5 / 42
第一幕
第5話 復讐劇を誓いましょう
しおりを挟む
谷底の淵で青紫色の美しい炎が宵闇を照らす。青紫の炎は蝶となって、私の眷族の元へ向かう。
屍となった眷族が復活するまで、今しばらく時間が掛かりそうね。
始めたのは、人間側だ。
降りかかる火の粉は払う。
まずは国を一望できる場所に行こうかしら。
ふと自分の姿を確認すべく、大きめの鏡を魔法で作り出した。
くすんだ髪は艶やかな蜂蜜色に代わり、真っ白な肌と石榴のような瞳は吸血鬼らしい。服は焼け焦げてしまったので、真っ赤なドレスを魔法で作り出す。瑞々しい薔薇の花が使われたドレスを身に纏い、背中は蝙蝠の翼があるので、背中が見えるドレスにした。
これから夜会に行くような装いになると、少しだけ気分がいい。
吸血鬼女王として覚醒して、これ以上ないくらい怒ると頭は少しだけ冷静になるらしい。
今から王家に突貫して、恐怖を刻み込みながらこの国を滅ぼす。王家、貴族、教会……どこからがいいかしら。それとも眷族をねずみ算式に増やしてから王族や貴族、教会をじっくりと滅ぼすのもありよね。磔、火炙り、拷問、やることはたくさんあるわ。簡単には殺さない。……ああ、どの方法が一番、辛いだろうか。一瞬でなんて絶対に終わらせてやるものか!
パキパキ、と自分の影が黒薔薇の形へと変わっていく。目覚めばかりの眷族はどうにも弱々しい。
ああ、そうだ。何をするにも空腹ではいけない。この土地の預けていた地脈を返して貰おう。
大地に根を張り、この国の地脈に随時干渉し奪い返す。昔、始祖、吸血鬼女王の力を恐れた者たちが切り離した。幾重にも術式と契約を重ねて、私たち一族を弱らせた──とされているが、実際は違う。
人と生きていくには大きすぎる力だから、地脈との接続を切って、人間に歩み寄ったのだ。
統治を人間に譲ったのも、後ろ盾として動いたほうが良いと判断したから、二千年と持たずにその関係が崩れるとは想定外だったけれど。
ごく、ごくん。
ああ、黒薔薇が青紫色に戻っていく。
「これで地の利は八割抑えた……。ふふっ、守り手の癖に脆弱になったものね」
グォオオオオオオオン!
地下深くから凄まじい咆哮が、地面を通して伝わってくる。
『おのれ、我らから略奪するとは……』
「略奪? お前たちが魔界で居場所がないからと、役割を与えただけなのを忘れたのか?」
『……っ』
この地脈をねぐらにしていた古き竜たちには少し可哀想なことをしたが、所詮この世は弱肉強食。
理想なき力は秩序を崩し、力なき理想は絵空事になる。古き竜はぎゃあぎゃあと喚いていたが、軽く地下を睨んだら黙った。気骨のある竜はいないのかしら。
逆上して襲ってくるようなら八つ当たりできると思ったのに、残念ね。
「お前たちが人間を管理しなかったからだろうに何をいう。この地を貸し与えた時の盟約を忘れたのか? 人間を庇護するだけで増長させた責任をお前たちにも取って貰うべきかしら?」
『ひっ……、こんなことができるのは……まさか……』
そう。全てを壊し尽くすと決めたのに、何を甘いことを思ったのだろう。この国を更地に変えて、血だまりにすれば少しは怒りも収まるかしら。
流れ込んでくるエネルギーの奔流が心地よく感じられる。
始祖、吸血鬼女王の意志に私は圧倒される。膨大な情報に意識がもっていかれそうだ。けれど悪くない。身を委ねてしまえば楽になる。
全てを壊し尽くし、人間を滅ぼす。
残酷で、無慈悲な最期を与えるのだ。
自分の心も体も人間から逸脱しつつある。
ああ、人間らしさ、情なんて不要。ここで地震を起こして、国の半数を殺そうかしら。
それとも地脈をずらして土地の恩恵ごと奪って、少しずつ凶作を齎すのも面白そう。
「ふふふっ、人間を全て滅ぼすまで、止まらな──」
「おねーさま!」
「ねぇさま!」
「ぎゃふっ!?」
私の両頬に突貫してきたのは、小さな蝙蝠たちだ。しかも可愛らしい。私の覚醒で生まれた使い魔だろうか。そう思っていたのだが、この魔力は覚えがある。
怒り狂っていた心が大きく揺らぐ。
「…………まさか、ルイス? ローザ!?」
「はい、おねーさま!」
「そうです。僕たち死にかけていたのですが、ねぇさまの覚醒で、蝙蝠に転属して生き延びました!」
「おねーさま、消えないで! ローザ、毎日朝早く起きて、ご挨拶もちゃんとできるようになりますから! 人参も食べるようになります! 泣くのを我慢しますぅ! だから!」
「僕だって、ねぇさまのお役に立てるようにします! 拷問だって、諜報活動だっておてのものです! それにピーマンも食べるようになりますから!」
ローザとルイスのお願いが可愛らしい。……いや、ルイスは途中で拷問とか、諜報活動とか物騒なワードが出てきたけれど!
