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第1章 出会いの夜
第6夜 愛を込めて
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斧がギルバートに当たる寸前に、ハザードはルルを蹴り飛ばした。
ルルは斧で咄嗟にこれを防御するも、ズザザザと後ろに反動で後退する。
「もう~ママにレディは丁寧に扱えって教えられていないの?」
「あいにくだが、吸血鬼ハンターに優しくしろとは教えられてないんでな。」
ハザードは横にいたギルバートに命令する。
「ギルバート、お前は下がっていろ。」
「へえ~ギルバートっていうのね♡ステキな名前♡」
ルルが名前を知ってキャッキャと騒いでいると、ハザードが殺気を醸し出した。
「フフッ、殺る気?」
ルルもそれに負けじと殺気を出す。
「私、おじさまはあんまりタイプじゃないんだけどな~★」
「ふん、貴様の好みなぞ知るか。」
両者はお互いに戦闘態勢を取る。
緊張感が漂う中、
「じゃ、ささっとおじさま殺っちゃって、ギルバートちゃんを家に持ってか~えろっ♡」
先に仕掛けたのはルルだった。
ルルは右手で斧を振り払うがハザードが避ける。
斧は一撃の威力は大きい分、一撃を外すと隙が大きい。
ハザードはその隙を狙って、ルルを仕留めよう強烈なパンチを繰り出した。
「引っかかったわね…♡」
ルルは斧を盾代わりにしてパンチの力を上手く受け流すと、左手にあらかじめ仕込んでいたナイフで突き刺そうとしてきた。
(そっちが本命か…!)
ハザードはのけぞり、危機一髪で致命傷を避けた。
「うーん、かすっただけか~残念★」
ルルはナイフを引っ込め、斧を持ち直してハザード狙って振り落とした。
ハザードはその攻撃も華麗に避けると、再びルルにパンチをくらわせた。
しかし、ルルはまたしても斧を盾代わりにして防御する。そしてルルが防御から攻撃に転じようとした時、その一瞬の隙を突いてハザードの足蹴りが炸裂した。足蹴りは見事命中して、ルルは数メートル先まで飛ばされた。
「へえ、なかなかやるじゃない☆」
「次で殺す。」
「それは…こっちのセリフよ★」
ルルは灰色の玉を取り出し地面に叩きつける。
すると、煙がモクモクと辺りに広がった。
「ちっ!前が見えん!」
(あたり前よ☆それは吸血鬼の目と耳を一時的に機能停止させるアイテムなんだもの。)
ハザードが混乱している中、ルルはハザードに目もくれずギルバートの方へ向かってきた。
ギルバートも煙で周りが全く見えていない。
ルルは気配を消してギルバートの近くまで来ると、斧をそっと置き、ナイフを取り出した。
「さあて♡じゃあ、私の愛を受け取って!」
ザシュッ
鈍い音が辺りに響く。
ポタポタッと斧にもギルバートの血が飛び散る。血はギルバートの肩から垂れ落ちていた。ギルバートはすんでのところでルルのわずかな殺気に気づき、咄嗟に避けたのだ。
「避けちゃダメよ、なるべく綺麗な状態ではく製にしたいのに♡」
「そこに…いるのか!」
(くそっ目も耳もいかれて『狂愛』がどこにいるのか分からない…!)
「フフッ、可愛らしい子♡」
ルルが愛おしそうな目でギルバートを見ていると、後方からハザードの拳が迫ってきた。
ルルは殺気に気づき、素早く前方へ移動した。
「小娘が…舐めるなよ!」
「目と耳が壊れているのに私を探しだすなんて、今まで狩った吸血鬼の中でも最強クラスで化け物じみてるわね★」
次の瞬間、ルルは一瞬で至近距離まで近づき、真っ二つにしようとハザードに斧を振り落とした。
(仕留めた…☆)
ルルがそう確信した瞬間、信じられないことが起きた。
ハザードに命中する前にルルの斧にヒビが入り、粉々に砕け散ったのだ。
これにはハザードも驚いていた。
「え~まじかよ☆」
ルルは一旦二人から距離を取って、すぐに頭の中で最善の策を考えた。
(煙玉はまだあるけど、斧は無くなってナイフもギルバートちゃんに刺さったまんま…素手では吸血鬼ちゃんたちにとても敵わないし…よし☆)
「勝ち目なさそうだから逃げよっ☆」
「逃がすとでも?」
ルルは懐から先ほどの玉を複数個取り出して地面に叩きつけた。
するとさらに煙がモクモクと出現して、ハザードとギルバートの目と耳を機能停止にした。
「フフッあなたとはまたどこかで会えそうな気がするわ♡じゃあね~ギルバートちゃん☆」
「待て!」
ギルバートが呼び止めるも返事はなかった。
煙が消えた頃には、ルルはすでにそこにはいなかった。
「ちっ何と逃げ足の速い…」
ハザードは少し悔しそうにしていた。
一方、ハザードから逃げ切ったルルは珍しく考え込んでいた。
(私の斧は吸血鬼の攻撃で壊れるほど脆くはないはず…そういえばあの時、ギルバートちゃんの血が付着した部分からヒビが入ったような…まさかね☆)
ルルは斧で咄嗟にこれを防御するも、ズザザザと後ろに反動で後退する。
「もう~ママにレディは丁寧に扱えって教えられていないの?」
「あいにくだが、吸血鬼ハンターに優しくしろとは教えられてないんでな。」
ハザードは横にいたギルバートに命令する。
「ギルバート、お前は下がっていろ。」
「へえ~ギルバートっていうのね♡ステキな名前♡」
ルルが名前を知ってキャッキャと騒いでいると、ハザードが殺気を醸し出した。
「フフッ、殺る気?」
ルルもそれに負けじと殺気を出す。
「私、おじさまはあんまりタイプじゃないんだけどな~★」
「ふん、貴様の好みなぞ知るか。」
両者はお互いに戦闘態勢を取る。
緊張感が漂う中、
「じゃ、ささっとおじさま殺っちゃって、ギルバートちゃんを家に持ってか~えろっ♡」
先に仕掛けたのはルルだった。
ルルは右手で斧を振り払うがハザードが避ける。
斧は一撃の威力は大きい分、一撃を外すと隙が大きい。
ハザードはその隙を狙って、ルルを仕留めよう強烈なパンチを繰り出した。
「引っかかったわね…♡」
ルルは斧を盾代わりにしてパンチの力を上手く受け流すと、左手にあらかじめ仕込んでいたナイフで突き刺そうとしてきた。
(そっちが本命か…!)
