衛戦略が大きく変わるのだった。
御舩が後ろを振り向くと、内方・エイモスチームの自衛隊の女性担当者と目があった。
その担当者の席に行って、オペレーター席のテーブルに腕を付いた。
直ぐにインカムを渡す内方・エイモスチームの担当事務武官。
担当者にうなずきながら、インカムを貰って内方中佐に話しかけようとした時、その女性事務武官が御舩の腕を掴みながら話し掛ける。
その女性は、エイモスチーム担当自衛隊女性上級隊員でシーラス情報特務部隊の作戦参謀。
情報集約リーダーの航空宙空自衛隊1等宙佐の青山明美(後の自衛隊シャトル女性サブガンナーの青山由里香の実母)だった。
「閣下、中佐たちは潜水艦内で減圧中です。今回は深度回収の為、減圧終了まで後40分かかります。ましてや、戦端が開かれた今、通常通信は無理です。訓練の最中ですが感応波通信でやってみてはいかがですか?」
「あっ、成る程。センシティヴ通信か。そうしてくれ。」
館内に響く、青山1等宙佐と御舩のやりとり。
作戦変更可能時間が50秒を切っていた。
ハラハラドキドキして司令を待つ事務武官とオペレーターたち。
通信を通常通信から感応波通信に切り替える青山1等宙佐。
半透明の3Dモニターの端に赤い枠で(SWC Sensitive Wave Communication)の表示がされた。御舩にうなずいて目で合図する青山1等宙佐。
「内方君、聞こえるか?御舩だ。」
( 内方君、聞こえるか?御舩だ。 )
変更可能時間が40秒を切る。
それを見つめる千歳シーラスワン、ウーラノスCDC、戦略オペレーションルームの事務武官たち。
しばらくの無音が続く。
早朝のまだ薄ら暗い青空に吸い込まれる、鋭い3本の煙をトレースしていた。
そのモニターを、ベランダ壇上に立ったまま、厳しい顔で見つめている御舩司令長官。
その御舩の横にメリッサは速足でやって来た。
振り向く御舩に端末を渡した。
急ぎ、報告書を目で追う御舩だった。アゴを掻きながら。
「まだ、AXISの最終目標が解らんのか。メリッサ?ビッグターン(大気圏高高度のシャトル・ターン)まで、後何分だ。金門県は近場だから3分位か?」
「ハイ閣下。2分20秒後にビックターン。進路変更猶予ほぼ1分。ローマン大佐も、ルフェーブル機長も情報待機中です。」
「内方エイモスチームから入電は?」
「ございません。閣下まだ、内方中佐たちは回収の潜水艦に向かってジムニーで水中移動、あっ。」
スマハンドの時計を表示してチラッとみるメリッサ秘書官。
「いえ、艦内で、すでにウイスキー(ある基地のTACコード)で全員減圧中です。すみません。」
「構わん。そうか、そうか。ビッグターンのカウントダウン表示、大きく見せてくれ。」
即座に喉へインカムマイクを当てて指示を出すメリッサ。
現在は地球儀レイアウトにビック・マム(大型シャトル)のローマンたち第1陣と、次の第2陣の進路が表示されていた。
その画面から下の階のオペレーター事務次官が正面モニターに大きく2つのカウントダウン表示を変更した。
左のブルーのカウントダウン数字は進路変更可能時間、右の赤のカウントダウン数字はビッグターンまでの時間だ。
「メリッサ、館内オープン回線。」
「はっ。館内オープン回線にします。」
メリッサは軽く敬礼をして御舩のやり取りをオペレーションルーム全体に流すよう指示をした。
下のオペレーションルームの事務武官やオペレーターたちはインカムの片耳を外したり、インカムを机において待機する者がいたり、全員がカウントダウンに注目した。
もし、中華帝国連邦、AXISの攻撃型潜水母艦の最終攻撃目標が解れば、今向かっているオービターの進路、台湾金門県への急襲攻撃の作戦がガラッと変わる可能性があるからだった。
全部隊を最終攻撃地の援護に回すのか、オービター「ビッグマム」の第1陣だけを金門県に向けて、第2陣以降を最終攻撃目標に回すのか。
国内の防衛戦略が大きく変わるのだった。
御舩が後ろを振り向くと、内方・エイモスチームの自衛隊の女性担当者と目があった。
その担当者の席に行って、オペレーター席のテーブルに腕を付いた。
直ぐにインカムを渡す内方・エイモスチームの担当事務武官。
担当者にうなずきながら、インカムを貰って内方中佐に話しかけようとした時、その女性事務武官が御舩の腕を掴みながら話し掛ける。
その女性は、エイモスチーム担当自衛隊女性上級隊員でシーラス情報特務部隊の作戦参謀。
情報集約リーダーの航空宙空自衛隊1等宙佐の青山明美(後の自衛隊シャトル女性サブガンナーの青山由里香の実母)だった。
「閣下、中佐たちは潜水艦内で減圧中です。今回は深度回収の為、減圧終了まで後40分かかります。ましてや、戦端が開かれた今、通常通信は無理です。訓練の最中ですが感応波通信でやってみてはいかがですか?」
「あっ、成る程。センシティヴ通信か。そうしてくれ。」
館内に響く、青山1等宙佐と御舩のやりとり。
作戦変更可能時間が50秒を切っていた。
ハラハラドキドキして司令を待つ事務武官とオペレーターたち。
通信を通常通信から感応波通信に切り替える青山1等宙佐。
半透明の3Dモニターの端に赤い枠で(SWC Sensitive Wave Communication)の表示がされた。御舩にうなずいて目で合図する青山1等宙佐。
「内方君、聞こえるか?御舩だ。」
( 内方君、聞こえるか?御舩だ。 )
変更可能時間が40秒を切る。
それを見つめる千歳シーラスワン、ウーラノスCDC、戦略オペレーションルームの事務武官たち。
しばらくの無音が続く。
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