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第5章 占領、苫小牧市。
第7話 チーム・内方集合。
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台湾海峡から日本海のEZ領域にようやく侵入した潜水母艦の「ワタツミ」だった。
次第に海中で減速をはじめ、伊号潜や呂号潜が「ワタツミ」へ、ドッキングを始めた。
愛子たちが、手術控室のゆるい上がり斜面を登っていくと、明るいガラス・エリアの前で、内方たちが手術台のある下側を見ていた。
肩にカスケード・アーマー・スーツ破り弾で負傷したベクターの手術が始まるのだ。
奥に内方とガイザー。
中村・スーザン・幸子も、手術室のある下を心配そうに見ていた。
中村は減圧室で体調を崩し、別室で治療を受けていたようだったが、無事に体調も戻ったようだった。
( あ、サッチー! )
手前で見ていたトラッシュが愛子たちに気が付いた。
「ん?愛ちゃん来たか。」
「あ。来た来た。愛~。」
中村・スーザン・幸子も気が付いてトラッシュと一緒に愛子たちの所に来た。
トラッシュと中村・スーザン・幸子と、お互い敬礼を交わす少女たち。
そんな少女たちに気を使うデカブツのトラッシュ。
「あ。愛ちゃんたち、移動の準備終わった?」
「トラッシュさん。終わったよ。準備オッケー。」
「愛ちゃん、ここは搬入ラインで斜面だから、荷物はここに置くよ。」
優しいトラッシュは、口よりも手が先に動いた。
斜面の壁の荷物置き場には、内方たちの荷物が並んで置いてあった。
そこに少女たちの荷物を軽くサッサと置くトラッシュ。
愛子が、トラッシュの腰に手をやって聞いた。
「え、トラッシュさん。腰は大丈夫。」
「2時間も寝たから平気だよ。それより、愛ちゃん。あっちに行こう。ベクターの手術が始まるみたいだよ。」
「あ、ベクターさん。」
「ドクター「 J 」と、ドクター「 F 」が執刀するみたい。」
「ふ~ん……。」
唇を尖らして、伸ばした手を後ろで組んでトラッシュの後ろをついて行く愛子と、佐藤結衣たち。
愛子たちが来て振り向く、内方はじめとガイザー。
(( お疲れ様です。 ))
2人に敬礼する愛子、結衣、麗子と絵里。
中村・スーザン・幸子と、トラッシュはベクターの手術を見るためにガラス窓から下を見始めた。
ベクターの手術室の前に、「ワタツミ」に乗り込んだチーム・内方の全員が揃った。
手術中のベクターを見るガイザーやチーム内方の面々。
ドクター「F」こと、ドクター・フライッシュマンが、執刀していた。
手術室に、「J」博士も助手を引き連れて入って来た。
チーム員の目線に気がつくベクター。
目を開けて内片やガイザーたちを見た。
ガイザーが大きな口で、声を出さずに「頑張れ。」と、言った。
ベクターも、大きな瞼をゆっくり閉じて答える。
その内、ガイザーの後ろから、自衛隊の料理主任、徳さんも歩いてきた。
徳さんの「金曜カレーと徳さんプリン」は、ベクターがめっぽうお気に入りなのだ。
徳さんは、瓶詰めの特製プリンを袋から出して、持ちあげてベクターに見せた。
目が笑うベクター。
安心して目を閉じて頷いた。
「J」博士が、ガラス室からのぞく夫の内方中佐と目が合った。
2人はニッコリしてうなずいた。
手を叩く内方はじめ。
( パンッパンッ! )
「さぁ、チーム・内方。あと40分でシーエアラー(スサノオのコール名)とドッキングする。その前にブリーフィングする。ガイザー?」
「イエッサー!さぁ、みんなリーバ中尉に付いて行ってくれ。リーバ中尉、7番ブリーフィングルームだ。」
「イエッサー、愛ちゃんたち荷物を持って僕について来て。」
( 了解しました。 )
敬礼する5人の少女たち。
先頭を歩くトラッシュ・リーバ中尉のあとを、少女たちは荷物を引きずって廊下を歩いて行った。
この愛子たちを乗せた「ワタツミ」は台湾の攻防戦が予想より早く戦闘が終結したため、作戦が変更されたのだった。
台湾海峡の警戒も必要無くなったので、「ワタツミ」は津軽海峡の封鎖と、苫小牧市奪還作戦のため日本へ向かうのだ。そこで2番艦の「スサノオ」と合流し、チーム・内方が集合する。
海中を高速で、音も無く移動する巨大な長方形の物体。
( シュワーボボゴーシューン……ゴボゴボゴボ、ゴボゴボゴボ。 )
台湾海峡から日本海に向かって進む巨大潜水基地の「ワタツミ」の姿だった。
次第に海中で減速をはじめ、伊号潜や呂号潜が「ワタツミ」へ、ドッキングを始めた。
愛子たちが、手術控室のゆるい上がり斜面を登っていくと、明るいガラス・エリアの前で、内方たちが手術台のある下側を見ていた。
肩にカスケード・アーマー・スーツ破り弾で負傷したベクターの手術が始まるのだ。
奥に内方とガイザー。
中村・スーザン・幸子も、手術室のある下を心配そうに見ていた。
中村は減圧室で体調を崩し、別室で治療を受けていたようだったが、無事に体調も戻ったようだった。
( あ、サッチー! )
手前で見ていたトラッシュが愛子たちに気が付いた。
「ん?愛ちゃん来たか。」
「あ。来た来た。愛~。」
中村・スーザン・幸子も気が付いてトラッシュと一緒に愛子たちの所に来た。
トラッシュと中村・スーザン・幸子と、お互い敬礼を交わす少女たち。
そんな少女たちに気を使うデカブツのトラッシュ。
「あ。愛ちゃんたち、移動の準備終わった?」
「トラッシュさん。終わったよ。準備オッケー。」
「愛ちゃん、ここは搬入ラインで斜面だから、荷物はここに置くよ。」
優しいトラッシュは、口よりも手が先に動いた。
斜面の壁の荷物置き場には、内方たちの荷物が並んで置いてあった。
そこに少女たちの荷物を軽くサッサと置くトラッシュ。
愛子が、トラッシュの腰に手をやって聞いた。
「え、トラッシュさん。腰は大丈夫。」
「2時間も寝たから平気だよ。それより、愛ちゃん。あっちに行こう。ベクターの手術が始まるみたいだよ。」
「あ、ベクターさん。」
「ドクター「 J 」と、ドクター「 F 」が執刀するみたい。」
「ふ~ん……。」
唇を尖らして、伸ばした手を後ろで組んでトラッシュの後ろをついて行く愛子と、佐藤結衣たち。
愛子たちが来て振り向く、内方はじめとガイザー。
(( お疲れ様です。 ))
2人に敬礼する愛子、結衣、麗子と絵里。
中村・スーザン・幸子と、トラッシュはベクターの手術を見るためにガラス窓から下を見始めた。
ベクターの手術室の前に、「ワタツミ」に乗り込んだチーム・内方の全員が揃った。
手術中のベクターを見るガイザーやチーム内方の面々。
ドクター「F」こと、ドクター・フライッシュマンが、執刀していた。
手術室に、「J」博士も助手を引き連れて入って来た。
チーム員の目線に気がつくベクター。
目を開けて内片やガイザーたちを見た。
ガイザーが大きな口で、声を出さずに「頑張れ。」と、言った。
ベクターも、大きな瞼をゆっくり閉じて答える。
その内、ガイザーの後ろから、自衛隊の料理主任、徳さんも歩いてきた。
徳さんの「金曜カレーと徳さんプリン」は、ベクターがめっぽうお気に入りなのだ。
徳さんは、瓶詰めの特製プリンを袋から出して、持ちあげてベクターに見せた。
目が笑うベクター。
安心して目を閉じて頷いた。
「J」博士が、ガラス室からのぞく夫の内方中佐と目が合った。
2人はニッコリしてうなずいた。
手を叩く内方はじめ。
( パンッパンッ! )
「さぁ、チーム・内方。あと40分でシーエアラー(スサノオのコール名)とドッキングする。その前にブリーフィングする。ガイザー?」
「イエッサー!さぁ、みんなリーバ中尉に付いて行ってくれ。リーバ中尉、7番ブリーフィングルームだ。」
「イエッサー、愛ちゃんたち荷物を持って僕について来て。」
( 了解しました。 )
敬礼する5人の少女たち。
先頭を歩くトラッシュ・リーバ中尉のあとを、少女たちは荷物を引きずって廊下を歩いて行った。
この愛子たちを乗せた「ワタツミ」は台湾の攻防戦が予想より早く戦闘が終結したため、作戦が変更されたのだった。
台湾海峡の警戒も必要無くなったので、「ワタツミ」は津軽海峡の封鎖と、苫小牧市奪還作戦のため日本へ向かうのだ。そこで2番艦の「スサノオ」と合流し、チーム・内方が集合する。
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