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14話 会社員、クエストを受ける
しおりを挟む一夜明け、俺たちは町を歩いていた。町を歩いているとちらほら冒険者っぽい人々を見かける。
「しっかし、他の冒険者ってどう金を得てるんだろうな?」
俺はふと疑問に思ってたことをヤヴォルに聞いた。
「クエストだな。」
「クエスト?」
「ああ、町のギルドの掲示板に掲示してある依頼書のことだ。モンスターの討伐や薬草の採取など様々な依頼を解決させて報酬を得るんだ。」
「へえー。てか、前の町でもクエストやればすぐに借金返せたんじゃ…」
「以前の私たちの実力では薬草採取でも命懸けだと思うぞ。」
俺は4人でモンスターを倒した?時のことを思い出す。
炎魔法と水魔法を打ち消しあう俺とバカ。
一匹雑魚モンスターを倒しただけでドヤ顔を披露し、次の瞬間別のモンスターにあっさりと倒された中2病。
何もしないドS女。
もはや、君いたの?状態のスライモン。
うん、ダメだこりゃ☆
薬草採る前に雑魚モンスターにやられるのがオチだな。
「だけど、今のあたしたちはちがーう!」
バカがそう言うと同時に拳を突き上げる。
「あのハードルートで鍛えられた今のあたしたちなら、薬草採りぐらいはできるようになっているはず!」
「うむ。バカランカの言うとおりだ!」
あっ、あんだけ死線潜ってもまだ薬草取りぐらいしかできないレベルなんだ。
と俺が思っていると、
「と、いうことでクエストをするぞ!」
とバカが言うやいなや、ギルドに到着した。
ギルドの中に入り、俺たちは依頼書が貼ってある掲示板のところまで行くと、たくさんの冒険者が掲示板の近くでガヤガヤとしていた。
「まずいぞ!早く依頼書を取らないと!」
「えっ?」
「依頼書は取ったもん勝ちなんだ!」
「いや、バーゲンセールで商品奪い合いしている主婦たちかよおおお!」
「ということで男共。
ちょっくら取ってこい。」
「俺たちだけで?」
「あんなむさ苦しい男共の中に私たちも行けと?」
「それもそうか。力ずくで依頼書取ってきてやらあああ!」
「ふっ。我は人間共の愚行を傍観しておこう。」
と、ささくさとその場から離れようとするレオターをヤヴォルが鞭で巻き付ける。
「貴様。我を誰と心得る!我は暗黒…」
「行って来い。」
「な、俺は…」
「行って来い。」
「………ふっ。」
レオターいわく、その時のヤヴォルの顔はどんな魔物よりも怖かったという。
俺とレオターが必死に(特にレオター)が依頼書を取らんと奮闘して、やっとのことで薬草採りの依頼書をGETした。
依頼書には依頼内容と薬草の生息域を記した地図が書かれてあり、右上に『5』と表示されていた。
「なあ、この数字って何だ?」
「ああ、それはそのクエストの難易度を表しているやつだ。1から5の5段階あって1が1番難易度が高くて、5が1番難易度が低いクエストになってるんだ。」
と、ヤヴォルがざっくりと教えてくれた。
そして俺たちは受け付けのところまで行き、依頼書を提出した。
「はい、それではこの水晶玉に顔を近づけてください。」
受け付けの人の言うとおり1人ずつ顔を水晶玉に近づけると、水晶玉の横から1人1人の写真が出現した。受け付けの人が依頼書にその写真を貼る。
「受け付けを完了いたしました。それでは、クエストへいってらっしゃいませ。」
「よおし、それじゃあ薬草採りに行きますか!」
俺たちはギルドを出て、薬草がある地域へと向かうのだった。
。
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