天才外科医は仮初の妻を手放したくない

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それから一年後。



子供達はもう一人で暮らせる歳になり、それぞれ都会で頑張っている。

私達は島の診療所で忙しい毎日を送っていたのだ。

陽斗の政策で、週に何回か病院船も来るので、最先端の医療も提供できるようになっている。

日下部君と藤村君はもう大学病院に戻ってしまったが、週末は診療所を手伝ってくれている。



「はい、次の方どうぞ！」


私は受付に復帰したのだ。


毎日忙しいが活気がある毎日だ。



「澪ちゃん、子供が熱を出したのよ…診てもらえる？」


「まぁ、大変。先生をすぐに呼んできますね。待っててくださいね。」





「これはこの前の御礼だよ。先生のお陰で良くなったよ。」


今日も沢山の野菜や果物を皆からもらってしまった。


ここの暮らしは本当に温かい。








「西園寺先生、病院船が来ましたよ。今日は緊急で手術が必要です。お願いします。」



陽斗は相変わらず忙しそうだが、とても楽しそうにしている。



私の夫は天才外科医です。


でもとても情に厚くて、優しい男性なんですよ。








それにここだけの話ですが、私のことを溺愛しているんです。


毎日お出かけのキスとお帰りのキスは欠かしません。





「大変ですよ、先生！浜辺で人が倒れています。今すぐ来てください！」



今日も西園寺陽斗は患者を助けている事でしょう。