「メジャー・インフラトン」序章2/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節FIRE!FIRE!FIRE! No1. ) 

あおっち

文字の大きさ
上 下
25 / 55
第6章 千歳シーラスワン配属式。

第3話 ミリオタのアイドル「お子ちゃまきよし」

しおりを挟む
笑い始める黄。
 惣菜を食べてるきよしの側に立って行って、きよしの肩を揉みながら話始める。
 
「はははっ。ジェネリックスーツ来てHARMORの搭乗する姿、筋肉モリモリの日本国軍急襲突撃部隊、それも誰もが羨む世界、第一級の千歳シーラスワンのエースパイロット様なんだな。命がいくつあっても足らない最も危険なアタッカー・HARMORパイロット。世界の軍隊ではHARMORのアタッカーと聞いただけで道を譲り、どの国に行っても国賓扱い。その世界ナンバーワンのアタッカー・HARMORパイロットが目の前にいる。数いる先輩パイロットを大幅にぶち抜く実力!それがまだ訓練生って。そして振り向くとお子ちゃまの顔。もう漫画だ、漫画。今では世界中の女性ミリオタのアイドル。これがまた。なぁきよし!パシン!はははっ。なぁ、きよすぃ!オイ!」
 
「技術部長、なぁきよすぃって……。」
 
「まぁ、きよしの面がバレた唯一の映像だがな、はははっ。今、たまにテレビやSNSできよしの動画出るけど、モザイクかかってんな。」
 
 小林が笑いながら、話し始めた。
 
「父さんがさ、これがまた余計な事を言ってんだけどさ、」
 
 小林が野菜にドレッシングをかける。
 
「父さんが、普通、世界中の軍や自衛隊のコール名は上官や教官が考えるらしいけど、生まれて新しい機動歩兵のWALKER(ウォーカー)や機動モービルのHARMORパイロットは自分たちで考えるんだろ?って。きよしのコールマスコット名、「シバの神 God of Siva」なんかどうだい?だってさ。インドの戦いの神様なんだってさ。ルオはそのアタッカーHARMORのカバーで確かパール?パール~なんだっけかな。」
 
「パールバティ!」
 
 と、ルオ。
 
「そう、そう!パールバティだって、女神なんだってさ……えっ!なんでルオ知ってんの?」
 
 ルオが立ち上がって、サラダをきよしと小林に取り分ける。
 
「それ、実は未央の家へ遊びに行った時、小林先生、未来おじさんがパイロットってTAC名とか、コール名ってあんだろ~て、いうからさ。その話になったんだわさ。」
 
 小林が野菜を頬張りながら少し驚いた。
 
「へ~、知らなかった。じゃー実はルオがいつものごとく真っ先に考えてたんだな!んで?」
 
「んで、僕、自分のコール名決める為に神様の事、いろいろ調べてたんだわさ。未央ちゃんはインドの軍神、四天王の一人、ヴァイシュラーヴァナ、日本名では(毘沙門天)がいいな~って。」
 
「なんでよ?毘沙門天。」
 
「だって未央っ、とりあえず俺たちの小隊長だわさ。それで縁起かついで軍神だわさ。」
 
「ふ~ん。」
 
 ふ~んと、まったく興味のないきよし。
 野菜をムシャムシャ食べている。そのきよしの頭を、ほう杖してイジイジしながらルオの話を聞く京子。そしてオリエッタが口を開く。
 
「ルオちゃん、なんか賢いわ。」
 
 感心するオリエッタ。
 得意になってしゃべるルオ。
 
「んで、きよしは(シバの神)でシバ神!破壊と再生の、最高神だわさ。」
 
「あんたが最高神だってさ。ま~なんでも壊すし。再生するのは私たちだけどね。うふふふ。」
 
 野菜を食べるきよしの首元を揉みながら話す京子。
 いつもの様にされるがままで、気にも留めないきよし。
 
「でもシバの神って?なんの由来なのルオ?」
 
 モグモグ、口を動かしながら話すきよし。
 
「椎葉きよしの椎葉、椎葉、S・I・B・Aのシバ。椎葉にシバをかけてるんだわさ。まさしく戦いの神様だわさ。きよし。」
 
 感心するオリエッタ。
 
「へ~なるほどっ!椎葉のシバにかかるよね。頭、いいわルオちゃん。」
 
 さらに得意になるルオ。
 
「ルオのコールマスコットは?」
 
 水を飲みながら聞くきよし。
 
「僕は女神だわさ。女神!遠くからいつも2人を護る女房役だけど、怒らせたらめっぽう怖い女神!その名前もパールバティ!いい響きだわさ。パールバティ~!」
 
「へ~、小林の未央ちゃんは毘沙門天。ウチのおバカきよしはシバの神。ルオちゃんはパール?」
 
「パールバティです!」
 
「パールバティって神様にヒント求めるとか、よく考えつくよね~。」
 
 感心するオリエッタと京子。
 そしてホァンが機嫌よく話す。
 
「ルオは女神のパールバティか。なるほどな。俺はお前達、ロリヲタ1号、2号、3号と思ってたな。わはははっ。じゃー、お前ら3機のあのアームの、変な少女アニメの絵、消さんとな。」
 
(( ダメッ! ))
 
 3人が声を合わせて怒った。
 
「技術部長!あれは俺の“ 嫁 ”ですから駄目です!勘弁してください。」
 
 と、ムキになる小林。
 
「あ~パァパ!あれが無いと戦えない!集中力が続かない!消さないで。」
 
 涙目のルオ。
 
「良く見ないと解りませんが、2回目の取材に来たレポーターは、僕の大好きな声優さんなんです。その声優さんからのサイン、書いてもらってクリアーのチタンコーティングしてますので。残したいんですけど。お尻の左カバーのやつです。」
 