ハザードはのけぞり、危機一髪で致命傷を避けた。
「うーん、かすっただけか~残念★」
ルルはナイフを引っ込め、斧を持ち直してハザード狙って振り落とした。
ハザードはその攻撃も華麗に避けると、再びルルにパンチをくらわせた。
しかし、ルルはまたしても斧を盾代わりにして防御する。そしてルルが防御から攻撃に転じようとした時、その一瞬の隙を突いてハザードの足蹴りが炸裂した。足蹴りは見事命中して、ルルは数メートル先まで飛ばされた。
「へえ、なかなかやるじゃない☆」
「次で殺す。」
「それは…こっちのセリフよ★」
ルルは灰色の玉を取り出し地面に叩きつける。
すると、煙がモクモクと辺りに広がった。
「ちっ!前が見えん!」
(あたり前よ☆それは吸血鬼の目と耳を一時的に機能停止させるアイテムなんだもの。)
ハザードが混乱している中、ルルはハザードに目もくれずギルバートの方へ向かってきた。
ギルバートも煙で周りが全く見えていない。
ルルは気配を消してギルバートの近くまで来ると、斧をそっと置き、ナイフを取り出した。
「さあて♡じゃあ、私の愛を受け取って!」
ザシュッ
鈍い音が辺りに響く。
ポタポタッと斧にもギルバートの血が飛び散る。血はギルバートの肩から垂れ落ちていた。ギルバートはすんでのところでルルのわずかな殺気に気づき、咄嗟に避けたのだ。
「避けちゃダメよ、なるべく綺麗な状態ではく製にしたいのに♡」
「そこに…いるのか!」
(くそっ目も耳もいかれて『狂愛』がどこにいるのか分からない…!)
「フフッ、可愛らしい子♡」
ルルが愛おしそうな目でギルバートを見ていると、後方からハザードの拳が迫ってきた。
ルルは殺気に気づき、素早く前方へ移動した。
「小娘が…舐めるなよ!」
「目と耳が壊れているのに私を探しだすなんて、今まで狩った吸血鬼の中でも最強クラスで化け物じみてるわね★」
次の瞬間、ルルは一瞬で至近距離まで近づき、真っ二つにしようとハザードに斧を振り落とした。
(仕留めた…☆)
ルルがそう確信した瞬間、信じられないことが起きた。
ハザードに命中する前にルルの斧にヒビが入り、粉々に砕け散ったのだ。
これにはハザードも驚いていた。
「え~まじかよ☆」
ルルは一旦二人から距離を取って、すぐに頭の中で最善の策を考えた。
(煙玉はまだあるけど、斧は無くなってナイフもギルバートちゃんに刺さったまんま…素手では吸血鬼ちゃんたちにとても敵わないし…よし☆)
「勝ち目なさそうだから逃げよっ☆」
「逃がすとでも?」
ルルは懐から先ほどの玉を複数個取り出して地面に叩きつけた。
するとさらに煙がモクモクと出現して、ハザードとギルバートの目と耳を機能停止にした。
「フフッあなたとはまたどこかで会えそうな気がするわ♡じゃあね~ギルバートちゃん☆」
「待て!」
ギルバートが呼び止めるも返事はなかった。
煙が消えた頃には、ルルはすでにそこにはいなかった。
「ちっ何と逃げ足の速い…」
ハザードは少し悔しそうにしていた。
一方、ハザードから逃げ切ったルルは珍しく考え込んでいた。
(私の斧は吸血鬼の攻撃で壊れるほど脆くはないはず…そういえばあの時、ギルバートちゃんの血が付着した部分からヒビが入ったような…まさかね☆)
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