ああ、でも私の知っている弟と妹だ。
始祖、吸血鬼女王の意識に身を委ねてもよかった。リリスたちに復讐できるのなら、全てを壊したあと自分が消えても良かった。
けれど弟妹を残して私だけリタイアなんてできない。復讐の後のことまで考えて、この子たちの幸せを守らなければ――死にきれない。揺らいでいた心が決意に変わる。
ふと始祖の意識が薄れて私の中に溶け込む。まるで始祖が自分の意志で眠ったかのようだった。なんで? ありがたいけれど。
「ねぇさま」
「おねーさま」
「……大丈夫よ。ローザとルイスを残して消えたりしないわ」
「約束ですよ!」
「そう約束!」
「ローザ、ルイス、ああ、もうなんて可愛らしくて、愛おしいのかしら! 大好きよ」
十センチ前後のまん丸なフォルムの可愛らしい黒と紫の蝙蝠は、モフモフしているではないか。おまんじゅうのような弾力がある。弟妹をひとしきり愛でたことで、激昂していた感情がだいぶ収まった。
生きていた。
死んでしまったと思っていた大切な、大切な、私の大切なルイスとローザ。
始祖と完全に同化してしまったら、心が温かくなることも、涙を流すこともなかっただろう。
頬を伝って止めどなく涙が流れ落ちる。
「僕もねぇさまが大好きです! 大きくなったら結婚してくれます?」
「あー、駄目。おねーさまは私と結婚するの!」
「ふふっ、まあ、嬉しいわね」
殺意と怒りと復讐だった心に、人間だった頃の温かみを取り戻す。それはある意味、私にとって大きな分岐点だっただろう。
復讐の権現と化すか、あるいは叡智ある吸血鬼女王として統治を望むか。それこそが私のバッドエンドを回避する徹底的な差異。全てを失っていたらバッドエンドでもよかったけれど、今は違う。そんな未来を望まない。
「よかったわ。二人がいなかったら、ノープランで王家に突貫するところだったもの」
「おねーさまは、冷静沈着に見えて昔から直情型ですものね」
「ねぇさまのためにも、頑張って良かった! えらい? えらい?」
「ええ、二人が私にとっての救世主よ」
私は小さな弟妹を両手に包むようにして抱きしめた。
復讐はする――これは覆らない。
我ら一族を不要だと切り捨てたこの国を、王族、貴族、教会を絶対に許さない。リリスの暴挙も見逃すわけにはいかない。
でも、それだけじゃつまらないわ。
……ああ、そうだわ。『ざまあ』な復讐劇なら面白いかも。ふふっ、とびきり目が覚めるような舞台をご用意しなくては。
屍となった眷族が復活するまで、今しばらく時間が掛かりそうね。
始めたのは、人間側だ。
降りかかる火の粉は払う。
まずは国を一望できる場所に行こうかしら。
ふと自分の姿を確認すべく、大きめの鏡を魔法で作り出した。
くすんだ髪は艶やかな蜂蜜色に代わり、真っ白な肌と石榴のような瞳は吸血鬼らしい。服は焼け焦げてしまったので、真っ赤なドレスを魔法で作り出す。瑞々しい薔薇の花が使われたドレスを身に纏い、背中は蝙蝠の翼があるので、背中が見えるドレスにした。
これから夜会に行くような装いになると、少しだけ気分がいい。
吸血鬼女王として覚醒して、これ以上ないくらい怒ると頭は少しだけ冷静になるらしい。
今から王家に突貫して、恐怖を刻み込みながらこの国を滅ぼす。王家、貴族、教会……どこからがいいかしら。それとも眷族をねずみ算式に増やしてから王族や貴族、教会をじっくりと滅ぼすのもありよね。磔、火炙り、拷問、やることはたくさんあるわ。簡単には殺さない。……ああ、どの方法が一番、辛いだろうか。一瞬でなんて絶対に終わらせてやるものか!
