51 / 57
最終章
第51話 何度でも言います
しおりを挟む
へにゃりとなっている白蛇をよく見ると瞳が薄らと青紫色に近い。これは近くで見るとわかった。
先ほどの告白は、紫苑的に刺激が強すぎたのか照れてうねうねしている。ちゃっかり私の腕に巻きついて離れないのは、あいかわらずというか、なんというか。
「この姿の紫苑も素敵ですね」
「小晴がどんどん大胆になっていく……。そんなところも可愛い」
(目をキラキラさせて……どっちが可愛いのだか)
そっと頭を撫でたら、ご機嫌になった。チョロすぎませんかね。そんなところも好きになってしまった。
「些かお前たちを侮っていたようだ。だが、これならどうだ?」
「え?」
「──っ!? 小晴、見るな」
紅が指を鳴らした途端、白蛇になっていた紫苑が人の姿に戻った。しかしその姿は私の知る姿とは異なり、上半身がむき出しになって赤黒い鱗や痣、火傷のようなものが全身に広がっていた。
(黒の袴に裸足……。ずっと放浪していたような姿は?)
白銀の美しかった髪も赤黒い血が固まったようで、カピカピだった。顔色は悪く、宝石のように美しい青紫の瞳が仄暗い色で私を見ていた。
「……っ」
「紫苑……」
「そうそれが愚弟の本来の姿だ。戦い続け、呪いと災いを身に宿した余の側面を切り落とした。お前が見ていたのは、余の写し身であり偽りの姿。これを見ても、まだ愚弟の花嫁になりたいというのか?」
「花嫁……」
紫苑の本当の姿を見て、彼が以前話してくれたことを思い出す。
(昼も夜も関係なく、戦い続けて殺し続けた神様。それだけ戦い続けていたら、痛みなどの感覚なども失って──ううん、捨ててしまったのね。戦いに邪魔になるから、感情も全部、削ぎ落として身軽にしていた。紫苑が時々無垢な言動をするのは、心を少しずつ動かすようになったから……?)
紫苑の姿が痛々しくて、見ているこっちが痛くなる。
紫苑は一度だけ私と目線を合わせたがすぐに俯いてしまった。長い髪で顔がよく見えない。それが酷く辛かった。
「紫苑……」
今の私は紫苑に嫌われるほうが怖い。離ればなれになることも嫌だ。
紫苑も同じように思ってくれているのだろうか?
「もう私と目を合わせてくれないの?」
「そんなことはない……。だが……この姿は……あまりにも醜くて……汚れている」
「どこが!? 紫苑の体がこうなったのはずっと戦い続けた時のままにしていたからでしょう! 千年以上戦い続けた姿なら、千年以上かけて体を癒していきましょう! 私は元々人間ですから紫苑の花嫁になって、どこまで生きられるかわかりませんが、それでも体の傷を癒す手伝いをさせてください!」
「え……」
バッと紫苑が顔を上げた。その瞬間を狙って私は彼にキスをする。
「!?」
勢いをつけすぎたが、頭突きにならなくてよかった。啄むようなキスだったが、紫苑は目を丸くして固まっていた。
傍の紅も私の言動は予想外だったのか、目を丸くしていた。それを見るとなんだか兄弟だな、と実感する。
「私は、紫苑がまるごと大好きなんです!」
「──っ、あ、う」
「愚弟の醜悪な姿も丸ごと受け入れると?」
「結婚とはそういうものでしょう? いいところばかりじゃないです。けれどそれも引っくるめて、受け入れられるかどうかが大事だと私は思います。何度尋ねられても、私は紫苑と結婚します! 紫苑じゃないと私は嫌なんです!」
「小晴……っ」
紫苑は私に触れようと、手を伸ばしかけて
途中で止めるのが視界に映り込んだ。
「紫苑はいつものようにギュッとしてくれないの? なら──」
私から紫苑に抱きつく。
ぎゅうぎゅうに抱きしめていつもの仕返しを試みたのだが、思いの外効果覿面だったのか、紫苑はポロポロと泣き出してしまった。
「小晴はやっぱりすごい。私の所まで落ちてくるどころか、私を引っ張り上げてしまうなんて……」
「サラッと怖い発言してますよね!?」
「……そんなことない」
今度は私が紫苑に抱きしめられている。いつの間に。
紫苑はいつになくスキンシップをしてくるのだが、いつもよりも肌面積があり──というがよく見ると上半身裸なのだ。
そのため抱きつくと紫苑の心音がよく聞こえるし、引き締まった体の感触が伝わってくる。
(冷静になったら、とてつもなく恥ずかしい!)
