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第6章 親友との再会。(敵視点ver)
第4話 戦時下のリムジンと国連旗。
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国連旗と国連宇宙軍旗、そして真っ赤なAXIS旗がたなびく占領軍のキャンプ地。
( AXIS中央軍事委員会、東北省 北海峡県 臨時統合指揮キャンプ本部 )
一番端の大きなテントにはそう書かれていた。
時折、漂っている黄色の分厚い低い雲が、テントを照らす日差しを遮ぎった。
ショッピングモールのエントランスを早足で出る楊司令。
ここで迎えの車を待つハズだったが、正面を歩き続けた。
唐大校も慌てて警護兵と衛士のパワードスーツを引き連れて、楊の後を追った。
ゾロゾロと、大勢を引き連れて後を追ったのだ。
大きな声で唐に話しかける楊。
「どうだぁ、日本人を裏切る、裏切り者の日本人の様子は。はははっ!我が同志の仕事は。おーやってる。やってる。はははっ。」
道が整備され始めた苫小牧市内。
道路補修の日本語で(安全第一)と書かれた十勝ナンバーのトラックが運んできたアンドロイドと、道路補修の大型重機の無人パワー・モービルが、区画を分けてきっちり道路補修作業を初めていた。
もうビルや建物のガレキなど目に留まる範囲にはなく、元市街地の国道周辺は綺麗になり始めていた。
楊司令に敬礼し、後ろに立つ唐。
楊が笑いながら話しかける。
トラックドライバーだろうか、奥のほうで挨拶する日本人。
手を挙げて返礼をする楊。
「なぁ唐よ。」
「はっ。」
一歩前に出て楊の話に耳を傾ける唐大校。
「日本人って素晴らしいだろう。だけどなぁ。」
「は?だけどとは、いかがされましたか?閣下、私の亡き祖母は、熊本の日本人ですから気になります。」
一瞬だまって唐の肩を持った。
作業するトラックドライバーへ、ゆっくり目を向ける楊司令。
「まぁ、我が帝国の場合、敵の裏切り者を真っ先に消すんだな。残念ながら平和ボケの日本人はわかってない。我が国に対する、日本の甘い防衛教育の怠慢のおかげだ。」
「はあ……。」
「逆に言うと、昭和の世からから続く我が国の超限戦の効果のひとつだな。よくやった日本の反日教育業界だな。しかし、私は働き者の同志を逆に夜にでもフードコートで労いたい。いいか?唐よ。まだ、彼らを殺すなよ。」
「は?しかし、中央からは今夜にも粛清との指示が。」
「ふんっ!構わない。また明日も仕事するだろうからな。綺麗な寝床の準備もしてやれ。何棟か無傷のホテルがあると聞いている。」
「は!」
西側の道路の奥から、日本の白バイ2台に警備されながらリムジンが向かって来た。
「ハハハッ。もう笑うしかないわ。日本の警察や役場にも同志がいるんだな。日本の白バイにリムジンか。」
「はっ。恐らく在日〇国人や帰化した同志たちが手配したものだと思います。」
「そうか、日本のマスコミや政界と同じか。上陸して2時間も経たずに敵の警察に警護されるって、あはは。笑うしかないわ。本当に悲しい国だな。」
派手な回転灯を回して白バイとリムジンが来た。
唐大校の肩をポンポンと叩いてから道を避ける楊司令たちだった。
そのリムジンが楊司令たち前に止まると、助手席から知った顔の制服軍人が立ち上がった。
その人物はおかしな緊張をして敬礼をしてから後ろドアを開いた。
なんと、連絡が取れなかったパワード・スーツWALKER部隊の責任者で、中隊長の苗小校だった。
苗の顔を一瞬マジマジとみる楊司令。
「プハッ!アハハハッ。」
すぐに噴き出して、笑いながら奥のシートに収まった。
( AXIS中央軍事委員会、東北省 北海峡県 臨時統合指揮キャンプ本部 )
一番端の大きなテントにはそう書かれていた。
時折、漂っている黄色の分厚い低い雲が、テントを照らす日差しを遮ぎった。
ショッピングモールのエントランスを早足で出る楊司令。
ここで迎えの車を待つハズだったが、正面を歩き続けた。
唐大校も慌てて警護兵と衛士のパワードスーツを引き連れて、楊の後を追った。
ゾロゾロと、大勢を引き連れて後を追ったのだ。
大きな声で唐に話しかける楊。
「どうだぁ、日本人を裏切る、裏切り者の日本人の様子は。はははっ!我が同志の仕事は。おーやってる。やってる。はははっ。」
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もうビルや建物のガレキなど目に留まる範囲にはなく、元市街地の国道周辺は綺麗になり始めていた。
楊司令に敬礼し、後ろに立つ唐。
楊が笑いながら話しかける。
トラックドライバーだろうか、奥のほうで挨拶する日本人。
手を挙げて返礼をする楊。
「なぁ唐よ。」
「はっ。」
一歩前に出て楊の話に耳を傾ける唐大校。
「日本人って素晴らしいだろう。だけどなぁ。」
「は?だけどとは、いかがされましたか?閣下、私の亡き祖母は、熊本の日本人ですから気になります。」
一瞬だまって唐の肩を持った。
作業するトラックドライバーへ、ゆっくり目を向ける楊司令。
「まぁ、我が帝国の場合、敵の裏切り者を真っ先に消すんだな。残念ながら平和ボケの日本人はわかってない。我が国に対する、日本の甘い防衛教育の怠慢のおかげだ。」
「はあ……。」
「逆に言うと、昭和の世からから続く我が国の超限戦の効果のひとつだな。よくやった日本の反日教育業界だな。しかし、私は働き者の同志を逆に夜にでもフードコートで労いたい。いいか?唐よ。まだ、彼らを殺すなよ。」
「は?しかし、中央からは今夜にも粛清との指示が。」
「ふんっ!構わない。また明日も仕事するだろうからな。綺麗な寝床の準備もしてやれ。何棟か無傷のホテルがあると聞いている。」
「は!」
西側の道路の奥から、日本の白バイ2台に警備されながらリムジンが向かって来た。
「ハハハッ。もう笑うしかないわ。日本の警察や役場にも同志がいるんだな。日本の白バイにリムジンか。」
「はっ。恐らく在日〇国人や帰化した同志たちが手配したものだと思います。」
「そうか、日本のマスコミや政界と同じか。上陸して2時間も経たずに敵の警察に警護されるって、あはは。笑うしかないわ。本当に悲しい国だな。」
派手な回転灯を回して白バイとリムジンが来た。
唐大校の肩をポンポンと叩いてから道を避ける楊司令たちだった。
そのリムジンが楊司令たち前に止まると、助手席から知った顔の制服軍人が立ち上がった。
その人物はおかしな緊張をして敬礼をしてから後ろドアを開いた。
なんと、連絡が取れなかったパワード・スーツWALKER部隊の責任者で、中隊長の苗小校だった。
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「プハッ!アハハハッ。」
すぐに噴き出して、笑いながら奥のシートに収まった。
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