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しおりを挟むホテルの中にある教会で式を終えた私達は、これから豪華な披露宴だ。
披露宴には両家の親族のほかに政財界から豪華な来賓が参加する。
テレビでよく顔を見る政治家が私達の所に近づいて来た。
「西園寺君、おめでとう。噂通りの美しい花嫁だね。」
「先生、ありがとうございます。妻の澪です。よろしくお願いします。」
西園寺は当たり前のように私を紹介した。
しかし、私の顔を皆に見せてしまって大丈夫なのだろうか。
少し不安になり、小声で西園寺に話し掛けた。
「皆さんが私の顔を覚えてしまいますが、大丈夫なのですか?」
すると西園寺はとんでもない事を言ったのだった。
「大丈夫な訳はない。思いついたのだが、君はしばらく僕の妻役をお願いするしかないな。」
「す…するしかないって…どうするのですか!?」
「ほとぼりが冷めた頃、離婚したことにする。それまで俺の妻役をお願いしたい。」
「…はぁ!?」
私が大きな声を出しそうになった時、西園寺が私の口を手で塞いだ。
そして私の耳元で囁いた。
「大きな声を出すな!言いたいことは後で聞く。」
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