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第1章 Never Can Say Goodbye.
第2話 運命の6月25日、グランド・ゼロ。
しおりを挟む【 運命の西暦2038年(令和20年)僕のグランドゼロ。6月25日早朝 】
朝日が緩やかに差し込み始めた早朝のAXIS(中華帝国連邦)、準指定都市の厦門市。
そこは台湾の金門県、の直ぐ目の前。
そう、ここは台湾の最西端の向いの土地なのだ。
台湾の金門県と、AXISとの海峡国境である。
過去、中華人民共和国が執拗に台湾・金門県に対し、21年もの長期間に渡り、砲撃をしていた因縁の土地なのだ。
中華人民共和国北部戦区いわゆる旧・瀋陽戦区の飛び地でもあり今は女真帝国と呼ぶ満州族の軍隊が支配していた飛び地。
2年前、北部戦区が女真帝国に独立。
この厦門の飛び地を占拠し人民共和国東部戦区と徹底抗戦していたが、初期のシラス加盟国軍、日本・米国・波蘭(ポーランド)・英国・仏国の勧めで多数の住民と共に、満州地区に撤退したのだ。
そんな事情のある厦門という土地。
その国境都市厦門にAXISの正規軍、人民解放軍、中央委員会直属の機甲部隊が続々と大集結していた。
朝から厦門市の市民は、観光フェリーや車で早朝から避難を始めていた。
噂が噂を呼び、帝国政府の避難勧告が一切されない中で自主避難を始めていたのだ。
大陸方面へぎっしりならぶ車やバス、そして徒歩で避難する市民の行列。
それが大陸方面まで続いていたのだ。
その反対の車線に戦車タイプの155ミリ自走榴弾砲の大群が、逆に走り抜けて来ていた。
大型コンテナ軍用トラックで運ばれる機動モービルのHARMOR、機動歩兵のWALKERが満載された兵員武装装甲車、巡航ミサイル搭載車、対艦ミサイル、対空ミサイルの車両が数珠つなぎで走行している。
その人民解放軍の兵器の長い車列に目を見張る避難民たち。
「また、長い、長い砲撃戦が始まるのかね。もう、うんざり。」
「やっぱり厦門は……もう、懲りないわね。」
「あなたはどうするの?」
「はははっ。生きて、たどり着けたらだけど。ははっ。もうさ、大連の息子と娘の所に行くわ。」
「歩いて大連って!わー遠い。陸で行くの?船で遼東半島に渡るの?でも、途中で解放軍に撃たれない?」
「皇帝(愛新覚羅溥儀 新女真帝國皇帝)は満州の人民を誰一人見捨てないわ。大丈夫よ。」
「私もついて行こうかなぁ。でもこんな軍の列は初めて見るわ。」
「もう、見てるだけで具合が悪くなる。うんざり。2年前、一緒に家族と満州に行けばよかった。もう、後悔。もう面倒くさい。観光客を当てにして、商売なんて。あはは。もう、大失敗。」
「でも、この軍隊の列。何処まで続いてるの?もう、私もうんざりよ。」
避難民の中の多くいる高齢者達が、思い思いのゼスチャーをしてからゆっくり歩き始めた。
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