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第2章
第24話 あたたかさ
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数日後。
部屋で新しい飴のデザインを描いていると、左指が視線に入る。
(そ、そういえば、指輪の受け取り連絡がそろそろだって紫苑が言っていたっけ)
初のお揃いというものに嬉しそうな顔をしていた紫苑を思い出すと、胸が熱くなる。
指輪の名前入れなどの準備も最低一ヵ月かかるのが、一週間前後にまで短期間で作らせたことを自慢気に話していて、大事にされているというのが伝わってきて恥ずかしくも嬉しい。
気付けば自分の口元が緩んでいるのがわかった。
(紫苑が喜んでくれそうな飴のデザインと、味はラムネ系が好きそうだったから……)
「小晴様、少し宜しいでしょうか?」
「はい!」
障子を開けると、そこには右近さんが控えていた。この人はいつも黒服のスーツをキッチリと着こなしていて、できる男という感じがヒシヒシと感じる。常に仕事感が半端ないのでどうにも緊張してしまうのだが、この時の私は珍しく浮かれていた。
「あ、左近さん。どうかしたのですか?」
「実は良いお知らせがありまして」
「……もしかして、指輪ができたんですか!?」
「いえ……。店のホームページなど諸々の件で確認していただきたく……」
「あ……はい。ありがとうございます」
勘違いに恥ずかしくなって、左近さんの顔が見られない。少し俯いていると、笑い声が耳に入る。
「お館様との婚約が嬉しそうなのでなによりです」
「はい……。か、勘違いしてすみません。……えっとそれでお話とは?」
「店の業務の確認もありますが、まずはホームページをリニューアルしましたので、最終確認をお願いできますでしょうか?」
「え。もう!?」
客間に案内されて、スクリーンでホームページを見た瞬間、そのクオリティに固まってしまった。そんな私の心情を無視して左近さんは淡々と店の状況と、現状売上げ、問い合わせなどの報告をしてくれた。
(店の対応が、完璧すぎる……っ!)
右近さんと左近さんが「是非、手伝わせて欲しい!」というので、申し訳なくも頼んだ結果、とんでもない成果を上げてきてくれた。
感謝の気持ちと、仕事分の給料の話をしたのだが、受け取ってもらえなかった。
『それなら今度、嬢ちゃんの飴を作ってほしい』と右近さんに言われて左近さんも『それは良いご褒美ですね』と便乗した。
お二人はもちろん、紫苑も飴が好きすぎる。とちょっと虫歯を心配したのは、内緒だ。
(お世辞とかではなく、本気で喜んで私の作る飴を喜んでくれているのが嬉しい)
明日の午前中に店の話と、リフォームが終わるまで発注している飴を作成する場所――レンタルキッチンを見に行くことで話がまとまった。
本当は今日からでも動けたが、気を遣ってくれたのだろう。
***
お風呂も上がって、寝室に向かう。檜風呂で体がポカポカになったら途端に眠くなった。
(明日は早いし、早めに寝よう……)
「小晴、今日は雪が降っているから、毛布を一つ足しておこうか」
「はい。……って、紫苑が何故ここに!?」
紫苑はお風呂あがりだからか綺麗な白紫色の長い髪を一つに結んで、寝間着用浴衣に着替えている。その姿は何というか男性的で、艶めかしかった。
「何って、一緒に寝ようと思っただけだけれど?」
不思議そうに小首をかしげる。
一緒に寝ることが当たり前のような態度に、私は眩暈がした。確かに真っ当な婚約者であれば、何も問題はない。
「ええっと、昨日は緊急事態だったからだと、理解してしますが毎日というのは……」
「小晴は私が嫌いになったのだろうか……」
「そんなことない!」
「ではどうして?」
あからさまに落ち込むので、良心が痛む。
しかしここで許してしまえば、なし崩し的に日常化してしまう。
「そ、そうではなく……。その、意識してしまうと眠れなくなりそうなので……というか、恥ずかしいというか、心の準備というか……」
「小晴の気持ちに寄り添いたいけれど、夢を媒体に小晴と接点を持とうとする者がいるかもしれないから、できるだけ傍にいたいのだが」
「夢……そう言えば、夢の中で紫苑と出会ったのは……」
「あれは小晴の夢に割り込んで、夢から覚めるように促したんだ」
思い返せば紫苑に起きるように促されたからこそ、私は炎に呑まれるのを避けることができた。あのような怖い目には遭いたくない。
急に怖くなって自分を抱きしめる。
「夢は魂が一番無防備になる。加護や祝福である程度緩和されるが、暫くは小晴と結びを望む者が多いだろうから隣にいたい。小晴が傍にいるのに、奪われたくないのだ」
「紫苑……。そ、それなら……でも、一緒に横になるだけで……」
「手を繋ぐのは?」
「……それぐらいなら」
「抱きしめるのは?」
「なっ……」
「小晴は温かくて、抱きしめると傍にいると、実感出来て安心するのだ」
「ダメです!」
反射的に断ると、紫苑は涙目になった。
(ううっ……そんな目で見てもダメなのです!)