しかしここで紫苑から離れようとすると、絶望した顔をしそうなので必死で耐える。
「紫苑、服を着ません? 寒くないです? 今十二月ですし……」
「ううん。小晴が暖かいから大丈夫」
(余計に離れるタイミングを失った! こうなったら紅に……)
「本当に受け入れるとは……想像以上の結果となったな」
(こっちはこっちで切り出すタイミングが難しい!)
紅がようやく立ち直ってくれたので、試練? はこれで終了だろうか。
そう思って安心しかけたのだが、何か忘れているような気がする。
(何か仕上げにすることがあったような?)
「余の花嫁として存分に愛でたかったが、ここまでのものを見せられたのだ、致し方あるまい。呪いのを解く最後の儀式は愚弟に譲るとしよう」
(あ……呪い!!)
ハッとした姿を二人に見られてしまった。
「お前、さては忘れていたな」
「あははは……そんなわけでないですヨ」
「自分が死ぬかもしれないという状態で、本当に変わった娘だ」
(え、そんな危険な状態だったの!?)
気を失ってヨクナイモノに取り囲まれて怖かったけれど、天ちゃん様や星香のところで飴細工に取りかかった時は怖さなんて無かった。
「紫苑の元に戻ることだけ考えていたからかも……」
「小晴っ!」
ぎゅうぎゅうと抱きしめる紫苑に身を預ける。どんな姿をしていても紫苑は紫苑だ。抱きしめられる温もりも、白檀の香りも変わらない。
「見せつけてくれる。……小晴、祝儀の前祝いだ」
「え? ──っ!?」
顔を上げた瞬間、紅に唇を奪われる。
啄むようなソフトタッチな感じでは無く、深いキスに体が固まってしまう。
(え、き、ええ!?)
「兄上!」
「おっと」
紫苑が素早く私を抱き上げて、手を翳す。
突風が巻き起こり、障子や花瓶などが割れる中、紅は早々に日本庭園へと逃げ出していた。
先ほどの告白は、紫苑的に刺激が強すぎたのか照れてうねうねしている。ちゃっかり私の腕に巻きついて離れないのは、あいかわらずというか、なんというか。
「この姿の紫苑も素敵ですね」
「小晴がどんどん大胆になっていく……。そんなところも可愛い」
(目をキラキラさせて……どっちが可愛いのだか)
そっと頭を撫でたら、ご機嫌になった。チョロすぎませんかね。そんなところも好きになってしまった。
「些かお前たちを侮っていたようだ。だが、これならどうだ?」
「え?」
「──っ!? 小晴、見るな」
紅が指を鳴らした途端、白蛇になっていた紫苑が人の姿に戻った。しかしその姿は私の知る姿とは異なり、上半身がむき出しになって赤黒い鱗や痣、火傷のようなものが全身に広がっていた。
(黒の袴に裸足……。ずっと放浪していたような姿は?)
白銀の美しかった髪も赤黒い血が固まったようで、カピカピだった。顔色は悪く、宝石のように美しい青紫の瞳が仄暗い色で私を見ていた。
「……っ」
「紫苑……」
「そうそれが愚弟の本来の姿だ。戦い続け、呪いと災いを身に宿した余の側面を切り落とした。お前が見ていたのは、余の写し身であり偽りの姿。これを見ても、まだ愚弟の花嫁になりたいというのか?」
「花嫁……」
紫苑の本当の姿を見て、彼が以前話してくれたことを思い出す。
(昼も夜も関係なく、戦い続けて殺し続けた神様。それだけ戦い続けていたら、痛みなどの感覚なども失って──ううん、捨ててしまったのね。戦いに邪魔になるから、感情も全部、削ぎ落として身軽にしていた。紫苑が時々無垢な言動をするのは、心を少しずつ動かすようになったから……?)
紫苑の姿が痛々しくて、見ているこっちが痛くなる。
紫苑は一度だけ私と目線を合わせたがすぐに俯いてしまった。長い髪で顔がよく見えない。それが酷く辛かった。
「紫苑……」
今の私は紫苑に嫌われるほうが怖い。離ればなれになることも嫌だ。
紫苑も同じように思ってくれているのだろうか?
