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第1章 銀河の果てに。

【お華の解説】 物語りの背景。是非読んでね!

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【お華の解説①リゾート地スーリア】
 
 これから小説で何度も出るコロニーの名前、スーリアについて説明するわね。
 
「ちなみに、ネイジェアではリゾート地「スーリア」の名前の前に数字を付けるのは惑星および衛星、小惑星の固定タイプのコロニーの呼称です。

 3番目のコロニーなら「03スーリア」。17番目なら「17スーリア」となります。

 スーリアの後ろに名前が付くのは空間浮動タイプの恒星(人工太陽)を利用した、いわゆるダイソン球体コロニーの呼称となります。

 将来、地球に大接近するダイソン球体コロニーは建造8番目のコロニー、「スーリア8」と呼ばれるのです。

 この月裏のリゾート・コロニーは、地球語の「アース」をもじって、通称「アース・スーリア」とネイジー(ネイジェア星域人たちの総称)から呼ばれていました。

 月裏のアース・スーリア(55スーリア)は神洲日本が誕生した同時期の、約2600年以上も前に運ばれて来たコロニーの1ユニットなのです。

 ネイジェア星域のコロニーのスタンダードな大きさとして、普通、直径1600キロで一辺の長さ800キロのコロニーユニットが使用されていたが、小さな衛星を囲む場合などは、半分の大きさのコロニーユニットが使用されています。

 小さいと言ってもこの月裏の築かれた六角形のコロニーは、直径800キロメートル、面積が41万平方メートルでわれわれ地球人にとっては、十分広大で巨大なコロニーなのだ。ちなみに私達の日本の国土の面積は約30万平方メートルなので日本がすっぽり入る巨大なコロニーです。

 そのコロニーはネイジェア星域皇国人(いわゆるネイジー)の住める環境であれば、所属する母惑星の環境を移植し、母惑星の自然環境の管理・研究もされているのです。

 その地球を母惑星とするアース・スーリアの内部には、漏れることなく地球の自然の動植物が移植されている。今から2600年前の地球環境が移植されていました。

 コロニーの上空から俯瞰ふかんすると地球の大自然の中に、現在の地球には無い未来的なビルや建物が散見されます。
 
 音も無く空中を移動する乗り物。
 1000メートルは優に超すであろう高さの超高層ビル群。そして、ビル群をつなぐ透明なチューブ。

 全く汚染されていない新鮮な空気。

 そこは、あたかも未来の地球にいるような、そんな錯覚を起こす景色なのです。

 でも、ここは低重力の月裏の表面に置かれた完全な人工のリゾート地なのです。」
 
 ネイジェア星域皇国のコロニーだって。凄い科学力よね。


 【お華の解説②巨人族のオース皇国とその伝承、神話】
 
 オディアちゃんは巨人族、オース皇国の皇女なのよ。その解説です。この神話は、あとから椎葉きよしにも関係があるから、時間がある方はぜひ読んでね。
 
「 オース皇国は別名「巨人の国」と呼ばれ、皇族は全て巨人。14~15メートルにもなる巨大なヒューマノイド。一方、オース皇国の一般市民は地球サイズ型ヒューマノイドであった。
 この地球型ヒューマノイド・サイズの人々は、神話伝説・伝承では古くから巨人と共に闘うために島へ渡ったとされている。今ではヒューマノイド側はシーラス皇国。巨人側はオース皇国という。その両国に共通の神話と予言の話があった。
 
(太古の昔、オース島では岩鯨が捕れなくなった。食べ物も無くなり巨人族たちは困り果てた。その時、巨人族を代表してある巨人一家の(イゼム)が岩鯨漁へ出かけた。そのことを知った海の神が怒り、その家族は小さな島(アーメト)に遭難した。生き残ったのは末娘のリームだけだった。彼女は優しくて可愛い女性の巨人神。そして、同じくして賢者の島(ジーショー)から漁に出た、賢者一家(ライゼマ)の息子が嵐に合い遭難した。屈強で賢い男性の小人神メイザーだった。小さな島(アーメト)に辿り着いたのだ。その2人の神が南の島で出会い恋をしてオース建国に尽力を尽した。平和になった世が長く続くが、再び神が怒り、災難がこれから必ず起きる。賢者一家(ライゼマ)も窮地に立たされることだろう。その賢者一家を、遠くの空の巨人の勇者が現れて助けるのだ。)
 
 と、両島国では共通の伝説が今も残っているのだ。
 大陸から攻め入る野蛮族。それを食い止めたリーム神とメイザー神。そのメイザー神に協力するためメイザー神の兄弟神が遥か海原から駆けつけ、その知恵と巨人神の力で大陸の野蛮族を追いやったとの神話だった。
 以来、両国とも独身の女性の名前に優しく可愛く育ってほしいとの願いを込めて、リームを付けるのが習わしとなった。
 その巨人国家、遥か昔よりオース皇国では巨大な岩鯨漁が盛んだった。
 その岩鯨とは50~90メートルにもなる、ネイジェア星域特有の巨大なクジラである。
 皮膚の表面が分厚い岩で覆われたよろいのような硬い皮膚が覆っていた。モリや矢を通さない丈夫な岩の様な皮膚である。
 その漁の仕方とは、オース人(巨人)が海に潜り、口から出す特殊な超音波で巨大な泡を出して漁をしていた。
 その泡を爆泡ばくほうといい、岩鯨にぶつけるか、もしくはその爆泡に岩鯨を通過させて、水中爆発を起こして漁をしていた。
 泡の崩壊時に発生する水中爆発、その水圧差と衝撃波を利用してその硬い皮膚を破壊し鯨の中の本体をショック死させて漁を行っていたのだ。その岩鯨漁は12万年前から行っていること示す遺跡が見つかっているのだ。
 爆泡が崩壊し爆発すると、潜水艦を攻撃する対潜軍艦の使う爆雷が海中で爆発するごとく、海上では大きな水柱が立ったのだ。
 ネイジェア星のオース皇国の科学力がジン・シュウ大皇国に次いで科学力が進歩した理由も、この岩鯨漁に由来したと言われる。
 巨大なオース人が捕獲した岩鯨は、勤勉な地球サイズの人達(オース皇国ではシュウ化人かじんまたはショウ化人かびとと呼ばれ、ジン・シュウ人が渡ったと遺伝子で確認されている。)が後処理をしていたのだ。岩鯨は捨てるところがなく全て利用した。
 岩の様な皮膚表面や内部の油は燃料や医薬品に。岩皮膚や骨は建設用コンクリート材に。肉や内臓はもちろん食品や医薬品に加工された。太古からオース人とシュウ化人は分け隔てなく仲良く暮らしているのだ。
 現在でも伝統漁業として、又は皇族が数え5歳の儀で行う体験学習、および14歳の成人の儀で成人の証として男女の隔てなく1か月間、岩鯨漁を行っているのだった。
 ちなみに小さなシュウ化人は18歳が成人である。そのようにお互いの役割を理解し、お互いを労りながら生活している島国、人生を、仕事を楽しんでいた島国でもあった。
 そして、今では科学技術が高度に発達した。その抜群の科学力により、巨人のオース人は小さくもなれるのだった。
 ただ、公式式典の時、現役の皇族は元の巨人に戻るのが伝統であり、しきたりでもある。そのしきたり通り、今日もオース皇国の皇族達はオース化(巨人化)していたのだ。」

だって!凄いよね~。
 巨人族だって。ネットのゴシップニュースで巨人の白骨遺体とかあるけどぉ、もしかしたらオース皇国人?な、ワケないよね。あははっ。
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