スルーしてお布団に入る。
もぞもぞとしている間に、自分の寝やすいように横向きになる。
「小晴」
「な――んっ」
振り返った直後、唇が重なる。
ついばむようなキスに、全身の血が沸騰するほど熱を帯びた。
困惑と衝撃。
「お休み」
「――っ!」
「もし寂しくなったのなら、いつでも私を抱きしめていいから」
「絶対にしません!」
不意打ちのキスに声を荒げてしまったが、すぐさま布団を頭に被って目を閉じた。
心臓がバックバクと煩い。
手を繋いでほしいといった約束を反故にして、私はそのまま眠りに就こうとした。
けれども不本意ながら興奮してしまったのか、目が冴えてしまって、睡魔が仕事を放棄したようだ。
何度か寝返りを打つと、紫苑は布団の端で横になっている。私のほうを向いていて静かだ。
(改めて近くで見ると睫毛が長い。顔立ちも整っていて、寝顔は少しだけあどけないかも?)
改めてとてつもない美形だ。
こんな極上の異性が隣にいてドキドキしないなんてないだろう。寂しくなったら、と紫苑に言われて、正直ドキリとした。
私の中にぽっかりと空いた穴というか傷を癒すのに、まだまだ時間を要する。だから温もりを求めてしまうのは悪いことではないのだと、暗に言われている気がした。
(まあ、紫苑の場合は、揶揄的と言うより本音なのだろうけれど)
紫苑との距離感に戸惑いながらも、彼の大きな手を掴み少しだけ傍に寄って瞼を閉じた。
まどろむ中で、白檀の香りが色濃くなった気がしたが――そこで意識が途切れる。
(ああ……温かい……)
部屋で新しい飴のデザインを描いていると、左指が視線に入る。
(そ、そういえば、指輪の受け取り連絡がそろそろだって紫苑が言っていたっけ)
初のお揃いというものに嬉しそうな顔をしていた紫苑を思い出すと、胸が熱くなる。
指輪の名前入れなどの準備も最低一ヵ月かかるのが、一週間前後にまで短期間で作らせたことを自慢気に話していて、大事にされているというのが伝わってきて恥ずかしくも嬉しい。
気付けば自分の口元が緩んでいるのがわかった。
(紫苑が喜んでくれそうな飴のデザインと、味はラムネ系が好きそうだったから……)
「小晴様、少し宜しいでしょうか?」
「はい!」
障子を開けると、そこには右近さんが控えていた。この人はいつも黒服のスーツをキッチリと着こなしていて、できる男という感じがヒシヒシと感じる。常に仕事感が半端ないのでどうにも緊張してしまうのだが、この時の私は珍しく浮かれていた。
「あ、左近さん。どうかしたのですか?」
「実は良いお知らせがありまして」
「……もしかして、指輪ができたんですか!?」
「いえ……。店のホームページなど諸々の件で確認していただきたく……」
「あ……はい。ありがとうございます」
勘違いに恥ずかしくなって、左近さんの顔が見られない。少し俯いていると、笑い声が耳に入る。
「お館様との婚約が嬉しそうなのでなによりです」
「はい……。か、勘違いしてすみません。……えっとそれでお話とは?」
「店の業務の確認もありますが、まずはホームページをリニューアルしましたので、最終確認をお願いできますでしょうか?」
「え。もう!?」
客間に案内されて、スクリーンでホームページを見た瞬間、そのクオリティに固まってしまった。そんな私の心情を無視して左近さんは淡々と店の状況と、現状売上げ、問い合わせなどの報告をしてくれた。
(店の対応が、完璧すぎる……っ!)
