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第2章
第18話 白蛇神の側近たちの視点
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紫苑こと白蛇神が小晴を伴侶に選んだことにより、側近である右近と左近は着々と外堀を埋める手はずを整えていた。運悪く、あるいは良くも白蛇神が動いたことで触発されたヨクナイモノが活発化し、小晴を襲う。
それにより外堀を埋める前に、白蛇神は小晴の身柄を保護することに成功し、すでに幽世の屋敷に運ばれたと連絡が入った。
(目覚めて数日と経っておられないのに、携帯端末の操作までできるとは……。お館様のスペックには驚かされる)
エレベーターは8階で止まり、オフィスビルの一角にある情報専門店に右近と左近は訪れた。黒服の二人を出迎えたのは、白髪混じりの老紳士だ。
斉伯明臣。
表向きは探偵業だが、人外関係の情報網を持つ白蛇神の末裔が作り上げた組織の一つだ。
白銀財閥。日本有数のグループ企業であり、それらを築き上げたのは白蛇神の一柱であり、紫苑の兄である。
活動目的はあくまで、白蛇神信仰の存続と人間社会との共存共栄のため富を得ること。
世間話をしつつ、仕事の話に入る。いつものことだった。
「ほう。ついにこの土地の紫様が伴侶を得たのですか。それはめでたいことですな」
「ええ、本当に。あの方は気まぐれで何もかもどうでも良いと考えているようでしたので、少しホッとしております」
紫は臣下たちが勝手に付けた紫苑の名称だ。白蛇神という名の神々が複数いるため、瞳の色で別けている。ただあくまでも臣下同士での呼び名なため、紫苑に対しては基本的に『白蛇神様』か『お館様』で統一している。
「お館様が番を得たのは確かにめでたい。だが、相手はあの嬢ちゃんだぞ! お前らは何とも思わないのかよ!? 特に左近、あの嬢ちゃんを最初に見つけたのも、助けて加護を最初にしたのも全部、お前だろうが!」
「……右近」
左近は眼鏡の縁を上げて黙り、相方の赤髪の右近は不満を漏らす。
この箔可香市の諸々を白蛇神様の代わりに取り仕切っていたのは、神の御遣いである右近と左近だった。
生まれて千年は古株に入る部類だが、あくまでも御遣いでしかなく、神や精霊と比べると格式は低い。
そのことに左近は微苦笑する。
「ワシは辰之進と古くからの馴染みだっただけで、お嬢との思い入れはない。ただ……幸せになってほしいとは常々思っていた」
「…………」
「それは俺も思っていたさ! あの土地を抑えていられる覡の生き残り。でもそれだけじゃなくて、嬢ちゃんが危ない目に遭いそうになった時、俺やお前が率先して動いていたのに……全部隠して、見守るだけで……お館様にいい所を全部持っていかれて、こう、なんとうのー、腹が立つというか、なんか悔しいってか!」
「右近……」
小晴が幼少期、ヨクナイモノに襲われた際に力添えをしたのが左近だった。親身になって小晴の祖父、辰之進と交流を結び、加護を与えたのも左近だ。神社への奉納への口利きや他の神々への牽制も、ずっと陰で支えてきた。
叫ぶ右近に対して、左近は口元を緩めた。
そこには焦燥感などは全くない。
「思いませんよ。私では小晴様の状況を好転させられませんでしたから。いえ、仮に中途半端に干渉すれば、様子を見ていた他の神々が動いて小晴様を奪ったでしょう。私は神の御遣いでしかありませんから。……だからお館様のお眼鏡に叶ったのなら、それは喜ばしいことです」
「だけどよう! それはつまりこの先ずっと嬢ちゃんの隣にお館様がいて、それをまざまざと見せつけられるんだぞ!? それに耐えられるのか!?」
だん、と壁を叩き右近は叫んだ。
「むしろ視界に入らない方が辛いですし、お館様なら小晴様を幸せにしてくれるでしょう。何より、私に加護と祝福を与えることを許してくれそうですし」
「お前……腹黒いな」
「失礼ですね。当然の権利かと」
加護と祝福には様々な種類が、その中で一方的に求愛するものもある。伴侶が居る相手でも可能ではある。
「はあ……。まあ、お前がそこまで割り切っているのなら俺は何も言わないが……。お館様の不興を買って消されるなよ」
「ええ。まあ、でも腕一本ぐらいは千切られる覚悟はしておきましょう」
「お前、本当に何する気だよ!?」
「別に。小晴様が困った時に助けて、幸福になるお手伝いをさせて頂くだけですよ。当面の目標は相談役となれるよう信頼を勝ち取ることかと」
「お前のそう言う腹黒いところ嫌いじゃないが、本当に、暴走とかすんなよ!?」
「その時は止めて下さいね」
「絶対に断る! 巻き込むなよ!」
赤髪をぐしゃぐしゃにしながら右近は盛大な溜息をはいた。