パキパキ、と自分の影が黒薔薇の形へと変わっていく。目覚めばかりの眷族はどうにも弱々しい。
ああ、そうだ。何をするにも空腹ではいけない。この土地の預けていた地脈を返して貰おう。
大地に根を張り、この国の地脈に随時干渉し奪い返す。昔、始祖、吸血鬼女王の力を恐れた者たちが切り離した。幾重にも術式と契約を重ねて、私たち一族を弱らせた──とされているが、実際は違う。
人と生きていくには大きすぎる力だから、地脈との接続を切って、人間に歩み寄ったのだ。
統治を人間に譲ったのも、後ろ盾として動いたほうが良いと判断したから、二千年と持たずにその関係が崩れるとは想定外だったけれど。
ごく、ごくん。
ああ、黒薔薇が青紫色に戻っていく。
「これで地の利は八割抑えた……。ふふっ、守り手の癖に脆弱になったものね」
グォオオオオオオオン!
地下深くから凄まじい咆哮が、地面を通して伝わってくる。
『おのれ、我らから略奪するとは……』
「略奪? お前たちが魔界で居場所がないからと、役割を与えただけなのを忘れたのか?」
『……っ』
この地脈をねぐらにしていた古き竜たちには少し可哀想なことをしたが、所詮この世は弱肉強食。
理想なき力は秩序を崩し、力なき理想は絵空事になる。古き竜はぎゃあぎゃあと喚いていたが、軽く地下を睨んだら黙った。気骨のある竜はいないのかしら。
逆上して襲ってくるようなら八つ当たりできると思ったのに、残念ね。
「お前たちが人間を管理しなかったからだろうに何をいう。この地を貸し与えた時の盟約を忘れたのか? 人間を庇護するだけで増長させた責任をお前たちにも取って貰うべきかしら?」
『ひっ……、こんなことができるのは……まさか……』
そう。全てを壊し尽くすと決めたのに、何を甘いことを思ったのだろう。この国を更地に変えて、血だまりにすれば少しは怒りも収まるかしら。
流れ込んでくるエネルギーの奔流が心地よく感じられる。
始祖、吸血鬼女王の意志に私は圧倒される。膨大な情報に意識がもっていかれそうだ。けれど悪くない。身を委ねてしまえば楽になる。
全てを壊し尽くし、人間を滅ぼす。
残酷で、無慈悲な最期を与えるのだ。
自分の心も体も人間から逸脱しつつある。
ああ、人間らしさ、情なんて不要。ここで地震を起こして、国の半数を殺そうかしら。
それとも地脈をずらして土地の恩恵ごと奪って、少しずつ凶作を齎すのも面白そう。
「ふふふっ、人間を全て滅ぼすまで、止まらな──」
「おねーさま!」
「ねぇさま!」
「ぎゃふっ!?」
私の両頬に突貫してきたのは、小さな蝙蝠たちだ。しかも可愛らしい。私の覚醒で生まれた使い魔だろうか。そう思っていたのだが、この魔力は覚えがある。
怒り狂っていた心が大きく揺らぐ。
「…………まさか、ルイス? ローザ!?」
「はい、おねーさま!」
「そうです。僕たち死にかけていたのですが、ねぇさまの覚醒で、蝙蝠に転属して生き延びました!」
「おねーさま、消えないで! ローザ、毎日朝早く起きて、ご挨拶もちゃんとできるようになりますから! 人参も食べるようになります! 泣くのを我慢しますぅ! だから!」
「僕だって、ねぇさまのお役に立てるようにします! 拷問だって、諜報活動だっておてのものです! それにピーマンも食べるようになりますから!」
ローザとルイスのお願いが可愛らしい。……いや、ルイスは途中で拷問とか、諜報活動とか物騒なワードが出てきたけれど!