右近さんと左近さんが「是非、手伝わせて欲しい!」というので、申し訳なくも頼んだ結果、とんでもない成果を上げてきてくれた。
感謝の気持ちと、仕事分の給料の話をしたのだが、受け取ってもらえなかった。
『それなら今度、嬢ちゃんの飴を作ってほしい』と右近さんに言われて左近さんも『それは良いご褒美ですね』と便乗した。
お二人はもちろん、紫苑も飴が好きすぎる。とちょっと虫歯を心配したのは、内緒だ。
(お世辞とかではなく、本気で喜んで私の作る飴を喜んでくれているのが嬉しい)
明日の午前中に店の話と、リフォームが終わるまで発注している飴を作成する場所――レンタルキッチンを見に行くことで話がまとまった。
本当は今日からでも動けたが、気を遣ってくれたのだろう。
***
お風呂も上がって、寝室に向かう。檜風呂で体がポカポカになったら途端に眠くなった。
(明日は早いし、早めに寝よう……)
「小晴、今日は雪が降っているから、毛布を一つ足しておこうか」
「はい。……って、紫苑が何故ここに!?」
紫苑はお風呂あがりだからか綺麗な白紫色の長い髪を一つに結んで、寝間着用浴衣に着替えている。その姿は何というか男性的で、艶めかしかった。
「何って、一緒に寝ようと思っただけだけれど?」
不思議そうに小首をかしげる。
一緒に寝ることが当たり前のような態度に、私は眩暈がした。確かに真っ当な婚約者であれば、何も問題はない。
「ええっと、昨日は緊急事態だったからだと、理解してしますが毎日というのは……」
「小晴は私が嫌いになったのだろうか……」
「そんなことない!」
「ではどうして?」
あからさまに落ち込むので、良心が痛む。
しかしここで許してしまえば、なし崩し的に日常化してしまう。
「そ、そうではなく……。その、意識してしまうと眠れなくなりそうなので……というか、恥ずかしいというか、心の準備というか……」
「小晴の気持ちに寄り添いたいけれど、夢を媒体に小晴と接点を持とうとする者がいるかもしれないから、できるだけ傍にいたいのだが」
「夢……そう言えば、夢の中で紫苑と出会ったのは……」
「あれは小晴の夢に割り込んで、夢から覚めるように促したんだ」
思い返せば紫苑に起きるように促されたからこそ、私は炎に呑まれるのを避けることができた。あのような怖い目には遭いたくない。
急に怖くなって自分を抱きしめる。
「夢は魂が一番無防備になる。加護や祝福である程度緩和されるが、暫くは小晴と結びを望む者が多いだろうから隣にいたい。小晴が傍にいるのに、奪われたくないのだ」
「紫苑……。そ、それなら……でも、一緒に横になるだけで……」
「手を繋ぐのは?」
「……それぐらいなら」
「抱きしめるのは?」
「なっ……」
「小晴は温かくて、抱きしめると傍にいると、実感出来て安心するのだ」
「ダメです!」
反射的に断ると、紫苑は涙目になった。
(ううっ……そんな目で見てもダメなのです!)
スルーしてお布団に入る。
もぞもぞとしている間に、自分の寝やすいように横向きになる。
「小晴」
「な――んっ」
振り返った直後、唇が重なる。
ついばむようなキスに、全身の血が沸騰するほど熱を帯びた。
困惑と衝撃。
「お休み」
「――っ!」
「もし寂しくなったのなら、いつでも私を抱きしめていいから」
「絶対にしません!」
不意打ちのキスに声を荒げてしまったが、すぐさま布団を頭に被って目を閉じた。
心臓がバックバクと煩い。
手を繋いでほしいといった約束を反故にして、私はそのまま眠りに就こうとした。
けれども不本意ながら興奮してしまったのか、目が冴えてしまって、睡魔が仕事を放棄したようだ。
何度か寝返りを打つと、紫苑は布団の端で横になっている。私のほうを向いていて静かだ。
(改めて近くで見ると睫毛が長い。顔立ちも整っていて、寝顔は少しだけあどけないかも?)
改めてとてつもない美形だ。
こんな極上の異性が隣にいてドキドキしないなんてないだろう。寂しくなったら、と紫苑に言われて、正直ドキリとした。
私の中にぽっかりと空いた穴というか傷を癒すのに、まだまだ時間を要する。だから温もりを求めてしまうのは悪いことではないのだと、暗に言われている気がした。
(まあ、紫苑の場合は、揶揄的と言うより本音なのだろうけれど)
紫苑との距離感に戸惑いながらも、彼の大きな手を掴み少しだけ傍に寄って瞼を閉じた。
まどろむ中で、白檀の香りが色濃くなった気がしたが――そこで意識が途切れる。
(ああ……温かい……)
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