「もう私と目を合わせてくれないの?」
「そんなことはない……。だが……この姿は……あまりにも醜くて……汚れている」
「どこが!? 紫苑の体がこうなったのはずっと戦い続けた時のままにしていたからでしょう! 千年以上戦い続けた姿なら、千年以上かけて体を癒していきましょう! 私は元々人間ですから紫苑の花嫁になって、どこまで生きられるかわかりませんが、それでも体の傷を癒す手伝いをさせてください!」
「え……」
バッと紫苑が顔を上げた。その瞬間を狙って私は彼にキスをする。
「!?」
勢いをつけすぎたが、頭突きにならなくてよかった。啄むようなキスだったが、紫苑は目を丸くして固まっていた。
傍の紅も私の言動は予想外だったのか、目を丸くしていた。それを見るとなんだか兄弟だな、と実感する。
「私は、紫苑がまるごと大好きなんです!」
「──っ、あ、う」
「愚弟の醜悪な姿も丸ごと受け入れると?」
「結婚とはそういうものでしょう? いいところばかりじゃないです。けれどそれも引っくるめて、受け入れられるかどうかが大事だと私は思います。何度尋ねられても、私は紫苑と結婚します! 紫苑じゃないと私は嫌なんです!」
「小晴……っ」
紫苑は私に触れようと、手を伸ばしかけて
途中で止めるのが視界に映り込んだ。
「紫苑はいつものようにギュッとしてくれないの? なら──」
私から紫苑に抱きつく。
ぎゅうぎゅうに抱きしめていつもの仕返しを試みたのだが、思いの外効果覿面だったのか、紫苑はポロポロと泣き出してしまった。
「小晴はやっぱりすごい。私の所まで落ちてくるどころか、私を引っ張り上げてしまうなんて……」
「サラッと怖い発言してますよね!?」
「……そんなことない」
今度は私が紫苑に抱きしめられている。いつの間に。
紫苑はいつになくスキンシップをしてくるのだが、いつもよりも肌面積があり──というがよく見ると上半身裸なのだ。
そのため抱きつくと紫苑の心音がよく聞こえるし、引き締まった体の感触が伝わってくる。
(冷静になったら、とてつもなく恥ずかしい!)
しかしここで紫苑から離れようとすると、絶望した顔をしそうなので必死で耐える。
「紫苑、服を着ません? 寒くないです? 今十二月ですし……」
「ううん。小晴が暖かいから大丈夫」
(余計に離れるタイミングを失った! こうなったら紅に……)
「本当に受け入れるとは……想像以上の結果となったな」
(こっちはこっちで切り出すタイミングが難しい!)
紅がようやく立ち直ってくれたので、試練? はこれで終了だろうか。
そう思って安心しかけたのだが、何か忘れているような気がする。
(何か仕上げにすることがあったような?)
「余の花嫁として存分に愛でたかったが、ここまでのものを見せられたのだ、致し方あるまい。呪いのを解く最後の儀式は愚弟に譲るとしよう」
(あ……呪い!!)
ハッとした姿を二人に見られてしまった。
「お前、さては忘れていたな」
「あははは……そんなわけでないですヨ」
「自分が死ぬかもしれないという状態で、本当に変わった娘だ」
(え、そんな危険な状態だったの!?)
気を失ってヨクナイモノに取り囲まれて怖かったけれど、天ちゃん様や星香のところで飴細工に取りかかった時は怖さなんて無かった。
「紫苑の元に戻ることだけ考えていたからかも……」
「小晴っ!」
ぎゅうぎゅうと抱きしめる紫苑に身を預ける。どんな姿をしていても紫苑は紫苑だ。抱きしめられる温もりも、白檀の香りも変わらない。
「見せつけてくれる。……小晴、祝儀の前祝いだ」
「え? ──っ!?」
顔を上げた瞬間、紅に唇を奪われる。
啄むようなソフトタッチな感じでは無く、深いキスに体が固まってしまう。
(え、き、ええ!?)
「兄上!」
「おっと」
紫苑が素早く私を抱き上げて、手を翳す。
突風が巻き起こり、障子や花瓶などが割れる中、紅は早々に日本庭園へと逃げ出していた。
11
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

婚約破棄された私の結婚は、すでに決まっていた
月山 歩
恋愛
婚約破棄され、心の整理がつかないアリスに次の日には婚約の打診をするルーク。少ししか話してない人だけど、流されるままに婚約してしまう。政略結婚って言ったけれど、こんなに優しいのはどうしてかしら?
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる