「メジャー・インフラトン」序章6/7(僕のグランドゼロ〜少年兵の季節、終焉〜Knockin' On Heaven's Door.

あおっち

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第1章 シーラス・マザーを更迭(こうてつ)せよ。

第4話 それ行け!ミルバス。ノーラ・アバター登場!

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京子の後ろに、金色の粒の光や粒が集まって来たのだ。
 
 その中心が人影になったと思ったら、金髪のヨーロピアン風美女が現れた。椎葉京子と同じドクターズ・アンダー・アーマー・スーツ姿の白人女性だ。
 その女性が、体をかがめて、京子の正面のモニター類をのぞきながら京子の肩を叩いた。

( トントンッ。 )

「な~に?」
 
「ちょっとど~よ?、京子。まだぁ~?どぉ~よ。」

「ど~よって、あと18パーセントだって。」

 画面を見つめている京子に話しかけるのは、オーバー・ホールが終わったばかりの実体化したノーラ・アバターの姿だった。
 肩に置くノーラの手を取って答える京子。
 
「ノーラ、待ちなさいって。マザーを順調にはずしているわよ。パージ(切り離し)は、え~。あと15パー(パーセント)切ったよ。パージしたファイル数は約3,500けいだって。(京とは、1兆の1万倍の単位)」

「はい、了解。私はすでに地球とアース星系のシーラス全システムへ侵入を始めたわよ。」

 京子の後ろにある、同じシステム・コクピットに座ってインカムを装着して操作を始めるコピー・アバターのノーラ。
 京子がサンパチのペイロード(貨物部)を見て、大きな声で言った。

「ちょっと、オリ~?麗っ~?そっちも準備して。」

「あっ?もういいの?バカタレ(シーラス・マザーの事)10パー(パーセント)切りそうなの?」

 麗子が椅子の背もたれを思いっきり倒してサンパチの奥の京子を見た。

「麗。もう全システムのパージ終わるよ。ノーラ・システムの侵食率90パーセント超えたよ。」

「はい、了解。オリー?」

「はい、ズルズルッ。了解。」
 
 オリエッタ博士が各兵士のバイタル・モニターをノーラ・メインフレーム監視モニターに切り替えた。
 全てのモニターが新ノーラAI用のバイタル・モニターに切り替わった。
 既にノーラこと「新シーラス・ベータ」の全システムへの交換状況が90パーセント以上になって来た。
 
 世界中のシーラスに設置してある警備・警察用ドローンの「MP・ミルバス」にも電源が入り、一斉に飛び上がった。

( キュルル、ウィーン。 )
( キュルル、ウィーン。 )
( キュルル、ウィーン。 )
 
 ノーラが特定した潜入スパイの元に、一直線で飛んでいったのだ。

( シュシュシュ!シュシュ!ウィーン!シュシュッ! )
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