ああ、でも私の知っている弟と妹だ。
始祖、吸血鬼女王の意識に身を委ねてもよかった。リリスたちに復讐できるのなら、全てを壊したあと自分が消えても良かった。
けれど弟妹を残して私だけリタイアなんてできない。復讐の後のことまで考えて、この子たちの幸せを守らなければ――死にきれない。揺らいでいた心が決意に変わる。
ふと始祖の意識が薄れて私の中に溶け込む。まるで始祖が自分の意志で眠ったかのようだった。なんで? ありがたいけれど。
「ねぇさま」
「おねーさま」
「……大丈夫よ。ローザとルイスを残して消えたりしないわ」
「約束ですよ!」
「そう約束!」
「ローザ、ルイス、ああ、もうなんて可愛らしくて、愛おしいのかしら! 大好きよ」
十センチ前後のまん丸なフォルムの可愛らしい黒と紫の蝙蝠は、モフモフしているではないか。おまんじゅうのような弾力がある。弟妹をひとしきり愛でたことで、激昂していた感情がだいぶ収まった。
生きていた。
死んでしまったと思っていた大切な、大切な、私の大切なルイスとローザ。
始祖と完全に同化してしまったら、心が温かくなることも、涙を流すこともなかっただろう。
頬を伝って止めどなく涙が流れ落ちる。
「僕もねぇさまが大好きです! 大きくなったら結婚してくれます?」
「あー、駄目。おねーさまは私と結婚するの!」
「ふふっ、まあ、嬉しいわね」
殺意と怒りと復讐だった心に、人間だった頃の温かみを取り戻す。それはある意味、私にとって大きな分岐点だっただろう。
復讐の権現と化すか、あるいは叡智ある吸血鬼女王として統治を望むか。それこそが私のバッドエンドを回避する徹底的な差異。全てを失っていたらバッドエンドでもよかったけれど、今は違う。そんな未来を望まない。
「よかったわ。二人がいなかったら、ノープランで王家に突貫するところだったもの」
「おねーさまは、冷静沈着に見えて昔から直情型ですものね」
「ねぇさまのためにも、頑張って良かった! えらい? えらい?」
「ええ、二人が私にとっての救世主よ」
私は小さな弟妹を両手に包むようにして抱きしめた。
復讐はする――これは覆らない。
我ら一族を不要だと切り捨てたこの国を、王族、貴族、教会を絶対に許さない。リリスの暴挙も見逃すわけにはいかない。
でも、それだけじゃつまらないわ。
……ああ、そうだわ。『ざまあ』な復讐劇なら面白いかも。ふふっ、とびきり目が覚めるような舞台をご用意しなくては。
90
お気に入りに追加
287
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】あなたの思い違いではありませんの?
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
複数の物語の登場人物が、一つの世界に混在しているなんて?!
「カレンデュラ・デルフィニューム! 貴様との婚約を破棄する」
お決まりの婚約破棄を叫ぶ王太子ローランドは、その晩、ただの王子に降格された。聖女ビオラの腰を抱き寄せるが、彼女は隙を見て逃げ出す。
婚約者ではないカレンデュラに一刀両断され、ローランド王子はうろたえた。近くにいたご令嬢に「お前か」と叫ぶも人違い、目立つ赤いドレスのご令嬢に絡むも、またもや否定される。呆れ返る周囲の貴族の冷たい視線の中で、当事者四人はお互いを認識した。
転生組と転移組、四人はそれぞれに前世の知識を持っている。全員が違う物語の世界だと思い込んだリクニス国の命運はいかに?!
ハッピーエンド確定、すれ違いと勘違い、複数の物語が交錯する。
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/11/19……完結
2024/08/13……エブリスタ ファンタジー 1位
2024/08/13……アルファポリス 女性向けHOT 36位
2024/08/12……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる