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第4章 命をつなぐ者たち。

第2話 千歳シーラスワン守備小隊。

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 小林小隊:チームヤンキー、スミス小隊:チームズールーにも苫小牧防衛部隊壊滅の訃報が流れた……。

「シバの神」のエイモスAIが椎葉きよしへ、バルトシュたちの戦死を伝えた。


( ……以上です、椎葉中尉。 )


 冷たい顔のまま、無表情のきよしだった。

「了解、エイモス。オートマ(無人対HARMOR兵装)は?」

( はい。コーンボウラーの指令の元、滑走路最南端に配置しました。 )

 戦術モニターに表示される各兵器は装備車輛、味方HARMORの配置。
 サッと確認するきよし。

「そうか。よし。僕たちは管制塔ビル付近まで後退する。メティス?カピー。」

 子モニターと、正面ウインドーに映るジェシカ。

 ジェシカは、シバの神や、他の小隊員に指示を出した。

( カピーザッ。こちらメティス。シバの神、了解。アタッカー2機、後退する。コーンボウラーは広域警戒に切り替え。カピー? )

 バルトッシュ中隊の訃報を聞いて、残念な表情をしたままのコンバット・HARMAR「コーンボウラー」のコクピットのジュリア。

 バルトシュ・カミンスカ(KIA)の文字列が映された小さな足付きモニターを腕伸ばして持ちながら答えた。
 
「オー、バルト……了解ミーティス(英語読み)。アイカピーザッ、マム(ジェシカ・スミス)。チャーリーAIは、「ブロンシュ」のエイモスAIと接続プロトコル完了。ウィルコ。広域警戒開始しました。オーバー。」

( コーンボウラー了解、ラジャー。リンケージ確認開始。オーバー。)

 ジュリアが乗る、コマンダー・HARMARと、軍事衛星の「ブロンシュ」との接続を確認する隊長のジェシカ・スミス中佐。
 遥か上空からと、地上の探査レーダーを組み合わせた監視は敵を早期に発見する為の最重要事項なのだ。
 
( ミーティス了解、ラジャー。コーンボウラーとブロンシュ両AIのバイポーラ(両極相互)ドライブを確認した。次、ファニーダディ、パールバディ・ワンは高高度再ジャンプ用意。カピー?)

 元気一杯のリリアナが答える。

「アイカピーザッ、ミーティス!ファニーダディのタクティカル・リンケージチェック。」

 落ち着いて答えるルオ。

「アイカピーザッ。ファニーダディとのタクティカル・リンケージ、チェック。トワイス・ジャンプ準備開始。」

 リリアナのファニーダディ機と、ルオのパールバティ・ワン機のシステムチェックを行うコマンダーHARMORのジュリア。
 
「アイカピーザッ、ミーティス!SP(スナイパー)チームとコマンダーチームの最終タクティカル・リンケージチェックした。」

 確認作業が終わり指示を出すジェシカ。
 
( よし。こちらもアタッカー2機と、コーンボウラーとタクティカル・リンケージ開始。シバの神は、第2国防管制塔ビル(ウーラノス偽装艦橋)の南部、コーンボウラーのカバーを。私は第2ビル東側をカバーする。バイシュラーバナ(小林機)は近接周辺警戒に切り替えを。以上、配置に付け。 )

(( イエッサーッ!。 ))

 小林小隊、スミス小隊の全員の顔が表示された。

 各々が指示されたポジションに移動準備を開始した。

 きよしが、ジェシカに報告する。

「メティス。これより第2国防管制塔の南部配置に付く。(了解。)エイモス?アーク・エアー噴射用意。低空ジャンプする。」

( 了解、アークエアー始動します。 カウントダウン5、4、3……。 )

 シバの神の脇の噴射孔からもエアーが噴き出し始める。
 
 きよしは、敵の索敵を警戒して低温のジェット噴射で素早く移動を考えていた。

 同じく、ジェシカのメティスもアークエアーで移動準備を始めた。

 2機の周辺に、アークエアーのジェット噴流で、わき上がる粉塵の煙。


(( シュキィーン、ブシュワーッ! ))
(( シュキィーン、ブシュワーッ! ))


 きよしとジェシカの2機のアタッカーHARMORは、お互い違う場所からアーク・エアーのジェット噴射でウーラノスCDC、御舩たちのいる第2国防ビルにむかって低空で、一直線に飛んで行った。

( キィーン、ブシュバババー、シュキィーン……。 )

( シュバババー、シュキィーン……、シュバババー……。)
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