ずっと目視していた老紳士は顎髭をなぞりながら微笑んだ。
「これから一波乱ある前に、左近殿の真意が聞けて何よりです」
「ん? これでハッピーエンドじゃないのか? お嬢の土地問題は残るが、お館様がいれば問題ないだろう?」
楽観的な右近に対して、斉伯は苦々しげに渋面を作っており、左近の表情も厳しい。一瞬にしてお通夜のような雰囲気になるので、右近は焦った。
「え、何、何!? 違うのかよ?」
「まったく。右近はこの市に関しての情報は完璧に網羅していますが、対人関係や勢力争いやら人外と人間社会の事情には本当に疎いですね」
「煩いな! 俺は霊脈の流れだとか、ヨクナイモノを感知するのは得意だが、世情には疎いんだよ。元々自然界から発生した成り立ちなんだからしょうがねえだろう!」
「そうですね。私のように獣から昇格した場合とは経験値が違うでしょう」
「ぐぬぬぬ」
「これを見て下さい」
斉伯が集めた情報をタブレットにまとめたものだ。タブレットの画面はこの国の地図だったが、色分けをされており何処の神やら妖怪の領地なのかが一目で分かる。
最も分かり易い縄張り争いをしている地域もあれば、領域そのものがあやふやだったり適当だったりしている地域も散見された。
基本的に神様は雑だ。
寛容というわけでなく、括りというか範囲が「だいたいこんな感じ」というのが百メートルであったり、一キロだったり、どんぶり勘定にも程がある。
それは人間の歴史において地名があちこち変わることにも要因している。地名というのはその土地神の恩恵に直結するのだが、名前が変わっただとか区画整理などの事情による変更はあくまで人間の都合であり神々には関係ない。
土地の名が分かる際には神々に報告するという慣習も今は殆ど途絶えてしまっている。それ故、土地を巡って争うのは神々ではなく、神々の末裔、あるいは妖怪の類いだ。
「鬼、龍、烏、うわぁ、狐の……神様まで加護を受けているのか。すげえな、嬢ちゃん」
「ええ、特に妖怪あたりが画策していたようで、ホテル運営者と地上げ屋などがコンタクトを取っていたようですね」
「ああ、藤堂くんか。彼はまあ、見た目はちゃらんぽらんだけれど、まあ、筋は通すかな」
斉伯がフォローを入れたことで強制排除からは除外された。今後次第ではあったが。その後もいくつかの情報共有をしたのち、小晴に人外関係の説明をする話に移り絵心の心得がある右近に丸投げしてお開きとなった。
「くっそぉおおおー」と叫びながらも、律儀にプレゼンの資料を徹夜で仕上げる右近だった。
それにより外堀を埋める前に、白蛇神は小晴の身柄を保護することに成功し、すでに幽世の屋敷に運ばれたと連絡が入った。
(目覚めて数日と経っておられないのに、携帯端末の操作までできるとは……。お館様のスペックには驚かされる)
エレベーターは8階で止まり、オフィスビルの一角にある情報専門店に右近と左近は訪れた。黒服の二人を出迎えたのは、白髪混じりの老紳士だ。
斉伯明臣。
表向きは探偵業だが、人外関係の情報網を持つ白蛇神の末裔が作り上げた組織の一つだ。
白銀財閥。日本有数のグループ企業であり、それらを築き上げたのは白蛇神の一柱であり、紫苑の兄である。
活動目的はあくまで、白蛇神信仰の存続と人間社会との共存共栄のため富を得ること。
世間話をしつつ、仕事の話に入る。いつものことだった。
「ほう。ついにこの土地の紫様が伴侶を得たのですか。それはめでたいことですな」
「ええ、本当に。あの方は気まぐれで何もかもどうでも良いと考えているようでしたので、少しホッとしております」
紫は臣下たちが勝手に付けた紫苑の名称だ。白蛇神という名の神々が複数いるため、瞳の色で別けている。ただあくまでも臣下同士での呼び名なため、紫苑に対しては基本的に『白蛇神様』か『お館様』で統一している。
「お館様が番を得たのは確かにめでたい。だが、相手はあの嬢ちゃんだぞ! お前らは何とも思わないのかよ!? 特に左近、あの嬢ちゃんを最初に見つけたのも、助けて加護を最初にしたのも全部、お前だろうが!」
「……右近」
左近は眼鏡の縁を上げて黙り、相方の赤髪の右近は不満を漏らす。
この箔可香市の諸々を白蛇神様の代わりに取り仕切っていたのは、神の御遣いである右近と左近だった。
生まれて千年は古株に入る部類だが、あくまでも御遣いでしかなく、神や精霊と比べると格式は低い。
そのことに左近は微苦笑する。
「ワシは辰之進と古くからの馴染みだっただけで、お嬢との思い入れはない。ただ……幸せになってほしいとは常々思っていた」
「…………」