 と、真面目に答えるきよし。
 飽れて3人を見る技術部長のホァン
 
( ……ぅわぁぁー……。 )

 引くオバ様3人。
 対するジットリ重たい空気を発散するオタク3人。
 
 ホァンが双方を見た。
 
「あ、……あっ。解った解った!そのままでええわい。今の子の考える事は良くわからん。好きにせい!」
  
( 有難うございます! )

 頭を下げる3人。対照的に唇をへの字にしてあきれる3人の母たちだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち
SF
 港に立ち上がる敵AXISの巨大ロボHARMOR。遂に、AXIS本隊が北海道に攻めて来たのだ。その第1次上陸先が苫小牧市だった。  これは、現実なのだ!  その発見者の苫小牧市民たちは、戦渦から脱出できるのか。  それを助ける千歳シーラスワンの御舩たち。  同時進行で圧力をかけるAXISの陽動作戦。  台湾金門県の侵略に対し、真向から立ち向かうシーラス・台湾、そしてきよしの師範のゾフィアとヴィクトリアの機動艦隊。  新たに戦いに加わった衛星シーラス2ボーチャン。  目の離せない戦略・戦術ストーリーなのだ。  昨年、椎葉きよしと共に戦かった女子高生グループ「エイモス5」からも目が離せない。  そして、遂に最強の敵「エキドナ」が目を覚ましたのだ……。  SF大河小説の前章譚、第4部作。  是非ご覧ください。 ※加筆や修正が予告なしにあります。

「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)

あおっち
SF
  脈々と続く宇宙の無数の文明。その中でより高度に発展した高高度文明があった。その文明の流通、移動を支え光速を超えて遥か彼方の銀河や銀河内を瞬時に移動できるジャンプ技術。それを可能にしたジャンプ血清。  その血清は生体(人間)へのダメージをコントロールする血清、ワクチンなのだ。そのジャンプ血清をめぐり遥か大昔、大銀河戦争が起こり多くの高高度文明が滅びた。  その生き残りの文明が新たに見つけた地、ネイジェア星域。私達、天の川銀河の反対の宙域だった。そこで再び高高度文明が栄えたが、再びジャンプ血清供給に陰りが。天の川銀河レベルで再び紛争が勃発しかけていた。  そして紛争の火種は地球へ。  その地球では強大な軍事組織、中華帝国連邦、通称「AXIS」とそれに対抗する為、日本を中心とした加盟国軍組織「シーラス」が対峙していたのだ。  近未来の地球と太古から続くネイジェア星域皇国との交流、天然ジャンプ血清保持者の椎葉清らが居る日本と、高高度文明異星人(シーラス皇国)の末裔、マズル家のポーランド家族を描いたSF大河小説「メジャー・インフラトン」の前章譚、7部作。  第1部「太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」。  ジャンプ血清は保持者の傷ついた体を異例のスピードで回復させた。また血清のオリジナル保持者(ゼロ・スターター)は、独自の能力を飛躍的に引き上げる事が出来たのだ。  第2次大戦時、無敵兵士と言われた舩坂弘氏をモデルに御舩大(ミフネヒロシ)の無敵ふりと、近代世界のジャンプ血清保持者、椎葉きよし(通称:お子ちゃまきよし)の現在と過去。  ジャンプ血清の力、そして人類の未来をかけた壮大な戦いが、いま、始まる――。  彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。  本格的な戦闘シーンもあり、面白い場面も増えます。  是非、ご覧あれ。 ※加筆や修正が予告なしにあります。

「メジャー・インフラトン」序章3/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 FIRE!FIRE!FIRE!No2. )

あおっち
SF
 とうとう、AXIS軍が、椎葉きよしたちの奮闘によって、対馬市へ追い詰められたのだ。  そして、戦いはクライマックスへ。  現舞台の北海道、定山渓温泉で、いよいよ始まった大宴会。昨年あった、対馬島嶼防衛戦の真実を知る人々。あっと、驚く展開。  この序章3/7は主人公の椎葉きよしと、共に闘う女子高生の物語なのです。ジャンプ血清保持者(ゼロ・スターター)椎葉きよしを助ける人々。  いよいよジャンプ血清を守るシンジケート、オリジナル・ペンタゴンと、異星人の関係が少しづつ明らかになるのです。  次の第4部作へ続く大切な、ほのぼのストーリー。  疲れたあなたに贈る、SF物語です。  是非、ご覧あれ。 ※加筆や修正が予告なしにあります。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~

アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」 中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。 ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。 『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。 宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。 大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。 『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。 修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。

戦争と平和

澤村 通雄
SF
世界が戦争に。 私はたちの日本もズルズルと巻き込まれていく。 あってはならない未来。 平和とは何か。 戦争は。

「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! No2.

あおっち
SF
 海を埋め尽くすAXISの艦隊。 飽和攻撃が始まる台湾、金門県。  海岸の空を埋め尽くすAXISの巨大なロボ、HARMARの大群。 同時に始まる苫小牧市へ着上陸作戦。  そこで、先に上陸した砲撃部隊の砲弾が千歳市を襲った!  シーラス防衛軍は苫小牧市を侵略の手から守ることができるのか!  SF大河小説の前章譚、第5部作。  是非ご覧ください。 ※加筆や修正が予告なしにあります。

処理中です...