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しおりを挟むゆっくりと唇を離した玲也が、すまなそうな表情で話し出した。
「ごめん…唯ちゃん。これでは青柳と僕も変わらないね。弱味につけ込んだ酷い男だ。」
私は玲也の言葉を遮るように、自分から玲也に口づけた。
驚いた玲也は目を大きく見開いた。
「玲也さん。そんな事を言わないでください。私は玲也さんの事を…」
すると今度は玲也が私の言葉を遮って話を始めた。
「それは、僕の口から言わせて欲しい…唯ちゃん、僕はいつの間にか君から目が離せなくなってしまったんだ。もちろん、初めはそんな下心なく、弟の責任をとるつもりだったが…毎日、君の明るい笑顔や一生懸命な姿を見ているうちに、惹かれていったんだ。」
青柳君の事件から東京にもどり、3日が経っていた。
しかし、玲也は以前と全く変わらず、むしろ私を避けているように感じていた。
玲也の気持ちを聞いて嬉しくドキドキしているのは私だけだったみたいだ。
今日は仕事も休みのようだが、私が起きる前にジムに出かけてしまったようだ。
テーブルにメモが残っている。
『朝食は冷蔵庫に入れてあります。僕はジムで汗を流してくる。』
玲也のメモを見て冷蔵庫を開けると、ハムとレタスが挟んであるシンプルなサンドイッチとヨーグルト。ヨーグルトにはジャムと干しブドウがのせてある。
玲也の優しさを感じながら、朝食を済ませて片付けをしているとき、玄関のドアが開く音がした。
玲也を出迎えようと玄関に向かうと、歩いて来た玲也と廊下でばったり鉢合わせとなる。
少し驚いた表情の玲也。
「唯ちゃん…早くから起こしてしまったようだね。休日なのにごめんね。」
玲也はそれだけ言うと、私の横を通り自分の部屋に行こうとした。
「あの…玲也さん。私を避けていますか…もしかして…勢いで私に言った言葉を後悔しているなら、気にしていないので大丈夫ですよ。…あの時は私を慰めてくれようとしたのですよね。」
私は無理に作り笑いをしながらハハハッと笑って見せた。
すると、玲也は私を後ろから抱き締めたのだった。
「唯ちゃん…ごめん…僕はあの事件以来、なんだか不安になって君を避けてしまったようだ。僕が告白してしまったことで、君が住みづらくなってしまうのではないかと思ったんだ。重い男だと思われたくなくてね…。」
私は後ろから抱き締めている玲也の方に自分の向きを変えると、玲也の胸に抱き着いた。
「玲也さん…よかったぁ…私は玲也さんに嫌われてしまったと思っていたので、すごく不安でした。」
玲也の顔は見えないが、心臓の鼓動が大きく音をたてている。
「唯ちゃん…これからは嘘ではなく、本当の恋人…いいや…婚約者になってくれるのかな。」
「…はい。よろしくお願いします。」
玲也は私を抱きしめる腕に力を入れた。
そして、次の瞬間私の唇に優しい玲也の唇が重なった。
触れるだけの優しいキスだが、玲也が触れている唇が熱く溶けそうだ。
「我慢していたけど…唯ちゃん…このままべッドに連れて行くね。」
玲也は私を抱き上げ、自分のベッドへと歩き出した。
抱き上げられた玲也からは、ジムでシャワーを浴びた石鹸の香りといつものコロンの香りが混ざり合って、頭がクラクラするような大好きな匂いがする。
深い口づけは私の呼吸を奪うほどだが、青柳の口づけとは全く違い、優しさを感じる。
玲也に服を脱がされると、急に明るい部屋が恥ずかしくなる。
「あ…あの…明るいので…見ないでください。…恥ずかしいので…」
すると玲也は首を横に振った。
「唯ちゃんのお願いでも、それは聞いてあげられない…綺麗だよ…唯ちゃん。」
玲也は私の首筋に唇を這わせた。
それだけでなんだか変な声が出てしまった。
「…っあ…」
慌てて口を押えると、玲也はその手を口から離した。
「唯ちゃんの可愛い声…もっと聴かせて。」
玲也の唇が触れているところが熱くて溶けていきそうだ。
同時に玲也の指は、私の敏感な部分を弄ぶように動いている。
胸の頂上を指でコロコロと転がしたり、軽くつまんだり。
体に這わせた唇はお腹から、さらには持ち上げられた太腿に口づけを落とした。
そして、開かれた脚の間の敏感な部分に指を這わせた。
「唯ちゃん、もうこんなに僕を欲しがってくれて…嬉しいよ。」
玲也の指が動くたびに、水音が部屋に響くほどだ。
さらに玲也は水で濡れた蕾を舌で味わう。
「れ…玲也さん…そこは…駄目です…。」
そして、私の中に玲也の指が入って来ると、自然と体は弓なりに弧を描く。
玲也は自分も着ていた服を全て脱ぎ捨てた。
鍛えた体は、思っていた以上に綺麗な彫刻のようでもある。
いつもの優しい玲也の瞳が雄の色になり、妖艶な表情で私を組み敷いた。
すると、静かに玲也は男性自身を私の中にゆっくりと沈めてきた。
「唯ちゃん、…辛くない?」
玲也でお腹の中がいっぱいになり苦しいが、それ以上に嬉しい気持ちで涙が流れた。
「大丈夫です…玲也さん…嬉しいです。」
すると玲也は一瞬動きを止めた。
「もう…そんなに俺を可愛く煽らないでくれ…優しくできなくなる。」
その言葉の通り、それからの玲也は激しく私を抱き、気が付けば気を失う様に眠ってしまったようだ。
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