「それは俺も思っていたさ! あの土地を抑えていられる覡の生き残り。でもそれだけじゃなくて、嬢ちゃんが危ない目に遭いそうになった時、俺やお前が率先して動いていたのに……全部隠して、見守るだけで……お館様にいい所を全部持っていかれて、こう、なんとうのー、腹が立つというか、なんか悔しいってか!」
「右近……」
小晴が幼少期、ヨクナイモノに襲われた際に力添えをしたのが左近だった。親身になって小晴の祖父、辰之進と交流を結び、加護を与えたのも左近だ。神社への奉納への口利きや他の神々への牽制も、ずっと陰で支えてきた。
叫ぶ右近に対して、左近は口元を緩めた。
そこには焦燥感などは全くない。
「思いませんよ。私では小晴様の状況を好転させられませんでしたから。いえ、仮に中途半端に干渉すれば、様子を見ていた他の神々が動いて小晴様を奪ったでしょう。私は神の御遣いでしかありませんから。……だからお館様のお眼鏡に叶ったのなら、それは喜ばしいことです」
「だけどよう! それはつまりこの先ずっと嬢ちゃんの隣にお館様がいて、それをまざまざと見せつけられるんだぞ!? それに耐えられるのか!?」
だん、と壁を叩き右近は叫んだ。
「むしろ視界に入らない方が辛いですし、お館様なら小晴様を幸せにしてくれるでしょう。何より、私に加護と祝福を与えることを許してくれそうですし」
「お前……腹黒いな」
「失礼ですね。当然の権利かと」
加護と祝福には様々な種類が、その中で一方的に求愛するものもある。伴侶が居る相手でも可能ではある。
「はあ……。まあ、お前がそこまで割り切っているのなら俺は何も言わないが……。お館様の不興を買って消されるなよ」
「ええ。まあ、でも腕一本ぐらいは千切られる覚悟はしておきましょう」
「お前、本当に何する気だよ!?」
「別に。小晴様が困った時に助けて、幸福になるお手伝いをさせて頂くだけですよ。当面の目標は相談役となれるよう信頼を勝ち取ることかと」
「お前のそう言う腹黒いところ嫌いじゃないが、本当に、暴走とかすんなよ!?」
「その時は止めて下さいね」
「絶対に断る! 巻き込むなよ!」
赤髪をぐしゃぐしゃにしながら右近は盛大な溜息をはいた。
ずっと目視していた老紳士は顎髭をなぞりながら微笑んだ。
「これから一波乱ある前に、左近殿の真意が聞けて何よりです」
「ん? これでハッピーエンドじゃないのか? お嬢の土地問題は残るが、お館様がいれば問題ないだろう?」
楽観的な右近に対して、斉伯は苦々しげに渋面を作っており、左近の表情も厳しい。一瞬にしてお通夜のような雰囲気になるので、右近は焦った。
「え、何、何!? 違うのかよ?」
「まったく。右近はこの市に関しての情報は完璧に網羅していますが、対人関係や勢力争いやら人外と人間社会の事情には本当に疎いですね」
「煩いな! 俺は霊脈の流れだとか、ヨクナイモノを感知するのは得意だが、世情には疎いんだよ。元々自然界から発生した成り立ちなんだからしょうがねえだろう!」
「そうですね。私のように獣から昇格した場合とは経験値が違うでしょう」
「ぐぬぬぬ」
「これを見て下さい」
斉伯が集めた情報をタブレットにまとめたものだ。タブレットの画面はこの国の地図だったが、色分けをされており何処の神やら妖怪の領地なのかが一目で分かる。
最も分かり易い縄張り争いをしている地域もあれば、領域そのものがあやふやだったり適当だったりしている地域も散見された。
基本的に神様は雑だ。
寛容というわけでなく、括りというか範囲が「だいたいこんな感じ」というのが百メートルであったり、一キロだったり、どんぶり勘定にも程がある。
それは人間の歴史において地名があちこち変わることにも要因している。地名というのはその土地神の恩恵に直結するのだが、名前が変わっただとか区画整理などの事情による変更はあくまで人間の都合であり神々には関係ない。
土地の名が分かる際には神々に報告するという慣習も今は殆ど途絶えてしまっている。それ故、土地を巡って争うのは神々ではなく、神々の末裔、あるいは妖怪の類いだ。
「鬼、龍、烏、うわぁ、狐の……神様まで加護を受けているのか。すげえな、嬢ちゃん」
「ええ、特に妖怪あたりが画策していたようで、ホテル運営者と地上げ屋などがコンタクトを取っていたようですね」
「ああ、藤堂くんか。彼はまあ、見た目はちゃらんぽらんだけれど、まあ、筋は通すかな」
斉伯がフォローを入れたことで強制排除からは除外された。今後次第ではあったが。その後もいくつかの情報共有をしたのち、小晴に人外関係の説明をする話に移り絵心の心得がある右近に丸投げしてお開きとなった。
「くっそぉおおおー」と叫びながらも、律儀にプレゼンの資料を徹夜で仕上げる右近だった。
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